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2016年9月 5日 (月)

【ドラマ】『そして、誰もいなくなった』多くが謎のまま終了/冷凍遺体と消えたののかの謎を解く

日本テレビの日曜ドラマ『そして、誰もいなくなった』の最終回第9話が終了しました。
http://www.ntv.co.jp/soshitedaremo/

Photo

謎に満ちたドラマ。
私は第3話の終了時にこのブログで、
これだけの伏線を回収して、誰もが納得するよう綺麗にまとめられるとは到底思えない、
それが出来たら奇跡だと予想しました。
http://oldfashioned.cocolog-nifty.com/blog/2016/08/post-0c4e.html

残念ながら予想はあたったようです。
というか、そもそも無理です。話を目茶苦茶に散らかし過ぎ。
多くの謎が意味不明なまま投げっ放しで、ネットも不満に溢れ、プチ炎上状態といってよいでしょう。

しかも、本来は最終回で明らかにすべき真相が次回予告でほぼわかってしまい、
それ以上の驚きがあまりなかったというのも、なんともまあという感じ。

ただ、視聴率は意外と踏みとどまりましたね。
リオオリンピック開催時に6%台まで落としましたが、その後回復して平均8%を確保したようです。
最終回直前まで謎を振りまき続けたのが、功を奏したのでしょう。
私も前のブログで宣言した通り、どうまとめるかを見届けるために最後まで付き合いました(笑)


特に気になる2つの謎
ともかく突っ込みどころは満載なのですが、
その中でも一番疑問が寄せられているのが、斎藤博史の死体の件でしょう。

そして、それに次ぐ疑問のいくつかのうちのひとつに数えられのが、
西野弥生の消息についてです。

膨大な疑問のうちからこの2件だけ、まとめて解決します。


斎藤の遺体はなぜ盗まれ、冷凍されたか?
主人公・藤堂新一(藤原竜也)の大学時代の友人・斎藤博史(今野浩喜)は
藤堂を誤解して凶器で襲い、もみ合う内に逆に命を落としてしまいます。
新一の正当防衛ということになります。
その斎藤の遺体が警察病院から盗まれ、後に山荘で冷凍された状態で発見されるのです。

最終回まで観ても、なぜ遺体が盗まれ、山荘で冷凍されていたのか、まったくわかりませんでした。
やったのは誰かとなると、日下瑛治(伊野尾慧)に指示された馬場(小市慢太郎)でしょう。
これも推測ですが、それしか考えられないですから。

しかも、その山荘に向かったのは新一の母・藤堂万紀子(黒木瞳)から指示された、
新一の婚約者である倉元早苗(二階堂ふみ)です。
なぜ万紀子は早苗に斎藤の遺体がある山荘に行かせたのか? まったくわかりません。


弥生はなぜ唐突に消えたのか?
西野弥生(おのののか)は、足の不自由な新一の母・万紀子の世話をする介護ヘルパー。
物語の途中で消息不明になってしまいます。
最終回で万紀子の口から、万紀子によって死に追いやられたことが語られました。
そこから、殺された事情を推測することはできますが、あまりに説明不足、
そして消え方があまりに唐突でした。

死んだと思われるが死体が発見されてないキャラといえば馬場もそうですが、
彼の場合は派手なカーチェイスの末、「アデュー(さよなら)!」と叫んで車ごと海に突っ込んでいるので、
唐突に消えた弥生とは事情が違います。

あまりに不可解なことが多いので不感症になりがちですが、
他のオープニングでクレジットされる主要キャラは、退場時はそれなりにインパクトを残しています。
それに比べて、弥生だけが異質なのです。

斎藤の遺体盗難→冷凍と、弥生の消え方、数ある謎の中でもこの2つは更に異質で、なんというか“変”なのです。
なぜこんなことになったのか?
以下、まったくの推測です。


リンクする2つの謎
実は本来、殺されて山荘で発見されるのは弥生だったのではないかと思うのです。
それにしたってよくわからない展開ですが、タイミング的に弥生が姿を消し、
遺体が発見される、その流れ自体はまだ自然です。

万紀子が早苗を山荘に行かせたのも、弥生の遺体があるからだとしたら、まだわかります。
かなりの拡大解釈ですが、弥生への贖罪の気持ちから、遺体を早く発見して供養してほしかったとか、推測できなくもないので。

もしそうだとして、弥生を山荘に運んだ実行犯は、こちらも日下に指示された馬場でしょう。
これは、馬場の車のトランクの中に弥生の遺留品が残っていたことからも推測できます。
殺してから運んだのか、運んで殺したかですが、インターフォンのくだりからすれば、運んでから殺した可能性が高いでしょう。

以上、仮に元々このようなストーリーだったとして、なぜ変更になったのか?
おそらく、善意の介護職である弥生の殺され方としては、あまりに酷すぎるという、制作サイドの判断でしょう。

理不尽な殺人などドラマにいくらでもありますが、
一話完結の刑事ドラマや2時間サスペンスで、殺す方も殺される方もゲスト同士というのと、
この作品のような初回から最終回までひと繋がりのドラマでは印象も、全体に与える影響も違います。
批判を警戒して、あまりに理不尽で哀れな殺人を回避したのではないでしょうか。

同時期スタートのフジテレビのドラマ『ON 異常犯罪捜査官・藤堂比奈子』が残酷描写で、
BPO (放送倫理・番組向上機構)から配慮を求められたらしいという件も影響しているかも知れません。
ニュースとして流れたタイミングから考えれば無理がありますが、テレビ局には情報が早く入ってる可能性もあるので。


さて、この見方が正しかったとして、どのタイミングで変更が決定したのか?
それはわかりません。

ただ、このドラマは早撮りというのか、撮影が早く進行していたようです。
山荘で弥生が発見される展開を没にしたとして、全体の骨子は変えられず、
弥生の代わりに山荘で発見される遺体が必要。
ということで、斎藤の遺体が盗まれることになったのではないかと思います。
だって、斎藤の遺体を盗む→山荘で冷凍→万紀子が早苗に発見させる。
この展開は、あまりに意味不明です。

結果として弥生は、山荘での遺体発見という退場の舞台を失ってしまったのでした。

別の見方をすれば、山荘に弥生の死体があるようにミスリードして、実は斎藤だったという意外性を狙ったようにも見えました。
ただ、この点は、ストーリー変更がもたらした副産物的な演出効果だったように感じます。

以上、まったくの推測です。


Old Fashioned Club  月野景史

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13.【特集】テレビドラマ」カテゴリの記事

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