【美術展】「ルドン-秘密の花園」三菱一号館美術館/ブルゴーニュの古城秘蔵の16点が日本に集結
東京丸の内の三菱一号館美術館で5月20日まで、
「ルドン-秘密の花園」展が開催中です。
ルドン-秘密の花園
会期 2018年2月8日(木)~5月20日(日)
主催 三菱一号館美術館 / 日本経済新聞社
特別協力 オルセー美術館
後援 在日フランス大使館 / アンスティチュ・フランセ日本
公式サイト http://mimt.jp/redon/
※開幕日2月8日の夜、ブロガー向けの内覧会が開催されたので、訪館しました。
オディロン・ルドン
(Odilon Redon、1840年4月20日または4月22日- 1916年7月6日)
19世紀後期から20世紀初期にかけて活動したフランス人画家。
ワイン産地として著名なボルドー出身で、パリに出て活躍しました。
時代として印象派の全盛期と重なりますが、
その画風は印象派とは違い、神秘的・幻想的な作品が多く、
分類するならば象徴主義・象徴派ともされますが、
いかなる流派からも自由であったといわれます。
三菱一号館美術館とルドン
本展の舞台である三菱一号館美術館は元々、
ルドンのパステル画の大作『グラン・ブーケ(大きな花束)』を所蔵しています。
グラン・ブーケ(大きな花束)
大きく色鮮やかで美しい装飾画で、同館の他のテーマの展覧会でも展示されることが多く、
私も何度が鑑賞しています。
この絵の由来を説明しましょう。
ブルゴーニュの城を飾る
1897年、ロベール・ド・ドムシー男爵が、ブルゴーニュ地方ヴェズレー近郊の城館の
食堂装飾をルドンに依頼しました。
ブルゴーニュの城を飾る装飾画をボルドー出身のルドンに依頼。
ワイン好きにはそれだけで楽しくなるような話です。
さてワインはともかく、装飾画は1900年から1901年にかけて設置され、16点が現存します。
『グラン・ブーケ』もその中の1点ですが、それを除く15点は1978年に食堂から外され、
現在ではオルセー美術館が所蔵しています。
『グランブーケ』だけは別格扱いでその後も秘蔵されていたのですが、
2011年に一般公開され、今は三菱の所蔵となっているのです。
本展には、そのオルセー美術館所蔵の15点が来日し、
『グランブーケ』と合わせてドムシー城の食堂を飾ったルドンの装飾画が一堂に会しました。
もちろん日本初の機会となります。
上の写真2点は3階の大型展示室。
ここだけでは16点すべては展示し切れないので、
『グラン・ブーケ』など数点は2階の展示です。
他の作品もルドンの魅力いっぱい
さて、ルドンというと一つ目の巨人『キュクロープス』など神秘的な存在を描いた絵の印象が強いですが、
紹介した装飾画のように植物や風景も多く描いており、
本展は他にも豊かな色彩の風景画や静物画が揃えられています。
もちろん、神秘的、あるいは怪奇を感じる作品もあり。
存分にルドンを味わう展覧会です。
ところで、本展は同感所蔵作品をメインとした企画展のせいか、
オリジナルグッズも多彩です。
オリジナルハンカチも見たことないほど多くの種類。
気合いを感じますね。
『グラン・ブーケ』オリジナルラベルのワイン
左が『グラン・ブーケ』が秘蔵されていたブルゴーニュの「シャブリ」。
右がルドンの故郷ボルドーの「コート・ドゥ・カスティヨン」。
これは本展のオリジナルではなく、
『グラン・ブーケ』が元々所蔵作なので、以前からある商品です。
Old Fashioned Club 月野景史
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