【美術展】「明治からの贈り物」 静嘉堂文庫美術館/真夏に楽しむ明治の超芸術
東京二子玉川の静嘉堂文庫美術館では9月2日まで、
「-明治150年記念- 明治からの贈り物」展が開催中です。
-明治150年記念- 明治からの贈り物
The 150th Anniversary of the Meiji Restoration;GIFTS FROM THE“MEIJI”
2018年7月16日(月・祝)~9月2日(日)
静嘉堂文庫美術館
http://www.seikado.or.jp/exhibition/
静嘉堂文庫美術館とは
このブログでも初めて扱う美術館。
人気の街である東急線二子玉川駅から少し離れた閑静な地にあります。
賑わう駅周辺から離れ、住宅街を抜けると
更に敷地内の森を行く
視界が開け、静嘉堂文庫文庫本館が現れる
その隣が上の写真の美術館
静嘉堂文庫は日本および東洋の古典籍及び古美術品を収蔵しています。
三菱財閥の第2代総帥岩崎弥之助・第4代総帥岩崎小弥太父子の所有した庭園と
遺品の古典籍・古美術コレクションを基礎として発足。
併設する静嘉堂文庫美術館を通じて収蔵品を広く一般に公開する美術館活動を行っていいます。
明治からの贈り物 展
今回は明治150年を記念して明治の美術品を中心に、
近代絵画で初めて重要文化財の指定を受けた橋本雅邦の「龍虎図屏風」を含む、
第四回内国勧業博覧会(明治28年〈1895〉開催)出品の屏風の数々を出品。
また修理後初公開となる河鍋暁斎の代表作「地獄極楽めぐり図」の画帖、
そして当時の洋画界で“裸体画論争”を巻き起こした、日本の“ヌード”の先駆的作品である
黒田清輝「裸体婦人像」など、話題の名品が公開となります。
更に今では“超絶技巧”などとも呼ばれて人気の高い明治工芸品からは、
刺繍・金工・七宝・漆芸・陶磁器、それぞれ名工の力作が並びます。
※7月16日に開催された本展の内覧会に参加しました。
以下の写真はこの日のみ特別の許可を得て撮影しています。
重要文化財 橋本雅邦(はしもとがほう) 「龍虎図屏風」(6曲1双) 明治28年(1895)
本展の大看板。これを観なくては
黒田清輝(くろだせいき) 「裸体婦人像」 明治34年(1901)
裸体画論争を呼んだ問題作にして傑作。渡仏中に現地の女性を描いた絵です
「裸体婦人像」が飾られていた屋敷内のリビング
菊池容斎(きくちようさい) 「呂后斬戚夫人図」 江戸時代・天保14年(1843)
中国の史実に基づく残酷で恐ろしい作品。怖いけど見たくなる絵
河鍋暁斎(かわなべきょうさい) 「地獄極楽めぐり図」(1帖40図・明治2~5年(1869~72))
数度に分けて全点が出品される
鈴木松年(すずきしょうねん) 「群仙図屏風」(8曲1双) 明治28年(1895)
菅原直之助(すがわらなおのすけ)
「鞍馬天狗刺繍額」 明治40年(1907)頃 「羽衣刺繍額」 明治40年(1907)頃
繊細な刺繍はまさに超絶
そして工芸の名品の数々が展示されています。
決して大規模ではないですが、なかなか見応えのある展覧会です。
お薦めします。
Old Fashioned Club 月野景史