【美術展】「FACE展 2016‐損保ジャパン美術賞展」/今の日本の芸術家達による力作揃いの公募展
東京新宿の東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館では、本日2月20日から3月27日まで
「FACE展 2016 ‐損保ジャパン美術賞展」を開催中です。
開幕前日の19日に催された内覧会及び表彰式を訪問しました。
FACE展 2016 ‐損保ジャパン美術賞展
【会期】 2016年2月20日(土)~3月27日(日) 【休館日】 月曜日 (ただし3月21日は開館、翌22日も開館)
【会場】 東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館
【開館時間】 午前10時-午後6時(入館は午後5時30分まで)
【観 覧 料】 一般600円、大高生400円、中学生以下無料 ※20名以上の団体は各100円引き
【主催】 東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館、読売新聞社
【協賛】 損保ジャパン日本興亜
【webサイト】http://www.sjnk-museum.org/program/3559.html
FACE展とは何か?
損保ジャパン日本興亜美術財団の公益財団法人への移行を機に創設された展覧会。
財団設立以来35年に及ぶ作家支援活動の理念を継承しており、公募コンクール形式で行われています。
第4回目となる本展では「年齢・所属を問わず、真に力がある作品」を公募、
全国各地の幅広い年齢層の857名の新進作家たちからの応募がありました。
長時間にわたる作品本位の審査の末、六次「入選審査」と「賞審査」を経て、
国際的に通用する可能性を秘めた、入選作品71点(内受賞作品9点)が決定されました。
その入選作品が展示されるのが本展です。
まさに、現代の日本の新進画家、アーティスト達の展覧会。
創意とパワーと溢れた作品が並び、大いに見ごたえがありました。
私が気に入った作品からいくつか紹介しましょう。
どれを選ぼうか、悩ましく、また楽しいセレクションでした。
そして、本展では会期中の観覧者投票による「オーディエンス賞」の選出も行われます。
私はどの展覧会でも自分の好きな作品、マイベストを選ぶようにしていますが、
古典的絵画の展覧会と違い、作家に関する予備知識がない中でお気に入りを選ぶことは、
自分の芸術に対する嗜好を再発見する意味でも、おもしろい試みです。
入賞作より。読売新聞社賞受賞 『Life-2015』
みずみずしいトマトに焦点を当て、ガラス越しの街景を背景に、
絞りを解放にして撮った写真のような構図。印象的です。
さて、以下は入選作(入賞作9点に選ばれなかった作品)から紹介します。
展示室を進んでいて、目に飛び込んできた鮮やかな色彩の作品。
様々な、西洋古典絵画を暗示させるアイテムにも満ち溢れています。
これは日本の現代の公園の風景を写真に写し取ったような絵ですが、
写真では出せない強い色合いが印象的。
一番上で紹介した写真と同じく、トマトを中心とした現代的な作品。
チャーリー・ブラウンとスヌーピーを中心に据えた、20世紀アメリカンなアート。
これは、バロック絵画の作風で現代…というよりも、少し昔の日本家庭の食卓を描いたような絵。
タイトルは『最初の晩餐』。
以下、サブカルチャー色の強い少女達の絵を3点。
上下2点は同じ絵を別アングルから撮っています。
まだまだ良い絵がありましたが、とりあえずこのくらいで。
現代のアーティストによる美術作品というと、難解な抽象芸術、抽象絵画ばかりなのでは?
と思われるかも知れませんが、見てわかるように、決してそうではありません。
紹介した絵もバラエティに富んでいるとは思いますが、やはり私の好みなので、片寄りがあります。
実際はもっと色々なタイプの絵が出展されています。
それにしても、こうして選ぶと、自分の嗜好が明らかになります。
・色鮮やかな絵。
・レトロ感のある絵
・写真的感覚の絵
・艶気(エロス)を感じさせる絵
このあたりが私の好みの特徴でしょうか。
「レトロ感」とは、古典西洋絵画的テイストと、サブカルチャー的なものまで含めた両方の意でです。
その中でも本展での自分のベストは、上から1番目か2番目ですかね。
部分アップで再度紹介します。
そして、現時点でオーディエンス賞(観覧者投票の第1位)を予想するとしたら、
タイプの違う力作揃いなので難しいですが、とりあえず1番目の作品『Life-2015』を挙げておきます。
最後に、入賞作から2点紹介します。
『それでも僕は。』 優秀賞3組のうちの1点。
バロック絵画と現代日本アートの融合。
本年のグランプリ作。『水仙』
希少な木版画です。
もちろん、タイプの違う力作もまだまだあります。いずれも迫力ある大画面で見応え充分。
入場料もリーズナブルですし、楽しい展覧会です。推奨します。
Old Fashioned Club 月野景史
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