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2023年1月

2023年1月30日 (月)

【笑点】円楽さん後任は「この1年間に出演した人気落語家」 桃花か一之輔か?/2/5発表

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昨年亡くなった六代目三遊亭円楽(圓楽)さんの後任となる『笑点』大喜利メンバーは、
次回2月5日(日)の放送で発表されるそうです。


前々回と前回の放送のエンディングで、後任メンバーのヒントがひとつずつ公表されています。
1.新メンバーは・・・人気落語家!
2.新メンバーは、この1年出演した中に!

2番目ついては、円楽さんが病気で休養に入ったのが昨年1月で、
その後は大御所から中堅・若手まで、多くの落語家が代演を務めてきましたので、その中からということでしょう。
(「大喜利に出演」とは明言していませんが、“落語家”とのことなので、大喜利ゲストでほぼ間違いないでしょう)

むしろ1番目の「人気落語家」が気になるのですが、それはちょっと置いておき、
まもなく分かることではありますが、ちょっと直前予想をしてみましょう。


後任は「若手大喜利から」?
『笑点』には古くから「若手大喜利」という二軍的なコーナーがあります。
基本的にはBSですが、地上波で放送されることもあります。

「若手大喜利」に出演歴のなかった林家三平さんが今ひとつ結果を残せずに降板したこともあり、
ネット上には「若手大喜利」の経験者から選ばれる可能性が高いとの声が多いです。
三平さんの直接の後任であった桂宮治さんも「若手大喜利」の常連でした。
ですので、まずはそこから考えてみます。

この1年での出演については、昨年も本家メンバーと若手メンバーとの対抗大喜利の形で放送があり、
その時に出演した5人(若手といっても全員40代以上ですが)はその後に皆、本家大喜利にも出演しました。
ですので、2番目の条件は全員満たしています。
顔ぶれは以下の通り

柳家わさび(落語協会)
鈴々舎馬るこ(落語協会)
蝶花楼桃花(落語協会)※女性
春風亭昇也(落語芸術協会)
立川晴の輔(落語立川流)

わさびさんは三平さんの後任選びの時点では、当ブログも含め下馬評一番手だったと思いますが、
昨年の出演時は座布団を高く積み上げられるのを、怖いと強く拒否したり、ちょっと微妙な雰囲気でした。
馬るこさんは宮治さんとキャラが被るので、今回はなしか。
昇也さんは、司会で師匠の昇太さんとのやりとりが面白く、ネットの評価は高いが、所属協会のバランスを考えると、今回はないかと。

晴の輔さんは、初代司会者の立川談志さん設立の立川流から初のレギュラー入りということになり、バランスはいい。
亡くなった円楽さんは毒舌のイメージが強いですが、それ以前にスマートなインテリタイプであり、晴の輔さんはイメージ的にも近い。
ということで有力候補ではあるのですが、ゲスト出演時のインパクトは今ひとつだったかと思います。

ここに来て下馬評が高いのが、女流噺家の桃花さん、
春風亭小朝さんの弟子で、昨年の真打昇進に合わせ、春風亭ぴっかり→蝶花楼桃花に改名しました。
ゲスト出演時の評価も上々で、世界も日本も女性登用の時代、候補一番手かと思います。


人気落語家?
ただ、ひとつ気になるのが、1番目のヒントである「人気落語家」です。
そもそもベテランにしろ若手にしろ、大喜利にゲストで呼ばれる時点で「人気落語家」であるのは間違いないのに、
その中でもあえて強調されると、いったいどういう意図で誰を指しているのか、ちょっと難しくなります。

若手大喜利勢では、明らかに突出している人はいないと思いますが、
強いていえば、この点でも女流新真打として最近の注目度が高いのが、桃花さんということになるかと思います。
有力候補として挙げた晴の輔さんは、メディアへの露出やSNS等も弱めな印象で、「人気」となると、ちょっと微妙です。


若手大喜利勢以外ではどうか?
この1年のゲストには文枝さん、小朝さん、文珍さん、米助さん、志らくさん、鶴光さんなど、全国区の有名芸能人が何人もいます。

ただ、ゲスト出演の際に、落語会のチケットが取れない“人気落語家”として強調されていたのは、春風亭一之輔さん(落語協会)でした。
宮治さんより2歳下、今回挙げた若手大喜利常連とだいたい同世代、ゲスト出演時の立ち回りも立派なものでした。
毒舌という点では、円楽さんに持ち味が近いともいえます。

宮治さんの時にも感じたのですが、番組側はテレビ等における一般的知名度と、落語家としての高座での人気を分けて考えている節があります。
一之輔さんは“一般的知名度”は高くないですが、落語家としての人気が強調されていました。
ヒントの「人気落語家」にこだわり、番組側の意図を深読みすると、一躍有力候補になります。

しかし、一之輔さんはとにかく多忙なので、レギュラー入りは難しいとの見方もあります。
この点でも、桃花さんは土曜日(『笑点』収録日 ※まとめ録りなので毎週ではない)の予定が空いている、などのネット情報もあり。


私は桃花さん、一之輔さん、晴の輔さんなら、どなたでもいいかと思いますが、
ここは時代の趨勢から女流登用、そしてその場合、第一号として桃花さんは適任ではないかと考えています。
予想としては「人気落語家」が気になるのですが、桃花さんだとすればヒントの出し方が難しい。
ヒントが「女性」ならもちろん、「笑点史上初」的なヒントでも、ほぼ桃花さんと特定されてしまうだろうから。
というわけで、苦肉のヒントが「人気落語家」だったのではないかと。

最後に、今回挙げた若手大喜利勢+一之輔の他に、考えられるとしたら・・・、
例えばベテラン大物であるとしたら、春風亭小朝さん、立川志らくさん、
大穴で、円楽さんと同じ五代目圓楽一門会からこの1年間で唯一出演のあった三遊亭王楽さん(好楽ジュニア)か。

さて、どうなるか。

Old Fashioned Club 月野景史

2023年1月23日 (月)

【ドラマ】『ブラッシュアップライフ』(安藤サクラ主演)/脚本(バカリズム)と演技が絶妙

まだ初回を迎えていないものもありますが、
2023年1月クールの連続ドラマもだいたい出揃ったところで、なかなか面白く観ているのが
日本テレビ系日曜ドラマ枠(22:30~)『ブラッシュアップライフ』です。


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お笑い芸人で脚本家としても活躍する、多才なバカリズムさんの作。
交通事故により33歳で不慮の死を遂げた主人公の女性、近藤麻美(安藤サクラ)
前世の記憶を持ったまま、同じ人間としての人生を赤ちゃんからやり直すという、いわゆるタイムリープもの。

死後の世界の係員(バカリズム)から聞かされた麻美の来世は“グアテマラのオオアリクイ”とのことで、
それを避け、“やり直し”をして、より良い来世を迎えるために、
2周目の人生では1周目よりも、徳を積まねばならない、という縛りがついています。

1月22日に第3話が終わったところですが、
麻美は順調に徳を積みつつ2周目の人生を過ごし、1周目の死因となった交通事故もやり過ごし、
そこで気の緩みも出たのか、1周目とは別の交通事故に合い、再び死んでしまいます。
提示された来世は魚、“インド太平洋のニジョウサバ” ということで、麻美はもう一度やり直す決意をし、次回第4話から3周目スタートという展開。

初回は麻美の幼馴染である門倉夏希(夏帆)米川美穂(木南晴夏)の30代女性3人組のトークが長くて、
ややくどく感じ、もう少し上手くまとめられないかと思いましたが、会話の中身が後々の展開の伏線になっています。
私はミステリ好きなので、このように伏線をしっかり回収していく作品は好ましく感じます。

第3話でも(?)と感じるような箇所がいくつかありました。
最後に突然出てきた水川あさみさんはもちろん今後絡んでくるのでしょうが、
詳しくは書きませんが、麻美の父親のウォーキングや、職場の先輩の鍵開けの件とかは、
何かに繋がるのか、これで流されて終わりの話なのか、微妙なところで、それもまた楽しみです。


麻美や他のキャストの幼児時代や小学生、中学生など各世代演じた子役たちも上手く、
またゲストなのか準レギュラーなのか判然としてない有名俳優たち、
例えば、第3話は黒木華さんが登場しましたが、その使い方も上手かったです。
90年代以降の生活文化史が断片的ですが描かれ、麻美とは同世代ではない私にも、ちょっと懐かしい。

そして、民放GP帯連続ドラマ初主演の安藤サクラさんの自然な演技とナレーションが絶妙。
物語は徹底的に麻美視点で描かれ、例えば麻美死後の家族や友人の悲しむ様子は一切描かれず、
また麻美自身もそこには思いをはせたりはせず、しめっぽさがありません。
今後の焦点のひとつとして、麻美と同様のやり直しをしている人間が登場するのかという点もあります。

とにかく、麻美は1周目の軌道修正をしながら2周目を生き、
二重の濃厚な人生経験を経て、次回から3周目を迎えるわけで、ますます引き込まれそうな予感がします。
そうなってほしいものです。

Old Fashioned Club 月野景史

2023年1月11日 (水)

【昭和プロレス】ジョニー・パワーズ死去/アントニオ猪木のライバル “死神”と呼ばれた男

カナダ出身でアメリカで活躍した元プロレスラーのジョニー・パワーズが亡くなりました。
私にとって、思い入れのあるレスラーでした。

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ジョニー・パワーズ
(Johnny Powers、本名:Dennis Waters)
1943年3月20日 - 2022年12月30日 79歳没 カナダ・オンタリオ州ハミルトン出身

パワーズはやはり昨年亡くなった日本プロレス界の雄、アントニオ猪木の全盛期といえる1973年~70年代末頃に
ライバル関係にあったレスラーです。
整った容貌、恵まれた体格からは鋼鉄男と、執拗に足を痛めつけ、必殺のパワーズロック(いわゆる足4の字固め、日本では8の字固めとも呼ばれた)でギブアップを奪う試合スタイルからは、“死神”の異名も持ちました。
外国人レスラーでは、猪木にとってタイガー・ジェット・シンスタン・ハンセンアンドレ・ザ・ジャイアントと並ぶ
4大ライバルといっていいかと思います。

この時代の外国人レスラーの訃報は、さほど有名ではなくても、スポーツ新聞のニュースサイト等で伝えられるのですが、
パワーズは亡くなったのが年末の慌ただしい12月30日とあってか、猪木のライバルとして日本ても充分な実績がありながら、マスコミ系サイトでは伝えられませんでした。

この人は日本のレトロファンにとって、日本での戦績や評価の点でも、なかなか波乱に満ちた特異な存在です。
初来日は1966年、若き日の猪木が参画し、社長を務めていた東京プロレスでした。
そして1973年、旗揚げから1年半ほどの新日本プロレスに、NWF世界ヘビー級チャンピオンとして登場しますが、
猪木の挑戦を受けて敗れ、王座を奪われてしまいました。

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その後、猪木はこのNWF王座を賭けて幾多の名勝負を残し、猪木を象徴するベルトとなりました。
パワーズ自身も、団体としてのNWFの存亡をかけて王座奪回を目指し、
1977年まで、蔵前国技館等の大舞台で再三挑戦しましたが、果たせませんでした。

その後は戦績を落とし、レスラーとしての晩年にあたる1979年と80年にも幾度か来日しますが、
かつての大看板とは思えない散々な結果を残し、日本からは消えていきました。
チャンピオンとして絶頂期にあった時に猪木に敗れ、レスラー人生が暗転した、とドラマチックな語られ方もしました。

後から思えば、プロレスの世界ですので、これらはもちろんビジネスとして行なわれたことです。
パワーズは若い頃から猪木と同様に事業欲が旺盛で、NWFもパワーズ自身が運営していた団体です。
猪木に王座を取られたのも、当時既にNWFの経営は苦しくなっており、新日本に王座を譲渡・売却した、というのが今の定説です。


パワーズは海外でも1982年を最後に、プロレスビジネスからはリタイヤしましたが、実業家としては成功したようで、
1990年の猪木のレスラー生活30周年イベントには、レジェンドレスラーたちと共に来日を果たしました。

一方で、日本マットから離れた1980年代以降、あまり良くないレッテルを貼られた面があります。
・プロレスが下手
・性格が悪く、プロモーターとしての仕事が綺麗でなく、レスラーや関係者から嫌われていた
・アメリカではマイナーなローカルレスラー

当たっている面もあるのかもしれませんが、ちょっと言われ過ぎのようにも思います。
特に三番目については、更に時代進むと、ネットで古い試合記録を見ることが出来るようになり、
若い頃は広範なメジャーマットで活躍していたことがわかるようになりました。
1960年代後半、30歳くらいになると、プロモート業の比重が多くなり、活動圏は自分のテリトリーである五大湖地区中心になりますが、
そこにも大物レスラーが多く参戦しており、その顔ぶれからすれば、NWFは決してマイナー団体ではありませんでした。
ただ、もっと後、1970年代後半には、インディー団体を運営していた時期もあります。


とにかく、ジョニー・パワーズについては簡単には語りつくせません。
また書きたいと思います。

Old Fashioned Club 月野景史

2023年1月 1日 (日)

『相棒21』2023元日スペシャル「大金塊」は江戸川乱歩「少年探偵団」へのオマージュ?!

正月恒例の『相棒』元日スペシャル、シーズン21第11話「大金塊」の放送が終了しました。

今回は江戸川乱歩作の『少年探偵団』シリーズのオマージュ的な作品でしたが、
ちょっと中途半端な出来だったように思います。

サブタイトルの「大金塊」は『少年探偵団』シリーズの一本(第4作)の題名と同様です。
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こちらは小林少年率いる少年探偵団が、名探偵明智小五郎の助けを借りて悪と戦うお馴染みの内容ですが、
『大金塊』は敵役が「怪人二十面相」ではありません。
その意味ではシリーズ全作の中でも、異色作といえます。

ただ、『大金塊」はシリーズ4作目と、かなり初期の作品なので、
前3作の怪人二十面相編から離れ、そろそろ新機軸をという意図だったのかも知れません。

二十面相が出てこないので、マイナーといえばマイナーの作品なのですが、

「ししがゑぼしをかぶるときからすのあたまのうさぎは三十ねずみは六十いはとのおくをさぐるべし」
(獅子が烏帽子をかぶる時、カラスの頭のウサギは三十、ネズミは六十、岩戸の奥をさぐるべし)

この宝探しの暗号が魅力的で、印象に残る作品です。
子どもの頃、熱心に読んだシリーズなので、題材として取り上げられたことは嬉しいです。


しかし、この『大金塊』と今回の『相棒』の「大金塊」、タイトルは同じですが、内容はあまり関係ありません。
「少年探偵団」に絡めて「熟年探偵団」を登場させたりしましたが、
主筋は昨年の元日スペシャルで登場した悪徳政治家と右京との決着編でした。

ここがちょっと中途半端だったかも知れません。
少年探偵団のパロディやるなら、もちろん最後は『相棒』的にきっちりまとめるとしても、
全体には“お正月番外編”的にファンタジー寄りにしてしまった方が、よかったようにも思います。
別に『相棒』にそのようなものを求めているわけでもありませんが、やるとしたらばです。


それにしても亀山復帰の『相棒21』も早や後半戦。
これからどのようにまとめていくのか?

Old Fashioned Club 月野景史

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