01.Art 美術 (展覧会)

2019年5月20日 (月)

【美術展】「ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道」国立新美術館/オーストリア美術の真髄

東京六本木の国立新美術館では4月24日から
「日本・オーストリア外交樹立150周年記念 ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道」を開催中。
8月5日までなので、3ヶ月近いロングラン開催です。
更にその後は大阪中之島の国立国際美術館で8月27日から12月8日まで開催予定。
東京・大阪の日本の二大都市で足掛け9ヵ月に及ぶ大型展です。


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日本・オーストリア外交樹立150周年記念 ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道
2019年4月24日(水)〜8月5日(月)
国立新美術館 企画展示室1E
主催 国立新美術館、ウィーン・ミュージアム、読売新聞社
後援 外務省、オーストリア大使館/オーストリア文化フォーラム、ウィーン市、ウィーン市観光局


二つの“クリムト展”
先日は東京都美術館で開催中の「クリムト展」(4月23日-7月10日)を紹介しました。
本展もタイトルに「クリムト」を冠した世紀末オーストリア・ウィーン美術中心の展覧会です。

今年は日本とオーストリアの外交が始まってから150年の記念の年で、
国立西洋美術館でも秋に関連の大型展が予定されています。

しかしそれはハプスブルグ展なので、時代が違いますが、
本展とクリムト展は「世紀末、ウィーン、クリムト」とあまりにテーマが被り、
そろが同じ東京の大美術館で時期ももろ被りとは、さすがにどうにかならなかったのかと感じます。
混同してしまう人も多いでしょう。

ただ、見比べると内容にはだいぶ違いがありました。
「クリムト展」の方が文字通り19世紀末ウィーンにほぼ特化しているのに対し、
この「ウィーン・モダン」展はもう少し幅広く、ハプスブルグ王朝をイメージさせる古典的な絵に
工芸品なども合わせた総合オーストリア芸術展の赴きがありました。

タイトルにも「世紀末への道」とあり、
そこに至るまでのアートについてもかなりのボリュームで展示されています。
ならばもう少しそれがわかるようなタイトルにすればとも思いますが、
そのあたりはまた改めるとして、本展の概要を少しだけ記しておきます。


花開く世紀末ウィーンへの道程
19世紀末から20世紀初頭にかけて、ウィーンでは絵画や建築、デザインなど、
それぞれの領域を超えて新しい芸術を求めた、独自の装飾的で煌びやかな文化が開花しました。

現在では「世紀末芸術」と呼ばれるこの時代には
絵画ではグスタフ・クリムト(1862-1918)やエゴン・シーレ(1890-1918)、
建築家オットー・ヴァーグナー(1841-1918)、アドルフ・ロース(1870-1933)など
各界を代表する芸術家たちが登場し、ウィーンの文化は黄金時代を迎えます。

本展は、ウィーンの世紀末文化を「近代化(モダニズム)への過程」という視点から紐解く新しい試みの展覧会です。
18世紀の女帝マリア・テレジアの時代の啓蒙思想がビーダーマイアー時代に発展し、ウィーンのモダニズム文化の萌芽となり、
19世紀末の豪華絢爛な芸術運動へとつながっていった軌跡をたどる本展は、
ウィーンの豊穣な文化を知る展覧会の決定版と位置づけられています。

Old Fashioned Club  月野景史

2019年5月18日 (土)

【美術展】「印象派への旅 海運王の夢」文化村ミュージアム/フランス印象派の名画がスコットランドより来日

東京渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムでは同館の30周年記念事業として、
「印象派への旅 海運王の夢 バレル・コレクション」が開催中です。

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印象派への旅 海運王の夢 バレル・コレクション
2019年4月27(土)-6月30日(日)
Bunkamura ザ・ミュージアム
主催 Bunkamura、毎日新聞社


日本でも人気も知名度の高い「印象派」絵画。
19世紀後半のフランス・パリで花開き、
西洋絵画に革新をもたらしたジャンルです。

本展はそのフランス印象派絵画を中心とした催しですが、
フランスではなく、イギリスのスコットランドから来た絵が展示されています。

タイトルに「海運王の夢 バレル・コレクション」とありますが、
これは何なのか?

「バレル」とはこの人のこと。

ウィリアム・バレル(1861-1958)
1861年に英国スコットランドの海港都市グラスゴーに生まれる。
15歳で家業の海運業を手伝い始め、24歳で父親の跡を継ぐ。
その後、船舶の売買で大成功し「海運王」と称された。
19世紀末から20世紀前半に大実業家の富豪となった人です。

当時、英国随一の海港都市として経済成長が著しかったグラスゴーでは、
美術品市場も活況となっていました。

バレル氏も少年の頃から美術品に関心を持って収集を始めており、
1890年代から1920年代にかけて、グラスゴー出身の画商アレクサンダー・リードから作品を購入。
5,000年に及ぶ、古今東西の美術工芸品を収集したました。

つまり「バレル・コレクション」とはこの海運王ウィリアム・バレル氏が
収集した芸術作品のコレクションなのです。


門外不出の作品たち
バレル氏は亡くなる前にコレクションをグラスゴー市に寄贈しました。
その条件として、当時深刻な社会問題であった大気汚染の影響が少ない郊外に
コレクションの作品を展示することを求めました。

グラスゴー市はその条件を守り、1983年に郊外のポロック公園内にコレクションを移し、
バレル・コレクション(The Burrell Collection)として一般公開。
以降、近代名画を集めた世界屈指のコレクションと称され多くの観光客が訪れています。

そしてバレル氏はもうひとつ条件を出していました。
それは英国外に作品を持ち出さないこと。
だから今まで、英国以外でコレクションを観ることは出来なかったのです。

しかし、同館は2015年から2020年まで改修工事により閉館しているため、
英国外への作品の貸し出しが可能になり、海を越えて本展の開催が実現したわけです。

この話を聞くと、
休館中だからといって海外に持ち出していいということにはならないのでは?
という疑問は感じますが、まぁそこは言わないことにして。
門外不出の名画たちを日本で気軽に観る機会に恵まれたのだからいいとしましょう。

本展は全国5ヶ所を巡回中で既に福岡と愛媛は終了。
この東京展の後は8月7日(水)~10月20日(日)に静岡市美術館、
11月2日(土)~2020年1月26日(日)に広島県立美術館で開催されます。

Old Fashioned Club  月野景史

2019年5月16日 (木)

【美術展】「クリムト展 ウィーンと日本1900」東京都美術館/黄金の世紀末美術を堪能!

上野の東京都美術館で7月10日まで、
「クリムト展 ウィーンと日本 1900」が開催中です。


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クリムト展 ウィーンと日本 1900

2019年4月23日(火)〜 7月10日(水)
東京都美術館 企画展示室
主催 東京都美術館(公益財団法人東京都歴史文化財団)、朝日新聞社、TBS、ベルヴェデーレ宮オーストリア絵画館
公式サイト https://klimt2019.jp/

開幕から3週間弱経過した5月13日(日)に鑑賞してきましたが、
閉館までさほど間のない時間だったにも関わらず、なかなかの盛況でした。

クリムトの人気はなかなかです。
ミュシャ同様、装飾性豊かな美しい絵は日本人に受けるのかな。
まぁミュシャの人気は別格に凄いですが。

また今年は日本とオーストリアの外交が正式に開始されてから150年ということで、
オーストリア・ウィーン関係の大型展が次々開催されます。


グスタフ・クリムト
(Gustav Klimt, 1862年7月14日 - 1918年2月6日)
19世紀末ウィーンを代表する画家

華やかな装飾性、世紀末的な官能性、
それらを会わせ持つつその作品は、今なお圧倒的な人気を誇ります。


「世紀末美術」
なんとも魅惑的に響きです。

本展はそのクリムトの没後100年を記念する催し。
日本では過去最大級の回顧展とのこと。

初期の自然主義的な作品から、
ウィーン分離派結成後の黄金様式の時代、
クリムトを象徴する時代の代表作、
意外にも数多く手がけた風景画まで、
日本では過去最多となる油彩画25点以上が出展されます。

またウィーンの分離派会館を飾る
壁画の精巧な複製による再現展示も。

ところで、クリムトを「19世紀末ウィーンを代表する画家」とは呼んでも、
他の19世紀末ウィーンの画家達が日本でそれほど知られているとも思えません。
今回は同時代のウィーンで活動した画家たちの作品も紹介されています。

更にクリムトが影響を受けたという日本の美術品も展示されます、
ウィーン世紀末美術の精華を堪能する展覧会。

Old Fashioned Club  月野景史

2019年5月 3日 (金)

美術展「ラスキン生誕200年記念 ラファエル前派の軌跡展」三菱一号館美術館

東京丸の内の三菱一号館美術館では6月9日まで、
「ラスキン生誕200年記念 ラファエル前派の軌跡展」を開催中です。

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ラスキン生誕200年記念
ラファエル前派の軌跡展
2019年3月14日(木)~6月9日(日)   
三菱一号館美術館
主催 三菱一号館美術館
共催 産経新聞社
公式サイト https://mimt.jp/ppr/


本展は西洋絵画の一分野として日本でも知名度の高い「ラファエル前派」です。
19世紀の英国発祥で、美しい女性画の印象が強いですね。
ジャンルの画家としてはミレイ、ロセッティ、ハントらの名が思い浮かびます。

ではタイトルにある「ラスキン」とは誰か?
あまり聞かない名前です。

ジョン・ラスキン(John Ruskin, 1819年2月8日 - 1900年1月20日)は、
19世紀イギリス・ヴィクトリア時代を代表する評論家です。
美術評論家としても高名で、ラファエル前派の精神的な指導者的立場にあったのです。


1848年、ロセッティらが結成したラファエル前派兄弟団は、
英国美術の全面的な刷新をめざして、世の中にすさまじい衝撃をもたらしました。
この前衛芸術家たちの作品は、観る者の心に訴えかけ、広く共感を呼びました。
人々は、社会の基盤が移りゆくなかで、彼らの芸術に大きな意義を見出したのです。

ジョン・ラスキンは、あらゆる人にかかわる芸術の必要性を説く一方で、
彼らとエドワード・バーン=ジョーンズやウィリアム・モリスら、
そして偉大な風景画家J.M.Wターナーとを関連づけて考察しました。

本展では、英米の美術館に所蔵される油彩画や水彩画、素描、
ステンドグラス、タペストリ、家具など約150点を通じて、
彼らの功績をたどり、この時代のゆたかな成果を展覧します。

Old Fashioned Club  月野景史

2019年4月 6日 (土)

【美術展】「ギュスターヴ・モロー展 ― サロメと宿命の女たち ―」パナソニック汐留美術館

東京のパナソニック 汐留美術館では本日4月6日から6月26日まで、
「ギュスターヴ・モロー展 ― サロメと宿命の女たち ―」
同館はこの4月1日に「パナソニック 汐留ミュージアム」から
「パナソニック汐留美術館」に館名変更したばかりです。


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ギュスターヴ・モロー展 ― サロメと宿命の女たち
2019年4月6日(土)〜6月23日(日)
パナソニック 汐留美術館
主催 パナソニック汐留美術館、NHK、NHKプロモーション、読売新聞社
後援 在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本、港区教育委員会 協賛光村印刷協力日本航空
特別協力 ギュスターヴ・モロー美術館
https://panasonic.co.jp/ls/museum/exhibition/19/190406/index.html


ギュスターヴ・モロー
(Gustave Moreau, 1826年4月6日–1898年4月18日)

深淵なる神秘の画家。
19世紀後半のフランス、象徴主義の巨匠として知られます。
神話や聖書の題材を神秘的に表現しました。

本展は、モローが描いた女性像に焦点をあてた展覧会。
パリのギュスターヴ・モロー美術館が所蔵する、
洗礼者ヨハネの首の幻影を見るサロメを描いた名作『出現』や
貞節の象徴とされる幻獣を描いた『一角獣』を含む、
油彩・水彩・素描など約70点によって構成されます。

聖書に登場する「洗礼者ヨハネ」は西洋絵画によく書かれる聖人で、
私もこのブログでその三つの姿について書きました。
そのひとつが、ヨハネとファム・ファタル(宿命の女)としてのサロメ。
このページには今でも多くのアクセスがあります。
http://oldfashioned.cocolog-nifty.com/blog/2011/01/post-271e.html

サロメのように、神話や聖書に登場する、
男性を死へと導くファム・ファタル(宿命の女)としての女性、
誘惑され破滅へと導かれる危うい存在としての女性、
そしてモローが実生活において愛した母や恋人。
本展では彼女たちそれぞれの物語やモローとの関係を紐解き、
新たな切り口でモロー芸術の創造の原点に迫るとのこと。

モローの絵は神秘的で美しくてファンも多く、私も好きな画家です。
目玉として代表作『出現』のモロー美術館所蔵バージョンが来日。
美しく妖しい魅力にひたりいた方は是非ご覧ください。

Old Fashioned Club  月野景史

2019年1月 1日 (火)

【美術展】「ロマンティック ロシア」文化村ミュージアム/19世紀後半ロシアの美しき風景と女性

渋谷の文化村ザ・ミュージアムでは1月27日まで、
「国立トレチャコフ美術館所蔵 ロマンティック ロシア」展を開催中です。

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Bunkamura30周年記念 国立トレチャコフ美術館所蔵 ロマンティック・ロシア
2018/11/23(金・祝)-2019/1/27(日)
Bunkamura ザ・ミュージアム

主催:Bunkamura、日本経済新聞社、電通
後援:ロシア連邦大使館、ロシア連邦交流庁(Rossotrudnichestvo)
http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/18_russia/



ロシア絵画の展覧会
本展は19世紀後半から20世紀初頭の激動のロシアを代表する作家の作品72点の展覧会。
ロシア美術の殿堂・国立トレチャコフ美術館が所蔵する豊富なコレクションが来日しました。

ロシアというと世界の美術品が揃うエルミタージュ美術館もありますが、
今回はロシア絵画の粋を楽しむ催し。
自然や人物像に内在するロシア的なロマンに思いを馳せて紹介されています。


音楽・文学と絵画
この時代のロシア文化・芸術といえば、チャイコフスキー、ムソルグスキーといった作曲家や、
トルストイ、ドストエフスキーに代表される文豪は日本でよく知られています。
それに比べると美術の分野では思い起こされる名前は多くはないかも知れませんが、
実は多くの才能を輩出しています。

19世紀後半にクラムスコイら若手画家によって組織された「移動派」グループが、
制約の多い官製アカデミズムに反旗を翻し、ありのままの現実を正面から見据えて描くことをめざしていました。
「移動派」とは分かり難い呼称ですが、啓蒙的意図で美術展をロシア各地に移動巡回させたことによります。
一方、モスクワ郊外アブラムツェヴォのマーモントフ邸に集まったクズネツォフ、レヴィタン、
コローヴィンらの画家たちは、懐古的なロマンティシズムに溢れた作品を多く残しました。
彼らと移動派には共に祖国に対する愛という共通点が見出せます。


鑑賞で得た印象を言えば、風景と人物
そして人物ではやはり女性を描いた絵の印象が強く残りました。

白樺や樫の木の深い森、雪に覆われた大平原。
そして街には独特の丸屋根の教会、透き通るような白い肌の女性たち。
ロシアの日常的な情景の中に、画家たちは大いなるロマンを見出したのでしょう。
19世紀後半ですので、考えてみればロシア帝国崩壊の足音が聞こえはじめ、
やがてロシア革命が起こる激動の時代でした。
当時のロシアの複雑な社会、そしてこの時代を生き抜いた人々もまた絵画の題材となりました。
ロシア文学の世界のビジュアル化とも言える絵画たちが揃っています。


Old Fashioned Club  月野景史

2018年12月 9日 (日)

【美術展】「ムンク展―共鳴する魂の叫び」東京都美術館/『叫び』であまりに有名な画家の全貌

東京都美術館で新年1月20日(日)まで
「ムンク展―共鳴する魂の叫び Munch: A Retrospective」が開催中です。

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ムンク展―共鳴する魂の叫び Munch: A Retrospective
会期:2018年10月27日(土)~2019年1月20日(日)
会場:東京都美術館

主催:東京都美術館(公益財団法人東京都歴史文化財団)、朝日新聞社、テレビ朝日、BS朝日
後援:ノルウェー大使館
特設WEBサイトhttps://munch2018.jp


エドヴァルド・ムンク
(Edvard Munch (ノルウェー語: ɛdvɑʈ muŋk)
1863年12月12日 - 944年1月23日

19世紀 - 20世紀のノルウェー出身の画家。
『叫び』の作者として世界的に、あまりに有名な画家。

今回はそのムンクの大回顧展。
さすがムンク、会場はなかなかの盛況でした。
そして『叫び』も展示されています。

ただし、ムンクは『叫び』を複数点描いており。
その中でも最も有名なものは1893年に描かれた油彩画(オスロ国立美術館)で、
今回来ているのはそれではありません。

といっても、今回の展示作もムンクが育ったノルウェー最大の都市オスロ―にある
ムンク美術館所蔵の1910年頃の真作で、紛れもない“ムンクの叫び”です。


1910
『叫び』 1910年? テンペラ・油彩、厚紙
このムンク美術館が所蔵する『叫び』は今回が待望の初来日となります。

そして本展はこの絵同様、画家の故郷ノルウェーの首都にある
オスロ市立ムンク美術館が誇る世界最大のコレクションを中心に、
約60点の油彩画に版画などを加えた約100点により構成される大回顧展です。


80歳という長命のムンクでしたが、
『叫び』にイメージされるように、心身の病に苦しみ、愛や絶望、嫉妬、孤独など
人間の内面が強烈なまでに表現された代表作の数々から、
それらとはちょっとイメージが違うノルウェーの自然を描いた美しい風景画、
明るい色に彩られた晩年の作品に至るまで、
約60年にわたるムンクの長い画業を俯瞰する展覧会です。



1925
『生命のダンス』1925年
ペアダンスを描いており、個人的にも興味があるのですが、
その主題は難解です。

ともかく、よく知っているに感じるムンク、
あまり知らないムンク、
両方に出会える展覧会です。

Old Fashioned Club  月野景史

2018年12月 1日 (土)

【美術展】「ルーベンス展―バロックの誕生」国立西洋美術館/フランドルの巨匠とイタリア

東京上野の国立西洋美術館では来年1月20日まで
「ルーベンス展―バロックの誕生」が開催中です。

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ルーベンス展―バロックの誕生
会期:2018年10月16日(火)~2019年1月20日(日)

主催:国立西洋美術館、TBS、朝日新聞社
後援:ベルギー大使館、イタリア大使館、ベルギー・フランダース政府観光局、
        BS-TBS、TBSラジオ
http://www.tbs.co.jp/rubens2018/ 



ペーテル・パウル・ルーベンス
( Peter Paul Rubens 1577年6月28日 - 1640年5月30日)

日本語では「ピーテル」と表記されることも多いですが本展では「ペーテル」を採用しています。

ルーペンスはフランドルの画家
フランドルとは現在まオランダ南部、ベルギー西部、フランス北部にかけての地域ですが、
ルーベンスが拠点にしていたのはベルギーです。


美術用語としてあまりに有名な「バロック」
そのバロックの壮麗華美な美術様式が栄えた17世紀ヨーロッパを代表する画家として、
ルーペンスの名もまたあまりに有名です。

創作上の特徴として、彼は大工房を構えて時代に先駆ける作品を量産しました。
それは同時代以降の画家たちに大きな影響を与えたのです。
さらにその能力は画業にとどまらず、ヨーロッパ各地の宮廷に派遣され、
外交交渉をも行いました。
外交官どころか、外務大臣的な役割も果たしていたのです。
信じ難いような話です。


ルーベンスとイタリア
さて、前述のようにルーベンスはフランドルの画家、現在のベルギーの画家として有名ですが、
本展ではルーベンスとイタリアとのかかわりに焦点を当てて紹介されています。
ここが大きな特徴でしょう。

イタリアは古代美術やルネサンス美術が栄えた地であり、バロック美術の中心もローマでした。
フランドルのアントウェルペンで育ったルーベンスは、幼いころから古代文化に親しみ、
イタリアに憧れを抱きます。

そして実は1600年から断続的に8年間イタリアで生活し、そこに残る作品を研究することで、
自らの芸術を大きく発展させたのです。
本展はルーベンスの作品を、古代彫刻や16世紀のイタリアの芸術家の作品、
そしてイタリア・バロックの芸術家たちの作品とともに展示し、
ルーベンスがイタリアから何を学んだのかをお見せするとともに、
彼とイタリア・バロック美術との関係を明らかにします。

本展は近年では最大規模のルーベンス展でしょう。


Old Fashioned Club  月野景史

2018年11月 4日 (日)

【美術展】「全員巨匠!フィリップス・コレクション展」/三菱一号館美術館

東京丸の内の三菱一号館美術館では来年2月11日まで、
「全員巨匠!フィリップス・コレクション展」が開催中です。

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全員巨匠!フィリップス・コレクション展
2018年10月17日(水)〜2019年2月11日(月・祝)
三菱一号館美術館開館

主催 三菱一号館美術館、フィリップス・コレクション、読売新聞社、日本テレビ放送網
後援 アメリカ大使館協賛協賛大日本印刷協力協力全日本空輸、日本貨物航空
全員巨匠!フィリップス・コレクション展全員巨匠!フィリップス・コレクション展
公式サイト https://mimt.jp/pc/


11月1日に開催された本展のブロガー向け内覧会に参加しました。
写真はその際、特別に許可を得て撮影しています。


フィリップス・コレクションとは?
アメリカで最も優れた私立美術館の一つとして知られるワシントンの美術館。
といっても、今回の展示作の多くはフランスを中心としたヨーロッパの絵画です。


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創業者はダンカン・フィリップス(1886年-1966年)
裕福な実業家の家庭に生まれ、高い見識を持つコレクター。
美術館彼の旧私邸であった場所に位置しており、
今年2018年には創立されてから100周年を迎えました。
開館はそれより少し後ですが、それでもニューヨーク近代美術館よりも早く、
1921年にアメリカで近代美術を扱う最初の美術館として開館しました。

そのコレクションはフィリップスの鋭い取捨選択により、
中核をなす作品群はいずれも質の高いものばかり。
本展では、この世界有数の近代美術コレクションの中から、
アングル、コロー、ドラクロワ等19世紀の巨匠から、
クールベ、近代絵画の父マネ、印象派のドガ、モネ、
印象派以降の絵画を牽引したセザンヌ、ゴーガン、クレー、ピカソ、ブラックら
秀作75点が展示されています。


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たしかに、「全員巨匠」の名に相応しい、
凄いビッグネームの、それも秀作が揃う、
稀有な展覧会だと思います。

ちょっと紹介しましょうか。


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アングル 『水浴の女(小)』



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ゴーギャン(ゴーガン)  ハム



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ゴッホ 『アルルの公園の入り口』



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シスレー 『ルーヴシエンヌの雪』


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ドガ 『リハーサル室での踊りの稽古』



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マネ 『スペイン舞踊』


どうですか?
いずれ劣らぬビックネームの巨匠の、
しかも秀逸な作品であることは、
つたない写真からもわかると思います。

でも、これすらほんの一部。
またまだ傑作がたくさんあります。本当に。
お薦めの展覧会です。


Old Fashioned Club  月野景史

2018年8月16日 (木)

【美術展】「巨匠たちのクレパス画展」損保ジャパン日本興亜美術館

新宿の東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館では9月9日(日)まで
「巨匠たちのクレパス画展」が開催中です。

2018


巨匠たちのクレパス画展
日本近代から現代まで
会期:2018年7月14日(土)~9月9日(日)

会場:東郷青児記念損保ジャパン日本興亜美術館
主催:東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館、産経新聞社
協賛 損保ジャパン日本興亜
協力:サクラアートミュージアム、サクラクレパス、ターレンスジャパン、アムス、教育美術振興会
http://www.sjnk-museum.org/program/5380.html


毎回ユニークな企画展を開催する損保ジャパン日本興亜美術館ですが、
今回も珍しい、クレパス画の展覧会です。


そもそもクレパスとは何か?
聞いたことはあるけど、クレヨンとは何が違う?

クレパスはクレヨンとパステルの良さを兼ね備えた画材として、
1925年(大正14)年に日本で発明されました。

画面によく定着するのが特徴で、伸びやかで発色がよく、
混色や塗り重ね、ひっかくなどの幅広い表現が可能です。

学校教材として普及したため、子ども向けのものと思われがちですが、
その優れた特性は、油絵具の入手が難しかった第二次大戦直後には
多くの画家たちに注目され、独自な画材として絵画表現に取り入れられるようになりました。


100人超の作家達によるクレパス画の競演
本展では、サクラアートミュージアムの絵画コレクションから、
クレパス開発と普及に関わった画家・山本鼎(かなえ)をはじめ、
大正から昭和にかけて日本画壇で活躍した巨匠たちを中心に、
現代の作家たちの作品も併せて紹介されています。

岡本太郎、梅原龍三郎、小磯良平、熊谷守一、猪熊弦一郎、
あの画家がクレパス画をと驚くような巨匠の名も並びます。



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寺内萬治郎 『緑衣の婦人像』
これがクレパスで描かれた絵なのか!



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岡本太郎 『鳥と太陽』
この有名過ぎる巨匠のクレパス画も展示。


Old Fashioned Club  月野景史

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