【美術展】『トワイライト、新版画 ―小林清親から川瀬巴水まで』三菱一号館美術館/“新版画”の展覧会
東京丸の内の三菱一号館美術館で5月24日まで、
『トワイライト、新版画 ―小林清親から川瀬巴水まで』が開催中です。
トワイライト、新版画
―小林清親から川瀬巴水まで
2026年2月19日(木) - 2026年5月24日(日)
三菱一号館美術館
主催:三菱一号館美術館、スミソニアン国立アジア美術館、朝日新聞社
https://mimt.jp/ex_sp/shin-hanga/highlights/
日本の美術品なのだけど、海外の美術館のコレクションが大変充実している。
アートの世界にはよくあることです。
そして、そんなコレクションが日本に里帰りしての展覧会が開かれる。
これも珍しいことではありません。
今回里帰りを果たしたのは「新版画」というジャンルが中心です。
スミソニアン国立アジア美術館
アメリカ合衆国の首都・ワシントンD.C. に位置するスミソニアン博物館群のひとつである国立アジア美術館。
今回はその所蔵品から選りすぐりの浮世絵・新版画・写真約130点が来日…というか帰国。
アメリカ建国250周年という記念の年に、貴重な日本美術コレクションが、いまだかつてない規模で丸の内に揃いました。
本展に出品される浮世絵・新版画は、ロバート・O・ミュラー(1911-2003)が蒐集し寄贈されたもので。
彼はディーラーとして米国に新版画を広める役割を果たした一方で、約4,500 点のコレクションを形成しました。
吉田博(1876-1950)、伊東深水(1898-1972)、川瀬巴水(1883-1957)といった絵師たちを含むその新版画コレクションは世界最高峰と目されています。
しかし、「新版画」とはあまり聞かない名称かも知れません。
浮世絵は明治になると文明開化を伝えるジャーナリスティックな役割を得ますが、
一方で新しい技術やメディアの台頭により徐々に衰退を迎えることになります。
そのような浮世絵の黄昏の時代に、最後の浮世絵師のひとりとして活躍したのが小林清親(1847-1915)でした。
彼の作品は薄暮や闇にきらめく光の繊細な表情を描いて「光線画」と呼ばれ、一世を風靡しました。
この時代に光についての注目は印象派と軌を一つにする先駆的な視点といえます。
その後失われゆく浮世絵の技術を継承し、新しい時代の版画を創造しようとしたのが版元の渡邊庄三郎(1885-1962)でした。
彼は清親の見出した江戸東京にまつわる郷愁を引き継ぎ、絵師や来日した外国人画家たちと協働して新版画の活動を展開します。
本展では彼らの手がけた伊東深水の『近江八景』、川瀬巴水の『旅みやげ第一集』、『東京十二題』といった
初期のシリーズが取り上げられています。
西洋絵画ファンにとっては、いわゆる浮世絵よりも馴染み易いようにも感じます。
論より証拠、まずは鑑賞を。
Old Fashioned Club 月野景史
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