【国際政治】韓国のGSOMIA破棄は想定内
日韓関係の悪化が伝えられる中、
8月22日、韓国が日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄を表明したことが話題になっています。
日本側は官邸、政府、マスコミ、知識人といったところが挙って“意外”、“まさか”という反応。
しかし、私はそれほど意外には感じませんでした。
もちろん、絶対破棄するとまで思っていたわけでもなく、
五分五分か、最終的には維持する可能性の方がやや高いかくらいの感じでしたが、
破棄と聞いても、やっぱりそうかというのが感想でした。
なぜか?
この件を受けてのワシントンでこんな声が上がったというニュースが流れました。
「北朝鮮と中国を喜ばせるだけだ」と。
韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領からすれば、これこそが本意ではないかと思われるからです。
文大統領という人を詳しく知っているわけではありませんが、
伝え聞くところによると、いわゆる“左翼”、社会主義的志向が強い人に思えます。
先般も北朝鮮に向けて統一のラブコールを送っていましたが
この南北統一への強い志向も単に民族愛に基づくだけではなく、
北朝鮮の体制にシンパシーを感じているからではないかと感じられます。
まぁその割には北からかなり冷たい、痛烈な反応を返されていましたが。
加えて元々反日志向が強い。
そういうイデオロギーの人だとすれば、
日米韓の連携より、北朝鮮、中国、更にはロシアとの関係を強化したいというのが本心。
これらの国々が喜んでくれたとすれば、まさに本望でしょう。
もっともそれらの国からは今のところ、あまり目だったリアクションはないようですが。
とはいえ、文氏がそういう思想だとしても、今の韓国民全般が社会主義志向ということもないでしょうし、
アメリカとの関係を考えれば、今回は維持するのではという見方が多かったのもわかります。
とりあえず何もしなければ自動継続されたのですし。
しかし文氏の本音に加え、反日世論の高まり、
日本が8月15日の呼びかけに応じなかったことも文氏の背中を押すこととなり、
今回の決定に至ったのでしょう。
日本政府の本音は?
日本政府はこの決定を遺憾とし、韓国に強く抗議したといいます。
しかし、本当に想定外だったのでしょうか?
さすがにここはわかりませんが、
むしろ折り込み済みであった可能性もあるように感じます。
もちろん米国の手前、驚き、抗議はするでしょうけど。
そももそ、 レーダー照射や竹島問題など軍事・領土面での懸案を抱える韓国との間で、
軍事機密を共有するGSOMIAを結ぶこと自体、当たり前のこととは言い難いのだから。
Old Fashioned Club 月野景史
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