【俳優】渡瀬恒彦さん死去/闘病を続けながら、最後まで現役を貫く
訃報 俳優の渡瀬恒彦さんが3月14日に亡くなりました。72歳。
渡瀬恒彦(わたせ つねひこ)
1944年7月28日 - 2017年3月14日
島根県能義郡安来町出身。東映マネージメント所属。俳優の渡哲也さんは実兄。
このブログでは渡瀬さんの闘病について何度か書いてきました。
渡瀬さんは2015年の夏頃に胆嚢がんが見つかり、
以降、闘病をしながら、俳優業を続けてきました。
胆嚢がんについて公表されたのは発覚から1年近く後の2016年5月でした。
病気発覚からの経緯を簡単にまとめます。
◆2015年
渡瀬さんは2015年4月~6月に主演を務める『警視庁捜査一課9係』シーズン10に出演。
その撮影終了後に不調を訴え、入院した病院での検査で胆のうがんが見つかったようです。
その後5ヶ月ほど療養し、2015年末には長く主演を務めてきた
『おみやさん』の単発スペシャルの撮影で仕事復帰。
(このドラマは2016年3月に放送されました。)
◆2016年
そして、2016年4月~6月には『警視庁捜査一課9係』シーズン11に出演します。
この放送中、おそらくクランクアップ間際かと思いますが、病気の公表がありました。
その後、2016年秋に放送される『おみやさん』スペシャルの撮影もこなし、
更にTBSで1992年以来主演してきた『十津川警部シリーズ』の撮影に入る予定でしたが、
そこで再び体調を崩し、長年の当たり役を降板することとなりました。
◆2017年
以降、渡瀬さんの情報は途絶え、ファンを心配させていましたが、
今年年1月になってテレビ朝日のスペシャルドラマ
『そして誰もいなくなった』(3月25日、26日 二夜連続放送予定)の
撮影に入っている事が公表されました。
http://www.tv-asahi.co.jp/soshitedaremo/
そして、2月には『警視庁捜査一課9係』シーズン12の制作(4月スタート)が発表されたばかりでした。
『警視庁捜査一課9係』シーズン12の現況
ニュースによると、『9係』は既にクランクインしており、第2話までの撮影は終了しているようです。
しかし、渡瀬さんは収録に参加することは出来ず、
第1話と2話は本来渡瀬さんが出演する予定だった脚本を修正して撮影されたとのこと。
そして、第3話以降は渡瀬さんの不在前提で書かれた脚本で撮影されているようです。
ですので、上述の『そして誰もいなくなった』が遺作ということになると思います。
『9係』にせめて第1話だけでも出演できていれば・・・とは思ってしまいます。
70歳を超えても複数の長寿主演シリーズを持つ稀有な俳優でした。
亡くなる直前まで『9係』の撮影復帰を目指して、スタッフと打ち合わせをしていたそうです。
最後まで現役を貫きました。
謹んで哀悼の意を表します。
※このプログは書きかけです。
Old Fashioned Club 月野景史
以下、朝日新聞デジタルより引用
http://www.asahi.com/articles/ASK3J2SD5K3JUCLV003.html
☆☆☆
十津川警部・9係…親しまれた刑事役 渡瀬恒彦さん死去
2017年3月16日09時46分
映画「仁義なき戦い」やドラマ「十津川警部」など硬軟多彩な役を演じた俳優の渡瀬恒彦(わたせ・つねひこ)さんが14日、多臓器不全のため東京都内の病院で死去した。72歳だった。葬儀は近親者のみで営む。兄は俳優の渡哲也さん。
兵庫県淡路島出身。一般企業勤務を経て、69年に東映入社。翌年「殺し屋人別帳」で主演デビュー。「仁義なき戦い」シリーズや「鉄砲玉の美学」などでヤクザの若者の生きざま、死にざまを荒々しくかつ繊細に表現した。
その後は演技派として活躍の場を広げた。「事件」「赤穂城断絶」で78年のキネマ旬報助演男優賞、「神様のくれた赤ん坊」「影の軍団・服部半蔵」「震える舌」で80年の同主演男優賞を得た。「セーラー服と機関銃」「南極物語」などのヒット映画でも印象に残る演技を見せ、森崎東監督の「時代屋の女房」(83年)では中年男のひょうひょうとした魅力を体現した。
後年はテレビドラマに数多く出演。92年から「十津川警部」、02年から「おみやさん」、06年からは「警視庁捜査一課9係」シリーズと、様々な刑事を長期にわたって演じ、幅広い世代に親しまれた。NHKの連続テレビ小説「ちりとてちん」(07~08年)では、落語家を目指すヒロインの師匠、徒然亭草若を演じた。
15年に胆のうに腫瘍(しゅよう)が発見され、闘病を続けていた。所属事務所によると、今年に入り、4月に始まる「警視庁捜査一課9係」の新シーズンの撮影に向けて準備していたが、2月に左肺に気胸を発症、3月に入って敗血症を併発した。
★★★
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