【相棒15】第9話に出てきた「後ピン(あとぴん)」とは何か?
昨日放送の『相棒season15』第9話「あとぴん〜角田課長の告白」で、
サブタイトルにもなっている「あとぴん(後ピン)」という言葉が多く出てきました。
劇中では角田課長(山西惇)の中学時代の写真部の顧問の先生のあだ名です。
そして、「後ピン」自体は写真用語です。
劇中では、この言葉の意味についての詳しい説明はありませんでした。
「後ピン」について簡単に記します。
「後ピン」とは、撮りたいメインの被写体ではなく、
その背景部分にピントが合ってしまい、肝心の被写体がボケてしまう事をいいます。
「後ろにピントが行く」ので「後ピン」です。
例えば、スポーツ観戦に行って選手の姿を撮ろうしたけれども、
背後の観客にピントが合って、選手がボケてしまったり、
公園で花のアップを撮ろうとしたけど、後ろにある樹木にピントが合ってしまったりという事です。
当然、逆の「前ピン」という現象も起こります。
上に挙げた例は主に撮影者の技術的な失敗で起こりがちな事ですが、、
カメラやレンズなどの機材の不具合による場合もあり、その状態の機材を指す場合もあります。
こちらは素人目にわかるほど狂っている場合は少ないので、
主にプロやハイアマチュアのカメラマンによって使われます。
ただ、例えばネットの価格comのようなサイトのカメラやレンズの項目の掲示板等では、機材の問題が論じられることが多いので、
「前ピン」「後ピン」自体が機材の不具合を指す言葉と勘違いしている人もいるようですが、
本来の意味はピントが前か後ろに行っている写真の状態の事です。
昨夜の『相棒』でも、「あとぴん」というニックネームの聞いて、杉下右京(水谷豊)がカメラのクセだと捉えると、
角田がこの場合はむしろ本人のクセ(技術上の問題)だと返すシーンがありました。
オートフォーカスなき時代
さて、今素人が写真を撮って後ピンになってしまうのは、
オートフォーカス(自動ピント合わせ)に失敗する場合がほとんどでしょうが、
今回の劇中で明示された角田の同級生の生年月日から計算すると、
彼らは1983年春に中学を卒業していた年代です。
オートフォーカスの一眼レフカメラが一般に発売されるのは1985年なので、
これはオートフォーカスのないマニュアル(手動)でピント合わせをしていた時代の話です。
写真用語からつけられたあだ名としては、手動でのピント合わせが下手だということでしょう。
もちろん、それだけでない意味も含まれていましたが。
ただ、角田課長が昔の仲間での会話の中ならともかく、右京にも先生の事を「あとぴん」と話し、
右京も「あとぴん」と呼んでいたのは変でした。
右京は「あとぴん先生」とも呼んでおり、それならわかりますが、終盤はずっと「あとぴん」でしたし。
Old Fashioned Club 月野景史
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