【ドラマ】『未解決の女』スタート/“熱血刑事・波瑠”はいいが内容はやや不安
テレビ朝日の新ドラマ『未解決の女 警視庁文書捜査官』の初回が4月19日に放送されました。
多作女優・波瑠
専ら主演・ヒロインを務める女優は、武井咲さんのような例外はあるとしても、
民放の連続ドラマの主演は年1本程度という人が多いと思います。
その中で波瑠さんは20代を代表する主演女優ですが、多くの作品に出演する方でしょう。
今年も1月クールの『もみ消して冬』にヒロインポジションで出演した後、
間を置かずにこの『未解決の女 警視庁文書捜査官』で主役を務めます。
『もみ消して冬』は徹底したコメディとはいえ、波瑠さんの役はかなりのSキャラで、
年1本の連ドラならばさすがに今年があの役だけで終わるのは躊躇するのでは、
と心配してしまうようなドラマでしたが、
波瑠さんなら7月クールか10月クールでタイプの違った主役をやるのだろうと思っていました。
4月とは予想外でしたが。
熱血刑事・波瑠!
波瑠さんの連続ドラマでの警察官役というと、
朝ドラ前のプチブレイク作『BORDER』の特別検視官、
そして朝ドラ後の民放連ドラ初主演作『ON 異常犯罪捜査官・藤堂比奈子』の新人刑事。
いずれもクールで、何か過去を抱えているようなキャラでした。
今回はそれらとは逆の体力自慢の熱血女刑事とのこと。
しかも鈴木京香さんとの女性刑事バディもの。
私はこの1月クールにテレビ東京で放送された『カクホの女』を
連ドラでは初の女性刑事バディドラマではと書いたのですが、
早くも後継作が登場しました。
沢村一樹、遠藤憲一、高田純次、工藤阿須加、光石研、山内圭哉と男性脇役陣も充実。
そして既報のように初回は『警視庁・捜査一課長』との相互コラボが実現。
結果、視聴率14.7%で好発進となりました。
・・・ですが、内容にはちょっと不安を感じました。
どうも安定感がない、バランスが悪く感じる。
このドラマは麻見和史著『警視庁文書捜査官』が原作です。
波瑠さんが演じる主役の女性刑事・矢代朋は原作にはないラマオリジナルキャラ。
実は原作に登場するのは “男性刑事の矢代朋彦” なのです。
鈴木京香さんが演じる女性刑事の鳴海理沙は一応原作通り。
ただ、2人ともキャラクターも、また年齢もかなり違います。
とくに正確付けは鳴海の方が違うかな。
部署の設定も結構変えてあります。
この色々な脚色が、ドラマ作りにおいて好結果に繋がればいいのですが、
朋は鳴海のいう通りに動いているだけで、どうしても鳴海が主役に見えてしまいました。
そのバランスの悪さもあって、波瑠さんの熱血演技も空回り気味に感じます。
この点は、原作でも文書捜査能力があるのは鳴海の方。
その意味では鳴海の方が主役ともいえますが、
ストーリーはどちらかといえば矢代の視点で描かれ、お互いフォローし合っているように思います。
ドラマのような空回り感はありません。
脚本は波瑠さんの出世作の朝ドラ『あさが来た』の大森美香さん。
縁起の良い組み合わせに思えますが、この人は警察ドラマはほとんど書いたことがないような・・・。
さて、上に挙げた個性派揃いの男性俳優陣です。
最初は彼らと波瑠さん、京香さんと同一チームで、なかなか強力な顔ぶれかと思ったのですが、
そうではなくて、強行犯捜査係と特別捜査対策室のふたつに分かれています。
それはいいのだが、実際に観てみると、
特別捜査対策室の中でも、波瑠さんのいる第6係(文書捜査チーム)は別扱いのような感じで、
ここが強行犯と特別室本体の両方と対峙しているような関係です。
これは少々ややこしい。ゴチャゴチャしています。
この組織構成も原作とは変えています。
全体像が掴み難いのは初回だから仕方ない面もあるでしょうから、整理が付けばいいのですが。
他にも、波瑠さんと同期の工藤阿須加の新任刑事が
初対面で年長の京香さんにやたら上から目線で乱暴な物言いだったり、
かといってそこまで傍若無人なキャラでもないような・・・。
彼に限らず、ちょっと初回は各キャラの印象付けに成功していないように思います。
テーマは面白いし、いい役者を揃えているのだから軌道修正を期待します。
特に、やはり波瑠さんを魅力的に描いてほしい。
Old Fashioned Club 月野景史
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