【国際プロレス】北海道羅臼での最終興行(1981年8月9日)から今日で35年
このブログでも時々、昭和期に存在したプロレス団体「国際プロレス」の事を書いています。
その国際プロレスは今からから35年前の今日、1981年(昭和56年)8月9日、
北海道目梨郡羅臼町での興行を最後に幕を閉じました。『国際プロレス解散から33年。語り継がれる魂の物語』ベースボール・マガジン社刊より
国際プロレス
正式社名「インターナショナル・レスリング・エンタープライズ」
(International Wrestling Enterprise、略称IWE)
1967年(昭和42年)1月18日 東京台東区体育館で東京プロレスとの合同興行にて旗揚げ。
1981年(昭和56年)8月9日の北海道羅臼町大会を最後に活動停止。
活動期間 約14年半。
力道山が作り育てた日本プロレス協会。
力道山の死後、ジャイアント馬場とアントニオ猪木をエースとして引き継がれていく過程で、
そこから分かれて設立されたのが国際プロレス。
しかし、老舗日本プロレスを追い抜くことは出来ず、二番手の団体でした。
やがて猪木は日プロを離れて新日本プロレスを設立。
馬場は全日本プロレスを作り、栄華を誇った日プロはあえなく消滅。
国際、新日本、全日本の三団体が並び立つ時代を迎えましたが、
その時も、馬場も猪木もいない国際プロレスは三番手に甘んじました。
常にマイナーな位置にあって、様々な新機軸を打ち出した国際プロレス。
日本人レスラーのヒーローが悪役外人を倒すスタイルが当たり前だった時代、
外国人レスラーをエースとし、外人レスラー同士の対決を打ち出したのが国際プロレスでした。
しかし、他の団体が約10年遅れて外人対決を売りにして話題を巻き起こした時、
国際プロレスは、対決させて売りになるような外人招聘ルートを失っていた・・・。
いつも、なんでも、だいたいそんな感じでした。
そして1980年代を迎え、約10年ぶりともいえるプロレスブームに世が浮かれ出し、
新日本と全日本との間で引き抜き合戦や興行戦争が激化する中、
国際プロレスはテレビ中継も失い、最果ての地で幕を閉じたのです。
私は、最もプロレスを熱心に観ていた三年間、1979年~81年頃ですが、
ちょうど国際プロレスの最末期にあたります。
三団体の中で国際プロレスが一番好きであったというわけではないですが、
元々判官贔屓の傾向がある上、自分がプロレスに熱中していた時代に失われたこともあり、
この団体に対する強い思い入れがあります。
なんといっても常にマイナーであった団体。
1981年の活動停止後、20世紀の間はメディアに取り上げられる事は極めて少なかったです。
団体終焉後も出身レスラーは各団体に分かれて、それなりに活躍していました。
名前が知られているところではラッシャー木村、アニマル浜口、阿修羅原、そして冬木弘道など。
しかし団体としては、文字通り「幻のプロレス団体」だったと思います。
それが今世紀に入り、いわゆる“昭和プロレスファン”にはおなじみの同人誌、
ミック博士(昭和プロレス研究室主宰)の『昭和プロレス・マガジン』の、
2002年発行の第1号は国際プロレス特集でした。
その後、現存しないとされてきた試合映像が発掘され、
DVDボックスもいくつかリリースされました。
主にレトロなプロレスを扱う『Gスピリッツ』誌の中でも、
国際プロレスがテーマの連載がなされています。
そして2014年には、現在は『週刊プロレス』、
国際プロレスのあった時代は『月刊プロレス』を発行していた、
プロレスメディアの王道「ベースボール・マガジン社」から
丸々一冊国際プロレスを扱ったムックまで発行されました。
「脚光が当たる」とまでは言い過ぎでしょうが、専門メディアとはいえ、
これほど国際プロレスが扱われるとは、不思議にすら感じています。
もちろん、夢のような嬉しい事です。
この団体の会社としての設立は1966年だと思いますが、
旗揚げ興行は1967年1月でしたので、実は来年2017年は旗揚げ50周年ということになります。
もう一盛り上がり、あると嬉しいいのですが。
Old Fashioned Club 月野景史
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