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2017年8月

2017年8月16日 (水)

【ドラマ】『刑事7人』妻子の死は迷走の末の迷決着/天樹の復讐劇は『相棒』的倫理観へのアンチテーゼか

第3シーズンを放送中のテレビ朝日・東映制作の警察ドラマ『刑事7人』。
視聴率も二桁をキープしてまずまず好調です。

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今日8月16日放送の第6話「家路」は節目の回でした。

第1シーズン以来の謎であった主人公・天樹悠(東山紀之)の
妻子の死についての真相が明らかになったからです。
しかしこの件、はっきりいって迷走の末の迷決着だったと思います。


シリーズ初回以来の命題
天樹の妻子の死は今から12年前、
2015年の第1シーズンの時点では10年前の出来事でした。

元々警視庁捜査一課の有能な刑事だったらしい天樹は、
妻子の死以来10年間、遺失物係として引きこもり状態だったのですが、
そこを捜査一課12係長の片桐正敏(吉田鋼太郎)に「そろそろ出てこい」と
引っ張り出されて現場復帰するところからこのドラマは始まりました。

その段階で妻子についての詳細は明らかにされません。
旧知の関係である筈の片桐すらよくは知らないようです。


こうなると、この問題がシリーズを通しての縦のメインテーマなのだろうと思います。
基本1クールのドラマとして放送されるのだから、
第1シーズン最終回までに驚くような真相が明かされるのかと思いました。
ところが、結局曖昧なまま1クールが終了してしまいました。

実はこの件は元々無理があったのです。
普通に考えれば、天樹絡みの事件に巻き込まれでもしたのかというところですが、
それだと、片桐はじめ警視庁関係者が事情を知らないというのが無理です。

第1シーズンは視聴率一桁で続編の可能性は低いと思われたので
失礼だけど、つじつまを合わせられず、続編もあり得ないから解明を放棄したのではないかと思いました。


激変の第2シーズンで妻子問題は棚上げ
ところが、第2シーズンが始まりました。
しかし、メインライターも変わり、天樹の性格もまるで別人かというほど激変してしまいました。
もちろん、ドラマ全体の雰囲気も変わりました。
このあたりついては昨年の放送時にこのブログにも書いています。
http://oldfashioned.cocolog-nifty.com/blog/2016/07/72-4-1439.html

そして、妻子についてはほとんど・・・、もしかしたらまったくふれられなかったと思います。
視聴率は少し上げて二桁確保。


第3シーズンで妻子の件復活
そうして迎えた第3シーズンは基本路線は第2シーズンを踏襲。
そこに、棚上げになっていた妻子の問題を持ち出してきた。
ここまでの流れはそんな感じです。


さて明かされた真相は・・・。
天樹の妻と娘は工事現場の崩落事故で亡くなったとされていたのですが、
実はある陰謀のために仕組まれた殺人事件だったということでした。
おまけに天樹のキャラの変化や機動捜査隊への異動の事情まで、一気に片を付けてくれました。

これまでの事情を考えれば当然ですが、かなり無理やりでした。
正直、突っ込みどころは満載なのですが、あまり細々とは書きません。


それにしても今回の脚本の真野勝成さんという方は最近は『相棒』もよく書いており、
『刑事7人』は第2シーズンからメインライターを務めていますが、作風が独特です。
全体の雰囲気も癖があり、そこは良い面もあるのですが、
とにかく最初に驚かせ、これは一体どういうことかと引っ張っておいて、
結局その説明がない、いわゆる“回収”をしないという事が多いと思います。
ここは感心しません。

今回も冒頭近くで天樹が、義父(妻の父)でもある堂本俊太郎(北大路欣也)から
妻が妊娠していた事を告げられ、「僕の子ではない!」と返す衝撃の発言がありましたが、
どういうことだったのか、結局曖昧なまま終わりました。


アンチ杉下杉下右京的倫理観
しかし、ひとつ面白かった点があります。
天樹が妻子を死に追いやった男を言葉で攻めて殴りかからせ、
額で受けて拳を破壊、チェロリストとして終わらせてしまい、自殺に追い込むという形で
妻子の復讐を果たすという確信犯的展開。

刑事が私怨で犯人に復讐。
しかも結果的に死に追いやるとは。

テレ朝刑事ドラマ・・・というか、今の警察ドラマ全般に蔓延しているように思える、
『相棒』の杉下右京(水谷豊)的倫理観・正義感を覆すアンチテーゼとして興味深い、
などと感じました。


視聴率はこのドラマとしては過去最高の13.0%とのこと。
獲りましたね。

Old Fashioned Club  月野景史

2017年8月13日 (日)

【おんな城主 直虎】小野政次(高橋一生)は『樅ノ木は残った』の原田甲斐か

2017年の大河ドラマ『おんな城主 直虎』も早や後半、
8月13日放送で第32回が終わりました。

Top2

中盤のクライマックスともいえる徳川の遠江侵攻が近づくにつれ、
ああ、これは『樅ノ木は残った』をやりたいのか、と思うようになりました。
もちろん、ネットでも同様の意見を見かけます。


『樅ノ木は残った』
山本周五郎作の歴史小説。
江戸時代前期に 仙台藩伊達家で起こったお家騒動「伊達騒動」が題材。
従来は悪人・奸臣とされてきた原田甲斐を主人公とし、
幕府による取り潰し政策から伊達藩を守り、すべての汚名を背負って死んだ忠臣として描かれました。
悪役→善玉へ、原田甲斐の人物像、また歴史観を覆したわけです。
1970年には大河ドラマにもなり、平幹二郎さんが甲斐を演じました。


そうであるなら、『直虎』において原田甲斐に当たるのはいうまでもなく小野但馬守政次(高橋一生)。
一般に知られる史実としては、家老職にありながら井伊家乗っ取りを謀った逆臣。
計略に敗れ、処刑されたと伝えられています。
それに沿って描けば、政次は前半から中盤にかけての悪役・トップヒールに座る筈です。

ただ、演じるのは注目度・好感度とも上昇中の俳優・高橋一生さん。
ドラマでのポジションも中盤の準主役格に当たります。
さて、どう展開するのかと思っていました。


高橋さん演じる政次は得体の知れない面もありましたが、
回が進むにつれ、主人公・井伊直虎(柴咲コウ)と表面は対立しながら、
主家である今川家も、身内である一族や家臣、領民たちも欺く形で、
井伊家を守るためにしっかり繋がっていきます。

ああ、政次=『樅ノ木』の原田甲斐かと思ったのです。

ただ、更に回が進むと、少しおかしくなってきました。

この時代の井伊家の資料は乏しく、そもそも直虎という人物自体よくわかっていません。
ですので、直虎周辺の出来事の多くはフィクションです。
それならば、ドラマとしては政次=甲斐という解釈も面白いかと思ったのです。

しかし、フィクションとはいえ歴史ドラマ。
政次が逆臣として処刑されたこと、
そして井伊家の記録に奸臣として名を残っていることは変えようがないでしょう。
そこをどうつじつまを合わせるのかが注目点でした。

ところが、直虎が家臣たちに早々と政次と繋がっていることを明かしてしまい、
家臣の大半たちも「やっぱり! 政次様は味方と思ってました。」と納得してしまったのです。
めでたしめでたし・・・ともいえるのですが、これでは『樅の木』的展開には繋がり難くなりまし、
それ以上に、現在の認識に繋がりません。

もしかしたら、更に裏をかく展開、つまり政次が直虎を本当に裏切るという、
逆サプライズ的な展開もあるのかとまで考えました。

発売されている公式ガイドブックには最近の回のあらすじは載っていません。
どうなるかは放送を見なければわからない・・・
という状況で迎えたのが今回でした。

この回では中盤で家康にまで直虎と政次との信頼関係が伝わり、
更に政次自身が井伊家復興を高らかに宣言し、ますますめでたしめでたしと思わせておいて、
思わぬ伏兵を出してきました。
井伊谷三人衆の1人、近藤康用(橋本じゅん)です。
この男が今までの良い流れをすべて覆してしまいました。

井伊谷三人衆は一般には井伊家を支えた家として認識されていますが、
たしかにこのドラマでは、今までのところそう描かれてきませんでした。
特に近藤はそうで、井伊家とは確執ばかりでした。

ただ、これまでの近藤の井伊への確執は主に直虎に対してで、
政次は無関係に思えたので、やはりこの展開はちょっと意外でした。

もし、こういう人間が出てくるとしたら、
家臣の中で唯一政次への疑念を捨てていない中野直之(矢本悠馬)かと思ったのですが、
これは違いました。ミスリード要員だったかも知れません。
さすがに、ここで直虎と直之の関係まで壊れたら、
これから武田の侵攻で更に苦難が続く井伊家がその前にガタガタになってしまいます。

しかし、いくらフィクションと割り切っても、
この展開はいささかトリッキー過ぎて感心しません。
まぁ、次回を観てから論評すべきかも知れませんか。


次回8月20日 放送の第33回は「嫌われ政次の一生」。
このドラマはサブタイトルで過去作品のタイトルをパロディにするのです。
元ネタは『嫌われ松子の一生』。
もちろん、政次退場編となるのでしょう。

Old Fashioned Club  月野景史

2017年8月12日 (土)

通算アクセス310万件突破

本日8月12日、当ブログへの通算アクセスが310万件を超えました。

最近は更新が滞っていますが、毎日過去プログを多くの方に閲覧いただき、嬉しい限り。
更新頻度を上げていきます。

Old Fashioned Club  月野景史

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