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2023年2月

2023年2月20日 (月)

【ドラマ】今期一推し『ブラッシュアップライフ 』の魅力と、楽しめない人々について

Brushuplife

先日もこのブログ書いた、日本テレビ系日曜ドラマ枠(22:30~)『ブラッシュアップライフ』。
2月19日に第7話が終わったので、そろそろ終盤。
今クールで一番面白く、楽しんで観ているドラマです。

お笑い芸人で脚本家としても活躍する、多才なバカリズムさんの作。
交通事故により33歳で不慮の死を遂げた主人公の女性、近藤麻美(安藤サクラ)が
前世の記憶を持ったまま、同じ人間としての人生を赤ちゃんからやり直し、
来世でも人間に生まれ変わるために “徳を積む” という、いわゆるタイムリープもの。
麻美は既に4周目のやり直し中で、研修医として、35歳を迎えています。

私は楽しんで観ているですが、ネット(主に5ちゃんねるですが)では、
もちろん好きな人もいますが、不評も結構目立ちます。
たしかに、ちょっと難しい面があり、楽しめる人を選ぶドラマかも知れません。


このドラマを楽しめない人々
タイムリープのような現実にあり得ないテーマのドラマの場合、
現実社会の常識に囚われ過ぎて「そんなのおかしい」と言ってしまうと楽しめません。
そこを理解できず、不満を言っている人が多い・・・、まずそれは感じます。

一方で、こういう作品の良作は、現実にあり得ないことが起きる世界ではあるけど、
その世界における“法則”がはっきりしており、それに沿って話が進むものです。
このドラマも、法則についての説明はされているのですが、そこをしっかり認識せずの不満も目に付きます。
録画をしていないと、小説と違って、ページをめくって確認できないので、仕方ないのですが。

更にいえば、この“法則”の点も含め、登場人物の会話や行動の多くが色々な事象の伏線になっており、
後々の話に繋がってくる、そこが面白いのだけど。
特に会話部分が結構が長めなので、まずそこがつまらない、ということになります。

そして、そこを「つまらない」でちゃんと観てないと、後々のシーンの面白さが伝わってこないのです。
このあたりは、以前映画の『シックス・センス』について書いたことがありますが、それに似ています。


最新回視聴率は過去最高
しかし、最新第7話の視聴率は6.5%で、大きな振れ幅はないものの、過去最高を記録しました。
悪評ばかりということもないようです。

脚本も面白いけれども、安藤サクラさんの演技がさすが。
奇想天外な設定ならばこそ、演技力が光ります。
他のキャストも、麻美と幼馴染の仲良し三人組役の夏帆さん、木南晴夏さんはじめ、みな好演。


次回、急展開か!
このドラマは“タイムリープ物”という意味ではSFといえるのでしょうが、今まで科学的要素は皆無でした。
ストーリーが徹底的に麻美目線で展開するので、「時間軸」とか「世界線」といったSF的なものとは無縁だったのです。

ところが、第3話で少しだけ顔を出した水川あさ美さんが、今回から麻美の同級生、宇野真里の成人後として、本格的に登場しました。
上述のように麻美には2人の幼馴染の親友があり、3周目までは仲良し三人組として登場していました。
しかし、4周目では事情により二人とは疎遠になり、代わりに真理と仲良くなったという流れです。

この真理が、何周目かは不明ですが、麻美と同様にやり直しを生きているようなのです。
そうなると、一気に話がややこしくなる可能性があります。

次回予告の断片的な映像から推測すると、
真理も元々は三人組と仲が良く、つまり真理を含めて仲良し四人組だったのではないか、とも思われます。
ただ、ドラマで描かれた麻美の1周目の時点で、四人組ではないので、そうなると、いったいどういう世界観になるのか?

・・・、考えずに放送を待った方が賢明かもです。

Old Fashioned Club 月野景史

 

2023年2月13日 (月)

【美術展】「佐伯祐三 自画像としての風景」東京ステーションギャラリー/パリ、東京、1920年代を駆け抜けた夭折の画家

JR東京駅直結の美術館「東京ステーションギャラリー」で4月2日まで、
「佐伯祐三 自画像としての風景」を開催中です。
夭折の天才洋画家の本格的な回顧展。

Saeki

佐伯祐三 自画像としての風景
2023年1月21日(土)~4月2日(日)10:00~18:00(金曜日~20:00)
東京ステーションギャラリー
主催:東京ステーションギャラリー(公益財団法人東日本鉄道文化財団)、読売新聞社
https://saeki2023.jp/


佐伯 祐三(さえき ゆうぞう)
1898年4月28日 - 1928年8月16日 30歳没
若くして病で亡くなった画家。
30年の生涯といっても、画家としての活動はほぼ1923年頃から、
死去する1928年までの約6年ほどに集約されます。
1920年代に、異国からフランスの都パリに集った一人なので、“エコール・ド・パリ”の画家ともいえるでしょう。

本店はその芸術家ライフをほぼ俯瞰できる展覧会です。
その画業は、日本での画学生時代から最初の渡仏でのパリでの画業の修練、
一時帰国しての日本での活動から、再度渡仏して第二次フランス時代、
そして、かの地での死と、まさに時代を駆け抜けました。

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パリの街並みを描く
もっとも著名な作品は最晩年の『郵便配達夫』(1928年)で、それも展示されていますが、
多く描いたのはパリの街並、特に壁や建物に貼られた広告看板やポスターが代表的です。
※広告や看板を描いたのではなく、それらが貼られた風景の描写です。

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『ガス灯と広告』1927年


大阪、東京、パリ
およそ100年前、大阪、東京、パリ、の3つの街に生き、短くも鮮烈な生涯を終えた画家。
1924年に初めてパリに渡ってからわずかな本格的画業の中で、都市の風景を題材とする独自の様式に達しました。
特に、一時帰国を挟んだ後の2回目の滞仏期に到達した、繊細で踊るような線描による一連のパリ風景は、
画家の代名詞とされ、その比類ない個性は今でも多くの人を魅了し続けています。

本展では、佐伯が描いた「大阪」「東京」「パリ」の3つの街に注目しています。
最大級の質と量を誇る大阪中之島美術館の佐伯祐三コレクションを中心に、代表作が一堂に集結。
展覧会初出品となる作品も出展されています。

以上が本展のコンセプトです。
ただ、「大阪」については、佐伯は大阪生まれ、大阪育ちですが、美術学校入学時に東京に出てきており、
卒業後はすぐにパリへ、一時帰国時も拠点は東京でしたので、大阪の街を描いた作品は多くはないですが。

ともかく回顧展は15年ぶりとのこと。
佐伯芸術の魅力を再発見、あるいは新発見する貴重な機会に、きっとなると思います。

Old Fashioned Club 月野景史

2023年2月 6日 (月)

【笑点】円楽さん後任は春風亭一之輔/ゲスト代演時の好演が決め手か 円楽に通ずる毒舌キャラ

昨年亡くなった六代目三遊亭円楽(圓楽)さんの後任となる『笑点』大喜利メンバーは、
2月5日の放送で春風亭一之輔さんと発表され、第1回目の大喜利が放送されました。

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先日のブログで、順位は明記しませんでしたが、私は第一候補は時代の趨勢もあり、女流噺家の蝶花楼桃花さん、
第二候補に一之輔をさん挙げていました。
的中ではないけど、遠からずというところでした。

ヒントが「人気落語家」でしたので、それを重視すれば、一之輔さんなのは間違いありません。
実際にどうかは別にしても、ゲスト出演の際に、チケットの取れない人気者であることが強調されていましたから。


決め手はゲスト出演時の出来
円楽さんが病で休養に入って後、ゲストとして多くの噺家が代演を務めてきました。
円楽さんの代演ということで、最初は年齢の近いベテランの有名大物から、協会幹部クラス。
6月に本家と若手の対抗大喜利が行なわれ、そこに出演した5人が本家にも順次出演、
更に同世代の落語家も出るようになり、一之輔さんは9月25日放送分に登場、直後の9月30日に円楽さんが亡くなりました。

この週替わりのゲスト出演もまた、なかなか面白いものではありましたが、
有名・大物でも、落語が上手くても、大喜利が上手いとは限らない、というのが1年間観てきた印象です。
正直、期待したほどではないという人の方が大半でした。

その中で、ベテランでは小朝さんは、やはり立ち振る舞いが上手く感じました。
また桃花さんの時は、回答自体の大当たりはなくても、全体の雰囲気がよく感じたし、
従来のぶりっこキャラを、40代自虐系に軌道修正したのも、上手かったです。
今回はダメでしたが、次以降の有力候補であることは間違いないと思います。

しかし、ゲスト出演時の出来でいえば、MVPは一之輔さんだったかと思います。
加えて、円楽さんに近い毒舌・腹黒系のキャラを上手く体現したのも好ポイントでした。
(その時点で本人が後任枠を狙っていたかは分かりませんが)
ゲスト代演で実績を残した人を採用、至極当然の結果でした。

にも関わらず一之輔さんを一番手に推さなかったのは、とにかく多忙な人気落語で、
『笑点』に出ている暇はないし、出るメリットもないとの、ネットの声に引きずられてしまいました。


昨日の放送では、一之輔さんが2011年に若手大喜利に出演した際の映像が流されました。
この回での一之輔さんは覚えています! 群を抜く上手さ、印象に残っています。
ただ、あれが一之輔さんだったとは昨日気が付きました。
元々、大喜利についても、抜群の素養があったわけです。

同世代で盟友でもある一之輔さんの加入で、桂宮治さんとのやりとりも期待できます。
共に抜擢真打のエリートながら、それを感じさせない強めのキャラ。
歌丸さんと六代目円楽さんとの関係の再現との声も聞きますが、この二人の場合は異世代間抗争の構図。
一之輔・宮治は同世代のライバルなので、往年の歌丸・三遊亭小円遊を想起させます、古い話ですが。


林家正蔵一門?
昨日の放送、林家木久扇さんが挨拶で、一之輔さんのことを林家正蔵門下の同門との発言がありました。
これはさすがに少々言葉足らず。

この「林家正蔵」はもちろん、元こぶ平の現九代目林家正蔵さんではありません。
木久扇さんの師匠の、八代目林家正蔵(晩年は林家彦六に改名)のことです。
一之輔さんは八代目の曾孫弟子に当たります。
三遊亭好楽さんも元は八代目の弟子なので、門下が三人になったと言っていたのです。

ちなみに、桃花さんも同じく、八代目の曾孫弟子になります。
今後、桃花さんが加入したら、八代正蔵門下(住居から稲荷町一門とも呼ばれる)が4人ということになります。
その時点で、木久扇さん、好楽さんが残っているが分かりませんが。


一之輔さんの起用は正解だと思いますが、
過激な毒舌が売りになるだろうから、不協和音の可能性もまったくないとはいえません。
若手大喜利に継続出演しなかったのは、その不機嫌系キャラが歌丸さんに嫌われからとの説もあります。

今後に注目です。

Old Fashioned Club 月野景史

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