【美術展】『世界に挑んだ7年 小田野直武と秋田蘭画展』サントリー美術館/知られざる蘭画の世界を探訪する
東京六本木のサントリー美術館では11月16日より来年1月9日まで、
『世界に挑んだ7年 小田野直武と秋田蘭画展』を開催します。
世界に挑んだ7年 小田野直武と秋田蘭画展
2016年11月16日(水)~2017年1月9日(月・祝)
サントリー美術館
公式サイト:http://clk.nxlk.jp/HVTu1YLw
秋田蘭画とは何か?
「秋田」は東北の秋田です。では「蘭画」とは?
聞き慣れない言葉です。
「蘭学」という言葉は聞いたことがありますね。
幕末を舞台にした歴史ドラマなどによく出てきます。
「蘭」はオランダ(阿蘭陀)の蘭。
直接的にはオランダの学問のことです。
ただ、ご存じのように江戸時代は鎖国政策により、
中国とオランダとしか国交がありませんでした。
しかも交易内容も限られており、八代将軍吉宗の時代になって、
オランダからの書物の輸入がやっと解禁され、“オランダの学問”が入ってきました。
ですので、当時の日本人にとってオランダの学問=西洋の学問だったのです。
蘭画とは、蘭学と同様の意味合いを持つ呼び方だと考えれば解り易いです。
オランダの絵画、つまり当時の日本人にとっての西洋絵画(洋画)の事。
ですから、「秋田蘭画」とは「秋田藩士が描いた阿蘭陀風(おらんだふう)の絵画」なのです。
しかし、オランダとの交易は長崎に限定されていた筈。
もちろん、江戸までは伝わるでしょうが、
そこからもかなり離れた秋田で蘭画が発展したのか? 不思議に感じます。
キーマンは本展のタイトルにも名がある小田野直武です。
秋田藩士の家に生まれた直武は、江戸に出て蘭画を学びました。
実は直武は、かの平賀源内が鉱山調査で秋田藩を来たことをきっかけとして江戸へ上り、
源内を通じて蘭学者に出会って、あの『解体新書』の挿絵を描いた人物です。
有名なキーワードが色々と出てきますね。
しかし、その生涯は僅か31歳で終わっています。
タイトルにある「世界に挑んだ7年」も、ここに関わってくるのでしょう。
短い人生を彼はどう生きたのか、この人の生涯も興味深いですね。
西洋と東洋の世界に挑み、伝統的な画法に西洋絵画の遠近法や陰影法を取り入れ、
東西の美が結びついた秋田蘭画。
「小田野直武と秋田蘭画展」
見逃せません。
Old Fashioned Club 月野景史
展覧会詳細
開館時間 10:00~18:00 (金・土は10:00~20:00)
※12月22日(木)、1月8日(日)は20時まで開館
※いずれも入館は閉館の30分前まで
※shop×cafeは会期中無休
休館日 火曜日
※1月3日(火)は18時まで開館
※12月30日(金)から1月1日(日・祝)は年末年始のため休館
入館料 一般 当日 \1300 前売 \1100
大学・高校生 当日 \1000 前売 \800
※中学生以下無料
※障害者手帳をお持ちの方は、ご本人と介護の方1名様のみ無料
※追記:こちらに観賞後の簡単な感想を記しました。
http://oldfashioned.cocolog-nifty.com/blog/2016/11/7-2572.html
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