【美術展】「パリ・グラフィック-ロートレックとアートになった版画・ポスター展」三菱一号館美術館/世紀末パリ印刷芸術の競演
東京・丸の内の三菱一号館美術館にて2018年1月8日(月・祝)まで、
「パリ・グラフィック-ロートレックとアートになった版画・ポスター展」が開催中です。
11月9日(木)に同館で行われたブロガー・特別内覧会にご招待いただき、参加しました。
パリ・グラフィックーロートレックとアートになった版画・ポスター展
2017年10月18日(水)~2018年1月8日(月・祝)
三菱一号館美術館
主催:三菱一号館美術館 アムステルダム、ファン・ゴッホ美術館、朝日新聞社
後援:オランダ王国大使館
公式サイト http://mimt.jp/parigura/
19世紀末、文化の都パリに花開いたポスター芸術。
日本で最も知られる、この分野を代表する画家といえば、アルフォンス・ミュシャと、
今回の主役・アンリ・ド・トゥールーズ・ロートレックが双璧でしょう。
ミュシャは今春、大規模な回顧展が六本木の国立新美術館で開催され、大変な盛況でした。
今度はロートレックてす。
三菱一号館美術館は2010年の開館ですが、元々ロートレック作品の収集に力を入れている美術館です。
※展示スペース内は一部を除き撮影禁止ですが、今回は内覧会なので特別に許可を得て撮影しています。
商業広告としてのポスターは印刷物、つまり版画です。
19世紀末のフランス・パリ、様々な芸術運動が勃興するなか、
版画は新たな広告媒体のみならず、芸術表現を切り開く重要なメディアとなりました。
それまでは複製や情報伝達のための手段でしかなかった版画が、
口ートレックら世紀末の前衛芸術家たちにより、絵画と同じく芸術の域まで高められました。
そして、それらを収集する愛好家も出現したのです。
また、世紀末パリでは大衆文化とともに発展したポスター芸術をはじめとして、
かつてないほど多くの複製イメージが都市に溢れ、美術は人々の暮らしにまで浸透していました。
「グラフィックアート」は生活と芸術の結節点であり、前衛芸術家たちの最も実験的な精神が発揮された、
時代を映すメディアであったのです。
本展はこうした19世紀末パリにおける版画の多様な広がりを俯瞰する美術展です。
ロートレックの作品だけではありません。
三菱一号館美術館、及びアムステルダム、ファン・ゴッホ美術館の貴重な19世紀末版画コレクションから、
リトグラフ・ポスター等を中心に、油彩・挿絵本等を加えた計約140点が展示されています。
内覧会風景も紹介します。
内覧会ナビゲーターの「青い日記帳」主宰Takこと中村剛士さん(右)と
野口玲一学芸員(三菱一号館美術館 学芸グループ長)。
ショップでは実物大ポスターも販売。
そして個々の作品のみならず、
19世紀末の百花繚乱のパリ文化の雰囲気を楽しむ、展覧会でもあります。
さて、この美術館は美しい中庭も魅力。
庭園もう華やかなイルミネーションでライトアップされています。
美しい夜景も本展と合わせて楽しんでください。
これは、夕刻に訪れたならばですが。
Old Fashioned Club 月野景史
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