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2023年9月 4日 (月)

ジャニー喜多川氏の性加害問題②/事務所とメディアが共に築いたジャニーズタブーの深い病巣

前回のブログの続きです。

ベストセラーとなった『光GENJIへ-元フォーリーブス北公次の禁断の半生記』(1988年)について、
ジャニーズ事務所、ジャニー喜多川氏が黙殺した、つまり反論しなかったということは、
概ね、その内容が事実である、と解釈されても仕方ありません。
あるいは、仮に事実と相違する点が多々あったとしても、
この問題について表立って議論をしたくないという、やましさがあったということでしょう。

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そして、前述のように大手マスメディアは完全黙秘しました。
一部メディアでは、その後もこの問題を取り上げることもありましたが、
どこか真偽の怪しい都市伝説めいた話として、扱われてきたようにも感じます。


それが今年、『光GENJIへ』発行から35年、ジャニー氏の没後4年目となる2023年に、
イギリスBBCテレビの番組をきっかけに、突如として注目され、国際的なニュース、大問題になりました。
これにより、『光GENJIへ』の内容が概ね真実であったろうこと、そしてこの本の発行以降も、
ジャニー氏による性加害・被害の実態はまったく改まっていなかったらしいことが立証されることになりました。


未成年者への成人による性加害という、重大な犯罪行為が、
人々に注視される筈の芸能界の頂点で、半ば公然の事実として認識されながら、
無視されてきた、今更ながら恐ろしいことです。

このジャニー氏の件は男性⇒男性への性加害・被害ということで、少し特殊性があるのですが、
「同様のことは男性⇔女性の間にだっていくらでもある」、「芸能界なんてそんなところ」との、
歪んだ常識感も根底にあったのでしょう。
それが海外からの批判で、一気に突き崩されました。

また、今回の問題の発覚後にジャニー氏を不用意に擁護した人は、厳しい批判にさらされました。
これも当然です。
功績は功績として認めるとしても、だからといって、犯罪行為が帳消しになる筈はないのだから。
芸能界側も、それ以外の“一般人”も、根本的な意識改革が必要なのだと感じます。


メディアの責任
そして、今回の調査チームの報告には、この問題を黙殺してきたマスメディアに対する批判も含まれていました。
これも大きな問題です。
そもそも今回、この問題が表面化したのも、海外からの指摘で、
日本の芸能界は多く大マスコミが関わりながら、自浄作用が機能していないことが実証されてしまった形です。

しかし、元々芸能界には様々な特殊な事情があることを、ある程度認めるとしても、
私のような一視聴者から見ても、ジャニーズに関わるマスコミ報道、対応の特殊さは、
この性加害問題のみならず、際立っていました。
それらは、実際にジャニーズからそのような指示が出ているのか、
マスコミ側の忖度なのか、よくわからない、そこがまた闇の深さを感じさせます。
それらについても、少しだけ書いてみます。


人気CMタレントなのに番組には出れない
例えば、このブログでも以前取り上げましたが ⇒ 【芸能】元SMAP3人の出演圧力で公取がジャニーズ注意

元SMAPのメンバーで、解散後にジャニーズを退所した稲垣吾郎さん、草彅剛さん、香取慎吾さん。
3人とも、CMでは大手企業も含めてよく見かけるのに、番組ではまった見ない期間が続きました。
これを公正取引委員会が事務所からの圧力とみなし、ジャニーズを注意したと報道されました。

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宝くじのCMに起用されているのに、番組にはさっぱりという時代

特に草彅さんは主演俳優として、長く連続ドラマをほぼ十割の確率で好視聴率に導いてきた実績があるのに、
一時期、完全に干されていました。

普通、民放テレビ局ならスポンサー受けと視聴率を一番に気にしそうなものですが、
ジャニーズについては、まずは事務所の意向が第一なのか?


再放送タブー?
また、これも前に少し書いたことですが、
このブログでよく取り上げるドラマ『相棒』、『科捜研の女』
また「警視庁・捜査一課長』『遺留捜査』などは、テレビ朝日の午後の時間帯で、ランダムに再放送されています。

しかし、同じテレビ朝日・東映制作の警察ドラマである『警視庁捜査一課9係→特捜9』シリーズや
『刑事7人』は、新シーズン開始前に前シーズンが再放送されるくらいで、他の時期はまったく再放送されません。
この2本は他のドラマと何が違うかといえば、ジャニーズタレントが主演・準主演で出演している点でしょう。
それ以外に考えられません。

少なくともシリーズが続いている以上、テレ朝の再放送は人気の盛り上げに間違いなく貢献すると思われますが、
なぜNGなのか、難しいです。

更に、少し前のことで、ちょっと証拠を見つけられませんでしたが、
ドラマの制作発表記者会見の模様がネットニュース等で公開される際、
檀上に並んだ出演者の集合写真から、ジャニーズタレントだけを切り取ってカットとしたと思われる
不自然な写真が掲載されているのを見た憶えがあります。
つまり、会見には出席して写真撮影もさせているのに、写真をメディアに載せてはいけないということ?
こういったことは具体的な要請があるのか、マスコミ側の忖度による自主規制だったのか?

ここまで、主にこのブログの“得意分野”であるドラマにおける問題を取り上げました。
これらもまた、ジャニーズタブーの一環。

ただ、性加害問題と比べれば些細な、勝手にすればいいという事案かも知れません。
しかし、異様ではあります。
そして、根元の部分は同じではないのかと感じています。
『光GENJIへ』の黙殺から数十年、事務所とマスコミ側の双方が、
歪んだ関係を、異様な業界内常識を、を作り上げてしまったのかも知れません。


Old Fashioned Club 月野景史

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