【生誕60年】『ウルトラマン』岩本博士(平田昭彦)の専門分野・守備範囲は?
科学特捜隊を支える科学ブレーンである岩本博士として出演し、
その怜悧な洞察力で『ウルトラマン』を引き締めた平田昭彦氏。
1954年の第一作『ゴジラ』で伝説的な芹沢博士を演じて以来、
東宝特撮映画で数々の名演を残してきた平田氏なので、
岩本博士はまさに適役でした。
その岩本博士ですが、そもそも専門分野は何か?
…というより、どういった分野に詳しいのか、守備範囲はどこまでなのか、
簡単に考察してみようかと思います。
別に粗さがしをしようというわけではありません。
岩本博士の偉大さの再発見が記述意図です。
『ウルトラマン』全39話中、岩本博士の登場回は全6話。
印象が強いキャラクターですが、意外と少ないのです。
順番に見ていきます。
第5話
ミロガンダの秘密
初登場回。
殺人事件の現場に残された証拠物を分析して、
動物性か植物性かを考察しているので、生物学が専門のように思えます。
ただ、ちょっとわかり難いのですが、最初の登場シーンは
事件現場である地質学者の研究室に臨場し、証拠物の調査をしています。
まるで『科捜研の女』の榊マリコ(沢口靖子)のような仕事ぶりで、
そもそもどういう立場で臨場したのか、よくわかりません。
第12話
ミイラの叫び
冒頭の発掘現場に登場。
遺跡の発掘というと考古学ということになりますが、
関心はミイラのみのようなので、となると広義の生物学か。
この回で科学センターの関係者であることが明らかになります。
Wikipediaでは関連資料から「所長」とされていますが、
この後の回を含め、劇中では所長とは明言されません。
第13話
オイルSOS
連続登場。
この回では、怪獣ペスターの出現後に現場に現れ、ペスターについての考察を述べています。
怪獣学の専門家といった趣です。
以上、第1クールである13話までの検証だと、
怪獣だって生物ですから、生物学が専門という印象です。
しかし、第2クールになると状況が一変します。
第16話
科特隊宇宙へ
この回で岩本博士は金星探査ロケット「フェニックス」を開発中であることが明らかになります。
となると守備範囲はロケット工学・航空宇宙工学系にまで広がります。
のみならず、科学特捜隊の主力機ジェットビートルの設計者であることも明かされます。
ビートルはただの超音速航空機ではなく、対怪獣・侵略宇宙人用の攻撃装備を持った戦闘機ですから、
単に航空工学の枠にも収まりません。
ともかく、ここにきて一気に工学系のイメージが強まりました。
第25話
怪彗星ツイフオン
この回では地球に接近する彗星ツイフォンについて分析しています。
天文学も守備分野か!
電子計算機で軌道について分析しており、天文学専門とまでは言えないかもですが、
博識であることはよりハッキリしました。
第39話(最終回)
さらばウルトラマン
この回ではなんといっても、ウルトラマンを倒した最強怪獣ゼットンを、
一撃で粉砕した無重力弾(ペンシル爆弾)の開発でしょう。
これにより、岩本博士の名はウルトラシリーズの伝説になりました。
以上、ごく簡単に振り返りました。
登場6話のうちの後半、特に16話と39話の強印象で工学系のイメージが強くなりましたが、
それだけでない博識ぶりがうかがえます。
実は、各話の企画段階では岩本博士登場予定の回はもっと多く、
平田氏のスケジュールが合わず、別の俳優が別人の科学者して演じた例がいくつもあるといいます。
守備範囲はもっと広がっていたのかも知れません。
一方で、結局専門は何なんだというツッコミどころも生じます。
しかし「博士」の「博」は「博識」「博学」「博物」の「博」。
つまり広い知識を持っている学者こそが「博士」なのだともいえます。
『ウルトラQ』の一の谷博士(江川宇礼雄)もそうでした。
もっとも一の谷博士に比べると岩本博士はビートル、フェニックス、無重力弾の印象から、
工学系のイメージが強いように思います。
平田昭彦氏について
平田氏はこの後、『ウルトラセブン』第1話に地球防衛軍参謀役で出演します。
この回に防衛軍幹部役で出演した方のうち、藤田進氏、佐原健二氏、宮川洋一氏は、
この後の回にも同じ役でセミレギュラーとして出演しますが、
平田氏は第1話のみの出演に終わってしまいました。
更なる登場が実現していれば、更なる伝説も生まれていたろうにと、残念に感じています。
Old Fashioned Club 月野景史



