【ドラマ】木曜ミステリー 『おみやさん』(渡瀬恒彦 櫻井淳子)超入門
テレビ朝日・東映制作の警察ドラマ『おみやさん』が復活、スペシャルドラマとしての放送が発表されました。
それに向けてか、テレビ朝日では午後の再放送も再開されています。
今日は『おみやさん』の基礎知識・超入門編。
設定や歴史、キャスト等についての概略を記します。
2002年5月 木曜ミステリー枠でスタート
『おみやさん』は『科捜研の女』等と同じ木曜20時の「木曜ミステリー」枠で放送されていました。
木ミスは1999年のスタートで、後に長期シリーズとなる『京都迷宮案内』や『科捜研』は初年度に放送開始、
2002年には『おみやさん』、2003年には『京都地検の女』が始まっています。
いずれも東映京都撮影所の制作で、京都を舞台に警察官や検事、新聞記者などが活躍する事件捜査物です。
第1シリーズは『京都鴨川東署迷宮課おみやさん』のタイトル、以降は『おみやさん』。
2012年まで全9シリーズが作られた後、連続ドラマとしては休止状態でしたが、
2014年1月3日に単発スペシャルが放映されました。
今回はそれから約2年ぶりということになります。
舞台は京都府警 鴨川東警察署資料課
主人公の“おみやさん”こと鳥居勘三郎(渡瀬恒彦)は京都府警鴨川東警察署資料課長。
迷宮入り事件の資料保管室を管理する、いわば窓際です。
また、同じ京都舞台の警察ドラマでも『科捜研の女』の京都府警本部と違い、いわゆる所轄署が舞台です。
唯一の部下で相棒、バディ役は七尾洋子(櫻井淳子)。彼女は署長(谷啓)の娘です。
資料課は刑事課の奥にあり、入退出には刑事課を通らねばなりません。
二人だけの部署でこの環境、『相棒』に似ていますね。
刑事課の課長は鳥居を目の敵にしていますが、他の刑事達は資料課の二人に概ね好意的、且つ協力的です。
物語は現在起こった事件と過去の迷宮入り事件が絡み、
資料課の二人達が刑事達と協力し、事件を捜査・解決していくストーリーが定番。
片桐竜次がここでも嫌われ者上司役
嫌味な村井刑事課長役は、『相棒』の内村刑事部長役でも知られる片桐竜次さん。
共に嫌われ者の上司といった役どころですが、内村に比べると小物感が強いです。
刑事達のまとめ役となるベテランは不破万作さん。
若手の中心は初期は加勢大周さん、第5シリーズからは林泰文さん。
他に小野寺丈さん、白井滋郎さん(東映生え抜き)、一條俊さん。
そして、鳥居に恋焦がれる鑑識課の会沢桂子(七瀬なつみ)の明るいキャラも、このドラマの魅力でした。
鳥居勘三郎と七尾洋子 10年8期の名コンビ
ふたつのサロン
『相棒』に「花の里」があるように、『おみやさん』にもサロンが、それも二つもあります。
◇ひとつは鳥居と洋子の行き付けの小料理屋。
店はほぼ同じだが、店名は「辰樹」、「おかね 久家」、「冨月」、「てっ平」など頻繁に変わる。
板前役はこれも東映のベテラン脇役野口貴史さん。
そして女将の小池仁美は、アラフィフ世代には懐かしい元アイドルの相本久美子さん。
他のドラマで見かけることは少ないですが、『おみやさん』では長くレギュラーを務めました。
渡瀬さん、片桐さんと東映生え抜きで現在も東映所属の俳優が中心のせいか、
他の脇役レギュラーも、東映色の強いドラマでした。
◇もうひとつは鳥居家のリビング
鳥居の家は名家のようで、立派な屋敷に鳥居を「ぼっちゃま」と呼ぶ家政婦がいます。
家政婦というより、ばあやと呼んだ方がふさわしいおたまさん役は菅井きんさん。
鳥居家に頻繁に泊まりにくる洋子とおたまのコミカルなやりとりが、このドラマの名物でした。
菅井さんは高齢のためか第6シリーズ(2008年~2009年)で降板します。
最後の頃は家政婦なのに座っての演技が多かったですが、しっかりしたセリフ回し、豊かな表情、
気品ある佇まいに衰えは見られず、降板は残念でしたが、京都での撮影でもあり、仕方なかったとも思えす。
菅井さんのこの番組からの降板と前後して、芸能活動を事実上引退しています。
後任はおたまさんの姪の設定ですず(鷲尾真知子)が務めました。
人気長寿シリーズに
第1シリーズは視聴率10.4%でしたが、その後は右肩上がりで数字を伸ばし、
2005年の第4シリーズでは先発の『迷宮案内』『科捜研の女』に先駆けて、13%台を達成します。
2007年は櫻井さんの産休で休止しましたが、その分、第6シリーズは2008年~2009年にかけての
初めての2クール放送となるなど、安定した人気長寿シリーズとなったのです。
この時期までは、木曜ミステリーの看板ドラマは『科捜研』より『おみやさん』だったかと思います。
第4~7シリーズは連続で13%台を記録した『おみやさん』ですが、
東日本大震災直後の2011年4月スタートの第8シリーズは11.5%に落しました。
この視聴率は関東地区の数字なので、仕方ない面もあります。
もう少し落ち着いてからなら、逆に『おみやさん』のようなドラマは強かったかも知れませんが。
しかし、次の第9シリーズで異変が起きました。
『新・おみやさん』としてリニーアル 櫻井さん突然の降板
2012年4月スタートの第9シリーズは『新・おみやさん』と改題されるのですが、
スタート以来、鳥居とコンビを組んできた洋子が他署への異動の設定で突然卒業してしまいました。
後任は青山ちはる(京野ことみ)が赴任。
実はこのシリーズの第2話から刑事課長も緑川みどり(戸田恵子)に代わりました。
櫻井さん、京野さん、戸田さん、なぜか全員『ショムニ』のオリジナルメンバーですね。
しかし、気になったのは櫻井さんの卒業の仕方です。
退場エピソードは描かれず、第1話の時点で既に異動してしまっており、
鳥居以外の登場人物の会話により、異動の事実が知らされるという、ひどくあっさりした展開。
スタート以来10年8シリーズ、ふたりだけの部署でバディを組んできた相棒の退場としては、
信じられないほどクールなものでした。
話数では及びませんが、期間・シリーズ数でいえば、『相棒』の亀山薫(寺脇康文)よりも長いのにです。
櫻井さんのマネージャー氏による当時のブログが残っています。
明記されていませんが、なんらかの確執があったように推測されます。
http://sakurai-mane.cocolog-nifty.com/managerdiary/2012/05/post-8fd4.html
ただ、櫻井さんは2014年のスペシャルには出演しているので、問題は解決しているのだと思います。
再出演にあたってのブログです。
http://sakurai-mane.cocolog-nifty.com/managerdiary/2013/12/post-cf6a.html
後任の京野さんについては、私は好演だったと思いますが、
このシリーズの視聴率は11.0%と伸び悩み、連続ドラマとしてはこれで休止状態となりました。
2014年 新春スペシャル放送
2014年1月3日、1年半ぶりに新春スペシャルが放送されます。
既にちはるも他署に異動しており、府警本部捜査一課から寺尾みき(高島礼子)が赴任し、新相棒となりました。
ただ、寺尾は最後にはまた元の部署に戻ってしまうので、このスペシャル限りのパートナーで、
これで継続しようというわけではなかったようですが。
この時は、かつての部下二人、洋子とちはるもゲスト扱いで登場します。
単発スペシャルだから、ゲストもレギュラーもないといえばないのですが。
鳥居家のリビングで 3人の相棒と二代目家政婦のすずも一緒に
洋子は所轄署から、府警本部の捜査一課に異動していた設定でした。
過去のバディ勢揃いで、シリーズ総決算といった趣き。
しかし、このスペシャルは残念ながら視聴率8.7%と振るいませんでした。
単発で、正月三が日の放送は厳しかったようです。
2016年2月 2年ぶりの放送
さて、今回のスペシャルは、舞台を開始以来の鴨川東署から府警本部に移し、
新相棒に神尾ちず(貫地谷しほり)が登場するようです。
私は『おみやさん』は渡瀬さんと、ヒロインである櫻井さんのドラマだと感じているので、
本当はこの二人でやってほしいと思っています。
今さら、舞台を変える必要もないのではないかとも。
しかし、今後の継続も考えてのことなら、仕方ないかとも思います。
このスペシャルの展望はこちら↓
http://oldfashioned.cocolog-nifty.com/blog/2016/02/213-3ab8.html
Old Fashioned Club 月野景史
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