【科捜研の女】谷口朝男(丸山智己)/第6シリーズ幻の若手刑事 不可解な降板
10月から第16シリーズがスタートするテレビ朝日の長寿警察ドラマ『科捜研の女』。
17年目を迎える人気シリーズも初期は視聴率が安定せず、キャストの入れ替えを繰り返していました。
その中でも特異で、不思議な退場をしたキャラクターがいます。
谷口朝男刑事 (丸山智己)
第6シリーズ(新・科捜研の女2 2005年7月14日-9月15日)第1話より登場、 第4話で退場、第9話で再登場。
谷口刑事初登場の事件現場シーン。主人公・榊マリコ(沢口靖子)と(第1話)
この初回スペシャルは鈴木杏樹さんがクールな組対の女刑事役で出演する傑作です。
↓この回についてはこちらに記しています。
http://oldfashioned.cocolog-nifty.com/blog/2018/07/6-eae9.html
土門の部下・若手刑事ポジションで登場
第5シリーズ(新・科捜研の女1)までの『科捜研の女』は視聴率低迷の為、
シリーズごとにキャストの入替え、リニューアルを繰り返していました。
新シリーズが始まると、前シリーズのレギュラーキャストの半分以上が消えているという事も珍しくなかったのです。
その状況が変わり、安定に向かうのが第6シリーズ(新・科捜研の女2)からなのですが、その初回から登場したのが谷口刑事です。
谷口の役どころは京都府警捜査一課の刑事。土門薫刑事(内藤剛志)の部下の若手刑事ポジション。
前シリーズに出演していた杉内亮(半田健人)と寺原智則(溝呂木賢)の後任ですが、
特に初登場エピソードは描かれず、初回の時点で土門の部下でした。
それなのに、第4話で所轄署への異動という設定で降板してしまいます。
あまりに早過ぎる卒業。谷口刑事は好印象だったので、大変残念に感じました。
若手刑事枠の後任としては木佐貫直巳(森本亮治)が登場します。
ただし、劇中では谷口の後任として赴任するわけではなく、
第4話で元々の同僚のような印象で突然登場し、同じ回で谷口はたまたま異動になるというイメージです。
その後、谷口は第9話で異動先の所轄署刑事として再登場し、協力して捜査に当たります。
この展開は『科捜研の女』17年の歴史の中でも異質です。
このドラマは公式・非公式の関連本の発行もなく、裏事情がほとんどわかりません。
谷口朝男刑事(丸山智己)の早すぎる降板に事情ついて、少し考察してみます。
初の本格ドラマ出演?
谷口刑事を演じた丸山智己さんは現在も活躍中の個性派俳優ですが、
モデル出身で、本格的な連続ドラマへの出演は『科捜研』が初めてだったのではないかと思います。
新人俳優がレギュラー入りして、たった4話で降板となると、普通に考えれば残念ながら不評だったからかと推測されます。
ただ、この場合はそれは考え難い。
そもそも、このドラマなら、おそらく第4話くらいは放送開始前に制作が終わっているだろうから、
視聴者からの評判などは出てくる前に、降板回は撮影済みでしょう。
尊敬する土門刑事と(第4話)
それに、おそらく誰が見ても丸山さんは好演です。
少なくとも、すぐに降ろさねばならないほど下手とか、ドラマの雰囲気に合ってないなどあり得ない。
『相棒』の亀山薫に似た体育会系熱血漢タイプの新米刑事。単細胞でややKY。
新米なので妙な屈折感もなく、土門を敬愛する好漢でした。
むしろ、惜しまれての降板のように感じられます。
降板回の第4話が一番目立っているし、谷口の異動を聞いた土門が「納得できません!」と
佐久間刑事部長(田中健)に詰め寄るなど、スタッフの降板を惜しむ心情が伝わってくる演出です。
前シリーズまで、約20人ものキャストが退場エピソードも描かれず消えていったことを思えば、格別の扱いです。
更に、第9話では所轄署の刑事として再登場しています。
では、丸山さんに他の仕事が入ったから降板?
新人俳優がゴールデンタイムのレギュラー獲得して、ダブルブッキングって、それはないでしょう。
どうやら真相は、後任の森本亮治さんの事情のようです。
森本さんは前年『仮面ライダー剣』への出演で人気を得た俳優で、
『ライダー』から『科捜研』への抜擢は、これ以前から『科捜研』の伝統なのです。
ソースが明確ではないネットからの情報ですが、
森本さんは前クール、上戸彩さん主演のドラマ版『アタックNo.1』に出演しており、
その撮影が押して、京都での『科捜研』の撮影に初回からは参加できなかったようです。
人気者の上戸さんのスケジュールに合わせる為、東京を離れられなかったということらしいのです。
つまり、元々森本さんの起用が決まっていたけれど、スケジュールの都合で初回からの撮影に参加できず、
それで、森本さんクランクインまでの間の繋ぎとして、丸山さんが起用されたと。
おそらく、これが正解ではないでしょうか。
左から木佐貫、谷口、土門。谷口再登場の第9話より
最初からの予定通りなら、早すぎる卒業も仕方なかったとして、
谷口は第5シリーズ中に再登場があったのだから、その後も時々登場してほしかったキャラです。
さすがに10年以上経過しての登場は無理があるかも知れません。
榊マリコや土門のポジションが全然変わってないのに、谷口をどういう役職で登場させるか、
ちょっと難しいでしょうし。
Old Fashioned Club 月野景史
« 【推奨ワイン】アレハンドロ・フェルナンデス エル・ヴィンクロ クリアンサ2010 | トップページ | 【相棒-劇場版-Ⅳ】2017年2月11日公開決定/2代目相棒神戸尊(及川光博)も登場 »
「12.【特集】『科捜研の女』」カテゴリの記事
- 【科捜研の女24』7月無事スタートはジャニーズ問題の余波?/『刑事7人』との関係(2024.07.05)
- 【科捜研の女】シーズン23が無事スタート/『相棒』と同じ水曜21時枠で放送(2023.08.19)
- 【科捜研の女23】『相棒』と同じ水曜21話枠で8月スタート/『特捜9』『刑事7人』を繰り上げ(2023.06.26)
- 【科捜研の女2022】終了/来期はどうなるのか?(2022.12.28)
- 【科捜研の女2022】落ち着き目の展開で淡々と進行/君嶋直樹(小池徹平)の存在意義は?(2022.12.08)
« 【推奨ワイン】アレハンドロ・フェルナンデス エル・ヴィンクロ クリアンサ2010 | トップページ | 【相棒-劇場版-Ⅳ】2017年2月11日公開決定/2代目相棒神戸尊(及川光博)も登場 »