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2018年3月26日 (月)

【ドラマ】「アガサ・クリスティ 二夜連続ドラマスペシャル」/ミス・マーブル作品をテレ朝が2作放送

テレビ朝日は3月24日と25日に『アガサ・クリスティ 二夜連続ドラマスペシャル』を放送しました。


22018


ここのところ毎年のように、豪華キャストでクリスティ原作の日本版翻案スペシャルドラマを
放送しているような気がしますが、実はテレ朝版とフジテレビ版があるのです。

2015年1月にフジテレビが『オリエント急行殺人事件』を放送しました。
2017年3月にはテレビ朝日が『そして誰もいなくなった』を放送。
こちらは渡瀬恒彦さんの遺作としても話題になりました。
そして今年は今回の二夜連続スペシャルに続き、
4月14日にフジが『アクロイド殺し』を原作とした『黒井戸殺し』を放映予定です。


さて、今回の二夜連続ドラマスペシャルは前後編ではなく、別々の作品を2日連続で放送しました。
24日『パディントン発4時50分~寝台特急殺人事件~』
25日『大女優殺人事件~鏡は横にひび割れて~』

共に上に名前が挙がった3作ほど有名ではありませんが、
クリスティが生んだエルキュール・ポアロと並ぶ名探偵ミス・マーブルが登場する作品が原作です。



Agatha_christie
ミステリ・推理小説の女王アガサ・クリスティ

私も好きな作家ですので、このように翻案ドラマが作られるのは嬉しいことです。
もちろん、国も時代も違う舞台の作品なので、脚本や演出は大変でしょうが、
観る方もあまり細かいことは拘らず、古典作品の雰囲気を楽しみたいところです。

ただ、そのようなスタンスに立ったとしても、今回の2本はちょっと残念な出来でした。


『パディントン発4時50分~寝台特急殺人事件~』
ミス・マーブルは安楽椅子探偵タイプとされます。
つまり、自分自身はあまり捜査に動かず、伝聞で得た情報から推理をするというスタイルの名探偵。
特にこの原作ではスーパー家政婦の女子を屋敷に潜入させ、彼女が実質の主人公として活躍するのです。

今回のドラマではマープルのポジションを天海祐希さん、家政婦を前田敦子さんが演じました。
しかし、アクティブなイメージのある天海さんにほぼ原作通りの安楽椅子探偵をさせており、
ここはちょっと無駄使いで、もったいなく感じました。

前田さんは好演だったとは思いますが、
せっかくの天海さん主演なのだから、家政婦役にするか、あるいはもっと話を変えるかして、
ともかく天海さん自身が屋敷に乗り込んで活躍するようにした方がよかったです。

その他の人物描写も全体に甘いような気がしました。


『大女優殺人事件~鏡は横にひび割れて~』
こちらは昨年の『そして誰もいなくなった』で最後に謎解きをする警視庁の刑事役だった
沢村一樹さんが同じ役で主演として名探偵ポジションを担いました。
この時点でマーブルとはまったく違う探偵役によるミステリドラマです。

これはこれでいいとして、捜査する側がプロの警察官になったのだから、
後は犯人と被害者、及び周囲の人間のドラマをしっかり描かねばならないのですが、
特に犯人の動機や心情が共感も理解すらできませんでした。


というわけで内容は今ひとつだった2本ですが、
クリスティ作品のクラシカルで荘厳な、ちょっと現実離れした雰囲気を味わうのは楽しく、
次の作品に期待したいところです。


視聴率は
24日『パディントン発4時50分~寝台特急殺人事件~』12.7%
25日『大女優殺人事件~鏡は横にひび割れて~』は9.8%

『バディトン』は合格点。
『鏡は』はもう少しで二桁でしたが、裏番組も強い改変期としてはますまずというところでしょうか。

Old Fashioned Club  月野景史

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