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2025年4月

2025年4月21日 (月)

【昭和特撮】『ジャイアントロボ』/悪の組織BF団の個性的な幹部達も魅力

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「東映特撮YouTube Official」チャンネルで
昭和特撮ドラマの名作『ジャイアントロボ』が配信されています。




『ジャイアントロボ』
東映・NET(現テレビ朝日)制作  
1967年10月11日~1968年4月1日 全26話

1966年~68年のいわゆる“第一次怪獣・特撮ブーム。
『ウルトラQ』ウルトラマン』(初代)『ウルトラセブン』の初期円谷プロ作品と同時代に
『悪魔くん』『仮面の忍者赤影』『キャプテン・ウルトラ』と特撮ドラマを作ってきた東映が、
最後に制作したのが怪獣・巨大ヒーロー物の『ジャイアントロボ』でした。

ウルトラシリーズとは違い、“ギロチン帝王”という宇宙からの侵略者がシリーズ通しての敵、ラスボスとなるタイプのドラマ。
その点では、やはり同時期の巨大ヒーロー物で、侵略者“ゴア”が登場する
マグマ大使』(ビープロダクション制作)に近いです。

ただ『マグマ大使』のゴアは手下も宇宙人でしたが、
ギロチン帝王の手下となるのは“BF団(ビーエフ団=ビッグファイア)”なる地球人の組織(らしい)という違いがありました。
帝王とBF団との関係は劇中で詳しい説明がないので、よくわからないのですが、
主にBF団の日本支局長として、個性的な幹部が次々登場するのもこの作品の魅力で、
この点は、後の『仮面ライダー』の悪の組織ショッカーの先駆けともいえます。

そして、明らかに宇宙人である幹部も登場して、
人間である日本支局長と共闘したり、微妙な人間関係(?)を垣間見せたりもします。

もちろん、タイトルロールであるジャイアントロボ、
正義の組織ユニコーン機関のメンバーとなるロボの操縦者の草間大作少年(金子光伸)、
相棒的ポジションの南十郎隊員(伊東昭夫)、東支部長(伊達正三郎)らのチームワーク。
そして、これまた個性豊かな怪獣たちと見どころいっぱいの作品でした。

それでは、悪の幹部達を中心に紹介していきます。


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BF団初代日本支局長 スパイダー(丹羽又三郎) 1-7話 全7話に登場
演者の丹羽氏はこの後『仮面ライダー』でもゲルショッカーの大幹部ブラック将軍を演じました。
徹底的に冷徹だったブラック将軍に対して、スパイダーは二枚目半のちょっとコミカルなキャラでした。
丹羽氏は元々大映時代劇の主演級映画スター。テレビでは主に悪役として多くの作品に出演しましたが、
『仮面ライダー』から間もなくの1973年頃のドラマ出演を最後に芸能界を引退、実業家に転身しました。
それが40年後の2014年に80歳で俳優復帰を宣言し、雑誌のインタビューに登場したりもしましたが、
映像作品への出演記録は確認出来ません。


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ドクトル・オーヴァ(安藤三男)3.4.9.10.12.17話 全6話に登場 
ギロチン帝王の信任厚い、別格の宇宙人幹部。強烈なヴィジュアル!
安藤氏はこの後『人造人間キカイダー』のプロフェッサーギルなどを演じ、
特撮の悪の幹部役のレジェンドとなりました。



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二代目日本支局長 ブラックダイヤ(室田日出男) 8.10-12話 全4話に登場
室田氏は2000年代初頭まで、個性派の名優・大物脇役俳優として活躍しました。
ただ私はブラックダイヤが好きなのですが、意外にも他の複数回登場の幹部に比べて印象が弱い面があります。
最期がきちんと描かれなかったことも一因かも知れません。



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ドクトル・オーヴァとブラックダイヤ
俳優としての格では室田氏やスパイダーの丹羽氏が上だと思いますが、役の上ではオーヴァが格上でした。
オーヴァの存在のため、スパイダーやブラックダイヤは小者感が漂ってしまいます。
例えればスパイダーら地球人幹部は子会社の支社長、オーヴァは本社オーナー直属の役員というイメージでした。


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三代目日本支局長 レッドコブラ(三重街恒二) 13.14.17.18.20話 全5話に登場
三重街氏は東映に所属していた脇役俳優で、この後は初期の「悪役商会」にも参加していたと思います。
スパイダーとブラックダイヤは基本的には二枚目タイプですが、
オーヴァに引っ張られたか三代目は容貌魁偉。
この傾向はこの後ますます強まります。


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ドクトル・オーヴァとレッドコブラ
コブラはオーヴァと共演したこの第17話だけメイクが違います。
そして、この回の作戦失敗により、オーヴァは元は厚く信任されていたギロチン帝王により処刑されてしまいました。

続編では更に超個性的な幹部達を紹介していきます。

Old Fashioned Club 月野景史

2025年4月18日 (金)

【芸能』とんねるずとダウンタウンはどうなる? デビュー時の差異とこれから

とんねるずとダウンタウン、長く芸能界の頂点にいた2組がフェードアウトしそうな状況です。

もちろん、まだそう決まったわけではないし、
事情も不祥事報道と体調問題、その両方重なった人、特に大きな問題が報じられてない人と、
四者四様なので、安易に論ずることも出来ませんが、
長くトップを張った2組が同じ時期に似たような状況にあることは、時代の変わり目を象徴しているようにも感じます。

とんねるずとダウンタウンはだいたい同世代。
共に同級生同士のコンビ。
とんねるずは1961年度の生まれ(木梨さんは1962年の早生まれ)
ダウンタウンは1963年生まれ。
学年でいうと、とんねるずがふたつ上ということになります。

今となれば、ほとんど同い年。
元々、「お笑い第三世代」などと呼ばれてきました。


ただ、少なくとも全国レベルでいえば、出てきた時期には差異があります。
間隔的にも開きがあるし、それ以上に“時代”が違うように思えるのです。

とんねるずはマンザイブーム、お笑いブームに沸いた1980年代初頭には
(正確にいえば最大のピークは過ぎた頃くらい)一番若い世代として、テレビに出だします。
最初は空回り感もありましたが、80年代半ばにはトップグループの一角に食い込みます。

つまり昭和の時代、バブルに沸く80年代半ばには既にトップに立っていたといえます。

一方のダウンタウンは関西では若手トップの位置にいたのでしょうが、
本格的な東京進出は1989年から。
全国区になっていくのは平成時代、そしてバブル崩壊後の1990年代になるので、
とんねるずと同世代、同時代といわれても、やや違和感があるのです。


ほとんど語られることはありませんが、80年代のとんねるずの印象深い作品に
深夜ドラマ『トライアングル・ブルー』(1984-86年)があります。
イメージで分かり易く伝えるなら、トレンディドラマのパロディといったところ。
ただ実際には、トレンディドラマの元祖ともいわれる君の瞳をタイホする!が放送された1988年より前のドラマでしたが。


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ドラマ『トライアングルブルー』での若き日のとんねるず
右はヒロインの川上麻衣子さん

六本木が舞台で、バブル期を象徴するイメージがあったことに加え、
当初は脇役としての出演だったとんねるずが人気上昇に伴い主役を奪い取るという、
この時代のとんねるずの勢いを象徴する番組でした。


ダウンタウンはもう1組の第三世代の旗手ウッチャンナンチャンと共演した深夜番組
1988年スタートの『夢で逢えたら』が関東でも名前を知られた出世作という感じでしようか。

ウッチャンナンチャンも同級生コンビで、学年でいうとダウンタウンよりひとつ下。
この2組は出世作が共演作品なので同世代というイメージがあるし、
2組の関係性という点でも盟友同士という感があります。
対してとんねるずとダウンタウンは長く[両雄並び立たず」というイメージでした。


ともかく、とんねるずとダウンタウン、“不可侵”といった状態を続けつつ、
共に1990年代、2000年代をトップとして駆け抜けました。
2010年代以降、令和以降については、
相変わらずコンビとして、またソロでも多数のレギュラー番組を抱えるダウンタウンに対して、
とんねるずはテレビ露出は減少傾向にありましたが。

今の状況が時代の変わり目を感じるのは、
単にこの2組に起きた問題だけではなく、
テレビというメディアの大きな転換点を象徴しているようにも思えるからです。

ただ、4人とも年齢は60代前半。
超高齢化時代にあっては、またまだ退場する年齢でもないともいえるのですが、
どうなるのでしょう。

Old Fashioned Club 月野景史

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