【美術展】「キスリング展 エコール・ド・パリの夢」/“モンパルナスのプリンス”の美しき作品たち
東京目黒の東京都庭園美術館では7月7日まで、
「キスリング展 エコール・ド・パリの夢」が開催中です。
会期も残り僅かとなっています。
キスリング展 エコール・ド・パリの夢
2019年4月20日(土)– 7月7日(日)
東京都庭園美術館
主催:公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都庭園美術館
後援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本
https://www.teien-art-museum.ne.jp/exhibition/190420-0707_kisling.html
キスリング
(Kisling 1891-1953)
エコール・ド・パリを代表する画家
エコール・ド・パリとは
20世紀前半、各国各地からパリのモンマルトルやモンパルナスに集まり、
創作活動生活をしていた画家たちのことを言います。
よく知られた名称ですが、「印象派」のように作風による分類とは異なります。
主に1920年代を中心にパリで活動し、出身国も画風もさまざまな画家たちの総称です。
フランス人以外が多いですが、フランス人を含む場合もあります。
キスリングはポーランドのクラクフ出身
母国の美術学校を卒業後、19歳でパリにきました。
モンマルトルやモンパルナスで、ピカソ、ジョルジュ・ブラック、
モディリアーニ、パスキン等、多くの芸術家と知り合います。
キスリングといえば肖像画。
少女マンガのような大きな瞳が特徴で、本展でも堪能できます。
しかしそれ以外にも風景画、静物画、裸婦などにおいて独自のスタイルを発展させました。
ひれらも豊富に展示されています。
丁寧な筆致による洗練されたレアリスムと、静謐なムードに満ち、輝かしく官能的な色彩が魅力。
きれいな筆致、きれいな色の画家です。
1920年代~30年代、
キスリングは「モンパルナスのプリンス」と呼ばれ、時代の寵児となりました。
早くから評価され、社交的な性格で人望もあり、家族や友人にも恵まれた幸福な画家・・・
というイメージが強いのですが、
第一次世界大戦ではフランスの外国人部隊に入隊して負傷したり、
第二次世界大戦ではユダヤ人であったためにナチスの標的となり、
戦禍を避けてアメリカに身を寄せたり、その生涯は意外にも波乱に満ちていたりもします。
本展は2007年に日本国内を巡回した「キスリング」展以来、
12年ぶりに開催されるキスリングの個展。
「モンパルナスのプリンス」の筆による美しい作品たちは必見です。
Old Fashioned Club 月野景史
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