東京丸の内の三菱一号館美術館では来年1月17日まで、
「1894 Visions ルドン、ロートレック展」が開催中です。
11月26日に開催されたプレス・ブロガー向け内覧会を訪れました。
1894 Visions ルドン、ロートレック展
会期 2020年10月24日(土)~2021年1月17日(日)
会場 三菱一号館美術館
※展示替えあり
※本展覧会の会期は変更となる場合があります。
開館時間 10:00?18:00
(祝日を除く金曜と会期最終週平日、第2水曜日は21:00まで)
※入館は閉館の30分前まで
主催 三菱一号館美術館、日本経済新聞社
後援 在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本
協賛 大日本印刷
企画協力 岐阜県美術館
公式サイト https://mimt.jp/visions/
オディロン・ルドン(1840-1916)
トゥールーズ=ロートレック(1864-1901)
19世紀末のフランスで活躍した二人の画家をメインした展覧会。
二人の他にも、印象派のルノワールや日本の画家など、
同時代の作品も展示されています。
では、タイトルにある「1894」とは何か?
1984年は、もちろん、ルドンとロートレックが活躍していた頃です。
しかし、それだけではありません。
本展の舞台となる「三菱一号館美術館」のルーツに関わる年なのです。
あの頃の新しいは
今も新しい
1894Visions
英国人建築家ジョサイア・コンドルの設計により、
三菱一号館が丸の内の最初のオフィスビルとして建てられた1894年(明治27)、
日本は近代化の道を歩き始めていました。
一方パリでは、高さおよそ300mのエッフェル塔が登場し、
新しい時代の象徴となっていました。
本展は1894年を軸に、西洋と東洋、油絵とリトグラフ、
芸術と工芸という古いカテゴリーを超えて育まれた
新しい感性の芸術家のヴィジョンを通して、
躍動する時代の息吹を紹介する展覧会です。
オディロン・ルドンは1840年、フランスの南西部の町ボルドーで生まれました。
版画家としてデビューしたのは1879年、リトグラフの作品集『夢のなかで』でのこと。
39歳で最初の作品集を出版するのは、決して早いとはいえませんが、
ルドンの場合には、個性を固めるための準備期間となりました。
同世代の印象派の目が外界に向けられていたのに対し、内面の夢と想像の世界から多くのものを得ました。
1894年の個展で初めて色彩の作品を発表した後には、徐々に黒から色彩へと移ります。
トゥールーズ=ロートレックは幼い頃から画才を示し、画家になることを志します。
最初はパリの動物画家ルネ・プランストー(1843-1914)のもとで学びました。
さらに歴史画家のレオン・ボナ(1833-1922)、そしてフェルナン・コルモン(1845-1924)のもとで学びます。
歴史画家になる道をあきらめたロートレックでしたが、
モンマルトルに住みながら、身の回りの人々をモデルに
個性的で印象深い作品を描き続けました。
黒の時代のルドン
ルドンといえば、一般にこちらの印象が強いか
色彩のルドン
ロートレックはひとめでわかる
いかにもルノワール
日本の画家の名品も
さて、三菱一号館美術館といえば、
美しく作られた中庭部分=丸の内ブリックスクエア を
小散策するのも楽しみのひとつ。
Old Fashioned Club 月野景史