32.クラシックホラー ファンタジー

2015年12月20日 (日)

ピーター・カッシング in 『スター・ウォーズ』/グランド・モフ・ターキン 恐怖の肖像

スター・ウォーズシリーズ最新作『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(STAR WARS: THE FORCE AWAKENS)が
2015年12月18日に公開されたのに伴い、シリーズにグランド・モフ・ターキン役で出演した、
英国の俳優ピーター・カッシングについて書いた私のブログも、アクセスが急伸しています。
ピーター・カッシング超入門/写真で見るその代表作と当たり役


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といっても、1994年に亡くなっているカッシングが今度の新作に出演している筈ありませんし、
モフ・ターキンというキャラクターも第1作(エピソー4 1977年)で死んでいますから、
エピソード7にあたる新作にはまったく登場しません。
にも拘わらずアクセスが伸びるのですから、SWパワーには驚かされます。

以前にブログを書いた時とは比べようもないほど、今は様々な画像を流布しています。
今回はそれらを少し紹介します。

ピーター・カッシング(Peter Cushing 1913年5月26日-1994年8月11日)
フランケンシュタインやドラキュラなどのクラシックホラー映画の大スター。
またシャーロック・ホームズ役でも知られる英国の名優。

SW公開時は既に64歳。
戦後のクラシカルな怪奇映画の黄金期は終わり、老境に差し掛かって、
ホラー・ファンタジー分野の大御所といったポジションでした。


グランド・モフ・ウィルハフ・ターキン(Grand Moff Wilhuff Tarkin)

帝国軍の大幹部。総督。デス・スターの最高司令官。
第一作『新たなる希望』におけるトップヒール。冷酷非道、ダース・ベイターを従える悪の大ボスポジションでした。

ターキンの登場はすべてデススター内で、
前半の会議のシーン、中盤でレイア姫の故郷の星を破壊するシーン
ラストで戦況を見つめるシーンが主で、その他細かいシーンがいくつかあります。


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戦況を見つめるターキン。
この顎に手をやるのはターキンに限らず、カッシングお得意のポーズです。
なんと美しいこと!


撮影の様子を写したスナップ写真も色々と出てきています。

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右の巨漢の男性はダース・ベイダーを演じたデビッド・プラウズ。
カッシングとはこれ以前に、フランケンシュタイン映画で博士と怪物として共演したことがあります。


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カッシングは冷酷な悪役も正義の吸血鬼ハンターや探偵もやる人でしたが、
モフ・ターキンは冷血漢の集大成のような役でした。
その人柄は聖人のごとく称えられる人格者として知られます。
紹介したスナップ写真からも、その素顔が垣間見えます。


Old Fashioned Club  月野景史

2015年6月14日 (日)

【訃報】クリストファー・リー死去/ドラキュラ・怪奇映画の大スター 8か国語を操る国際俳優

イギリスの俳優、クリストファー・リーが6月7日、亡くなりました。93歳。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG11H9D_R10C15A6CZ8000/

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戦後のクラシックホラー映画(怪奇映画)の大スター。
特に吸血鬼ドラキュラ役で高名。
私が特に敬愛するピーター・カッシングとは、怪奇の名コンビとして知られます。

・・・といっても、それは主に1950年代末から1970年代半ば頃までの話で、
その後も長く世界を舞台に活躍した国際的名優ですので、怪奇俳優との呼び方は失礼かも知れません。
ではありますが、この分野のファンとして、やはり敬意を込め、
このブログでは怪奇名優として、追悼の辞を書かせていただきます。


クリストファー・フランク・カランディーニ・リー
(Sir Christopher Frank Carandini Lee, CBE、1922年5月27日 - 2015年6月7日)
英国出身ですが、母親は名門貴族の家系を継ぐ家の生まれ。
しかし俳優としては、193cmの身長を持て余し、1950年代半ばまではあまり役に恵まれませんでした。


ゴシックホラー映画
主に19世紀以前を舞台とし、ドラキュラやフランケンシュタイン、
狼男やミイラ男が跋扈する、恐ろしくも優雅で魅惑的な世界。
戦前、アメリカのユニバーサル映画が多くの名作を送り出しましたが、戦後は廃れていました。

その復興に乗り出したのが、英国のハマ―・フィルム・プロダクション。
第1弾として、『フランケンシュタイン』のリメイクにとりかかります。


最初は“フランケンシュタインの怪物”から
紆余曲折を経て、ハマーの『フランケンシュタインの逆襲』(1957年公開)は
怪物の創造者であるフランケンシュタイン男爵を主役とすることとなり、
英国のテレビドラマのトップスターだったピーター・カッシングの起用が決まりました。

怪物の方は、戦前の怪奇スター、ボリス・カーロフが扮した有名なユニバーサルタイプの
デザインは採用せず、
オリジナルでいくことになり、配役されたのがリーだったのです。


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リーが扮した“フランケンシュタインの怪物”

古典ホラ―の復活は歓迎され、映画は世界的大ヒットしました。
ただ、定着していたユニバーサル版モンスターのイメージとは違うリーの怪物の評価は高くはありませんでした。
少しグロテスク過ぎた面もありました。


ドラキュラ役で怪奇の大スターへ
さて、フランケンシュタインで当てたハマ―は、次はドラキュラにとりかかります。
主演はもちろん、一躍世界的怪奇スターとなったカッシング。
ただ、ドラキュラではなく、正義のヒーローであるヴァン・ヘルシングを演じることになりました。
そして、リ―がドラキュラに起用されたのです。

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同じ怪物とはいえ、言葉もしゃべれずヨタヨタ歩くグロテスクなモンスターに比べ、ドラキュラ伯爵は貴族です。
よく配役されたものですが、これがピッタリはまりました。
公開されたハマーの『吸血鬼ドラキュラ』(1958年)は前作を上回る世界的大ヒット。
そして長身、貴族の血をひく風格ある佇まい、圧倒的迫力、力のある美声、
リ―はユニバーサルのベラ・ルゴシと並ぶドラキュラ俳優としての名声を得ました。

以降、リーはカッシングと共に怪奇映画の大スターとして、多くの映画に出演していきます。
「ピーター・カッシング&クリストファー・リー」は怪奇映画の代名詞となりました。
ただ、ドラキュラ役については、イメージの固定化を嫌い、ハマーに懇願されて再演するまで8年間演じませんでした。
せっかく掴んだ当たり役なのに、それに固執しないあたり、元々大物なのですね。


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『吸血鬼ドラキュラ』(1958年) 英国版ポスター

ピーター・カッシングとは怪奇の名コンビとして22本の映画で共演。(非ホラ―含む)
ドラキュラはハマーのシリーズでは1973年まで7本で演じました。(その内、カッシングとの共演は3本)
また、怪奇分野の戦後のアメリカの大スター、ヴィンセント・プライスとの共演も実現しました。

70年代半ば。ハマー・フィルムは活動を停止し、60歳を過ぎたカッシングも出演が減少していきますが、
50代そこそこだったリ―は活躍の場を世界に、そして様々な分野の作品に広げていきます。


8か国語を操る、真の国際俳優
リ―は語学能力に長け、英語以外に7か国語(フランス語、イタリア語、スペイン語、
ドイツ語、スウェーデン語、ロシア語及びギリシャ語)を自在に語ると言われており、
実際にドイツ語、フランス語をしゃべって出演した作品も多数あります。

国際的スターなどと言われる人は多いですが、リーは本当の国際俳優ですね
スティーヴン・スピルバーグ監督の『1941』(1979年)では、
ドイツ軍の大佐として三船敏郎と共演していますが、少しだけ日本語も話しています。

21世紀を迎え、80代になっても『ロード・オブ・ザ・リング』や、『スター・ウォーズ』シリーズなど世界的な話題作に出演。
特に盟友カッシングが『スター・ウォーズ』第1作(1977年)にターキン総督役で出演していた事もあり(カッシングは1994年死去)
2002年にドゥークー伯爵を演じたリーとは、時空を超えた競演として話題になりました。

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『スター・ウォーズ』シリーズでのリー(左)とピーター・カッシング


出演作は250本以上にも上り(インターネット・ムービー・データベースでは278本)、
世界で最も多くの映画に出演した俳優としてギネスブックに記載されています。

戦後の怪奇映画の大スター。そして息の長い国際派の名優。
本当にこの人はドラキュラ伯爵と同様、不死身なのではと思っていました。

謹んで哀悼の意を表します。

Old Fashioned Club  月野景史

2013年5月16日 (木)

ピーター・カッシング生誕100周年 2013年5月26日/品川で記念イベント開催!

来週の日曜日、2013年5月26日は、
イギリスの俳優ピーター・カッシングの生誕100周年の記念日です。
当日は東京の北品川フリースペース「楽間」で記念イベントも開催されます。

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ピーター・カッシング
(Peter Cushing 1913年5月26日 - 1994年8月11日)

怪奇映画、つまり「フランケンシュタイン」や「ドラキュラ」といった、
クラシックなホラー映画の分野の名優・大スターです。
といっても怪物を演じたのではなく、主に怪物を創造するマッドサイエンティストや、
正義の吸血鬼ハンター役として知られた人なのです。

Wikiprdiaのカッシングの項目は2006年に、僭越ながら私が作りました。
もう7年経って、当然他の人の筆も多く入ってますが、
それでも本文部分は、九割方私の文章が残っているようです。
やはり『スター・ウォーズ』関連の部分は、他の方の筆が多く入ってますが。

また、Wikiprdiaではやり難いヴィジュアル面、つまり写真については、
ネットから画像拾い集めて、このブログ内にページを作って補完しています。
この二つをご覧いただければ、共に拙ないページですが、
カッシングのだいたいの基本情報は解ると思います。

このピーター・カッシングという人は演技力も勿論高いのですが、
とても知性的で高貴、またクールなイメージを感じさせる人でした。

「なぜそのんな人がホラー映画に?」
と思われるかも知れません。
しかし、例えば日本のゴジラに代表される怪獣・特撮映画もそうですが、
荒唐無稽なファンタジー映画だからこそ、
ストーリーや恐怖をリアルに感じさせてくれる演技力、
その怪異についての解釈にも納得させられてしまう、知的で怜悧なイメージが必要なのです。

また、主に19世紀以前が舞台で、貴族を演じることも多いため、
この分野の主演スターには、高貴な雰囲気も必須でした。

冷酷な悪役も多かったカッシングですが、素顔は大変温厚な人格者として知られます。
「悪役俳優だけど普段は良い人」というのは普通の話ですが、この人は別格、
人柄を知る誰からも、まるで聖人のように讃えられた人でした。
本当に、知れば知るほど魅力が増す人なのです。

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それでは、5月26日のイベントについて紹介します。

ホラーワールドvol.2 ピーター・カッシング生誕100年
http://www.majinkan.com/contact/event.html
開催日:5月26日(日)
時間:14:30~18:00(終了予定)※開場は30分前の14:00(予定)
参加費:2,800円
会場:北品川フリースペース「楽間」http://www.rakuma.net/
(JR「品川駅」から徒歩14分 京浜急行線「北品川駅」「新馬場駅」から徒歩4分) 
主催:魔人館(怪獣男爵KAZ氏主宰) http://www.majinkan.com/
出演:菊地秀行氏  石田一氏  井上雅彦氏

mixiの、いわゆるマイミクさんでもある怪獣男爵KAZ氏の主催。
ゲスト出演の菊池氏、石田氏、井上氏は、
この分野のイベントにおいて間違いなく最強・最高の布陣です。

初心者の方に向く…かどうかはちょっとわかりませんが、
ピーター・カッシングの生誕百周年当日のイベントとしては、
今後絶対二度とありません。(当たり前ですが)
得難い機会です。お逃しなく。


Old Fashioned Club  月野景史

2012年11月11日 (日)

有楽町に魔人ドラキュラ現る/ユニバーサル映画100周年の壁画

有楽町にドラキュラあらわる!

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これはビックカメラ有楽町店のガード側に描かれた壁画で、
アメリカのユニバーサル映画100周年の広告です。
二週間ほど前に撮ったので、今もあるかはわからないのですが。

このビジュアルは映画『魔人ドラキュラ』(1931年)。
演じたのは伝説の怪奇俳優ベラ・ルゴシ。
トーキーによるホラー映画の原点ともいえる名作です。

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「NOW ON SALE」とあるので、100周年記念DVDの広告かとも思うのですが、
詳しくは書かれていません。
『魔人ドラキュラ』を筆頭に、現代にいたるユニバーサル・ピクチャーズの代表作11本が並んでいます。
作品名を追ってみます。


『魔人ドラキュラ』(1931年)
『サイコ』(1960年)
『ジョーズ』(1975年)
『ブルースブラザーズ』(1980年)
『E.T.』(1982年)
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(1985年)
『ジェラシック・パーク』(1993年)
『ヴァン・ヘルシング』(2004年)
『キング・コング』(2005年)
『マンマ・ミーア』(2008年)
『ワイルド・スピード』(2011年)

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エンターティメント系というか、ファンタジーやホラーなどアメージング系が多いですね。
『キング・コング』は2005年のリメイク作品。
1933年のオリジナルの方が映画史的にも大きな存在ではないかと思うのですが、
実はそちらはユニバーサルの制作ではないのです。


『魔人ドラキュラ』(原題 Dracula  1931年)
怪奇映画、クラシックホラーファンとしては、
この作品がユニバーサルの原点とされたのは嬉しいことです。

原作小説は1897年にイギリスで書かれました。
1920年代に英国、そしてアメリカのブロードウェイで舞台が大ヒット。
1931年にユニバーサルが、新しい技術であったトーキー作品として映画化したのです。

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ドラキュラを演じたのはハンガリー出身の俳優ベラ・ルゴシ。
実は別の有名俳優がやる予定でしたが、その俳優が急死したため、
舞台でドラキュラを演じたルゴシに配役されたのです。

ルゴシはハンガリー系米国人ではなく移民で、英語が苦手でした。
それではなかなか役に恵まれなかったのですが、
東欧の住人であるドラキュラ伯爵は適役でした。
映画は世界的に大ヒット、ルゴシも伝説の怪奇スターとなったのです。

ユニバーサルは同じ年に続いて『フランケンシュタイン』もヒットさせました。
こちらにはルゴシは出ていません。
大スターとなったルゴシですが、その後半生も更に波乱に満ちたものでした。

Wikipediaの
「ベラ・ルゴシ」
「魔人ドラキュラ」
「フランケンシュタイン (1931年の映画)」
以上の項目の経歴・解説部分の7~8割は私が書いてますので、
興味のある方はご覧ください。

Old Fashioned Club  月野景史

2012年8月 3日 (金)

【古典ホラー】9/23 英国ハマー・フィルム怪奇映画のイベント 大阪で開催/クリストファー・リー&ピーター・カッシング特集

ドラキュラ、フランケンシュタイン、あるいはエドガー・アラン・ポー、
ゴシックホラー、クラシックな怪奇映画の世界は荘厳な魅力に溢れています。


9月23日(日)、大阪において古典ホラーのイベントが開催されます。
この分野は大別すると、戦前の米国ユニバーサル映画と、
戦後の英国ハマー・フィルム・プロダクションによる二度の全盛期がありましたが、
今回はハマー・フィルムに絞ってのトーク&映画のライブイベントです。

「ハマー・ホラーの魅力に開眼せよ!/Part.1」とのタイトルで、
ハマーの二大看板スターであるクリストファー・リーとピーター・カッシングの特集です。


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クリストファー・リー(左)とピーター・カッシング

多くの古典怪奇映画で活躍した二人ですが、
特にリーはドラキュラ役、
カッシングはフランケンシュタイン男爵役(=博士、モンスターの創造者)や、
ドラキュラの宿敵であるヴァン・ヘルシング役で知られます。
怪奇ファンならば、名前を聞くだけでワクワクしてくる両雄です。

イベントの出演は、日本における怪奇ホラーの分野のオーソリティー石田一氏と、
作家、脚本家、映画監督の山田誠二氏。
実は石田氏はしばらく体調を崩していたようなのですが、
さすが不死のドラキュラ伯爵の申し子(?)、復活を果たされました。


以下、石田氏のmixiページに掲載の告知文です。
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トーク&映画のライブイベント
MAD MONSTER PATY
<マッド モンスター パーティー>
ホラー・SF・モンスター映画の狂宴!

≪第1回≫2012.09.23(日)開催!
「ハマー・ホラーの魅力に開眼せよ!/Part.1」
クリストファー・リー&ピーター・カッシング特集

◆英国ホラー映画の殿堂、それがハマー・フィルム・プロダクションだ! ドゥークー伯爵やモフ・ターキン総督の故郷とも言えるハマー・プロが、1950年代後半から1970年代前半にかけて製作したホラー映画群の魅力を、クリストファー・リーとピーター・カッシングという二人の名優に焦点を絞って、秘蔵映像を観賞しながら語り尽す3時間!
◆幻の名作の覆面上映あり! 何が出るか観てのお楽しみ!!
  ※オーソン・ウェルズがホストの、あのTV番組・・・だぞ!

★開催日:2012.09.23(日)
★時 間:開場2:30pm/開演3:00pm/終演 6:00pm
★出演者:石田 一(作家、編集者、ホラーSF映画史研究家)
       山田誠二(作家、脚本家、映画監督、映画ライター)
★会 場:ブックカフェ ワイルドバンチ
       大阪市北区長柄中1-4-7 ロイヤルグレース1F
       http://www.geocities.jp/bcwildbunch/about.html
       上記URLのサイトに地図がございます。
       〒531-0062 大阪市北区長柄中1-4-7 ロイヤルグレース1F
       TEL&FAX 06-4800-4900
       ※地下鉄or阪急「天神橋筋六丁目駅」2番出口より徒歩2分。
★参加費:2,500円 (ワンドリンク付き)
       ※お飲み物の追加注文は、自費にてお願い致します。
       ※飲食物のお持ち込みはご遠慮ください。
       ※電話でのお問い合わせには対応いたしておりません。

◆今後のスケジュール
≪第2回≫ 2012年10月21日(日)
「ハマー・ホラーの魅力に開眼せよ! Part.2」
  開場2:30pm/開演3:00pm
≪第3回≫ 2012年11月11日(日)
「クラシック・ホラー映画の魅力に開眼せよ!」
  開場2:30pm/開演3:00pm
※内容は予告なしに変更する場合もありますのでご了承ください。

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mixi専用コミュニティ
http://mixi.jp/view_community.pl?id=6038097 


私は東京在住の上に、この日は仕事関係のイベントがあって参加できそうにありませんが、
貴重な古典ホラーのイベント、盛会を祈ってます。


Old Fashioned Club  月野景史

2012年6月 4日 (月)

【ワイン】チーズにはウイスキー、それとも…?/『バットマン』TV実写版より

子どもの頃、実写版のテレビドラマ『バットマン』が好きで観ていました。
もちろんアメリカ制作で、放送されていたのは日本語吹き替え版です。
本国では1966年-1968年の3シーズン制作された作品です。

その中でこんなシーンが記憶に残っていました。

有名悪役のリドラー(日本語版では「怪盗ナゾラー)が外国の王様を拉致するのですが、
リドラーの子分が囚われの王様に対して「チーズ食うかい?」
という感じでチーズを勧めるのです。

それに対して王様は
「チーズはウイスキーのつまみじゃ!」
というふうに断わっていました。
酒もないのに食えるか! というニュアンスでしょう。

物のない時代(?)に育ったせいか、どうも食べ物絡みのことはよく憶えているのです。

後になって、王様の言として「チーズはウイスキーのつまみ」は少しおかしい、
むしろワインではないかと思ったのです。
ウイスキーの方が日本人にわかり易いからそう変えたのか?
しかし、「ワイン」という言葉はともかく、「葡萄酒」ならわからなくはないでしょう。
王様はなんと言ったのか? ちょっと気になっていました。

さて、良い時代になったもので、問題のシーンの原語版をネットで観ることができました。




チーズを勧められた王様の返答は、

「Not without a good vintage port」
=「良いヴィンテージのポルトがないなら遠慮するよ。」
というところでしょうか。
映像の20分19秒あたりです。

ワインはワインでもポルト(ポート)ワイン、それもヴィンテージ・ポルトだったのですね。

当時の日本で「ポートワイン」というと、廉価な赤玉ポートワインを連想するだろうし、
かといって「ポルト」ではわからない。これは訳し難かったのでしょう。

ところで、米国のテレビドラマでヴィンテージポルトが登場する作品というと、
あの『刑事コロンボ」の1エピソード「別れのワイン」という作品があります。
これは有名ですね
シリーズ中の最高傑作に推されることも多い話ですが、
この中でヴィンテージポルトはとても重要な役割を果たしています。
そのことはまた改めて。


尚、私がそもそも、王様が「チーズはウイスキーのつまみ」と言うのはおかしい、
となぜ思うようになったかというと、これもある映像作品の影響です。

チャップリン最後の主演映画である『ニューヨークの王様』(1957年)。
某国の王様の扮したチャップリンが飲み慣れないウイスキーでむせるシーンがあったのです。
王様はウイスキーを飲まないものなのかな? と思ったのです。

ドラマや映画とお酒、色々おもしろいエピソードがあります。

2011年12月14日 (水)

【映画】T・バートン×J・デップ『ダーク・シャドウズ』/クリストファー・リーも出演

【先日、ティム・バートン監督とジョニー・デップとの8度目のタッグ作となる
「ダーク・シャドウズ(原題)」が、ワーナー・ブラザース配給で来年5月に
日本公開されることが決定したとのニュースが伝えられました。
http://news.nifty.com/cs/entame/moviedetail/hwch-20111207-20111207_0301/1.htm

『シザーハンズ』(1990年)から数えて8度目の顔合わせとは、よほど手が合うのでしょう。


今回の映画『ダーク・シャドウズ』は1966年から71年まで、
米ABCテレビで昼時間帯に放送されたカルト的人気を誇るゴシック・ソープ・オペラを
オールスターキャストで映画化した作品です。
主人公バーバナス・コリンズ役で初のヴァンパイアを演じているジョニー・デップは、
かねてよりTVシリーズ版の熱狂的ファンと公言していたそうです。

テレビ版『ダーク・シャドウズ』は日本ではまったく放映されませんでしたから、
クラシックホラーファンにとっても注目です。

しかし、そのクラシックホラーファンに取って一番気になるのは、
ティム・バートンが吸血鬼映画を撮るなら、
クリストファー・リーは出演するのか、ということです。

結論をいいましょう。
引用したニュースには名前がありませんでしたが、
出演しているようです。


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クリストファー・リー CBE
(Christopher Frank Carandini Lee CBE, 1922年5月27日 - )
イギリス出身、来年90歳を迎える今なお現役で活躍する名優。
そして、吸血鬼ドラキュラ役で知られる戦後の怪奇映画の大スターです。

以前、このブログでも紹介したピーター・カッシングとは、
22本の映画で共演した盟友でもあります。


そもそもティム・バートンはクラシカルな怪奇映画の大ファンです。
バートンにとっての最大のアイドルはヴィンセント・プライス。
プライスは戦後アメリカの怪奇俳優の第一人者で、
英国のカッシング、リーと合わせて戦後の三大怪奇スターなどと呼ばれます。

バートンの監督デビュー作はヴィンセント・プライスに憧れる少年を描いた、
ディズニーの短編アニメ『ヴィンセント』。
プライス本人が語り手を務めました。

そして、ジョニー・デップとも共演した『シザー・ハンズ』が、
プライスにとって実写映画での遺作となりました。


クリストファー・リーのバートン映画出演はプライスもカッシングも亡き後、
1999年の『スリーピー・ホロウ』においてでした。
この映画にはリーとカッシングの多くの名作ホラーを制作した、
ハマー・フィルム・プロダクションへのオマージュが籠められているといわれます。

クライマックスの疾走する馬車上でのアクションシーンは、
リーとカッシングがハマーの『ドラキュラ`72』で演じたのが元です。

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迫力満点! リーのドラキュラ

リーのバートン作品への登場は声の出演も含めて今回が5度目になると思います。
おそらく出演シーンは多くはないでしょう。
存在がレジェンドです、出てくれるだけで嬉しいです。
怪奇の王者よ、永遠なれ! といったところです。


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プライス(右上)、リー(左上)、カッシング(右下)、に加え、
先輩格のジョン・キャラダイン(左下)も加えた怪奇4大スター奇跡の共演。
『魔人館』(1982年)より

2011年10月13日 (木)

【怪奇映画】満月の夜と狼男と女吸血鬼、天知茂と天草四郎/妖しい世界を徒然と

ネット上で月の話題をよく見かけると思ったら、今夜は満月でしたね。
Tsuki
東京地方は曇り、この写真は2日前のものです。

月はロマンチックだけど、魅入られてしまうような怖さもあります。
今回はそんな世に相応しくクラシカルな怪奇映画の旅に…、
いや、ちょっと散歩にお付き合いください。


月を題材にした古典派ホラーのスターといえば、
やはり満月の光を浴びて凶暴な獣人に変身してしまう狼男です。

狼男をテーマにした映像作品は多く作られてきましたが、
その中でも代表作といえば、1941年にアメリカのユニバーサル映画が制作したこの映画でしょう。

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『狼男』(原題:The Wolf Man 日本でのTV放映題は『狼男の殺人』)

この映画のWikipediaの項目は私が作ったのですが、ふと満月の夜に思い出し、加筆修正しました。
シリーズ作品など書き加えて分量増やしただけで、中身は厚くなってないですが。

『狼男』の主役ローレンス・タルボットは元々普通の善良な人間です。
しかし、狼憑きに噛まれた為、満月の夜には凶暴に狼男に変身し、
自分の意思とは関係なく殺人を犯すようになってしまう悲劇の主人公。
ジキル博士とハイド氏に似た面もある、二重人格的なキャラクターです。


演じたのロン・チェイニー・ジュニア
サイレント時代の伝説的な名優で「千の顔を持つ男」と称されたロン・チェイニーの息子です。
1940年代にこの狼男をはじめ多くのホラーに出演して怪奇のトップスターとなりますが、
技量は偉大なる父に及ばず、その全盛期は短いものでした。
しかし、この狼男ローレンス・タルボットは永遠の当たり役として怪奇ファンに記憶されています。


ところで、この月の光を浴びて怪物にという設定を日本で早く取り入れた映画があります。
といっても狼男ではなく、ドラキュラタイプの吸血鬼なのですが。

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『女吸血鬼』(1959年 新東宝映画)
月光を浴びて本性を現す、迫力あるすばらしい吸血鬼役を演じたのはあの天知茂氏。
おそらく日本で初めての本格吸血鬼俳優でしょう。

・・・なんで天知さんが女吸血鬼なんだ! とブーイングを浴びそうですが、
この映画はタイトルに偽りありで、女性の吸血鬼は出てきません。
なぜ…って、この時期の新東宝ホラーは何があったって不思議はないのです。

1958年には英国怪奇映画の名作『吸血鬼ドラキュラ』が世界的にヒットしたので、
その影響を受けて制作されたのでしょうが、
例えば、月光を浴びて変身する狼男の特性など、欧米ホラーのエッセンスを総合的に取り入れ、
且つ日本的ホラーのテイストも含まれています。


この映画には他にも誤解され易い面があり、
天知氏演じる吸血鬼が天草四郎のなれの果てだとよく書かれるのですが、
これは間違いで、正しくは天草四郎の家臣である竹中信敬がその正体です。

天草四郎本人が吸血鬼となる話には横溝正史の小説『髑髏検校』があります。
そして、こちらの方が映画が大ヒットするなどあって有名だろうと思いますが、
四郎が吸血鬼ではないけど魔人として甦る作品に山田風太郎の『魔界転生』があります。

さて、天知茂さんはテレビの時代になり、1985年に54歳で早世するまで、
『非常のライセンス』『江戸川乱歩』シリーズなど伝説的なテレビドラマのヒット作で、
主演俳優として活躍を続けました。

その天知さんが晩年、自らのプロダクションの仕事してスペインの映画会社と共同で
制作したのが『狼男とサムライ』(1984年)でした。
狼男役はロン・チェイニー・ジュニアの後継者…といえるかどうか微妙ですが、
狼男をメインに怪奇俳優として活躍したポール・ナッシー。
といっても、超B級な存在です。


しかし天知さん、テレビの大スターなのにそんな方に行かなくても…と思うのですが、
やはり、月の魔力に魅入られ、怪奇の血が騒いだのでしょうか。

2011年5月25日 (水)

【古典ホラー】『吸血鬼ドラキュラの花嫁』『フランケンシュタインの怒り』ピーター・カッシング全盛期の2作が初DVD化/allcinemaより

『吸血鬼ドラキュラの花嫁』(1960年)
『フランケンシュタインの怒り』(1964年)

戦後の古典ホラー、クラシカルな怪奇映画の世界をリードした
ハマー・フィルム・プロダクションによる名作2本が、
allcinema SELECTIONからが本日525日リリースされました。

allcinema SELECTIONはあの「映画データベース allcinema」よるレーベルで、
商品化の難しいレア作品をリリースしています。
http://www.allcinema.net/dvd/

今回の作品は共にハマーの二大シリーズ中の1本で、
看板スター、ピーター・カッシングの最も油の乗り切った時期の作品です。

両作とも初のDVD化。
特に『フランケンシュタインの怒り』はビデオの発売もなかったので、
まったく初めての日本語版ソフト発売となります。


『吸血鬼ドラキュラの花嫁』1960年 THE BRIDES OF DRACULA)
Dra_j


『吸血鬼ドラキュラ』の世界的ヒットを受けて製作されたシリーズ第ニ作。
ドラキュラ伯爵役のクリストファー・リーはイメージの固定化を嫌い降板した為、
やむなく脇役だったピーター・カッシングを主演に抜擢した・・・のではなく、
元々『吸血鬼ドラキュラ』は正義のヒーローであるヴァン・ヘルシングを演じた
カッシングが主演だったので、その正統なる続編です。

本作はそのヘルシングが、ドラキュラの使徒である吸血鬼マインスター男爵と闘う内容。
マインスター男爵が若いイメージでやや貫禄不足との指摘もされますが、
(演じたデヴィッド・ピールはリーよりも年長なのですが)
前作から引き続きの監督テレンス・フィッシャーの演出も好調、
フランケンシュタイン男爵、ヘルシングに続きシャーロック・ホームズ役でも高評価を得た
カッシングも絶好調で、吸血鬼映画の傑作の1本です。

今回のDVDはテレビ放映時の日本語版も収録されているのですが、
カッシングの吹き替えは『ウルトラマン』のムラマツキャップや、
『仮面ライダー」シリーズの立花藤兵衛役で知られる小林昭二氏が担当しているのも注目です。
http://www.allcinema.net/dvd/dracula.html 


『フランケンシュタインの怒り』1964年 THE EVIL OF FRANKENSTEIN)
Fra_j


ピーター・カッシングがフランケンシュタイン男爵を演じる全6本のシリーズ中の1本、
『フランケンシュタインの逆襲』(1957年)とその続編『フランケンシュタインの復讐』(1958年)
から6年の月日を経て登場したシリーズ第3作になります。
ファン待望の日本語版ソフト初リリースです。


監督は前2作のテレンス・フィッシャーからフレディ・フランシスに交代。
前作との継続性はほとんどなく、作風もモンスターのデザインも戦前の
ユニバーサル映画による作品を思わせる作りが特徴です。

この後のシリーズ作品はフィッシャー監督に戻るので、その意味でも異色作ですが、
逆に、クラシカルな怪物映画の王道ともいえる雰囲気の作品です。
シリーズ第一作であり、ハマーホラー第一作でもある『フランケンシュタインの逆襲』から7
怪奇映画の大スターとしてキャリアを重ねたピーター・カッシングは当時51歳、
まさに技量、風格、気品、知性、充実しきった時期の作品です。http://www.allcinema.net/dvd/franken.html


★尚、明日2011年5月26日はピーター・カッシング生誕98年目の誕生日です。



my mixi

http://mixi.jp/show_friend.pl?id=25686164

2010年8月14日 (土)

【古典ホラー】ピーター・カッシング超入門/写真で見る代表作と当たり役

25686164_58701112_1largeピーター・カッシング(Peter Cushing 1913年5月26日-1994年8月11日)
(上の写真は当たり役のひとつ、シャーロック・ホームズを演じるカッシング)


ピーター・カッシングはイギリスの俳優。
「ドラキュラ」や「フランケンシュタイン」といった、
クラシカルなゴシックホラー映画の戦後の大スターとして知られます。

特に1950年代後半から70年代半ばにかけて、
英国のハマー・フイルム・プロダクションが製作した古典的な怪奇映画の看板俳優でした。
といっても、カッシングは怪物や吸血鬼を演じたのではありません。
怪物を創造するマッドサイエンティストや、正義の吸血鬼ハンターのような役柄を得意としていました。
シェークスピアの舞台等で培った演技力に加えて、
善役でも悪役でも、そのクールで知的、気品溢れる存在感が本当に魅力的な俳優でした。

Wikipediaのカッシングの項目はほぼ私が書いてるので、興味の沸いた方はこちらを読んでみてください。
ここではカッシングの代表的な役柄を、イメージの判り易い画像で紹介します。
超概略・入門編です。


フランケンシュタイン男爵25686164_58701107_1large
25686164_58701108_1large
フランケンシュタイン映画が代表作、といってもモンスターを演じたのではありません。
怪物を創造する科学者、博士役です。マッドサイエンティストですね。
基本は冷酷な悪役ですが、作品によってややキャラクターが異なり、
硬骨漢の学者肌の場合もあります。

以下6本の映画で演じました。
1.『フランケンシュタインの逆襲』(1957年)
2.『フランケンシュタインの復讐』(1958年) 
3.『フランケンシュタインの怒り』(1964年)
4.『フランケンシュタイン 死美人の復讐』(1967年)
5.『フランケンシュタイン 恐怖の生体実験』(1969年)
6.『フランケンシュタインと地獄の怪物』(1974年)

原作のヴィクター・フランケンシュタインは男爵家の跡取り息子ですが、
このシリーズでは第一作冒頭で、若くして男爵家を相続した設定なので、
「フランケンシュタイン男爵」と呼称されます。


ヴァン・ヘルシング25686164_58701113_1large
25686164_58701115_1large
ドラキュラと闘う正義の吸血鬼ハンター。
原作小説では恰幅のいい老教授なのですが、
それとは違う俊敏で鋭利な博士、シャーロック・ホームズに近いイメージです。
以下5本の映画で演じました。
1.『吸血鬼ドラキュラ』(1958年)
2.『吸血鬼ドラキュラの花嫁』(1960年)
3.『ドラキュラ'72』(1972年)
4.『新ドラキュラ/悪魔の儀式』(1973年)
5.『ドラゴンvs.7人の吸血鬼』(1974年)

『ドラキュラ』物語の舞台は19世紀末です。
しかし、3と4はドラキュラが現代に甦えるストーリーなので、
カッシングはヘルシングの子孫を演じました。

5はヘルシングが中国で吸血鬼退治をする話。
ハマー・フィルムが香港の映画会社と提携して作ったのです。


シャーロック・ホームズ25686164_58701111_1large
25686164_58701116_1large
実はホームズも当たり役のひとつ。
英国ホームズ協会が唯一公認したホームズ役者ともいわれます。
映画はハマー・フィルムの『バスカヴィル家の犬』(1959年)の1本。
他にBBCのTVシリーズ(1968年)全16本。
後年、単発のオリジナルTVムービー(1984年)で晩年のホームズを演じました。

カッシングのホームズ役の評価は全般に高いとは思いますが、
なにしろ原作が超有名シリーズで、演じた俳優も多く、評価が分かれる面もあります。
私はシャーロキアンなど名乗るレベルではないですが、ホームズ作品は一応すべて読んでます。
(このブログでもホームズの超入門編など書いてます。)
私にいわせれば、カッシングのホームズはやや背の低い点を除けば文句無し、No.1だと思います。
ただ、やはり『バスカヴィル家の犬』(46歳)に次いで40代~50代前半にもっと演じてほしかったですが。


グランド・モフ・ターキン25686164_58701109_1large
25686164_58701110_1large
Grand_moff_tarkin_3
『スター・ウォーズ』第1作(エピソードⅳ 1977年)に登場する帝国軍司令官。
メジャー系映画の代表作といえるでしょう。
ダース・ベイダーを従える貫禄、星ひとつを平然と破壊する、冷酷非道、究極の悪役でした。
※2015年12月20追記:SWシリーズ新作公開に伴い、新たにモフ・ターキンの画像をアップしました。


Other
Cushing_earth
『地底王国』(1976年)ペリー博士(左)
自ら開発した地底タンクで地底冒険に出かける、コミカルで愛嬌たっぷりの老学者。
『スター・ウォーズ』の前年制作ですが、あまりの落差に驚きます。
クールな印象の強い人ですが、こういう役も抜群に上手い。


『スター・ウォーズ』は違いますが、低予算で製作される事が多く、
とかく荒唐無稽になりがちなホラーやファンタジーにおいて、
カッシングはその演技力と存在感で、作品の価値を高める事に貢献してきました。


下の写真は英国怪奇映画のもう1人の大スター
クリストファー・リー(Christopher Lee 1922-)
Lee11
今も現役の名優ですが、カッシングとは22本の映画で共演した怪奇の黄金コンビとして知られます。
2人は私生活でも親友でした。
特に戦後を代表するドラキュラ俳優として有名です。
ドラキュラ映画ではヴァン・ヘルシング役のカッシングとは宿敵同士という事になります。


この2人にアメリカのヴィンセント・プライスを加えた3人が、
戦後の怪奇映画の三大スターと呼ばれます。

ヴィンセント・プライス(Vincent Price 1911- 1993)
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エドガー・アラン・ポー作品を原作とするシリーズの主演俳優として圧倒的な存在感を示しました。
活動の拠点が米国と英国に分かれていたので本数は少ないですが、
カッシングやリーとプライスの共演作もあります。

実は彼らの先輩にあたる戦前~戦中派の怪奇スターの中には
破滅型の人生を送った事で知られる人もいるのですが、
この3人はインテリジェンスある文化人としても知られます。

Majinkan_001_2『魔人館』(1982年)
カッシング(右下)、リー(左上)、プライス(右上)に加え、
先輩格のジョン・キャラダイン(左下)も加えた怪奇4大スター奇跡の共演。
(キャラダインという人は、どちらかといば破滅型です。)
プライスとリーの鋭い眼光に比べて、カッシングの表情が柔和に感じますが、
これはそういう役柄なのです。
このような記念写真的なスチールでも、しっかり演じ分けていたのだと思います。


素顔のカッシング
さて、スクリーンでは冷酷な悪役も多かったカッシングですが、
素顔は大変温厚な人格者、紳士として知られます。
「悪役俳優だけど普段は良い人」というのは普通の話ですが、この人は別格といえます。
人柄を知る誰からも、まるで聖人のように讃えられた人でした。

大変な愛妻家としても知られていたのですが、1970年、早くに奥さんを亡くします。
その時は大変なショックだったようで、容貌も老け込みが目立ちましたが、
それでもプロらしい仕事を多く残しました。

1986年を最後に長くスクリーンから離れますが、
亡くなる三ヶ月前の1994年5月、ハマー・フィルムをテーマとしたTVドキュメンタリーの収録に参加、
クリストファー・リーと奇跡的な最後の共演を果たしました。

収録会場のカンタベリーのスタジオには報道関係者やファンが集い、
リーとのトークライブも行われたようです。
まさにホームズ俳優らしい、「最後の挨拶」となりました。


Old Fashioned Club  月野景史

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