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2016年9月

2016年9月25日 (日)

【美術展】『ヴェネツィア・ルネサンスの巨匠たち』/日伊国交樹立150年を記念し東京・大阪で開催

東京六本木の国立新美術館で10月10日まで
『アカデミア美術館所蔵 ヴェネツィア・ルネサンスの巨匠たち』が開催中です。
※追記:東京展は終了しました。来年1月15日まで大阪展
が国立国際美術館で開催中です。


Photo


日伊国交樹立150周年特別展
アカデミア美術館所蔵 ヴェネツィア・ルネサンスの巨匠たち

東京会場
2016年7月13日(水)~10月10日(月・祝)
国立新美術館 企画展示室2E
主催:国立新美術館、TBS、朝日新聞社

大阪会場
2016年10月22日(土)〜 2017年1月15日(日)
国立国際美術館
主催:国立国際美術館、TBS、朝日新聞社、MBS
http://www.tbs.co.jp/venice2016/

日本・イタリアの国交樹立150年を記念した大型イベントです。

アカデミア美術館は、ヴェネツィアの美術アカデミーが管理していた諸作品を礎として、1817年に開館しました。
14世紀から18世紀にかけてのヴェネツィア絵画を中心に、約2000点を数える充実したコレクションを有しています。
今回、日伊国交樹立150周年を契機として、同館の所蔵品による本邦初の展覧会が実現しました。


テーマはルネサンス期のヴェネツィア絵画
ルネサンス発祥の地というえば、同じイタリアのフィレンツェ。
それに対しヴェネツィアは、ルネサンス第2の都といえます。

ルネサンス絵画についてはこちらを参照↓
http://oldfashioned.cocolog-nifty.com/blog/2012/01/post-2628.html

フィレンツェの画家達が明快なデッサンに基づき丁寧に筆を重ねる着彩、整然とした構図を身上としたのに対し、
ヴェネツィアの画家たちは、自由奔放な筆致による豊かな色彩表現、大胆かつ劇的な構図を持ち味とし、
感情や感覚に直接訴えかける絵画表現の可能性を切り開いていきました。

本展では、選りすぐられた約60点の名画によって、
15世紀から17世紀初頭にいたるヴェネツィア・ルネサンス絵画の展開を一望します。
ジョヴァンニ・ベッリーニからクリヴェッリ、カルパッチョ、ティツィアーノ、ティントレット、ヴェロネーゼまで、
名だたる巨匠たちの傑作が一挙来日しました。

特に、ヴェネツィア盛期ルネサンス最大の巨匠ティツィアーノが晩年に手がけた祭壇画の大作である
『受胎告知』(サン・サルヴァドール聖堂)が特別出品されることも、本展の大きな見どころとなるでしょう。

ヴェネツィア絵画の歴史のなかでルネサンス期に焦点を絞った展覧会は、国内ではほとんど例がなく、大変貴重な機会です。

Old Fashioned Club  月野景史

2016年9月22日 (木)

【相棒-劇場版-Ⅳ】2017年2月11日公開決定/2代目相棒神戸尊(及川光博)も登場

制作が発表されていた映画『相棒-劇場版-IV』について、新たな情報が開示され、PR映像も公開されました。

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『相棒』シリーズ映画第4作目の劇場公開は来年2017年2月11日。
これは今年10月からスタートする『相棒season15』の放送中、終盤に差し掛かる時期です。
過去の劇場版は、『Ⅰ』と『Ⅲ』が3月のシーズン終了後まもないゴールデンウィーク映画として、
『Ⅱ』は正月映画としての公開で、その他にスピンオフの2本もシーズン終了直後の3月末でしたので、
今回の2月公開は初めてのパターンです。

特に放送中ということもあり、シーズン15との時系列がどうなるのかが注目されます。
これまではすべて、最新シーズンよりも遡った時間設定がされていました。


予告動画も公開されています。


また、ゲスト俳優として、北村一輝さん、山口まゆさん、鹿賀丈史さんの出演が発表されました。
いずれも『相棒』シリーズには初登場です。
北村一輝さんが演じるのは、国際犯罪組織「バーズ」の主要メンバー“黒衣の男”。
おそらくメインゲストということになるのでしょう。

山口まゆさん2000年生まれの現在15歳
2000年スタートの『相棒』シリーズと同い年。
若いヒロインです。

鹿賀丈史さんは映像作品への出演は減っていて、久しぶりに思えます。
10月からは日本テレビの連続ドラマに出演するようですが。
1950年生まれで、水谷豊さんより二つ年上。ほぼ同世代ですね。

レギュラー陣からはもちろん、杉下右京(水谷豊)、冠城亘(反町隆史)の現相棒コンビと、
既に『season15』と劇場版に出演することが発表されていた警視庁総務部広報課課長・社美彌子役の仲間由紀恵さん、
長官官房付に事実上降格しても大きな影響力を持つ、元警察庁次長・甲斐峯秋役の石坂浩二さん、
そして、2代目相棒・神戸尊役の及川光博さんの出演が公表されています。

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及川さんは自身が現役相棒として主演した『Ⅱ』の後、
テレビシリーズ降板後にも『Ⅲ』やスピンオフ作品にもゲスト出演しているので、
劇場版はこれで4本目ということになります。

神戸尊は警視庁特命係から警察庁に異動した設定で退場しており、
警察組織から離れた初代相棒亀山薫(寺脇康文)、3代目の甲斐享(成宮寛貴)と違い、『相棒』世界に籍を残しています。
根強い、相棒としての本格復帰待望論もあります。

私は神戸ファンなので、この出演は朗報です。
『Ⅲ』は顔見世程度だったので、今度はもう少し本格的な活躍を期待しています。
特報映像や主要キャスト8人の画像の並びからすると、期待できそうですが。

Old Fashioned Club  月野景史


以下、ORICON STYLEより引用
http://www.oricon.co.jp/news/2078828/full/
☆☆☆
『相棒-劇場版-IV』来年2・11公開 映像も初解禁
俳優の水谷豊と反町隆史がコンビを組む人気刑事ドラマシリーズの劇場版最新作『相棒-劇場版-IV』の公開日が来年2月11日に決定した。本邦初公開となる映像も解禁。映画オリジナルキャストとして北村一輝、山口まゆ、鹿賀丈史が出演することも明らかになった。

映像は「その事件の未来(さき)には何がある?」という印象的な言葉から始まり、カラスの羽とともに杉下右京(水谷)、冠城亘(反町)の特命係に続いて、北村、山口、鹿賀が登場。そして、2代目相棒にして、映画版にはこれで4作目の出演となる警察庁長官官房付・神戸尊役の及川光博、『season 11』からの3代目相棒・甲斐享(成宮寛貴)の実父で、息子の不祥事後、警察庁長官官房付に事実上降格しても大きな影響力を持つ甲斐峯秋役の石坂浩二、さらにテレビ朝日系で10月12日にスタートする『season15』第1話と劇場版に出演することが発表された警視庁総務部広報課課長・社美彌子役の仲間由紀恵ら、相棒ファミリーが集結する。

そして、「追い詰めるのは真実の愛」という言葉。果たして、今回の『相棒』にはどんなことが起こるのか。劇場版にふさわしい大きな事件、展開を示唆した内容となっている。

北村が演じるのは、国際犯罪組織「バーズ」の主要メンバー“黒衣の男”。すべてがベールに包まれた存在で、名前すら明らかにされていない。2015年公開の映画『くちびるに歌を』に続いて、映画出演2作目となる山口が演じるのは10歳の時に誘拐され行方不明となった少女・鷺沢瑛里佳。そして、鹿賀は、長年、捜査を続けてきた「バーズ」を追って、来日する国連犯罪情報事務局の元理事マーク・リュウを演じる。

この3人が日本に姿を現したことで巨大な事件がはじまり、リュウの案内役を務めることになった特命係も巻き込まれていく。 
★★★

2016年9月16日 (金)

【科捜研の女】谷口朝男(丸山智己)/第6シリーズ幻の若手刑事 不可解な降板 

10月から第16シリーズがスタートするテレビ朝日の長寿警察ドラマ『科捜研の女』。
17年目を迎える人気シリーズも初期は視聴率が安定せず、キャストの入れ替えを繰り返していました。
その中でも特異で、不思議な退場をしたキャラクターがいます。


谷口朝男刑事 (丸山智己)
第6シリーズ(新・科捜研の女2 2005年7月14日-9月15日)第1話より登場、 第4話で退場、第9話で再登場。

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谷口刑事初登場の事件現場シーン。主人公・榊マリコ(沢口靖子)と(第1話)
この初回スペシャルは鈴木杏樹さんがクールな組対の女刑事役で出演する傑作です。
↓この回についてはこちらに記しています。
http://oldfashioned.cocolog-nifty.com/blog/2018/07/6-eae9.html


土門の部下・若手刑事ポジションで登場
第5シリーズ(新・科捜研の女1)までの『科捜研の女』は視聴率低迷の為、
シリーズごとにキャストの入替え、リニューアルを繰り返していました。
新シリーズが始まると、前シリーズのレギュラーキャストの半分以上が消えているという事も珍しくなかったのです。
その状況が変わり、安定に向かうのが第6シリーズ(新・科捜研の女2)からなのですが、その初回から登場したのが谷口刑事です。

谷口の役どころは京都府警捜査一課の刑事。土門薫刑事(内藤剛志)の部下の若手刑事ポジション。
前シリーズに出演していた杉内亮(半田健人)寺原智則(溝呂木賢)の後任ですが、
特に初登場エピソードは描かれず、初回の時点で土門の部下でした。

それなのに、第4話で所轄署への異動という設定で降板してしまいます。
あまりに早過ぎる卒業。谷口刑事は好印象だったので、大変残念に感じました。

若手刑事枠の後任としては木佐貫直巳(森本亮治)が登場します。
ただし、劇中では谷口の後任として赴任するわけではなく、
第4話で元々の同僚のような印象で突然登場し、同じ回で谷口はたまたま異動になるというイメージです。
その後、谷口は第9話で異動先の所轄署刑事として再登場し、協力して捜査に当たります。

この展開は『科捜研の女』17年の歴史の中でも異質です。
このドラマは公式・非公式の関連本の発行もなく、裏事情がほとんどわかりません。
谷口朝男刑事(丸山智己)の早すぎる降板に事情ついて、少し考察してみます。


初の本格ドラマ出演?
谷口刑事を演じた丸山智己さんは現在も活躍中の個性派俳優ですが、
モデル出身で、本格的な連続ドラマへの出演は『科捜研』が初めてだったのではないかと思います。
新人俳優がレギュラー入りして、たった4話で降板となると、普通に考えれば残念ながら不評だったからかと推測されます。

ただ、この場合はそれは考え難い。
そもそも、このドラマなら、おそらく第4話くらいは放送開始前に制作が終わっているだろうから、
視聴者からの評判などは出てくる前に、降板回は撮影済みでしょう。

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尊敬する土門刑事と(第4話)

それに、おそらく誰が見ても丸山さんは好演です。
少なくとも、すぐに降ろさねばならないほど下手とか、ドラマの雰囲気に合ってないなどあり得ない。
『相棒』の亀山薫に似た体育会系熱血漢タイプの新米刑事。単細胞でややKY。
新米なので妙な屈折感もなく、土門を敬愛する好漢でした。

むしろ、惜しまれての降板のように感じられます。
降板回の第4話が一番目立っているし、谷口の異動を聞いた土門が「納得できません!」と
佐久間刑事部長(田中健)に詰め寄るなど、スタッフの降板を惜しむ心情が伝わってくる演出です。
前シリーズまで、約20人ものキャストが退場エピソードも描かれず消えていったことを思えば、格別の扱いです。
更に、第9話では所轄署の刑事として再登場しています。


では、丸山さんに他の仕事が入ったから降板?
新人俳優がゴールデンタイムのレギュラー獲得して、ダブルブッキングって、それはないでしょう。


どうやら真相は、後任の森本亮治さんの事情のようです。
森本さんは前年『仮面ライダー剣』への出演で人気を得た俳優で、
『ライダー』から『科捜研』への抜擢は、これ以前から『科捜研』の伝統なのです。

ソースが明確ではないネットからの情報ですが、
森本さんは前クール、上戸彩さん主演のドラマ版『アタックNo.1』に出演しており、
その撮影が押して、京都での『科捜研』の撮影に初回からは参加できなかったようです。
人気者の上戸さんのスケジュールに合わせる為、東京を離れられなかったということらしいのです。

つまり、元々森本さんの起用が決まっていたけれど、スケジュールの都合で初回からの撮影に参加できず、
それで、森本さんクランクインまでの間の繋ぎとして、丸山さんが起用されたと。
おそらく、これが正解ではないでしょうか。


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左から木佐貫、谷口、土門。谷口再登場の第9話より


最初からの予定通りなら、早すぎる卒業も仕方なかったとして、
谷口は第5シリーズ中に再登場があったのだから、その後も時々登場してほしかったキャラです。
さすがに10年以上経過しての登場は無理があるかも知れません。
榊マリコや土門のポジションが全然変わってないのに、谷口をどういう役職で登場させるか、
ちょっと難しいでしょうし。

Old Fashioned Club  月野景史

2016年9月10日 (土)

【推奨ワイン】アレハンドロ・フェルナンデス エル・ヴィンクロ クリアンサ2010

【推奨ワイン】
出逢ったワインの中から、リーズナブルで飲み易く、料理にも合わせ易い。普段飲み慣れない人も美味しいと感じるであろう、
バランスの良いワイン。「贈答品」には安いけど、“軽い手土産”くらいには適したワインを紹介しています


地元高田馬場の隠れ家ワインバー「武田Bar」は
赤白3種類程度のグラスワインをローテーションで提供して、
結構良いワインを出してくれます。

飲んだのは少し前ですが、今回のお薦めはこれ。

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アレハンドロ・フェルナンデス エル・ヴィンクロ クリアンサ 2010
Alejandro Fernandez., EL VINCULO Crianza 2010。

近年、人気のスペインワイン。
同国を代表する赤ワイン用葡萄品種であるテンプラリーニョを使用。
スペインのワインはCPに優れ、廉価でも当たりが多いのですが、これは特にバランスが良いです。

そしてスペインワインはとにかくエチケット(ラベル)がアーティスティックであるのが特徴。
これは枯れた樹木のイメージでしょうか。

リアルワインガイド第52号 2015年旨安ワイン特集で【旨安賞】。

Old Fashioned Club  月野景史

2016年9月 5日 (月)

【ドラマ】『そして、誰もいなくなった』多くが謎のまま終了/冷凍遺体と消えたののかの謎を解く

日本テレビの日曜ドラマ『そして、誰もいなくなった』の最終回第9話が終了しました。
http://www.ntv.co.jp/soshitedaremo/

Photo

謎に満ちたドラマ。
私は第3話の終了時にこのブログで、
これだけの伏線を回収して、誰もが納得するよう綺麗にまとめられるとは到底思えない、
それが出来たら奇跡だと予想しました。
http://oldfashioned.cocolog-nifty.com/blog/2016/08/post-0c4e.html

残念ながら予想はあたったようです。
というか、そもそも無理です。話を目茶苦茶に散らかし過ぎ。
多くの謎が意味不明なまま投げっ放しで、ネットも不満に溢れ、プチ炎上状態といってよいでしょう。

しかも、本来は最終回で明らかにすべき真相が次回予告でほぼわかってしまい、
それ以上の驚きがあまりなかったというのも、なんともまあという感じ。

ただ、視聴率は意外と踏みとどまりましたね。
リオオリンピック開催時に6%台まで落としましたが、その後回復して平均8%を確保したようです。
最終回直前まで謎を振りまき続けたのが、功を奏したのでしょう。
私も前のブログで宣言した通り、どうまとめるかを見届けるために最後まで付き合いました(笑)


特に気になる2つの謎
ともかく突っ込みどころは満載なのですが、
その中でも一番疑問が寄せられているのが、斎藤博史の死体の件でしょう。

そして、それに次ぐ疑問のいくつかのうちのひとつに数えられのが、
西野弥生の消息についてです。

膨大な疑問のうちからこの2件だけ、まとめて解決します。


斎藤の遺体はなぜ盗まれ、冷凍されたか?
主人公・藤堂新一(藤原竜也)の大学時代の友人・斎藤博史(今野浩喜)は
藤堂を誤解して凶器で襲い、もみ合う内に逆に命を落としてしまいます。
新一の正当防衛ということになります。
その斎藤の遺体が警察病院から盗まれ、後に山荘で冷凍された状態で発見されるのです。

最終回まで観ても、なぜ遺体が盗まれ、山荘で冷凍されていたのか、まったくわかりませんでした。
やったのは誰かとなると、日下瑛治(伊野尾慧)に指示された馬場(小市慢太郎)でしょう。
これも推測ですが、それしか考えられないですから。

しかも、その山荘に向かったのは新一の母・藤堂万紀子(黒木瞳)から指示された、
新一の婚約者である倉元早苗(二階堂ふみ)です。
なぜ万紀子は早苗に斎藤の遺体がある山荘に行かせたのか? まったくわかりません。


弥生はなぜ唐突に消えたのか?
西野弥生(おのののか)は、足の不自由な新一の母・万紀子の世話をする介護ヘルパー。
物語の途中で消息不明になってしまいます。
最終回で万紀子の口から、万紀子によって死に追いやられたことが語られました。
そこから、殺された事情を推測することはできますが、あまりに説明不足、
そして消え方があまりに唐突でした。

死んだと思われるが死体が発見されてないキャラといえば馬場もそうですが、
彼の場合は派手なカーチェイスの末、「アデュー(さよなら)!」と叫んで車ごと海に突っ込んでいるので、
唐突に消えた弥生とは事情が違います。

あまりに不可解なことが多いので不感症になりがちですが、
他のオープニングでクレジットされる主要キャラは、退場時はそれなりにインパクトを残しています。
それに比べて、弥生だけが異質なのです。

斎藤の遺体盗難→冷凍と、弥生の消え方、数ある謎の中でもこの2つは更に異質で、なんというか“変”なのです。
なぜこんなことになったのか?
以下、まったくの推測です。


リンクする2つの謎
実は本来、殺されて山荘で発見されるのは弥生だったのではないかと思うのです。
それにしたってよくわからない展開ですが、タイミング的に弥生が姿を消し、
遺体が発見される、その流れ自体はまだ自然です。

万紀子が早苗を山荘に行かせたのも、弥生の遺体があるからだとしたら、まだわかります。
かなりの拡大解釈ですが、弥生への贖罪の気持ちから、遺体を早く発見して供養してほしかったとか、推測できなくもないので。

もしそうだとして、弥生を山荘に運んだ実行犯は、こちらも日下に指示された馬場でしょう。
これは、馬場の車のトランクの中に弥生の遺留品が残っていたことからも推測できます。
殺してから運んだのか、運んで殺したかですが、インターフォンのくだりからすれば、運んでから殺した可能性が高いでしょう。

以上、仮に元々このようなストーリーだったとして、なぜ変更になったのか?
おそらく、善意の介護職である弥生の殺され方としては、あまりに酷すぎるという、制作サイドの判断でしょう。

理不尽な殺人などドラマにいくらでもありますが、
一話完結の刑事ドラマや2時間サスペンスで、殺す方も殺される方もゲスト同士というのと、
この作品のような初回から最終回までひと繋がりのドラマでは印象も、全体に与える影響も違います。
批判を警戒して、あまりに理不尽で哀れな殺人を回避したのではないでしょうか。

同時期スタートのフジテレビのドラマ『ON 異常犯罪捜査官・藤堂比奈子』が残酷描写で、
BPO (放送倫理・番組向上機構)から配慮を求められたらしいという件も影響しているかも知れません。
ニュースとして流れたタイミングから考えれば無理がありますが、テレビ局には情報が早く入ってる可能性もあるので。


さて、この見方が正しかったとして、どのタイミングで変更が決定したのか?
それはわかりません。

ただ、このドラマは早撮りというのか、撮影が早く進行していたようです。
山荘で弥生が発見される展開を没にしたとして、全体の骨子は変えられず、
弥生の代わりに山荘で発見される遺体が必要。
ということで、斎藤の遺体が盗まれることになったのではないかと思います。
だって、斎藤の遺体を盗む→山荘で冷凍→万紀子が早苗に発見させる。
この展開は、あまりに意味不明です。

結果として弥生は、山荘での遺体発見という退場の舞台を失ってしまったのでした。

別の見方をすれば、山荘に弥生の死体があるようにミスリードして、実は斎藤だったという意外性を狙ったようにも見えました。
ただ、この点は、ストーリー変更がもたらした副産物的な演出効果だったように感じます。

以上、まったくの推測です。


Old Fashioned Club  月野景史

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