【科捜研の女6】(=新・科捜研の女2) 初回スペシャル 日本一の長寿ドラマへの転換点/ゲストは組対の女・鈴木杏樹
テレビ朝日の長寿警察ドラマ『科捜研の女』。
1999年スタート。今年の3月までseason17が放送されていました。
しかし初期は視聴率が安定せず、大幅なメンバーチェンジやリニューアルが繰り返されていました。
それが安定し、日本一の長寿ドラマーと成長するターニングポイントとなったのがこの回です。
新・科捜研の女2 (科捜研の女 SEASON 6)
第1話 2005年7月14日放送 初回長時間スペシャル
「疑惑の女刑事!誤射それとも殺人?それは18年前の夏の夜に起こった!京都~信楽高原、二本の弾道を結ぶ謎」
※同話は2021年8月20日(金) 14:47よりテレビ朝日で再放送予定
現在に繋がる基礎固めがされた回
この回から主人公榊マリコ(沢口靖子)の父親である榊伊知郎(小野武彦)が登場し、科捜研の所長に就任。
また前期から刑事部の制服警官として登場していた土門美貴(加藤貴子)が事務担当として科捜研に異動、
やはり前期から登場していた研究員の日野和正(斉藤暁)、乾健児(泉政行)と合わせ、
視聴率的にはこのドラマの全盛期を支える5人のメンバーが揃います。
それまでのこのドラマは経費も時間も関係なく仕事に邁進するマリコに
基本的にはサラリーマン体質の周囲が振り回されるのが定番でした。
そのテイストが完全になくなったわけでもないですが、
所長役にマリコの父親で科学者である伊知郎が就任したため、
研究員・職員が一致団結して仕事に当たる傾向が強まりました。
ところで、小野武彦さんと斉藤暁さんは『科捜研の女』や『相棒』に少し先行する人気警察ドラマだった
『踊る大捜査線』のレギュラーで北村総一郎さんを加えたスリーアミーゴスとして人気がありました。
小野さんの起用は斉藤さんとのスリーアミーゴス再共演で、その人気にあやかった面もあるかも知れません。
もう1人の北村さんは当時、『科捜研』と同じ木曜ミステリー枠の『京都迷宮案内』に出演していました。
土門刑事がキャラ微修正
そして、これも前期からレギュラー入りした土門薫刑事(内藤剛志)ですが、
この回から、初登場時の無頼派過ぎたキャラクターを一本気な硬骨漢タイプに軌道修正し・・・、
つまり今の土門へと変化させて、マリコと信頼感で結ばれたバディ関係が固まっていきます。
更に、残念ながらすぐに降板してしまいますが、
若手刑事として好漢・谷口朝男(丸山智己)が初登場した回でもあります。
退場エピソードを描く
そしてこの回は榊新所長との入れ替えで、シーズン3から所長を務めてきた宮前守(山崎一)の
転職による退場・降板が描かれます。
それまで、初期の準主役格だった木場警部(小林稔侍)がシーズン4最終話の殉職はありましたが、
他のレギュラーは新シーズンが始まったら消えていたというパターンばかりでしたので、
最終話以外できちんと退場エピソードが描かれた最初の例になるかと思います。
ゲストは鈴木杏樹
この回のストーリーとしては麻薬関係がテーマで、ゲストキャラ達の少年時代からの長い因縁が絡む話。
メインゲストは所轄署の生活安全課、つまり組織暴力対策の刑事・久崎英子を演じる鈴木杏樹さん。
近年は『相棒』の花の里の女将・月本幸子で癒しキャラが定着した杏樹さんですが、
ここではクールで、情熱を内に秘めた“組対の女”を好演しています。
幸子も元々は凄みのある犯人役でした。
久崎英子はなかなか魅力のあるキャラクターだったのですが、
役柄的に再登場は難しく、残念ではあります。
Old Fashioned Club 月野景史
« 【美術展】「モネそれからの100年」横浜美術館/モネと後世代26作家の作品達 | トップページ | 【美術展】「明治からの贈り物」 静嘉堂文庫美術館/真夏に楽しむ明治の超芸術 »
「12.【特集】『科捜研の女』」カテゴリの記事
- 【科捜研の女24』7月無事スタートはジャニーズ問題の余波?/『刑事7人』との関係(2024.07.05)
- 【科捜研の女】シーズン23が無事スタート/『相棒』と同じ水曜21時枠で放送(2023.08.19)
- 【科捜研の女23】『相棒』と同じ水曜21話枠で8月スタート/『特捜9』『刑事7人』を繰り上げ(2023.06.26)
- 【科捜研の女2022】終了/来期はどうなるのか?(2022.12.28)
- 【科捜研の女2022】落ち着き目の展開で淡々と進行/君嶋直樹(小池徹平)の存在意義は?(2022.12.08)
« 【美術展】「モネそれからの100年」横浜美術館/モネと後世代26作家の作品達 | トップページ | 【美術展】「明治からの贈り物」 静嘉堂文庫美術館/真夏に楽しむ明治の超芸術 »