【美術展】「ルーベンス展―バロックの誕生」国立西洋美術館/フランドルの巨匠とイタリア
東京上野の国立西洋美術館では来年1月20日まで
「ルーベンス展―バロックの誕生」が開催中です。
ルーベンス展―バロックの誕生
会期:2018年10月16日(火)~2019年1月20日(日)
主催:国立西洋美術館、TBS、朝日新聞社
後援:ベルギー大使館、イタリア大使館、ベルギー・フランダース政府観光局、
BS-TBS、TBSラジオ
http://www.tbs.co.jp/rubens2018/
ペーテル・パウル・ルーベンス
( Peter Paul Rubens 1577年6月28日 - 1640年5月30日)
日本語では「ピーテル」と表記されることも多いですが本展では「ペーテル」を採用しています。
ルーペンスはフランドルの画家
フランドルとは現在まオランダ南部、ベルギー西部、フランス北部にかけての地域ですが、
ルーベンスが拠点にしていたのはベルギーです。
美術用語としてあまりに有名な「バロック」
そのバロックの壮麗華美な美術様式が栄えた17世紀ヨーロッパを代表する画家として、
ルーペンスの名もまたあまりに有名です。
創作上の特徴として、彼は大工房を構えて時代に先駆ける作品を量産しました。
それは同時代以降の画家たちに大きな影響を与えたのです。
さらにその能力は画業にとどまらず、ヨーロッパ各地の宮廷に派遣され、
外交交渉をも行いました。
外交官どころか、外務大臣的な役割も果たしていたのです。
信じ難いような話です。
ルーベンスとイタリア
さて、前述のようにルーベンスはフランドルの画家、現在のベルギーの画家として有名ですが、
本展ではルーベンスとイタリアとのかかわりに焦点を当てて紹介されています。
ここが大きな特徴でしょう。
イタリアは古代美術やルネサンス美術が栄えた地であり、バロック美術の中心もローマでした。
フランドルのアントウェルペンで育ったルーベンスは、幼いころから古代文化に親しみ、
イタリアに憧れを抱きます。
そして実は1600年から断続的に8年間イタリアで生活し、そこに残る作品を研究することで、
自らの芸術を大きく発展させたのです。
本展はルーベンスの作品を、古代彫刻や16世紀のイタリアの芸術家の作品、
そしてイタリア・バロックの芸術家たちの作品とともに展示し、
ルーベンスがイタリアから何を学んだのかをお見せするとともに、
彼とイタリア・バロック美術との関係を明らかにします。
本展は近年では最大規模のルーベンス展でしょう。
Old Fashioned Club 月野景史
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