41.Bar カクテル

2017年11月22日 (水)

【Bar】新宿高層ホテル45階からの眺望! この隠れ家バーはどこ?/京王プラザ・ラウンジオーロラの奥の間

都心の高層階階からの眺望、四角形の長大なカウンターを誇るバー。


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ここはどこか?
随分広くてゆったりしたバーに見えますが、どこの店なのでしょう?
ちょっとわかり難いですが、窓からの眺望も最高です。

ここは東京新宿の有名ホテル・京王プラザホテルの45階、
昨年リニューアルした「スカイラウンジ オーロラ」・・・・・の奥まったところにあり、
夜だけ営業する喫煙スペースという位置づけなのです。

しかし、この階にこんな広いカウンターバー(&テーブル席)があるとは、
同ホテルの公式サイトを見てもまったくわかりません。
本当に隠れ家です。


元々、ここは「リトルベア」というバーでした。
ただ、長くまともに営業していなかったと思います。

実は昨年2016年6月まで、同じ階に「ポールスター」というカウンターバーがありました。
ここはバックバーがガラス張りで、カウンターに座って真正面に夜景を眺められるという、
最高のロケーション、デートスポットにも最適のバーでした。
同じホテルの同じ階にポールスターがあったから、リトルベアは存在感が薄かったのかとも考えられます。



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閉店したポールスターのカウンターから(2015年11月)

しかし、ボールスターなき今、器でいえばここは新宿屈指、
いや、都内に数あるホテルでも屈指のカウンターバーといえるでしょう。
有名ホテルのメインバーで広いフロアー・テーブル席を有しているところでも、
カウンター席は狭いところが多いので、それに比べれば実に立派です。

ただ、京王プラザ新宿の場合は、地階に立派なカウンターとテーブル席を有する「メインバー ブリアン」、
またロビー階にこれも広々した「カクテル&ティーラウンジ」があるから、
あえてこのオーロラのバースペースを推す必要がないのかも知れません。
ちょっと勿体なく感じもします。


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2017年11月の上記各店共通のマンスリーカクテル「ドリームライト」
レッドカシスリキュールとウオッカがペース


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スタンダードカクテル「マルガリータ」


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ピクルスとオリーブ
イタリア・トスカーナの赤ワインとともに

ホテルのラウンジなので、フードも充実しています。


Old Fashioned Club  月野景史

2015年11月 7日 (土)

【Bar】京王プラザ新宿 ポールスターで飲むオールドファッションド・カクテル

京王プラザホテル新宿45階のスカイバー「ポールスター」。
http://www.keioplaza.co.jp/restaurant/polestar/
かなり久々の訪問です。

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高層階のバーでは、やはりマンハッタンを飲みたくなります。

バックバー越しの夜景、一部さえぎられるととはいえ、やはり新宿屈指です。
ベースのウイスキーはバーボンのウッドフォードリザーブ。


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ウッドフォードリザーブを使ったオールドファッションド・カクテル。
このブログのタイトルと同名カクテル。これも久々の登場です。

Old Fashioned Club  月野景史

2015年10月21日 (水)

【Bar】高田馬場 CAVERNAで飲むヴィンテージポートとマディラ

高田馬場で昨年20周年を迎えた「BAR CAVERNA(バー・カヴェルナ)」は、
ポルトガルのワイン、特にフォーティファイドワイン(酒精強化ワイン)である
ポート(ポルト)とマディラの品揃えでは、日本でも屈指の店。

今の店主が完全に引き継いでからは8年になります。


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1985年のヴィンテージポート キンタ・ド・ノヴァル
30年もの。

そういえば、ヴィンテージポートがストーリーの鍵を握ることで知られる
『刑事コロンボ』の「別れのワイン」。
登場するのはFerreira Vintage Port 1945年( フェレイラ・ヴィンテージ・ポート)。

この作品の放送は1973年なので、この時点で28年ものだから、
今回のノヴァルはそれを上回る
別に古ければいいというわけでもないが、店主によればちょうど良い具合の頃とのこと。
なめらかでクセのない良い甘さでした。


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マディラはブランディーズ。
ポートに比べると、フォーティファイドワインらしいクセがある。

店主によれば、マディラは注目が高まる傾向にあり、
最近銀座にマディラ―オンリーのバーもできたとのこと。
輸入会社の直営のようだ。

Old Fashioned Club  月野景史

2015年1月 3日 (土)

【カクテル】「青い珊瑚礁」 松田聖子の歌と同名のカクテル

2014年暮れのNHK『紅白歌合戦』で初の大トリを務めた松田聖子さん。
歌唱曲は1990年代の名曲『あなたに逢いたくて〜Missing You〜/明日へと駆け出してゆこう』でしたが、
私は聖子さんといえば、デビュー2枚目の大ヒット曲『青い珊瑚礁』(1980年)が思い浮かびます。

実はこの歌と同名のカクテルがあるのです。

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青い珊瑚礁
材料
ドライ・ジン
グリーン・ペパーミント・リキュール
マラスキーノ・チェリー
レモン (カットレモンの汁でグラスのエッジ軽く濡らす。)
京王プラザホテル新宿 メインバー ブリアンにて 2015.01.03

綺麗な色のカクテルですが、ミントリキュールを使っているので、それなりにクセはあります。

てっきり、歌の方が先で、歌の題名をカクテルに命名したのかと思ったのですが、
1950年に日本のカクテルコンペで優勝したカクテルなので、こちらの方がずっと先なのです。

もっとも、『青い珊瑚礁』という名はそれ以前にイギリスの小説があり、
1923年と1949年に映画化されています。

そして、松田聖子さんの『青い珊瑚礁』が大ヒットした1980年には、
当時日本でも大人気だった米女優ブルック・シールズ主演でリメイクされています。

おそらく、カクテルの命名は1949年版映画(ジーン・シモンズ主演)からでしょう。
そして、曲名は1980年版映画からの影響である可能性が強いと思います。
レコードリリースは、映画の日本公開よりも先なのですが、
この頃のブルック・シールズの人気はかなり高く、この映画も早くから話題になっていたと思うので。

Old Fashioned Club  月野景史

2014年5月10日 (土)

【ドラマ】『ロング・グッドバイ』/ギムレット ロックグラスの謎の真相

放送中のNHKドラマ『ロング・グッドバイ』。
これまで4回にわたり、劇中でのギムレットの扱いに絞って、ブログを書いてきました。(→前回ブログ

カクテルグラスのイメージの強いギムレットがなぜロックグラスで出されたのか?
さて、このドラマでのギムレットの扱いについて、推測で色々書いてきましたが、
5月17日の最終回を前にして、少し確実なところをと、実際に動いて情報収集を試みました。


そもそもの疑問。
なぜ増沢磐二(浅野忠信)と原田保(綾野剛)がバーで飲んだギムレットは、
一般に知られるショートスタイルではなく、ロックスタイルだったのか?

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ショートスタイル(カクテルグラス)

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ロックスタイル(ロックグラス=オールドファッショングラス)



その真相は?

とりあえず先に答えを書くと、
時代考証的にはおかしいのは承知の上で、演出効果を優先した、という事のようです。
正式な取材ではないので、情報元は示しませんが、確かな筋からです。

ここでいう“時代考証”とは、もちろん日本でのことですが、
それを説明する前に、簡単に原作にふれておきます。


原作小説でのグラス
レイモンド・チャンドラーによる原作『長いお別れで(The Long Goodbye)』の舞台はアメリカ。
フィリップ・マーロウとテリー・レノックスが飲むギムレットのグラスの種類は明記されていません。
ただ、ヒントになる表記はあります。

レノックスがギムレットを飲み干して、からになったグラスを逆さにし、
水滴が落ちる様子を眺めるシーンがあるのです。
これはやはり、ごついロックグラスよりも、スマートなカクテルグラスの方が相応しく思えます。
それに、氷の入ったロックグラスを逆さにしたら、氷が散らばってしまいますし。

また、その後でレノックスがテーブルの端に、グラスを叩きつけて割るシーンもあります。
これはどのグラスでやろうと、随分乱暴な行為ですが、
それにしても、番組に出てきたような重そうなロックグラス(オールドファッションドグラス)
でやったとしたら、ちょっと乱暴過ぎるし、危険に感じます。

以上を考慮すると、どちらかといえばカクテルグラスの方がイメージし易く思えます。
無論、断定はできません。
当面の問題は、日本を舞台にしたドラマでのことなので、原作についてはここまでにします。


それではドラマの話に戻ります。
考証する時代、ドラマ『ロング・グッドバイ』の舞台は・・・、1950年代前半から半ばの日本。
テレビの民間放送が始まる前後です。

実はこの頃の日本では、氷を入れたロックグラスで酒を飲むことは、まだあまりなかったそうです。
これはちょっと意外に感じました。
追跡で色々取材もしたいと思いますが、とりあえず“確かな筋”からの情報です。
つまり、ドラマで描かれたような描写は、時代考証的にはおかしいということになります。


ではなぜ、それでもこのドラマでは、増沢と保にロックグラスでギムレット飲ませたのか?
それはつまり、男二人が脚の長いカクテルグラスで飲む姿は似合わない、
ロックグラスの方が相応しいから、ということのようです。

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もちろん、女性はカクテルグラスの方が似合う。
だから、第3話で高村世志乃(冨永愛)がギムレットをオーダーした時は、ショートスタイルだったのです。
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これは、言われてみればわかるような気もします。
私も、バーに通うようになる前は、カクテルグラスはおしゃれ過ぎて、
男が飲むのは気恥ずかしく、女性向けのように思っていたことがありました。

実際にカクテルを知ると、ショートスタイルのカクテルは強くハードなものが多く、
まったくイメージが変わってしまうのですが。

ですから、この制作スタッフの意図は解らないでもないのですが、
カクテルを知らない故の少しずれた判断にも思え、ちょっと残念な気もします。
しかし、視聴者にも、昔の私のように思う人がいるかも知れず、
そこを考慮した可能性も含めれば、仕方ないのかも知れません。

ともかく、男はロックグラス、女性にはカクテルグラスが似合うから、そう演出した。
これが、ドラマ『ロング・グッドバイ』におけるギムレットのグラス問題の、一応の真相です。



さて、後は来週土曜日の最終回でギムレットがどう描かれるか、注目しましょう。

Old Fashioned Club  月野景史

2014年5月 6日 (火)

ディズニーの街、舞浜のシガ―バ―/久々訪問はちょっと残念

今日は久しぶりにディズニーリゾートの街、舞浜へ仕事で行く事になったので、
以前、このブログにも書いたIKSPIARI内のシガー&バ―、トルセドールを再訪する予定を立てました。
(前回のブログは →こちらをクリック

前回訪れたのたのは2011年の11月、大震災から約半年後のことでした。
↓その時の写真
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子どもの夢の国ディズニーの街の、大人極まるシガーバー、そのコントラストの妙に加え、
この街は震災の被害が大きく、その当時の話を女性スタッフから色々聞いたことが、大変印象的でした。
2年半ぶり、ネットで見たところ、とりあえず店は健在のようです。

今夜はその後、東京に戻っての用事があったので、
1時間ちょっとでドリンク2~3杯、軽めのシガー1本としっかり予定を立て訪問しました。


さて、19時前なので、空いていると思っていたのですが、
ちょっと予定外、テーブル席に案内されてしまった。
私はこういう時、よほどなじみの店ではない限りそのまま座る方で、今日もそうしましたが、
今回はちょっと残念でした。

というのは、私はシガ―はまったくわからないので、カウンターでの会話の中で、
バーテンダー氏に値ごろで適当なものを薦めてもらって、という頼み方しかしたことはなく、
テーブル席で、リストを要求してまで、という方ではないのです。
まして今日は時間もないので、手持ちの安物のシガリロ吸って帰ってきました。

混み合っていわけではなく、テーブル席は私だけ、
カウンターにはひとり客が3人ほどで、4~5席は空いてるようでした。
ただ、その3人とも常連のようだったので、一見客を座らすのを避けたのかも知れません。
女性バーテンダーがいましたが、前回書いた人とは違う方のようでした。


というわけで、自分的には残念でしたが、これはめぐり合せの問題で、仕方ないことです。
例えなじみの店でも、混み具合等でゆっくり出来なかったり、時には入れないこともあります。

トルセドールも、変わらず雰囲気の良い店でした。
ただ、シガーバーで一人客がシガリロ吸ってるのに、何も声をかけないというのはどうかとは思いましたが(笑)
もっとも、カウンターのお客もシガ―どころか煙草すら吸ってなかったようで、
あまりシガーを推してないのかも知れません。


Old Fashioned Club  月野景史

2014年5月 3日 (土)

【ドラマ】『ロング・グッドバイ』第3話 ギムレット考証続編/マンハッタンも登場?

NHKのドラマ『ロング・グッドバイ』。
第1話、第2話について、ギムレットにテーマを絞ってブログを書いてきました。

このドラマは全5回ということなので、
後は最終話が終わったら、まとめを書けばいいと思っていたのですが、
5月3日放送の第3話で、ギムレットについてまさかの展開があり、
また、他のカクテルも出てきたので、書くことにしました。
今回もドラマ全般にふれず、カクテルだけに絞ります。


↓今回、遂にこのドラマに、ショートスタイルのギムレットが登場しました。
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実はこのシーンが、前回と今回にまたがってしまっていて、解り難いです。

前回のラスト、保からの遺言ともいえる手紙をもらった増沢は、
その願いに応えるべく、なじみのバー、ヴィクターズを訪れ、
自分の分と保の分、二人のギムレットをオーダーします。(ここも、説明はないから解り難いですが。)
ギムレットはいつものロックスタイル。

そこに、富永愛さん演じる高村世志乃があらわれます。
世志乃は保の為に用意されたギムレットを飲もうとしますが、
増沢はそれを下げさせ、「同じものを」と注文します。

ここまでが、前回のラスト部分。

そして、今回はその続きで、バーのシーンから始まるのですが、
「同じものを」をと頼んだ筈なのに、世志乃に出てきたのは上の写真のカクテル、
脚の長いグラスのショートスタイルだったのです。
ただ、一般的なシェイクではなく、ミキシンググラスでのステアで作っていましたが。

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これはつまり、同じギムレットを頼んでも、客によってスタイルを変えるということか?
男性にはロックスタイル、女性にはショートスタイル。
あり得なくはないです。

しかし、なにやら、よくわからなくなりました。
原作では、冒頭でしっかり語られるギムレットについて、
なぜこのドラマでは、後出しみたたいにちょこちょこ描かれるのか。
本当に視聴者、あるいは関係者からの指摘を受けて、色々と取り繕っているのか、
それとも、最初から、視聴者を翻弄する意図でもあるのか。

まぁ、全体に謎めいた話なので、よくわからないのはギムレットについてだけではなく、
さほど気にもなりませんが。


◇もうひとつのカクテル
ところで、今回はラスト近くで、また増沢と世志乃のバーでのシーンがあり、
世志乃が今度は別のショートカクテルを飲んでいました。
こちらはカクテルの名も不明ですが、推測も交えてちょっと書いておきます。


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淡い琥珀色といった感じでしょうが。
無色で、ピンに刺さっているのがオリーブならマティーニでしょうが、
チェリーのようなので、マンハッタンでしょう。
この写真では、ちょっと色が薄いように感じますが・・・。

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こちらの写真だと、だいぶ濃く、赤く見えます。
これは逆にマンハッタンとしてはやや赤すぎるくらいです。

2枚の写真のカクテルは随分色が違いますね。
しかし、ドラマの流れからいって、二つは同じカクテルだと思います。
ただ、撮影された映像や画像は、照明の状態により色の見え方が変わるものです。
それにこのドラマ、画面全体にフィルターをかけたような、色の加工感があります。
それらの影響で起こり得る得る差異と、一応解釈しておきます。

まぁもしかしたら、撮影中に何度か作り直しているうちに、色が変わってしまった、
などという裏事情がないともいえませんが。

いずれにしても、チェリーの入った琥珀色系のショートカクテルといえば・・・、
そんなにマイナーなカクテルが出てくるとも思い難く、
ここは“カクテルの女王”とも呼ばれる、マンハッタンであるという解釈でいいと思います。
(“カクテルの王”はマティーニ)


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増沢の酒はまたロックスタイルですが、マンハッタンと同じ系統の色に見えます。
ロックスタイルのマンハッタン?
いやまあ、ここは普通にウイスキーのオン・ザ・ロックという解釈でいいと思いますが。


ところでこのドラマ、小雪さんと冨永愛さんが出ていますが、
また雰囲気の似た人をキャスティングしたものです。
そうでなくても展開が追い難いドラマだし、混同した視聴者もいるでしょうね。

追記:このドラマでのギムレットの疑問について、↓一応の真相を記しました。
http://oldfashioned.cocolog-nifty.com/blog/2014/05/post-163a.html


Old Fashioned Club  月野景史

2014年4月26日 (土)

【ドラマ】『ロング・グッドバイ』第2話/ギムレットについて補足あるも、深まる謎

NHKのドラマ『ロング・グッドバイ』。今日4月26日、第二話が放送されました。
物語は更に混沌としてきましたが、このブログでは前回(→こちら)に続き、
ギムレットカクテルに拘って記します。

(※追記 第3話で更にギムレットに関わる新展開あり →こちらに記しました。)


先週の第一話終了後、原作小説『長いお別れ』に登場する
「ギムレットには早すぎる」という有名な言葉に絡めて感想を書きました。
このセリフが効果的に登場する為には、第一話でのギムレットへの拘りが
足りないのではないか、と指摘させてもらいました。

第二話では、まるで前回のギムレットへの言及の少なさを補足するような部分がありました。

まず、冒頭の第一話のダイジェストで、
前回は放送がなかった、バーテンダーのギムレットについての発言が流れました。
また、これが不可解な点がいくつもあるのです。

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第一話で、増沢磐二(浅野忠信)と原田保(綾野剛)がバーで飲むシーン。

本放送では、保が同じものをとオーダーし、バーテンダーが「ギムレットですね」と、
応じたところまでだったのですが、今回のダイジェスト版ではその後に
「本当はオーキッド社のライムジュースで作って差し上げたいのですが・・・」と続きます。

◆不可解な点。
まずダイジェストなのに、本放送ではなかったシーンが増えてしまってます。
普通は逆ですよね。

バーテンダーが語った内容についてですが、
たしかに、原作にもライムジュース(コーディアルライム=甘いシロップ)の銘柄への言及がありますが、
オーキッド社ではなく、ローズ社です。オーキッドは架空の社名だと思います。
ローズ社というのは実在、しかも現存する会社なので、あえて名を出さなかったのでしょう。
NHKなので、これはわかります。

ただ、原作で銘柄に拘るのはテリー・レノックス、つまり原田保です。
なぜ、そこを変えたのか?

更に「作って差し上げたいのですが・・・」で終わり、作れない理由が語られません。
なぜ?

そして、最初の疑問に戻りますが、第一話で放送しなかったシーンを、
なぜ第二話冒頭の前回ダイジェストで放送したのか?
逆に言えば、第一話でなぜこのシーンを放送しなかったのか???


そんな疑問を抱えながら、他にも目まぐるしく色々あり、気がつけば第二話もラスト近く。
増沢は、生前の保が書いた手紙を受けとります。

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そこには、ギムレットを注文してほしいとの願いが書かれていました。
増沢は保の望み通り、なじみのバー、ヴィクターズを訪れます。

ギムレット、今回はしっかりアップで映りました。

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間違いなくロックスタイルです。
自分の分と保の分、二杯オーダーしたようです。

そして、バーテンダー氏によると、今度はオーキッド社のライムを使ったとのこと。
ただ、前回はなぜ使えなかったのか、
今回はどうして使えたのか、説明はありませんでした。


・・・というのが、今回のギムレット絡みの顛末です。

まさか私のブログを読んだわけでもないでしょうが、
本当に、第一話でギムレットへの言及が少なかったことに気付き、
補足をしたかのような面がありました。

そして、この流れだと、あの有名なセリフも、やがて登場するかも知れません。


参考までに、ローズ社のコーディアルと、
それを使って作った、一般的なショートスタイルのギムレットを写真で紹介します。

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前述のようにローズ社は現存しますが、
日本への輸入ルートが現在なく、レアなアイテムになっています。
写真の店では、バーテンダー氏がハワイ旅行の際に買い求めたそうです。


Old Fashioned Club  月野景史


ロング・グッドバイ
2014年4月19日(土)~
NHK総合テレビ 毎週土曜日 午後9時00分~9時58分 連続5回
原作:レイモンド・チャンドラー
出演:浅野忠信 綾野剛 小雪 古田新太 冨永愛 太田莉菜 田口トモロヲ 滝藤賢一 堀部圭亮 高橋努 泉澤祐希
福島リラ やべきょうすけ 石田えり 吉田鋼太郎 遠藤憲一 柄本明

http://www9.nhk.or.jp/dodra/goodbye

2014年4月20日 (日)

【ドラマ】NHK『ロング・グッドバイ』第1話におけるギムレット考察

昨日、4月19日に第1話が放送されたNHKのドラマ『ロング・グッドバイ』。
邦題『長いお別れ』で知られる、レイモンド・チャンドラーの
バードボイルド小説のドラマ化です。
このブログでも紹介しました→ http://oldfashioned.cocolog-nifty.com/blog/2014/04/post-9314.html

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原作の舞台はアメリカですが、それはもちろん日本に移してます。
原作の刊行は1953年。劇中での表現からして、時代はほぼ一緒、50年代前半でしょう。

同時代とはいえ、アメリカ→日本ですから、原作そのままといくわけもないですが、
それにしても色々と変えてるようですね。
今後、どのように展開していくかわかりませんが、今回は「ギムレット」に絞って記します。


「ギムレットには早すぎる」
小説中に登場する、大変有名なセリフです。
このセリフを題材に、ギムレットについて書いた過去ブログは、今でも結構アクセスがあります。
よろしければご覧ください→http://oldfashioned.cocolog-nifty.com/blog/2011/05/post-2284-1.html
※ただし、一番下に原作小説のネタバレになってしまう記述があります。


さて、今回のドラマでこのセリフは語られるのでしようか。
原作でこのセリフが出てくるのはもっと後なのですが、伏線となるシーンは冒頭にあります。
原作では主人公の私立探偵フィリップ・マーロウが、
ゲストキャラのテリー・レノックスという男と友人になり、Barでギムレットを飲み交わします。
レノックスはギムレットが好きで拘りがあり、理想的なレシピなど、色々と蘊蓄を語るのです。

今回のドラマではマーロウにあたる役、増沢磐二を浅野忠信さん、
レノックスにあたる原田保を綾野剛さんが演じています。
二人がバ―で飲み交わすシーンも何度かありました。
そこで、私が気になったポイントは二つ。

まず一つめは、二人が飲んでいる酒です。
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大ぶりのロックグラスに、氷が入っていますね。
いわゆる「オン・ザ・ロック」です。
劇中では、これをギムレットと呼んでいます。

しかし、普通、ギムレットと言うカクテルは、このようなスタイルではありません。

Photo_2
スタンダードレシピで作られたギムレット。
シェーカーで振り、このような脚の長いカクテルグラスに注ぐショ―トスタイルです。
ドラマで飲まれていたものとは明らかに違います。

ただ、だからといってこのドラマのギムレットが単純に間違いとは断言できません。
例えば、1950年代前半の日本では、ギムレットはこのドラマのような飲み方が一般的だったとか、
なんらかの時代考証に基づいている可能性もあります。
カウンターの上にはシェーカーが並んでますから、シェイクが一般的でないという事はあり得ませんが。

しかし、占領軍を通じてアメリカの文化が急激に流れ込んでいる時代ですから、
仮にまだ一般的ではなかったにしろ、カクテルグラスでギムレットを出すバーがあったとして、
絶対おかしいとはいえないと思えます。
そう考えると、敢えてロックグラスのギムレットにした事情はわかり難いですね。

実はアメリカの方が、ロックスタイルが一般的だったとか?!
まさかそれはないと思うし、もしそうだとしても、日本を舞台にしているのですから、
日本人になじみ易い描き方にして、問題があるとも思えません。
当時のバー事情については、機会があればリサーチを試みます。


そして、ギムレットへのこだわりについて。
上述のように、見たところ、今一般に知られているギムレットではありませんが、
劇中での会話から、この飲み物をギムレットとして飲んでいる事はわかります。
しかし、綾野さんは特にギムレットについて思い入れや蘊蓄を語っておらず、
原作にあるような強いこだわりは感じません。

ここはハッキリと原作とは変えています。
その意図は、まだ不明です。


では、名セリフ「ギムレットには早すぎる」は登場するのでしょうか?

そもそもどのようにストーリーが展開するかもわかりませんが、
綾野さんが特にギムレットにこだわってないので、このセリフが出てくるかは微妙です。
一応、軽くですがギムレットにふれているので、出てきてもおかしくはありません。
ただ、最初にもっとこだわっておかないと、セリフの持つ効果が薄れてしまいます。

ネタバレになるので、今回はこの辺でとりあえず止めておきます。

※追記  第二話では今回のギムレットについての言及の少なさを補完するようなシーンもありました。
感想など記しています。→
こちらをクリック


Old Fashioned Club  月野景史

ロング・グッドバイ
2014年4月19日(土)~
NHK総合テレビ 毎週土曜日 午後9時00分~9時58分 連続5回
原作:レイモンド・チャンドラー
出演:浅野忠信 綾野剛 小雪 古田新太 冨永愛 太田莉菜 田口トモロヲ 滝藤賢一 堀部圭亮 高橋努 泉澤祐希
福島リラ やべきょうすけ 石田えり 吉田鋼太郎 遠藤憲一 柄本明

http://www9.nhk.or.jp/dodra/goodbye

2014年1月 6日 (月)

【Bar】ピンク・レディーという名のカクテル

この美しい色のショートカクテルの名は「ピンク・レディー」といいます。

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渋谷 BAR AdoniS(バーアドニス)にて

ある年代以上の人が「ピンクレディー(Pink Lady)」と聞けば、
誰もが1970年代後半に一大ブームを巻き起こし、
大袈裟ではなく時代を席巻した、あの超人気デュオを思い出すでしょう。
その彼女らと同名のカクテルです。

Photo
ピンク・レディー
1976年8月デビュー~1981年3月解散 ※その後、何度か再結成

ところでこの名前、カクテルが先か、それとも歌手が先なのか?
これはカクテルの方が先です。
1912年にイギリスで上演された同名のミュージカルに由来するもののようです。

歌手のピンク・レディーのデビュー当時、
この名前はカクテルからの命名だと、マスコミでも紹介されていました。

つまり、カクテル「ピンク・レディー」は古くからあるスタンダードカクテルなのですが、
それにしては、今はあまり飲まれているようには思えません。
その理由はレシピ、というか材料にあります。

ドライ・ジン - 45 ml
グレナデン・シロップ - 20ml
(レモン・ジュース - 1tsp)
卵白(鶏卵) - 1個分

レモン・ジュースは本来は使わないものなのですが、
(使った場合は「クローバー・クラブ」という別のカクテルになる)
今はピンク・レディーをオーダーしても、レモンを使うことが多いようです。

しかし、問題はそこではなく、卵白の方です。
卵を使ったスタンダードカクテルもいくつかあるのですが、
総じて今は好まれません。
そもそも、卵を置いてないバーも多いのです。

加えて、グレナデン・シロップが、人工的な甘味・着色料なので、
今はあまり受けないという面もあるかも知れません。

実は、私も長年気になるカクテルだったのですが、今回初めて飲みました。
レモンを使わない、本来のピンク・レディーです。
不人気になってしまったカクテルだから、飲み難いかと思ったら、
意外なほど美味でした。
まぁ、このバーだからというのもあるのですが、
色も綺麗だし、もっと人気があってもいいように思いました、


歌手のピンク・レディー

ところで、「ピンク・レディー」と聞けば、
あのピンク・レディーを思い出して当たり前というのは、
ある年齢以上に限っての話ですね。
何歳くらいまででしょう?

歌手ピンク・レディーの活動期間は1976年-1981年。
ただ、全盛期は1977年-78年で、その後は残念ながら急激に人気は下降しました。。
全盛期はもう36-7年前。
ピンク・レディーは子どもにも人気がありましたが、
当時10歳前後だった子たちが、既に40代後半に差し掛かっています。
今のアラフォー以下の人たちは、ほとんど記憶はないでしょう。

もちろんピンク・レディーは今世紀になってからも復活し、
年齢を超越した驚異のパフォーマンスを魅せています。
ただ、それに感嘆するのは、リアルタイムを知っている世代でしょう。

 

ですから、アラフォー以下のバーテンダー氏と話して、
「あのピンク・レディーと同じ名前なんだよ!」と力説しても
知識として知っていても、実感は伝わりません。
残念ながら当り前ですね。

でも、甘くて、思ったほどクセのない、良いカクテルでしたよ。


Old Fashioned Club  月野景史

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