【美術展】「ロマンティック ロシア」文化村ミュージアム/19世紀後半ロシアの美しき風景と女性
渋谷の文化村ザ・ミュージアムでは1月27日まで、
「国立トレチャコフ美術館所蔵 ロマンティック ロシア」展を開催中です。
Bunkamura30周年記念 国立トレチャコフ美術館所蔵 ロマンティック・ロシア
2018/11/23(金・祝)-2019/1/27(日)
Bunkamura ザ・ミュージアム
主催:Bunkamura、日本経済新聞社、電通
後援:ロシア連邦大使館、ロシア連邦交流庁(Rossotrudnichestvo)
http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/18_russia/
ロシア絵画の展覧会
本展は19世紀後半から20世紀初頭の激動のロシアを代表する作家の作品72点の展覧会。
ロシア美術の殿堂・国立トレチャコフ美術館が所蔵する豊富なコレクションが来日しました。
ロシアというと世界の美術品が揃うエルミタージュ美術館もありますが、
今回はロシア絵画の粋を楽しむ催し。
自然や人物像に内在するロシア的なロマンに思いを馳せて紹介されています。
音楽・文学と絵画
この時代のロシア文化・芸術といえば、チャイコフスキー、ムソルグスキーといった作曲家や、
トルストイ、ドストエフスキーに代表される文豪は日本でよく知られています。
それに比べると美術の分野では思い起こされる名前は多くはないかも知れませんが、
実は多くの才能を輩出しています。
19世紀後半にクラムスコイら若手画家によって組織された「移動派」グループが、
制約の多い官製アカデミズムに反旗を翻し、ありのままの現実を正面から見据えて描くことをめざしていました。
「移動派」とは分かり難い呼称ですが、啓蒙的意図で美術展をロシア各地に移動巡回させたことによります。
一方、モスクワ郊外アブラムツェヴォのマーモントフ邸に集まったクズネツォフ、レヴィタン、
コローヴィンらの画家たちは、懐古的なロマンティシズムに溢れた作品を多く残しました。
彼らと移動派には共に祖国に対する愛という共通点が見出せます。
鑑賞で得た印象を言えば、風景と人物
そして人物ではやはり女性を描いた絵の印象が強く残りました。
白樺や樫の木の深い森、雪に覆われた大平原。
そして街には独特の丸屋根の教会、透き通るような白い肌の女性たち。
ロシアの日常的な情景の中に、画家たちは大いなるロマンを見出したのでしょう。
19世紀後半ですので、考えてみればロシア帝国崩壊の足音が聞こえはじめ、
やがてロシア革命が起こる激動の時代でした。
当時のロシアの複雑な社会、そしてこの時代を生き抜いた人々もまた絵画の題材となりました。
ロシア文学の世界のビジュアル化とも言える絵画たちが揃っています。
Old Fashioned Club 月野景史
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