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2016年1月29日 (金)

【相撲】九重親方(元千代の富士)落選確実で理事選回避/現役時代も引退後も実績抜群なのにこの不遇

大相撲人気は回復基調のところにもってきて、
初場所は大関琴奨菊が日本出身力士として10年ぶりに優勝といい事づくめ。
その日本相撲協会では2年ぶりに理事選が行われ、新理事が決まりましたが、
八角理事長(元横綱北勝海)と貴乃花親方との対立が伝えられるなど、運営面はまだ波乱含みです。

その理事選の前に気になるニュースが伝えられました。
元横綱千代の富士の九重親方が、当選が見込めず、理事選出馬を断念したというのです。
http://www.nikkansports.com/battle/sumo/news/1597977.html


Photo_7
※追記:九重親方は2016年7月31日に死去しました。以下に追悼文を記しています。
http://oldfashioned.cocolog-nifty.com/blog/2016/07/post-8961.html


もちろん、現役時代の実績が凄いからといって協会の要職に必ず付けるものでもなく、
一門等、相撲界には派閥、数の論理がありますが、これも世の組織の常です。
九重親方は前回の理事選でも落選しており、今回もその情勢を挽回できませんでした。
自身を取り巻く勢力図は、前回と変わってなかったということでしょう。
また、病気も抱えていると聞きます。

とはいえ、九重親方は相撲界初の国民栄誉賞受賞者。
現役時代の図抜けた実績に加えて、師匠・親方としての弟子の育成実績も申し分ありません。
それが、本人に理事への意志がありながらこの状況とは、やはり驚かざるを得ないし、さすがに残念にも思います。


過去の大力士達
戦前の大横綱双葉山。
戦後最初の黄金期、栃若時代を築いた栃錦と若乃花。
いずれも引退後は理事長を務めています。

戦後昭和期最大の横綱大鵬は若くして脳梗塞に倒れて後遺症が残った為、
理事長にはなれなかったものの、長く理事・役員待遇を務め、定年後は相撲博物館館長と厚遇されてきました。
そして、昨年亡くなった北の湖も理事長を務めました。

主流・非主流でいえば、出羽海一門の栃錦と北の湖以外は非主流派になります。
それでも歴史に残る大力士達は、それなりの扱いを受けてきたのです。


相撲史に残る偉大な横綱 千代の富士
大鵬の32回に続く、31回の優勝は昭和期2位、歴代3位の記録。
現役時代に相撲界初の国民栄誉賞を受けるなど、現在の協会人の中でその実績は突出しています。
角界での同賞受賞者は、他には大鵬が没後に受けただけです。
圧倒的な才能・身体能力で若くして横綱に駆け上がった大鵬や北の湖に比べ、
小兵で度重なる負傷に泣かされながら大横綱となり、36歳の年まで務めた千代の富士は、
現役時代から偉人のような存在でした。
国民栄誉賞授受も、このような実績を踏まえてのものでしょう。

ただ、いかに現役時代の実績が凄くても、引退後に親方として、特に力士育成に成果が残せないと、
協会での出世は望み難いといのはわかります。
しかし、九重親方は部屋の師匠としての実績も立派です。

過去にも大関千代大海(現在は九重部屋付の佐ノ山親方)を育てていますが、
今年初場所の九重部屋所属の関取(幕内・十両力士)は6人。
これは、ざったみたところですが、全部屋で最多です。
5人は何部屋かありますが、6人は九重部屋だけのようです。
それも他の部屋からの移籍者はなく、一から育てた直弟子ばかり。
しかも、みな20代と若く、将来性もあり。

新、及び帰り十両の二人は勝ち越し。負け越した十両力士もいますが、おそらく来場所もこの人数をキープするでしょう。
更に、三段目優勝を果たしたホープもいます。
部屋としては順風満帆なのに、師匠がこの状況です。


もちろん、こういった目に見えるものだけでは、推し量れない面もあるのでしょう
それにしても、これだけの実績です。
相撲協会はひとつの組織。プロ野球とは違います。
大看板に傷をつけるのが得策とは思えません。
もう少し、なんとか形をつけられないものかと思ってしまいます。

Old Fashioned Club  月野景史


以下、日刊スポーツのサイトより引用
http://www.nikkansports.com/battle/sumo/news/1597977.html
☆☆☆
九重親方が理事選断念 票「そろわなかった」
[2016年1月29日9時28分]
日本相撲協会は28日、東京・両国国技館で役員候補選挙(29日投開票)の立候補を受け付け、定員10人の理事候補に八角理事長(元横綱北勝海)や4期目の当選を目指す貴乃花理事(元横綱)ら11人が届け出た。立候補を表明していた九重親方(元横綱千代の富士)は出馬を断念し「出さなかった。(票が)そろわなかったということで…」と説明した。

九重親方は協会NO・2の事業部長だった前回、最下位5票で落選。「不徳の致すところです」と漏らした。親方99人が投票する今回は当選に10票ほどが必要で、昨夏に早期の膵臓(すいぞう)がんで手術を受けた同親方は、理事復帰を目指してほかの一門との協力を模索していた。

2年に1度の役員改選で、今回は4期連続の投票。関係者の話では、伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)高島親方(元関脇高望山)の伊勢ケ浜一門2人と山響親方(元前頭巌雄)の3人で最後の2枠を争うとみられる。定数3人の副理事も4人が届け出て投票となった。当選者は3月28日の評議員会の承認を経て就任する。理事長は、新たな理事の互選で決まる。
★★★

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