『相棒15』元日スペシャル「帰還」終了/ちょっと無理があるストーリーも視聴率は好数字
『相棒seasun15』2017年元日スペシャル第10話「帰還」の放送が終了しました。
この回の展望はこちら→ http://oldfashioned.cocolog-nifty.com/blog/2016/12/s152017-0a45.html
今回はちょっと期待外れというか・・・、予想した良くないパターンにはまったように感じます。
今回は杉下右京(水谷豊)・冠城亘(反町隆史)の特命コンビと
社美彌子広報課長(仲間由紀恵)、大河内監察官(神保悟志)が協力
『相棒』は多くの脚本家が執筆するドラマですが、
今回の真野勝成さんは近年、メインに近いウェイトを占めている人です。
この人の脚本回の特徴として、序盤では謎深く、スケール感もあり、雰囲気もよく、今回は面白そうだ!
と思わせるのですが、真相が見えてくるにつけ、設定や同期、終盤の展開にかなり無理があり、
序盤で提示された謎もあまり回収されず、残念な結果に終わる事があります。
今回もまさにそのパターンであったように思えるのです。
具体的に挙げていけばキリがないのですが、
例えば、冒頭に提示される3つクエッション。
1.なぜ黒水署は警視庁の左遷場所と呼ばれているのか?
2.なぜ黒水署の警官5人の失踪が、警視総監の指示で事件化されないのか?
3.なぜそんな、いかにも曰く付きの黒水署に特命コンビを異動させたのか?
この根本的な疑問に納得いく説明もないまま、話はどんどん無茶な展開になっていきました。
ハッキリ言ってしまうと、八嶋智人さん演じる黒水町の町長が一番怪しいのは最初の方からわかりました。
ただ、問題はその動機です。
拉致されて殺された黒水署の5人の警官は麻薬の密売をやっていたようです。
これもまたとんでもない話ですが、彼らが悪徳警官なら、
それこそダークナイトではないですが、成敗されたのかとも思ったのですが、
動機がサイコパスによる抑えられない殺人衝動によるものだというなら、
殺されるのは誰でもよかったのですね。
そして話が進むと、SPに守られていた警視総監が町長との会食中に外国人らしき集団に拉致され、
惨殺されるという『相棒』史上でも類を見ない、とんでもない大事件が起こるのですが、
実にあっさり淡々と済まされました。
いくらフィクションとはいえ、『相棒』でこれはありなのかと思わせる内容でした。
また、あまり言いたくはないのですが・・・、
団地の住人が揃って犯人を偽証する展開がありました。
これ、同じ真野氏脚本で昨年8月に放送された『刑事7人』の鈴木浩介さんの殉職回にそっくりなのです。
似たような話ができるのも仕方ないとは思いますが、かなり最近で、
同じテレビ朝日水曜21時枠の刑事ドラマの中なので、ちょっと使い回しが早すぎるようには感じました。
今回は、住民達が偽証する理由付けもかなり無理がありました。
むしろ逆の主張をする方が自然のように思いました。
ネット上でもだいたい同旨の評価が多いようです。
もちろん、おもしろいという声もあります。
視聴率は17.3%と今期では最高、まずまずの好数字でした。
Old Fashioned Club 月野景史
以下、日刊スポーツcomより引用
http://www.nikkansports.com/entertainment/news/1759931.html
☆☆☆
水谷豊「相棒」元日スペシャルも人気17・3%
[2017年1月2日12時38分]
テレビ朝日系ドラマ「相棒」の元日スペシャル(午後9時)の平均視聴率が17・3%(関東地区)だったことが2日、ビデオリサーチの調べでわかった。水曜午後9時の連続ドラマも人気だが、元日の特別版も高視聴率だった。
元日は、特命係に黒水町への異動の辞令が下る。急な欠員補充のための臨時措置だが、刑事部長の内村(片桐竜次)には右京(水谷豊)を亘(反町隆史)と共に正式異動させ、特命係を閉鎖する腹積もりがあった。2人が警視庁をたった夜、警察幹部と東京都の首長クラスの会合が開かれる。そこには警視総監の四方田(永島敏行)らに交じり、黒水町長の和合(八嶋智人)の姿もあった。一方、右京と亘は勤務地の駐在所へ。2階の室内には前任者が残したカレンダーと、香をたいたような匂いが残っていた。前任者について調べると、これまでに5人の警察官が突如姿を消し、無断欠勤扱いのまま放置されていることが分かる。最後に失踪した警部の住まいで右京たちは、ケーブルテレビの詠子(伊藤歩)に遭遇。詠子は黒水署の警察官連続失踪事件を追っているという。公になっていない情報をどこから入手したのか、という内容だった。
★★★
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