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2023年4月

2023年4月19日 (水)

【相棒】「名探偵登場」「名探偵再登場」亀山・神戸期に跨る傑作姉妹編 マーロウ矢木登場/元ネタの映画版についても

☆2023年11月22日放送の『相棒22』第6話「名探偵と眠り姫」に12年ぶりでマーロウ矢木が登場します。
☆それに伴いテレビ朝日では11月21日と22日午後に「名探偵登場」「名探偵再登場」を再放送します。

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「名探偵登場」 相棒 season5 第10話 2006年12月13日放送  初代相棒亀山薫期


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「名探偵再登場」 相棒 season10 第11話 2012年1月11日放送  2代目相棒 神戸尊期


『相棒』22年の歴史の中でも、コミカル色の強い傑作といわれる回で、しかも姉妹編です。
1本目が初代亀山薫(寺脇康文)時代、2本目が2代目神戸尊(及川光博)時代に亘っていて、
どちらも面白いというのもいい。
今回のブログではこの2本について、少し記します。

メインゲストは高橋克実さん。
マーロウ矢木」を自称する“チャンドラー探偵社”の私立探偵・矢木明を演じます。
名探偵というよりは“迷探偵”

マーロウ矢木は1本目である事件に絡み、なりゆきで初代特命コンビと共同で捜査をすることになります。
矢木はいかにもな迷探偵でありますが、右京も認める鋭さを垣間見せることもあり。
矢木の機転と人脈のおかげもあって、事件は解決します。

2本目は1本目から5年と少し経過、2代目相棒神戸尊の時代末期。
きっかけとしては、矢木がある事件で捜査一課に事情聴取されることなのですが、
結果的には矢木の方から2代目特命コンビに協力依頼して、また合同捜査という流れです。

この2本、なんといっても、高橋克実さん演じる矢木のユニークなキャラが魅力。
謎の悪女の登場など、ハードボイルドっぽい展開もいい感じです。
1本目の“悪女”は吉井有子(現 輝有子)さん。『相棒』にしてはセクシーな姿を披露してくれます。
2本目で“悪女”役を演じるのは、後に『警視庁・捜査一係長』の女性管理官 板木望子役で
警察ドラマファンにもお馴染みの顔になる陽月華さん。


ところで「マーロウ」とは?
ハードボイルド小説の巨匠レイモンド・チャンドラーが創造した
私立探偵フィリップ・マーロウのこと。
矢木は推理小説・ハードボイルド小説のマニアで、フィリップ・マーロウにあこがれており、
「チャンドラー探偵社のマーロウ矢木」などと名乗っているわけです。

マーロウが登場するチャンドラーの代表作『長いお別れ』と、
作中に登場する名セリフ「ギムレット」には早すぎる」、
カクテルのギムレットについて書いた記事は、当ブログの屈指の人気記事です。
「ギムレットには早すぎる」はマーロウのセリフではない/ギムレット超入門と『長いお別れ』

「再登場」では、カクテルのギムレットならぬ「ムギレット(麦レット)」もネタとして登場します。


タイトルの元ネタは外国映画
少し『相棒』から離れ、この2本のサブタイトル「名探偵登場「名探偵再登場」について。
これには元ネタがあり、いずれも1970年代制作のアメリカ映画の邦題と同名なのです。

『名探偵登場』(原題:Murder by Death) 1976年

『名探偵再登場』(原題:The Cheap Detective)1978年
脚本:ニール・サイモン 監督:ロバート・ムーア

両作とも私立探偵を主役とするパロディ作品。
邦題だと、2作目は1作目の続編みたいですが、そうではありません。
脚本・監督も同一で、極めて似たテイストではありますが。
1作目のヒットにより、よく似た2作目に続編のような邦題をつけたのです。
実際、同一シリーズと言っていいくらいテイストは似てますが、内容的には続編ではなし。

1作目は豪華キャスト勢揃いの、名探偵大挙登場映画。
古典ミステリ小説や映画の名探偵のパロディキャラたちが競演します。

2作目は、1作目で名探偵の1人を演じたピーター・フォークの単独主演。
フォークはいわずと知れた『刑事コロンボ』の主演俳優。

フォークが1作目・2作目で演じた役は同一人物ではないですが、よく似たハードボイルドタイプ
つまり、おとぼけ刑事のコロンボとはまったく逆ともいえるキャラを演じています。
直接のモデルとなっているのはマーロウではなく、こちらもハードボイルドの有名キャラクターサム・スペード

そういえば、『相棒』の1本目で、矢木はサム・スペードの名も、少しだけ出しています。
要約すると→「西日暮里ではマーロウ矢木、戸越銀座ではサムスペード矢木と呼ばれています


元の映画と『相棒』の2本のエピソード
タイトルが同じで、私立探偵を題材としたパロディ色の強いコメディである点は共通ですが、
ストーリーはあまり似ていません。

特に映画版第1作は名探偵総登場物なので、全然違う。
強いていえば、『相棒』の2本は、映画版第2作のパロディに近い、と言えなくもないですが、
それよりは本家マーロウシリーズ、つまりハードボイルド物のパロディと言った方がいいかも知れません。

1本目にはマーロウシリーズの『プレイバック』より、もうひとつの有名なセリフが出てきます。
男はタフでなければ生きて行けない。優しくなれなければ生きている資格がない。
2本目はギムレットが出てくるところは『長いお別れ』と関連がありますが、
ストーリー展開は『プレイバック』に近い面があります。


しかし、なんといっても、目玉は高橋克実さん演じるマーロウ矢木のキャラクター。
杉下右京(水谷豊)や亀山、神戸とのやりとりも面白く、他のゲストキャラも良い味を出しています。
『相棒』の新作放送中にこの2本が再放送されたら、マーロウ矢木再登場への布石か!
などと思うところですが、先月最新シーズンが終わったばかりなので、とりあえずありません。

Old Fashioned Club 月野景史

2023年4月18日 (火)

【ドラマ】『江戸を斬る 梓右近隠密帳』竹脇無我主演 豪華キャストの伝説の傑作時代劇

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『江戸を斬る 梓右近隠密帳』

1973年9月24日~1974年3月25日 放送

江戸を斬る』といえば『水戸黄門』や『大岡越前』と同じ
TBSの『ナショナル劇場』で放送されていた時代劇ドラマの人気シリーズで、
西郷輝彦や、たいぶ後には里見浩太朗遠山金四郎を演じた作品として記憶している人が多いでしょう。

しかし、金さんが主役になったのは第2部以降で、第1部は別のドラマでした。
タイトル通り、「梓右近」なる架空の人物を竹脇無我が主役として演じたドラマだったのです。
このドラマの再放送がチバテレビで4月16日から始まりました。水曜-日曜の20時放送とのこと。
今日はこの昭和の傑作時代劇を紹介します。

このドラマは『大岡越前第3部』→『水戸黄門第4部』に続いて放送されました。
『黄門』と『越前』に交互に放送するローテーションが確立しつつあった時期に、
『越前第4部』を飛ばして、『梓右近』が放送された形です。


『大岡越前』の実質的なスピンオフ
そして、このドラマは実質的に、『大岡越前』の準主役である榊原伊織役の
竹脇無我さんを主演に据えた、『越前』のスピンオフ作品と言っていいかと思います。

もちろん、伊織と右近は別人ですし、人物設定も時代も違うので、
厳密にいえばスピンオフではないですが、伊織と右近のキャラクターは良く似ています。

そして主要なレギュラーキャストの配置が『越前』に極めて近いです。
例えば、目明しの大坂志郎、その配下の岡っ引きに高橋元太郎、密偵ポジションの松山英太郎
更に長老ポジションで片岡千恵蔵、他に志村喬、中村竹弥といった大物が『越前』と同一キャストです。


大江戸版『水戸黄門』
そもそも、主役の梓右近とは何者か?
徳川三代将軍 徳川家光の異母弟で会津藩主の保科正之。これは実在の人物。
この正之の双子の弟という設定の人物が、本編の主役 梓右近なのです。

右近は家光、そして正之の依頼を受け、普段は浪人として町に隠棲しつつ、
江戸にはびこる悪を暴き、懲らしめるという役を担います。
そして、その際には、水戸黄門の印籠同様、葵の御紋の刻まれた剣を抜くのです。
大江戸版の『水戸黄門』といったところです。


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豪華キャスト・キャラクター
このドラマはレギュラー・準レギュラーキャストが大変豪華です。

それも出演俳優が豪華なだけではなく、
登場人物が、歴史上の有名人だったり、時代小説や時代劇映画の人気キャラクターが多く、
それを大物俳優たちが演じているのが特徴。
初回に登場したキャラを挙げてみます。

大久保彦左衛門を片岡千恵蔵
柳生但馬守宗矩を志村喬
柳生十兵衛を若林豪
丸橋忠弥を加藤大介(志村喬とは『七人の侍』のコンビ)
松平伊豆守を神山繁
一心太助を松山省二(松山英太郎と兄弟共演)
大久保家の用人、笹尾喜内を牟田悌三
徳川家光に長谷川哲夫
そして、シリーズ通しての敵役・ラスボスの由井正雪を成田三樹夫が演じています。


更に女優陣も豪華
柳生但馬の娘を演じヒロインを務めるのは、前述のように松坂慶子
更に榊原るみ鮎川いづみと、当時21~22歳の若手人気女優が並びます。
これもナショナル劇場としては、珍しい趣向です。
上に貼った当時のポスターでも、女優陣を大きめに扱い、華やかさを強調しています。

これらに加えて前述の大坂志郎高橋元太郎松山英太郎らが第1話に揃って出演しています。
連続ドラマの通常1時間枠の単回としてはあり得ないほどの豪華さ。
中村竹弥石谷十蔵役で第2話から出演)
回が進めば準レギュラーやゲストに更に大物俳優が登場していきます。

と、豪華俳優ばかり強調しましたが、
なんといっても、この頃の竹脇無我さんのかっこよさはすごい!
美人三女優競演も、この今でいえば“超イケメン”の主役あってこそ映えます。
3人とも右近に恋ごころを持つ、『黄門』や『越前』には無い構図です。

華やかさもある痛快娯楽時代劇にして、重厚さを合わせ持つ昭和の傑作。
令和の世でまた観れるとは嬉しいことです。

Old Fashioned Club 月野景史

2023年4月14日 (金)

【昭和プロレス】A・T・ブッチャーとキング・イヤウケア 幻の共闘+トーア・カマタ/1979ジャイアントSポスター

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全日本プロレスの1979年秋のジャイアントシリーズのポスター
開幕3戦目の後楽園ホール大会が告知されています。
しかし、なんとも迫力あるというか、強烈なヴィジュアルです。


アブドーラ・ザ・ブッチャーとキング・イヤウケア
昭和の2大流血ファイター共演!

ブッチャーとイヤウケアは全日本プロレスに3度、同時参戦していますが、
すべてトーナメントorリーグ戦のチャンピオンカーニバルなので、
このように通常シリーズのWエース格として来日することはありませんでした。

「ありませんでした」って、このポスターのジャイアントSは“通常シリーズ”なのだから、
実現しているだろう、と思うでしょうが、実はこれ“幻のポスター”なのです。
このシリーズにイヤウケアは来日予定で、ポスターにも載っていましたが、中止になってしまったのです。


キング・イヤウケア
(1937年9月15日 - 2010年12月4日)
1960年に力道山時代の日本プロレスに初来日。
この1979年は1月に15度目の来日を果たし、初来日だったブルーザー・ブロディと共闘しました。
そして10月開幕のジャイアントSにこの年2度目、通算16度目の来日が決定していました。

しかし、来日前に細菌感染から敗血症になり入院して、来日は中止、
そのまま現役を引退してしまうのです。
その後、マネージャーとしてプロレス界には復活しますが、
現役レスラーとしては、この年の1月が最後の来日ということになってしまいました。

ブッチャーとイヤウケア、カーニバルはリーグ戦なので、対戦もしています。
このジャイアントSでの来日が実現していたら、完全に共闘して、
ジャイアント馬場ジャンボ鶴田の持つインターナショナルタッグ王座にでも挑戦したのか、
それとも仲間割れなど、波乱含みの微妙な展開になったのか、興味深いところです。
現実には、ブッチャーはレイ・キャンディとのチームでインタータッグを奪取するのですが、
ネットには、これは元々ブッチャー&イヤウケア組に用意されたブックだったとの説もあります。


イヤウケアとカマタ 幻の流血コンビ
この時代、もう一人同じようなタイプの流血ヒールにキラー・トーア・カマタがいます。

実は、このジャイアントSに続く、79世界最強決定タッグリーグ戦で
イヤウケアとカマタが組んで出場する予定だった、との記事が当時の雑誌に載っていました。
正式発表はされておらず、そういう予定があったが、イヤウケアの療養に実現せず、
発表にも至らなかった、との後日談としてです。

なので、真偽は不明です。
結果的にカマタは、タイガー戸口の全日本入りでパートナーが不在になっていた大木金太郎とのコンビで出場しました。


イヤウケアとカマタは同じハワイ出身
以前はカマタはイヤウケアのスカウトでプロレス入りしたとも、
師弟関係にあるともいわれましたが、
二人は1937年生まれの同い年のようで、ここはちょっと微妙です。

海外サイトで見る限り、この二人は組んだことも戦った記録も残っていません。
ただ、同じ日に同じ会場に出場していたことはあるようです。

日本でのニックネームは、
イヤウケアは「流血の巨象」
カマタは「流血大王」
これは昔からちょっと不満があります。
「巨象」が悪いわけではありませんが、カメハメハ王朝の血を引くといわれるイヤウケアこそ、
「流血大王」が相応しいと思うからです。


イヤウケアとカマタが同時に日本に来たことはありませんし、
当然、ブッチャーも含む3人が揃ったこともありません。

79最強タッグで実現していたら、ブッチャーのパートナーであるザ・シークも合わせて
4人の凶悪ヒールが集結していたことになります。
現実には、大木・カマタ組はブッチャー・シーク組戦を棄権して、不戦敗ということになりました。
もしイヤウケア・カマタ組が実現していたら、棄権などせず、
大クレージーマッチを繰り広げてほしかった、なとど夢想してしまいます。

当時、人気絶頂期に差し掛かっていたブッチャーに対し、
イヤウケアは戦績も下降気味で、フォール負けも多くなっていました。
ただ、それでもバリューがあまり落ちない面もありました。
懐かしいレスラーです。

Old Fashioned Club 月野景史

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