【アニメ】『キングコング』(1967)/珍しい日米合作の連続TVアニメ
テレビアニメ版の『キングコング』。
1970年代前半、特に夏休みなどの昼間によく再放送されていました。
当時は国産のアニメに加え、主にアメリカ製の輸入アニメも多く放送されていましたが、
この『キングコング』は子ども心にも、そのどちらとも区別がつかないような面がありました。
そう感じたのは正しかったようで、このアニメはアメリカのビデオクラフト社と日本の東映動画による日米合作だったのです。
アメリカでは1966年9月10日から1969年8月31日までABC放送にて放送。
日本では『001/7親指トム』とともに1967年4月5日 - 1967年10月4日にNET系で放送されました。
全26回52話。日本での放送時間は毎週水曜19:30 - 20:00。
♪ウッホー ウホウホ ウッホッホー
ウッホー ウホウホ ウッホッホー
大きな山をひとまたぎ キングコングがやってくる
こわくなんかないんだよ キングコングはともだちさ
懐かしい主題歌。勇壮でワクワクするような名曲です。
作曲はこの時代のアニメソングの名曲を多く手掛けた小林亜星氏で、作詞も担当しています。
『キングコング』に続いて流れる『001/7親指トム』は、本放送時はセットで放映されていたようですが、
再放送ではそうではありませんでしたし、単独でも観た記憶がありません。
謎の悪役
このアニメは内容も不可解な点がありました。
『キングコング』のオリジナルは1933年のRKO制作のアメリカ映画ですが、
そこにまったくない設定が登場するのです。
一番大きいのは「ドクター・フー」というシリーズを通しての悪役の登場です。
コングを捕えて利用しようとする悪の科学者です。
連続アニメにするのに、このような悪役が必要なのは判ります。
問題はネーミングです。
日本ではあまり知名度は高くないですが、「ドクター・フー(Doctor Who)」といえば、
イギリスの有名なSFテレビドラマの主人公、ヒーローです。
なぜ、この名前をつけたのでしょう。
アメリカでもこの名前のままで放送されたようです。
実はこの設定はこのアニメだけのものではありません。
同じ1967年に東宝が制作・公開した『キングコングの逆襲』にも、この悪のドクター・フーが登場しています。
米国側の要請でリンクさせた、コラボ企画だったようです。
映画でフーを演じたのは天本英世さん。『仮面ライダー』で死神博士を演じる5年ほど前のことです。
フーの子分の中には、『ウルトラマン』の主人公ハヤタ隊員役の黒部進さんの顔も見えます。
『ウルトラマン』の前の端役時代でしょうか?
いえ、『ウルトラマン』放送終了直後です。なんとも凄いキャスティングをしたものです。
それはともかく、このアニメでのコングはボビー少年と共に戦う正義のヒーローとして描かれました。
もう一度観てみたいものです。
Old Fashioned Club 月野景史
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