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2015年11月 8日 (日)

【相棒】アガサ・クリスティ『オリエント急行の殺人』を基とした4本のエピソード

ミステリの女王アガサ・クリスティの『オリエント急行の殺人』。
(または『オリエント急行殺人事件』 原題「Murder on the Orient Express」1934年)

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欧州を縦断する長距離列車内で起きた殺人事件に名探偵エルキュール・ポアロ(ポワロ)が挑む。
その舞台設定の面白さに加え、明かされた驚愕の秘密とプロットで知られる傑作推理小説。
後発のミステリーに与えた影響も少なからぬものがあります。

『相棒』シリーズにも、この作品をベースとした話が、少なくとも4本あると思います。
といっても、『オリエント急行』のどの要素を基とするかで、そのテイストはだいぶ変わってきます。

もっとも分かり易いのはこの話でしょう。

◆season6 第10話 「寝台特急カシオペア殺人事件」
脚本:戸田山雅司 監督:和泉聖治
http://www.tv-asahi.co.jp/aibou_06/contents/story/0010/
密室状態となった長距離電車内で起こった殺人事件を、
乗り合わせた杉下右京(水谷豊)と亀山薫(寺脇康文)が捜査する。
舞台設定がそのまま、そもそもサブタイトルだけ聞いても、誰でもすぐに思い付きます。

0610

ただ、この回以外に同様の舞台設定のエピソードは思い浮かびませんね。
他の3本はどのエピソードなのか?

改めて、『オリエント急行殺人事件』の特徴を挙げてみます。

①外界から閉ざされた、大きな密室状態の寝台列車内での殺人事件。
②犯行の動機は過去の少女誘拐殺人犯への復讐。
③同じ意志を持つ複数の人間による計画的犯行。
④関係者が他人を装って集まる。

「カシオペア」はまさに①です。
①をモデルにした、つまり密室状態の長距離列車内での殺人扱ったを作品は
これ以外に『相棒』はないでしょう。

では、他の要素はどうでしょうか?

実は、②と③のテイストを併せ持つ作品が二つあります。

◆season5 第3話 「犯人はスズキ」 
脚本:岩下悠子 監督:森本浩史
http://www.tv-asahi.co.jp/aibou_05/contents/story/0003/
列車を“町内”あるいは“町内会”という器に移し替えたような異色の作品。
少女誘拐殺人事件への復讐という点はまさにそのままです。

ただし、復讐殺人自体は少女の父親による突発的なもので、計画性に乏しい。
町内会の人々が父親を庇おうとしての偽装工作が計画的で、
それを右京と亀山が崩していくのがメインストーリーでした。

大変面白い作品なのですが、偽装の過程で無関係の人間(犯罪者ではあるが、極悪人とまではいえない)を
計画の為に巻き込み、殺害してしまう点は同情できず、少々残念でしたが。

0503

『科捜研の女』に研究員→所長役で長くレギュラー出演する
斉藤暁さんの、現在までて唯一の『相棒』出演回です。
斉藤さんは元警官で、計画の首謀者の1人の役でした。

斉藤さんは水谷豊さんのひとつ年下の1953年生まれで、当時53歳。
劇中では警察官を定年(60歳)で退職したとは明示されていなかったと思いますが、
印象としては定年退職後の元警官という感じでした。


◆season8 第11話 「願い」 脚本:太田愛 監督:安養寺工
http://www.tv-asahi.co.jp/aibou_08/story/0011/index.html
これも少女誘拐殺人犯への復讐がテーマ。
ただ、少女といっても原作や「スズキ」は幼児ですが、本作では女子中学生なので、だいぶ年上です。
2代目相棒・神戸尊(及川光博)時代の作品。

この回の復讐は誘拐犯の殺害ではありません。
そもそも、少女の遺体は見つかっておらず、行方不明の状態です。
ですので、計画者達の目的は真相の解明と、犯人の告発ですが、
時効が過ぎているので、過去の犯罪で真犯人が逮捕されることはありません。

そこで、真犯人に新たな犯行をさせて逮捕させ、併せて過去の罪も明らかにして破滅させるのが目的です。
その為、少女の親族、親友、そして冤罪被害にあった男性の親族らが協力しての複雑な計画が描かれました。
無関係に見える人間達が実は繋がっているという点で、④の要素も入っています。
一方で、舞台設定の密室性は薄いですが。

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素人の復讐劇としては計画が大胆かつ念入り過ぎて、プロットに無理がありますが、
計画成功の為、忘れたい過去として事件に無関心を装う関係者達の隠された強い思いは感動的で、
私の好きな作品です。


さて、まだ他にあるでしょうか?
もうひとつ、④をフィーチャーした話があります。

◆season9 第12話 「招かれざる客」 脚本戸田山雅司 監督:近藤俊明
http://www.tv-asahi.co.jp/aibou_09/story/0012/index.html
郊外のオーベルジュに偶然居合わせた客達、実はみな関係者であった。
そこに招かざる客の右京が現れて・・・。

過去の因縁で結ばれた人々が他人を装い、ひとつの場所に集う設定は『オリエント急行』に非常に近いです。
しかも、そのほとんどがある家の使用人であった点も同じ。
誘拐殺人は関係ありませんが、その家の娘に纏わる話であることも共通しています。

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そして、犯人だけではなく、探偵側の右京と神戸の計画的小芝居も魅力です。
更にいえば、全体に芝居がかっていて、舞台劇を思わせる雰囲気は、
クリスティ作品の持ち味が色濃く反映された作品と言えるのでしょう。

列車も誘拐殺人も復讐もないので、この回を『オリエント急行』と結び付ける人はあまりいないかも知れませんが、
元使用人達の主(あるじ)と、その家の娘(孫)への強いという点は共通しています。
作品の持つテイストでいえば、もっとも近いかも知れません。

この回はそれ以外にも、なにやらマニアックな雰囲気が漂っています。
小芝居の中で右京が演じたキャラは、『熱中時代』より前の若い頃の水谷さんの
封印されたアウトロー的な演技を彷彿とさせるものがあったりとか。
これも私の好きな作品です。


以上、4作を見てきました。
実は、ネット上にもこの4本のどれかを挙げて、『オリエント急行の殺人』との関係に言及する意見は散見されます。
しかし、4本まとめて挙げてる方はいないようです。

では、『オリエント急行の殺人』と『相棒』の決定的な違いは何か?
これは『相棒』ファンなら誰でもわかるでしょう。
ボアロと違い、右京は決して犯罪を故意に見逃したりしません。
私は、ポアロの判断も好きですが。

Old Fashioned Club  月野景史

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