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2016年8月11日 (木)

【ドラマ】『刑事7人2』永沢刑事(鈴木浩介)殉職編後編終了/謎解きドラマとしては残念な展開

テレビ朝日水曜21時の警察ドラマ『刑事7人』第2シリーズ第5話。
永沢圭太刑事(鈴木浩介)の殉職編の後編が本日放送されました。

前回のブログで、前編はよかったのに後編でがっかりという可能性があると書きました。
後編は、永沢刑事の親子二代にわたる物語としては感動的でよかったのですが、
謎解きミステリとしては、予想通りの残念な結果に終わってしまいました。


何が問題なのか?
前編では、いきなり12係の部屋での会話が何者かに盗聴されている描写から始まりました。
そして、前編終盤で盗聴器も発見されました。

12係は警視庁捜査一課の一部署。桜田門の警視庁本部の中にあります。
そこに盗聴器が仕掛けられているとは大変なことです。
まず内部犯行以外、考えられません。

昔の刑事ドラマでは少なかったのですが、今は警視庁の本庁を舞台にしたドラマが大変多いです。
テレビ朝日で今期放送された連続ドラマだけでも、『相棒』、『警視庁捜査一課9係』、
『スペシャリスト』、『警視庁・捜査一課長』、そしてこの『刑事7人』。
後の2本は京都制作なので、今年放送の東京制作の連続警察ドラマはすべて本庁が舞台なのです。
が、さすがに警視庁内の主人公達が所属するような主舞台に盗聴器が仕掛けられるというのはまずないでしょう。
禁じ手みたいなものです。

では、誰がいつどのようにして盗聴器を仕掛けたのか?
大変大きな問題だと思いますが、なんと後編ではその説明がまったくありませんでした。
驚きです。

もちろん、推測はできます。
今回の永沢刑事殺害、そして彼の父親が関わっていた30年前の事件。
すべての黒幕は埼玉県にある警備会社の二代目社長、その父親である亡くなった先代社長だと明らかになりました。
そして、実行犯は警視庁の所轄署の制服警官でした。
正確には所轄勤務と明言されてはいないと思いますが、前編で事件現場にいたので、まずそうでしょう。

である以上、盗聴器を仕掛けたのはこの制服警官以外に考えられません。
一応、“警察内部”の人間ですし、他に警察関係者の関与は示されませんでしたから。
しかし所轄の警官が警視庁捜査一課の部署に盗聴器を仕掛けられるか?
また、盗聴器が発見された時点で、防犯カメラの映像等から割り出せないのか?
かなり疑問ですが、その説明を放棄してしまいました。

また、問題の警備会社は埼玉県警には影響力があるようですが、警視庁との繋がりは言及されませんでした。
なぜ警視庁の制服警官を自在に扱ったのか?
金の流れがあったことだけはふれられましたが、それ以上はなし。

ミステリドラマの前後編で作るなら、前編で大きな謎をふったら、
後編はその解決編になるべきだと思うのですが、その点ではがっかりの展開でした。


面白いのは、ネットでも私と同様の意見がある一方で、
そんな細かいことは全然気にならないと意見もあるのです。
もちろん、どんな見方をし、どんな感想を持つのも自由です。
しかし、さすがにその意見は・・・、まるで信者のような盲目的な賛辞は
ドラマ作りの低迷を招く、少し大袈裟ですが、そんなふうにも感じます。


尚、例の制服警官が犯行に関わっているだろうことはわかっていました。
演じていたのが個性派中堅俳優の音尾琢真さんなので、前編のエキストラに近い役で終わるとは思えなかったからです。
この点は、ネットでも同様の見方が多かったです。
そこはどうしてもバレてしまうことなので、余計に「なぜ」「どうやって」は必要だったと思うのですが。

永沢刑事と、やはり警察官であり、30年前に殉職した父親、そして夫と息子を殉職で失った母親、そして冤罪被害者。
その重い物語としては良かったと思いますが、それだけに謎解き部分の雑さが残念です。
盗聴器については、無理やりでもいいから、せめて一言何かあればまだよかったのですが。


まさか、愛之助さん登場せず
もうひとつ驚いたのは、レギュラーである筈の片岡愛之助さんが出演しなかったこと。
前編では出たのに。
今期はもはやセミレギュラーなもの扱いのようですが、
さすがに今回はなんとしても出すべきだったのではないかと思います。
前編に出ているのだから、スケジュール的に不可能だったとも思えないので。


Old Fashioned Club  月野景史

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