【ドラマ】今期は北川景子『家売るオンナ』の1人勝ちでGO?/イモト、仲村、工藤、脇役陣も好演
全般的にかなり低調なこの2016年7月クールのドラマの中で、
北川景子さん主演の『家売るオンナ』です。ほぼ一人勝ち状態です。
内容的にも、まぁ一番おもしろいと言っていいでしょう。
といっても、最高視聴率は第3話の12.8%ですから、それほどよくはありません。
ただ、今期はリオオリンピックがあるので、通常番組が苦戦するのは仕方ないのですが、
それにしてもどのドラマも五輪開始前から低調です。
五輪開始後は更に落ち込み、朝ドラヒロイン波瑠さん主演ドラマが6%台、
視聴率女王・松嶋菜々子さんのドラマは最新回が5.2%という惨状です。
その中で『家売るオンナ』は第4話まで二桁キープ。
五輪と重なった第5話は9.5%に落しましたが、最新第6話は11.6%に戻し、
基礎体力というか、地力の違いを感じさせます。
明快なお仕事ドラマ
不動産屋をテーマとしたいわゆる“お仕事系”のドラマ。
北川景子さん演じる三軒家万智(さんげんや まち)は仕事一筋、プロの不動産屋さん。
テーコー不動産株式会社の宿営業所売買仲介営業課にチーフとして異動してきた設定。
ぬるま湯っぽい部署にモーレツ営業ウーマンが加わり、営業マン達を叱咤し波乱が…という展開。
周囲からは三軒家チーフを略して陰で「サンチー」と呼ばれています。
三軒家万智決めのゼリフは「私に売れない家はない!」
大ヒットシリーズ『ドクターX』での米倉涼子さんの「私、失敗しないので。」を彷彿とさせますが、
悪びれずにパクっているという感じですね。
もっとも、もうひとつの決めゼリフ「Go!(ゴー!)」の方がインパクトがあるかも知れません。
全体としては『ショムニ』のテイストにより近いかもです。
レギュラーのほとんどは営業課のメンバーですが、いずれも個性を生かした好演ですね。
このあたりも『ショムニ』『ドクターX』に通じます。
三軒家の部下の庭野聖司役は工藤阿須加さん。工藤公康元投手・監督の息子。
そういえば『ショムニ2013』にも出ていました。演技上手くなりましたね。
仲村トオルさんの課長も飄々とした良い味出してます。
第6話でメインとして活躍した、優秀な若手営業マンの千葉雄大さんも良い。
ギスギス過ぎず、仲良し過ぎず、課員の関係のバランスもほど良いのです。
そして、その回ごとの仕事にテーマに絞り、一気に見せる感じで、テンポがいいドラマです。
『営業部長 吉良奈津子』と好対照
言ってはなんですが、『家売るオンナ』の良さは今期の同じお仕事系ドラマである
松嶋菜々子さん主演の『営業部長 吉良奈津子』と比べるとよくわかります。
あちらは出産後職場復帰した広告代理店の40代女性の等身大の姿を描く共感できるドラマ・・・の筈なのに、
面倒な夫と姑、なにやら怪しげなベビーシッターによる家庭崩壊の危機?
不審な行動をする部下たち、そして会社ぐるみで主人公を陥れる陰謀まであるような・・・。
色々な要素が絡んで、主筋であるべき仕事のストーリーが盛り上がらず、
結果としてでしょうか、主人公を含め、各キャラクターも魅力に欠けるように思います。
「女性主人公が」、「管理職として」、「新たな部署に赴任し」、「反発を受けながら仕事に取り掛かる」。
ほぼ同様の設定を持って始まったドラマなのに、見事に「家売るオンナ」と対照的にすべて裏目です。
まぁ今までのところはですが。
イモトアヤコは好演なのか!
さて、『家売るオンナ』の個性派脇役の中でも際立っているのが、
入社以来1軒も家を売っていないのにまったく悪びれない、
超マイペースな落ちこぼれ営業ウーマン・白洲美加(しらす みか)役のイモトアヤコさん。
開始早々からネットでは「うざい」と叩かれまくりで、某有名連ドラブログの方なども徹底的に嫌っています。
しかし、私はイモトさん演じる白州美加はこのドラマに絶対必要なキャラだと思います。
「うざい」ことは「うざい」です。そういうキャラですから。
今までのところ、三軒家に叱咤され、「GO!」と尻を叩かれるのは主に庭野の役割ですが、
2人は仕事上でコンビを組んでいるわけではないし、三軒家のキャラを引き立てる為にも、
他に突っ込まれ役が必要です。
それをイモトさんが担っているのです。
超落ちこぼれだからガンガン叱咤されるわけですが、
明るく軽快なドラマですから、イジメの陰惨なイメージではいけない。
突っ込まれても仕方ないと思わせる、まったくこたえない、反省しない、同情できない、
つまり「うざい」キャラでなければならないのです。
そこをうまく演じていると思っています。
三軒家はなぜか白洲を常に「シラスミカ」とフルネームで呼びます。これもちょっとクセになりそうです。
その白洲美加、一昨日の第6話では三軒家との絡みも多く、うざさと共に可愛げも見せたりして、更に好演でした。
ネットでの評価もだいぶ上がってきたように思います。
次回第7話は白州の家族も登場する、白州メインのエピソードのようです。
期待しましょう。
Old Fashioned Club 月野景史
« 【ドラマ】『刑事7人2』永沢刑事(鈴木浩介)殉職編後編終了/謎解きドラマとしては残念な展開 | トップページ | 【ドラマ】渡瀬恒彦が闘病のため十津川警部を降板 後任は内藤剛志/『警視庁捜査一課9係』は? »
「13.【特集】テレビドラマ」カテゴリの記事
- 西田敏行『池中玄太80キロ』初主演秘話 ショートリリーフ的ドラマだった!?/1980年春(2024.11.06)
- 【ドラマ】『花咲舞が黙っていない』に“半沢直樹”登場 演者は誰か?(2024.05.08)
- 【俳優】『アイゾウ』夏子/『心霊内科医 稲生知性』シソンヌじろう 今年の活躍を期待(2024.01.01)
- 【ドラマ】『心霊内科医 稲生知性2』終了/今回も面白かったが高橋事件は解明されず(2023.12.29)
- 【ドラマ】『心霊内科医 稲生知性2』/春に話題を呼んだドラマが4夜連続で新作放送(2023.12.23)
« 【ドラマ】『刑事7人2』永沢刑事(鈴木浩介)殉職編後編終了/謎解きドラマとしては残念な展開 | トップページ | 【ドラマ】渡瀬恒彦が闘病のため十津川警部を降板 後任は内藤剛志/『警視庁捜査一課9係』は? »