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2018年5月18日 (金)

【訃報】星由里子死去 『若大将』『ゴジラ』映画のヒロイン/『科捜研の女』『相棒』にも出演

訃報 女優の星由里子さんが亡くなりました。74歳。


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星由里子
(ほし ゆりこ、1943年12月6日 - 2018年5月16日)


西城秀樹さんに続き、大スターの訃報が重なってしまいました。



“最後の映画スター”
と呼んでははさすがに語弊があるかも知れません。
まだまだ健在の映画スターの方も多いですから。
しかし、星由里子さんは映画スターのイメージが強いです。

戦後の昭和30年代は日本映画の黄金時代。
東宝、東映、大映、松竹、新東宝の5大映画会社が大量の作品を作っていました。

星さんは東宝の専属女優として1960年(昭和35年)、17歳の年にデビュー。
またたくまに人気スターとなり、多くの映画で主役やヒロインを演じました。
そして昭和40年代に入り映画は斜陽、テレビドラマの時代になると、
星さんは1969年に結婚したこともあり、引退ではありませんが、
映画もドラマも寡作となります。

つまり日本映画全盛期の終焉と共に第一線から退いたイメージがあり、
だから“最後の映画スター”のイメージがあるのです。

その後は離婚・再婚などを経つつ、
ベテラン女優としてコンスタントにドラマや映画に出演するようになり、晩年まで活躍しました。

それでは、映画時代から少し振り返ります。


◆『若大将』のヒロイン
星さんは映画黄金期には主に東宝の文芸・青春路線で主演・ヒロインを務めましたが、
特に加山雄三さん主演の『若大将』シリーズが代表作です。
1961年の第1作『大学の若大将』から、
1968年の第12作『リオの若大将』までヒロインの澄子役で人気を博しました。



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第4作『ハワイの若大将』(1963年)のポスター

このシリーズは加山さん、星さん、田中邦衛さんら主要キャストは毎回同じなのですが、
『男はつらいよ』と違って基本的に一話完結スタイルです。

どういうことかというと、加山さん演じる若大将こと田沼雄一は、
澄ちゃん(すみちゃん)こと澄子と出会い、恋に落ちるも色々あり、
最後はうまくいって終わるのですが、
次の作品で若大将と澄ちゃんはまた初めて出会って・・・という感じで、
わかり易くいえば同じような展開の話を繰り返すのです。
その点が前作の続編であり、新しいマドンナとの恋に落ちる寅さんとは違うのです。

ともかく、映画黄金期から斜陽期に向かう難しい時期、
『若大将』はこの時代を代表するヒットシリーズとなりました。

実はシリーズ自体はこの後も続くですが、
『リオの若大将』までは大学生編、その後は社会人編となり、
星さんはここまでで降板し、マドンナ役は酒井和歌子さんに譲ります。

ただ、大学生→社会人は若大将だけの問題で、
澄ちゃんは第1作から社会人である場合が多いです。
つまり当時の女性はまだ高校を卒業して社会人となるのが一般的だったということかと思います。

若大将シリーズは1980年代にリバイバルブームがあり、私もテレビで何本も観ました。
星さんは加山さんより6歳年下で、シリーズに出演していたのは18歳から25歳までですが、
学生の若大将の対して社会人役が多いせいか、またそもそも大スターの貫禄かも知れませんが、
随分大人っぽい、落ち着いた印象がありました。


◆特撮ヒロイン
星さんは東宝特撮映画にも出演しています。
本格的な特撮ファンタジーは以下の2本。

・『モスラ対ゴジラ』(1964年4月公開 宝田明主演)
・『三大怪獣 地球最大の決戦』(1964年12月公開 夏木陽介主演)


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『モスラ対ゴジラ』では宝田明さんと共に新聞記者役

宝田さん、夏木陽介さんが主演で星さんがヒロイン。
東宝は怪獣映画にも美男美女の大スターが出演していたのです。
夏木さんも今年の1月に亡くなりました。


東宝特撮映画といえばなんといってもゴジラですが、
実はゴジラの出ない怪獣映画、
怪獣の出ないホラーテイストの怪人物、
また宇宙や海洋をテーマとしたスペクタクル物など、
多彩な種類があり、多くの作品が作られました。

その中で出演が2本だけとは少ないようにも思えますが、
この2本は共にゴジラが登場する東宝特撮全盛期の人気大作であり、
両作でヒロインを務めた星さんは特撮ファンからすれば、
間違いなくこの分野を代表する女優の1人といえます。

例えば、星さんより少し先輩の白川由美さんは特撮映画に5本出演しており、
怪獣・怪人・宇宙スペクタクル物の各分野のヒロインを制覇しているのですが、
ゴジラ映画にも1本も出ていません。
これはめぐり合わせですね。

※特撮が使われた映画という点ではもう1本『世界大戦争』(1961年)に星さん、白川さんとも出演しています。


もう1本、ちょっと面白い映画を紹介します。

Photo
『暁の合唱』(1963年)
石坂洋次郎原作の文芸映画。星さんが主演です。
何が面白いかというと、特別出演格の宝田明さんの方が大きく載っていてわかり難いですが、
星さんの相手役(抱きかかえている青年)が『ウルトラマン』ハヤタ隊員で知られる黒部進さんなのです。

黒部さんはこれがデビュー作で、星さんの相手役としてW主演格。
逆にいえば、星さんは新人のスター候補生を引き立てて上げるようなポジションだったのですね。
黒部さんの方は残念ながら期待に応えられなかったようで、この後はしばらく悪役中心の生活が続きました。



◆『科捜研の女』と『相棒』
星由里子さんは晩年まで東宝芸能に所属して活動してきましたが、
特にこのブログ的に紹介しておきたいのはテレビ朝日の警察ドラマ『科捜研の女』です。
このドラマの主役・榊マリコを演じる沢口靖子さんは東宝シンデレラ出身、
東宝芸能所属の後輩です。


『科捜研の女』は1999年スタート

2017年10月~2018年3月にはシーズン17が放送された長寿シリーズです。
このドラマは東宝とは昔からのライバルともいえる東映の制作ですが、
沢口さんの繋がりからか、東宝の所属俳優もよくキャスティングされます。

星さんはマリコの母親・榊いずみ役で2001年のシーズン3に初登場。
新旧の東宝トップ女優が母娘で共演! というわけです。
いずみはシーズン3の第1~5話、シーズン4全8話に登場、
その後もセミレギュラーとして時折登場しており、
2014年の年末スペシャルが最後の出演となりました。

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最後の出演は横浜の榊家の実家にマリコが里帰りしたシーン。
仕事のついででしたが。

科捜研の女での星由里子さんについてはこちらも参照してください。
http://oldfashioned.cocolog-nifty.com/blog/2017/02/post-d2aa.html



『相棒』にも出演

星由里子さんは『科捜研の女』と並ぶテレビ朝日の人気警察ドラマ『相棒』にも出演しています。
『相棒』についてもこのブログ的には避けて通れないので、最後にふれます。
こちらは1度だけのゲスト出演ですが、大変象徴的な、
それこそ星さん以外にいないだろうという役を演じました。

『相棒season5』第19話「殺人シネマ」(2007年3月放送)

この回で星さんが演じたのは往年の大女優。
引退後は一切表舞台には出ず、取材もすべて拒否。
郊外の屋敷に隠棲する元大スター。
それがテレビのインタビューに饒舌に答えていてビックリ。
なぜ?・・・という展開。

さて、少し古い映画に詳しい人なら、この女優のモデルが誰かはすぐわかるでしょう。
日本映画史上屈指、伝説の名女優・原節子さん(1920年6月17日 - 2015年9月5日)です。
この人も東宝を中心に活動した女優でした。

話としては別に原さんを掘り下げようというわけではなく、
引退した大女優のライフスタイルのモデルにしただけだと思いますが、
古き良き日本映画黄金期への思い入れの強い作品で、
星さんが演じるに相応しい役でした。


昭和の大女優に、謹んで哀悼の意を表します。

Old Fashioned Club  月野景史

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