【ドラマ】名取裕子主演 木曜ミステリー 『京都地検の女』 超入門/続編は作られないのか
木曜ミステリー『京都地検の女』全9シーズン(2003-2013)
この画像はシーズン5-7のメンバー
『科捜研の女』を放送する「木曜ミステリー」枠ではかつて、
名取裕子さん主演の『京都地検の女』が放送されていました。
2013年を最後に休止中ですが、シリーズ終了はアナウンスされていません。
最近も思い出したように、テレビ朝日で午後に再放送されています。
「木曜ミステリー」は1999年1月にスタート。
警察や報道関係者、探偵等を主人公とする、京都を舞台とした事件捜査物。
当初は視聴率は苦戦しましたが、
初年度にスタートした『京都迷宮案内』(橋爪功主演)と『科捜研の女』(沢口靖子主演)
2002年スタートの『おみやさん』(渡瀬恒彦主演)がやがて安定した数字を取るようになりシリーズ化。
その状況の中、2003年にスタートとしたのが『京都地検の女』でした。
このドラマも安定した視聴率でシリーズ化され、2013年まで9シーズン制作されました。
(2004年と2008年は休止)
番組概要
名取裕子さん演じる主人公・鶴丸あやは京都地検の女性検事。
検事が主役というと木村拓哉さん主演の『HERO』などもありますが、
警察ドラマテイストの本格的な事件捜査物の連続ドラマで検事主役は珍しいかと思います。
検察での上司は故蟹江敬三さん。
亡くなったのはシリーズの2014年なので、最後まで出演されています。
ただ、1話あたりの出演時間は多くはありません。
事件捜査物なので、やはり警察官が実質のバディで準主役格となります。
京都府警の刑事役でシーズン4までが船越英一郎さん。
船越さん時代のシーズンの再放送は近年はほとんどありません。
シーズン5からは船越さんに変わり寺島進さんが出演します。
警察関係では所轄署の刑事役で益岡徹さんが出演。
益岡さんの部下として若い刑事が登場するシーズンもありました。
もう一人の主要ポジションとして、暴走気味の鶴丸に翻弄される検察事務官がありました。
シーズン7までは渡辺いっけいさん、
8と9には故大杉漣さんが出演していました。
最終(シーズン8-9)の主要キャスト
鶴丸家の存在
そして、鶴丸あやの口癖・キャッチフレーズは「主婦の勘(カン)」。
そう、あやは『科捜研の女』の榊マリコと違い、家庭のある主婦です。
とはいっても、夫の章太郎(章ちゃん)は東京に単身赴任で一度も顔を出して登場していません。
娘の鶴丸りん(脇沢佳奈)と、京都の町屋風住居に二人暮らしをしています。
(ただ、あやは会話の中でしつこいくらい愛する夫の存在を口にしますが)
この住まいは『科捜研』のマリコの住居と似た京都の風情を感じさせるものですが、
鶴丸家は母娘の暮らしの場であるだけでなく、検察や警察の仲間達が集うサロンにもなっており、
存在感が大きかったです
娘のりんはシーズン9の初回で結婚して鶴丸家を離れます。
これは脇澤さんの女優引退によるためのようです。
あやのプライベートではもうひとつ、近所の主婦仲間3人+1人との井戸端会議も定番でした。
彼女らとの賑やかなやりとりの中で事件解決のヒントをつかむ、
これは『相棒』の「花の里」とも共通するスタイルでした。
安定の時代
視聴率はシーズン1(2003年)は10.2%でしたが、
シーズン2(2005年)から6(2010年)までは安定的に12%台を獲得。
木曜ミステリーは『迷宮案内』、『科捜研』、『おみやさん』と合わせて4本の人気シリーズを抱え、
その合間に新作も作られるなど、いずれも“高視聴率”とまでは言えずとも安定した数字を残し、
古い言い回しを使えば、すっかりお茶の間に定着しました。
(『迷宮案内』は2009年のスペシャルをもって休止)
しかし、シーズン7(2011年)からは数字が低迷するようになります。
ただ、この傾向は『科捜研』と『おみやさん』も同様でした。
デジタル放送となった2011年頃から地上波ドラマの数字も全般に厳しくなりました。
休止とその後
最後となった2013年のシーズン9の視聴率は11.1%で、休止を決断するほど低くはないと思われますが、
『おみやさん』も前年2012年のシーズン9の11.0%を最後に休止状態に入っており、
当時としては継続か否かのデッドラインを越えてしまったということなのでしょう。
『おみやさん』はその後、渡瀬恒彦さんが死去するまで3本の単発スペシャルが放送されましたが、
『京都地検』は連ドラとしての休止以降6年経ちますが、一切続編は作られていません。
ただ、名取さんは2015年に『迷宮案内』の橋爪功さんとのW主演で
『最強のふたり〜京都府警 特別捜査班』にて今度は京都府警の女性刑事を演じています。
この時期は『科捜研』以外の木曜ミステリーは何をやっても苦戦していて、
切り札とでもいうべきこのドラマも視聴率はふるいませんでした。
それにしても、名取さんもまだまだ若いし、再放送も時々あるのに、
『京都地検』が単発でも6年間1本も作られていないのは不思議に思います。
ひとつには、上司である京都地検刑事部副部長(8から部長)を演じてきた蟹江敬三さんが
2014年に亡くなったからという面もあるかも知れません
しかし、前述のように蟹江さんは出演シーンはそれほど多くはなかったし、
準主役格の主要キャストの変更がありながらも続いてきたドラマなので、
それが主因とも思えない節もあります。
『おみやさん』は単発SPの2本目と3本目は渡瀬さん以外ほぼキャスト総取替えで作られています。
それがいいとも思えませんが、そうしているうちに、
残念なことに大杉漣さんまで昨年亡くなってしまいました。
しかし、6年は少し間が空きすぎたようにも感じますが、
名取さんは変わらず健在ですし、寺島さん、益岡さんが揃うなら、
単発スペシャルでの続編があってもいいように思います。
Old Fashioned Club 月野景史
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