【漫画】『ドラえもん』てんとう虫コミックス「第0巻」/幻の第1話6種類を一挙収録
国民的漫画『ドラえもん』のコミックスといえば小学館の「てんとう虫コミックス」。
1974年発行の第1巻から、1996年の第45巻までが既刊です。
実はそれとは別に、「第0巻」がコロナ直前の2019年11月に発売されています。
ネット民が生み出したフェイクとか?
いえいえ、小学館発行の正規の「第0巻」なのです。
『ドラえもん』といえば、幻の最終回について話題になることがあります。
ネットによく出来た画像があったりしますが、これはフェイクです。
藤子・F・不二雄氏による、シリーズ完結作としての、本当の最終回は存在しません。
(厳密にいうと、「最終回」と呼べないこともない回はあるのですが、それはまた改めて)
さて、「第0巻」には、「幻の第1話」が収められています。
しかも、6種類も。
そして、いずれも本物です。
いったいどういうことなのか?
ある程度、上の年代の人なら、事情はピンとくるでしょう。
『ドラえもん』は「小学館の学年誌」複数に同時に連載されていました。
具体的にいうと、1971年1月号(発売はおそらく1970年の12月)の
小学館の雑誌「よいこ」「幼稚園」「小学一年生」「小学二年生」「小学三年生」「小学四年生」で、
同時に連載がスタートしたのです。
学年誌の同一漫画の連載は原則として、学年が違えば、同じ月号でも違う内容が載ります。
(この連載システム自体、漫画家の負担を考えると大変な話ですが)
ですので、『ドラえもん』にも同月に掲載された6種類の第1話が存在するのです。
一般に知られる第1話は?
では、てんとう虫コミックス第1巻掲載の、一般に認識されている第1話は何なのか?
基本的には「小学四年生」1971年1月号の第1話です。
ただ、連載開始からコミックス第1巻発行までは約3年半が経過しており、
収録にあたっては多少の改編が施されています。
第0巻には、オリジナルの「小学四年生」版第1話も収録されています。
6種の第1話、いずれものび太とドラえもんの出会いから始まり、初回らしい体裁を取っています。
ただ、低年齢層向けの作品には、セワシがドラえもんを連れてきた事情、
のび太が残した借金で子孫が苦しんでいるので、その未来を変えるため、という説明はありません。
そして、年齢が明記されているわけではありませんが、
のび太の年代が当該誌と合わせて描かれています。
(例えば、未就学児対象の「よいこ」「幼稚園」では、未就学児風に)
6種の幻の第1話、ファンなら是非読んでおきたいところです。
Old Fashioned Club 月野景史
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