【昭和プロレス】A・T・ブッチャーとキング・イヤウケア 幻の共闘+トーア・カマタ/1979ジャイアントSポスター
全日本プロレスの1979年秋のジャイアントシリーズのポスター
開幕3戦目の後楽園ホール大会が告知されています。
しかし、なんとも迫力あるというか、強烈なヴィジュアルです。
アブドーラ・ザ・ブッチャーとキング・イヤウケア
昭和の2大流血ファイター共演!
ブッチャーとイヤウケアは全日本プロレスに3度、同時参戦していますが、
すべてトーナメントorリーグ戦のチャンピオンカーニバルなので、
このように通常シリーズのWエース格として来日することはありませんでした。
「ありませんでした」って、このポスターのジャイアントSは“通常シリーズ”なのだから、
実現しているだろう、と思うでしょうが、実はこれ“幻のポスター”なのです。
このシリーズにイヤウケアは来日予定で、ポスターにも載っていましたが、中止になってしまったのです。
キング・イヤウケア
(1937年9月15日 - 2010年12月4日)
1960年に力道山時代の日本プロレスに初来日。
この1979年は1月に15度目の来日を果たし、初来日だったブルーザー・ブロディと共闘しました。
そして10月開幕のジャイアントSにこの年2度目、通算16度目の来日が決定していました。
しかし、来日前に細菌感染から敗血症になり入院して、来日は中止、
そのまま現役を引退してしまうのです。
その後、マネージャーとしてプロレス界には復活しますが、
現役レスラーとしては、この年の1月が最後の来日ということになってしまいました。
ブッチャーとイヤウケア、カーニバルはリーグ戦なので、対戦もしています。
このジャイアントSでの来日が実現していたら、完全に共闘して、
ジャイアント馬場とジャンボ鶴田の持つインターナショナルタッグ王座にでも挑戦したのか、
それとも仲間割れなど、波乱含みの微妙な展開になったのか、興味深いところです。
現実には、ブッチャーはレイ・キャンディとのチームでインタータッグを奪取するのですが、
ネットには、これは元々ブッチャー&イヤウケア組に用意されたブックだったとの説もあります。
イヤウケアとカマタ 幻の流血コンビ
この時代、もう一人同じようなタイプの流血ヒールにキラー・トーア・カマタがいます。
実は、このジャイアントSに続く、79世界最強決定タッグリーグ戦で、
イヤウケアとカマタが組んで出場する予定だった、との記事が当時の雑誌に載っていました。
正式発表はされておらず、そういう予定があったが、イヤウケアの療養に実現せず、
発表にも至らなかった、との後日談としてです。
なので、真偽は不明です。
結果的にカマタは、タイガー戸口の全日本入りでパートナーが不在になっていた大木金太郎とのコンビで出場しました。
イヤウケアとカマタは同じハワイ出身
以前はカマタはイヤウケアのスカウトでプロレス入りしたとも、
師弟関係にあるともいわれましたが、
二人は1937年生まれの同い年のようで、ここはちょっと微妙です。
海外サイトで見る限り、この二人は組んだことも戦った記録も残っていません。
ただ、同じ日に同じ会場に出場していたことはあるようです。
日本でのニックネームは、
イヤウケアは「流血の巨象」
カマタは「流血大王」
これは昔からちょっと不満があります。
「巨象」が悪いわけではありませんが、カメハメハ王朝の血を引くといわれるイヤウケアこそ、
「流血大王」が相応しいと思うからです。
イヤウケアとカマタが同時に日本に来たことはありませんし、
当然、ブッチャーも含む3人が揃ったこともありません。
79最強タッグで実現していたら、ブッチャーのパートナーであるザ・シークも合わせて
4人の凶悪ヒールが集結していたことになります。
現実には、大木・カマタ組はブッチャー・シーク組戦を棄権して、不戦敗ということになりました。
もしイヤウケア・カマタ組が実現していたら、棄権などせず、
大クレージーマッチを繰り広げてほしかった、なとど夢想してしまいます。
当時、人気絶頂期に差し掛かっていたブッチャーに対し、
イヤウケアは戦績も下降気味で、フォール負けも多くなっていました。
ただ、それでもバリューがあまり落ちない面もありました。
懐かしいレスラーです。
Old Fashioned Club 月野景史
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