【美術展】『クラーナハ展―500年後の誘惑』国立西洋美術館/北方ルネサンス巨匠 日本初の大規模展
東京上野の国立西洋美術館で来年1月15日まで、
『クラーナハ展―500年後の誘惑』が開催中です。
クラーナハ展―500年後の誘惑
2016年10月15日(土)~2017年1月15日(日)
国立西洋美術館
主催:国立西洋美術館、ウィーン美術史美術館、TBS、朝日新聞社
http://www.tbs.co.jp/vienna2016/
※本展終了後は大阪に巡回
国立国際美術館にて 2017年1月28日(土)~ 4月16日(日)
呼称としては、私は「ルーカス・クラナハ」に馴染みがありますが、
本展では「ルカス・クラーナハ」、
wikipediaでは「ルーカス・クラナッハ」と、日本語表記が割れています。
この展覧会に合わせ、本項では一応「ルカス・クラーナハ」を採用します。
ルカス・クラナーハ
(Lucas Cranach der Ältere、1472年10月4日 - 1553年10月16日)
ルネサンス期のドイツの画家。
同名の息子も画家なので、ルカス・クラーナハ (父) と表記されることもありますが、
一般に「クラーナハ」といえばこの人を指します。
西洋絵画史上の超ピッグネームです。
北方ルネサンスの代表画家
ルネサンスについてはこのプログで超入門編を記しています。
http://oldfashioned.cocolog-nifty.com/blog/2012/01/post-2628.html
ルネサンス芸術の中心地はイタリアのフィレンツェとローマ。
次いで北のヴェネツィア
これらイタリアの地域よりも更に北の国々にも伝播したものを、北方ルネサンスと呼びます。
主にネーデルラント(現在のベルギー、オランダあたり)、そしてドイツが知られます。
クラーナハはアルブレヒト・デューラーと並び、ドイツルネサンスを代表する画家です。
特にアダムとイブやヴィーナスの立ち姿を描いた裸体画は特徴的で、
クラーナハの名を知らなくとも、見た記憶のある人は多いと思います。
『ヴィーナス』 1532年 フランクフルト シューデル美術館
本展の出品作
クラーナハといえばこの身体のライン。そしてこの蠱惑的な表情です。
本展は日本初のクラーナハの大回顧展
ローマ、ロンドン、パリ、ブリュッセル等に次いでの日本開催で、
世界10カ国以上から、クラーナハ作品が日本に集結しました。
これほどの有名画家の展覧会が今まで日本で行われていなかったというのも意外ですが、
作品が世界に分散しているので、多くの作品を集めるのが難しかったのでしょう。
今回は大変貴重な機会です。
Old Fashioned Club 月野景史
以下、公式サイトより引用
ルカス・クラーナハ(父、1472-1553年)は、ヴィッテンベルクの宮廷画家として名を馳せた、ドイツ・ルネサンスを代表する芸術家です。大型の工房を開設して絵画の大量生産を行うなど、先駆的なビジネス感覚を備えていた彼は、一方でマルティン・ルターにはじまる宗教改革にも、きわめて深く関与しました。けれども、この画家の名を何よりも忘れがたいものにしているのは、ユディトやサロメ、ヴィーナスやルクレティアといった物語上のヒロインたちを、特異というほかないエロティシズムで描きだしたイメージの数々でしょう。艶っぽくも醒めた、蠱惑的でありながら軽妙なそれらの女性像は、当時の鑑賞者だけでなく、遠く後世の人々をも強く魅了してきました。
日本初のクラーナハ展となる本展では、そうした画家の芸術の全貌を明らかにすると同時に、彼の死後、近現代におけるその影響にも迫ります。1517年に開始された宗教改革から、ちょうど500年を数える2016-17年に開催されるこの展覧会は、クラーナハの絵画が時を超えて放つ「誘惑」を体感する、またとない場となるはずです。
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