【ドラマ】『刑事ゼロ』(沢村一樹主演) 『科捜研の女』の木曜ミステリー枠 6年ぶりヒットの新作
『科捜研の女』と同じテレビ朝日木曜20時からの木曜ミステリー枠。
2019年1月クールは沢村一樹さん主演の新作『刑事ゼロ』が放送中です。
東映京都制作で京都を舞台としたシリーズとしては3年ぶりの新作。
初回視聴率14.7%の好スタート。
その後はやや落としていますが、2月21日放送の第7話まで二桁をキープしており、
同じテレビ朝日・東映制作で昨年10月から放送されている『相棒17』には及ばないものの、1月スタートの連続ドラマでトップの位置におり、大河ドラマ『いだてん』も僅かながらリードしています。
テレビ朝日のドラマは最近好調なので、特に意外にも感じませんが、
このまま平均二桁視聴率を守ったとすれば、
木曜ミステリー枠で京都舞台の新作としては実に約6年ぶりの快挙ということになります。
木曜ミステリーでは1999年のスタート以来、京都を舞台にしたドラマを作り続けていますが、
実はここ数年は存亡の危機ともいえる事態にありました。
少し振り返ってみます。
木曜ミステリーの苦境
前述の6年前のドラマとは2013年4月クールに放送された『刑事110キロ』
この時期の木ミスは『科捜研』と並ぶ人気シリーズだった『おみやさん』と『京都地検の女』が
12~13%台を守っていた視聴率が11%台に落ち込み、相次いで休止となりました。
代わって登場した『刑事110キロ』が第1シーズンが12%台を確保したのです。
ところが翌2014年は第2シーズンは7%台まで急落して、あえなく終了。
続く2015年は1月から7月クールまで3本の新作を連発しますが、いずれも6~7%台に低迷と、
2年前まで11%台に落ちた長寿シリーズを打ち切っていた枠とは信じられないくらいの凋落ぶりでした。
その中には『京都迷宮案内』の橋爪功さんと『京都地検の女』の名取裕子さんという
かつての木ミス人気ドラマの主演2人をW主役とした『最強のふたり』という切り札的な作品もあったのですが、
視聴率的には完敗でした。
他にも高橋克典さん、松下由樹さんに松平健さんを加えた『京都人情捜査ファイル』なども
この枠なら強いかと思いましたが、惨敗といっていい数字。
この2本については内容も悪くなかったと思いますが、
とにかく最初から数字が悪いのですから、『科捜研』以外は何をやってもダメという印象でした。
この2015年当時の木ミスの苦境についてはこのブログでも当時記しました。
http://oldfashioned.cocolog-nifty.com/blog/2015/07/post-8767.html
相次ぐ掟破りで二桁確保
そして2016年、それまでの禁じ手を破ります。
京都ではなく、東映東京制作で二時間ドラマとして作られてきた『警視庁・捜査一課長』を
4月クールで連続ドラマ化し、ギリギリ二桁を確保します。
次の7月クールで京都舞台の新作『女たちの特捜最前線』で勝負をかけますが、
これがまた主要キャストの身内のスキャンダルなどもあり、数字的にも惨敗と本当に踏んだり蹴ったり。
翌2017年には第2の禁じ手解禁。
東京を舞台に3期まで作られ、好視聴率を記録していた『慰留捜査』を
舞台を京都に移して制作し、なんとか二桁を確保しました。
こうして2017年、そして翌2018年も『科捜研』2クールと『一課長』『慰留捜査』のローテーションで
なんとか全クール二桁を達成したのでした。
この流れだけを見ると京都での新作はどうやってもダメという感じで、
『刑事ゼロ』も無謀な挑戦に思えます。
しかし、他局のドラマが苦戦する中、ここのところテレ朝ドラマは好調で
2017年4月期以降、2018年10月期まで三つあるゴールデンタイムのドラマ枠の
すべてで二桁視聴率を記録しています。
その多くは警察ドラマなのですから、3年前までの苦戦の記憶も薄れ、
警察ものなら何をやっても失敗しそうにない気もしていました。
『ゼロ』はまだ中盤なので断定もできませんが、数字だけでなく内容もまずまず好調で、
二桁視聴率は確保しそうな流れです。
改めて『刑事ゼロ』
主演の沢村一樹さんは51歳。
『相棒』の水谷豊さんや『一課長』の内藤剛志さんより一回り年少なので、
シリーズ化の可能性もあるでしょう。
主演の沢村さん、ヒロインの瀧本美織さんは本格的には木ミス初登場ですが、
寺島進さん、渡辺いっけいさんは『京都地検の女』でレギュラーを務めたおなじみの顔。
渡辺さんは『科捜研の女』第1シーズンでは榊マリコ(沢口靖子)の元夫を演じました。
脇役陣は万全。
刑事としての20年の記憶を失った刑事
ユニークなテーマですが、近いところでは渡部篤郎さんの『警視庁いきもの係』に似ています。
このドラマには寺嶋さんや、『ゼロ』に刑事役で出ている横山だいすけさんも出演していました。
また警察ものではないですが、記憶を失った故に別の人間味ある人格が現れて・・・という点は
木村拓哉さんの『アイムホーム』を思わせる面もあります。
まぁテーマが被るのは仕方ない面もあります。
木曜ミステリーらしい肩の凝らないドラマだし、沢村さんの雰囲気もあっています。
Old Fashioned Club 月野景史
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