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2015年9月

2015年9月25日 (金)

【訃報】川島なお美さん死去/女子大生タレント ミスDJ ヘアヌード 失楽園 ワイン 愛犬家 話題の先端を駆け抜けた女性

タレント・女優の川島なお美さんが9月24日、胆管がんのため亡くなりました。54歳。
思えば、常に話題の先端にいた人でした。


川島なお美
(かわしま なおみ、1960年11月10日 - 2015年9月24日)

Dj_2

女子大生タレントの先駆け
川島さんは青山学院大学在学中の1979年に歌手としてレコードデビュー、
テレビバラエティやラジオ番組のアシスタントなどもしていましたが、
注目されたのは1981年10月、文化放送の深夜番組『ミスDJ リクエストパレード』に出演してからです。

ミスDJ リクエストパレード
ラジオの深夜放送といえば、ニッポン放送『オールナイトニッポン』、TBS『パックインミュージック』
そして文化放送の『セイヤング』が長く三強でした。
しかし、80年代を迎え、時代の波に押されるようにして『セイヤング』が終了。
女子大生をDJに起用した『ミスDJ リクエストパレード』がスタートし、
初代パーソナリティーの1人に抜擢された川島さんが人気を集めたのです。
頭も良さ、おしゃべりの上手さに加え、その愛くるしい笑顔でテレビでの仕事も増えていきます。

やがて1983年にはフジテレビで『オールナイトフジ』がスタート。
川島さんは出演していませんが、この番組で女子大生ブームに拍車がかかったこともあり、
川島さんは女子大生タレントの元祖、先駆けなどと呼ばれるようになりました。

元々、大学に通っている俳優、タレントの人はたくさんいましたが、
川島さんの場合は、「女子大生がDJ、タレントをやっている」というイメージが新鮮だったのです。
ただ、「元祖」といっても「女子大生タレント」というような人達がその後も現れ続けたかというと、
あまり思い浮かびませんが。


お笑いマンガ道場
ミスDJ以降、80年代の川島さんの代表作といえばこの番組。
1982年から89年まで出演しました。

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この番組は、回答者が漫画を描きながら進める大喜利のようなものです。
笑点でも回答者に絵を描かせる問題がありますが、この番組は常にそれがテーマでした。
だから、回答者は絵が上手く、またお笑いのセンスがないと務まらないのですが、
川島さんはこの両方が備わっていることを実証しました。

ただ、この時代の川島さんはこれ以外にさほど目立った活躍はありません。
元々女優志望だったことを後年明らかにしており、女優業も始めてはいました。
後のワイン好きのイメージからバブリーな印象もありますが、
実際のバブル時代の80年代後半から90年代初頭にかけては、トレンディドラマへの出演もなく、
時代劇や刑事ドラマのゲスト、2時間ドラマへの出演が散見される程度です。


ヘアヌード写真集『WOMAN』
1993年、33歳になる川島さんが次に注目を集めたのが、
大胆に裸身を披露した写真集『WOMAN』でした。

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これは著名女性タレントによるヘアヌードの元祖とまではいえませんが、
話題になった先駆けの1人ではあるでしょう。
ただそれよりも、川島さんが目立ったのは積極的にメディアに出て写真集について語ったことにあります。
元々頭のよい人で、このセルフプロデュースに長けていたことがこの人の特徴といえるでしょう。

これによって川島さんは女子大生タレントのイメージを払拭し、
吹っ切れていて少し奔放な大人の女、セクシーな印象も加わりました。
女優としての仕事の幅も広がり、やがてヒットドラマ『失楽園』(1997年)のヒロインへと繋がっていきます。

Photo

原作者の渡辺淳一氏との不倫まで話題になりました。
ヌード写真集をキャリアアップに繋げた顕著な例といえるでしょう。


ワイン好きタレント
川島なお美さんといえばワイン。
一般的にはこのイメージが強いかも知れませんね。

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ワイン人気の高まりに合わせて1990年代終盤から。
ワイン好きタレントとしては、まさに先駆け・元祖といえるでしょう。
もちろん、ワインが好きで詳しい芸能人・著名人はいくらでもいたでしょうが、
それを積極的にアピールした人という意味では。

「私の血はワインでできている」
この名台詞は、今となると少し痛々しい気もしますが。


そしてペット好きタレントの元祖といえるかも知れません。
愛犬「シナモン」の名前もよく知られていました。

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近年はソムリエではなく、パティシエの男性と結婚して話題に。
一方でミュージカルなどの舞台にも精力的に出演していたのですが、
昨年から闘病も伝えられ、この9月にマスコミの前に登場した際も痩せ過ぎが心配されていました。


まさに駆け抜けた54年。
いつも話題の先端にいたような印象があります。
自己プロデュースに優れていたのは間違いありませんが、
例えばワインにしても、しっかり知識を身につけ、それを言葉で伝えられる強さがありました。

時流に媚びているように感じるかも知れません。
しかし、実は21歳の頃の映像に「私、ワインが大好きなんです。」との発言が残っています。
ワインタレントとして名を馳せる15年ほど前。バブル期にボジョレー・ヌーヴォーで輸入ワインが注目される更に前です。
流行り物に飛び付いたわけではなかったのですね。
ワインについては、時代が彼女に追いついたと言っていいでしょう。

謹んで哀悼の意を表し、追悼文を記させていただきました。
Old Fashioned Club  月野景史
 

以下、朝日新聞デジタルより引用
http://www.asahi.com/and_M/interest/entertainment/Cfettp01509240066.html
☆☆☆
女優川島なお美(かわしま・なおみ)さん(本名・鎧塚なお美)が24日、胆管がんのため、都内の病院で死去した。54歳だった。

所属の太田プロダクションがマスコミ各社に書面で発表し、「ここに川島なお美の生前に賜りましたファンの皆様からの励ましのご声援、関係各位のご厚情に対し深謝いたしますとともに、謹んでご通知申し上げます。通夜、告別式の日程に関しましては、おってお知らせさせていただきます」としている。

川島さんは青学大在学中に芸能界入りした。ラジオ番組のDJを務め、「女子大生DJ」として話題になった。82年、日本テレビ系「お笑いマンガ道場」のレギュラーに起用され、車だん吉との「だん吉・なお美のおまけコーナー」が人気になった。

93年にはヘアヌード写真集「WOMAN」が大きな話題に。テレビのバラエティー番組「お笑いマンガ道場」に出演したほか、97年には渡辺淳一さん原作のドラマ「失楽園」で不倫関係に陥るヒロインをヌードを辞さない体当たりで演じ、話題となった。他の出演作に映画「鍵」、ミュージカル「フットルース」など。

ワイン好きで知られ「私の血にはワインが流れている」などの発言で話題に。広島国際学院大客員教授も務めた。

私生活では、2009年にパティシエの鎧塚俊彦氏(49)と結婚した。10年に鎧塚氏が左目に網膜中心静脈閉塞症を患い、視力がほとんど失われていることを公表。川島さんは「私生活では私が彼の左目になります」と、献身的な愛を見せ、話題になった。
★★★

2015年9月19日 (土)

【美術展】「シスレー展」練馬区立美術館 9月20日開幕/印象派を代表する風景画家

東京の練馬区立美術館では開館30周年を記念して、
印象派を代表する風景画家、アルフレッド・シスレーの展覧会を、
明日9月20日より開催します。

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開館30周年記念「アルフレッド・シスレー展-印象派、空と水辺の風景画家-」
2015年9月20日(日)~11月15日(日)
練馬区立美術館

http://www.neribun.or.jp/web/01_event/d_museum.cgi?id=10066


アルフレッド・シスレー
(Alfred Sisley, 1839年10月30日 - 1899年1月29日)
フランス出身のイギリス人の画家。

パリ在住の裕福なイギリス人実業家の家庭に育ったシスレーですが、
18歳の時にイギリス・ロンドンへビジネス修業に出されます。
このロンドンでの4年間に、ターナーやコンスタブルなど
英国を代表する画家達の傑作にふれ、自らも画業を志すようになるのです。
どちらかというと、ロンドンよりパリの方が芸術の都のように思えますが、
シスレーの場合は逆だったのですね。

パリに戻り、1862年より画塾に通って画家への道をスタートさせたシスレーは、
モネ、ルノワール、バジールら、後に印象派を形成する同世代の画家達に出会い、交流が始まります。
それはやがて、紆余曲折を経て1874年の第1回印象派展開催へと繋がっていくのです。

元々、ターナーやコンスタブルなどの風景画家に傾倒したこともあり、
シスレーは印象派の中でも特に風景画にこだわった画家とされます。
モネやルノワールに比べると、やや知名度で劣るかも知れませんが、
もっとも典型的な印象派の画家ともいわれるのです。


本展の特色
この展覧会では、日本国内に所蔵されているシスレーの風景画約20点を中心に
シスレーの画業が以下のような構成で紹介されます。

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◆第1章
印象主義的作風が顕著になる1870年代からパリ近郊の村モレ=シュル=ロワンに
居を構えた最晩年の1890年代までを俯瞰。

◆第2章
シスレーが描き続けたセーヌ川とその支流を巡る情景が19世紀の近代化により
河川の姿が変貌を遂げたことにより成立したという視点から、
描かれたセーヌ川について検証。

◆第3章
シスレーによって確立された印象主義の風景画のスタイルが、
日本の画家にも影響を与えていることに注目し、
具体的な作品を通して、その影響関係について考察。

「テクノロジーと描かれた河川」
「シスレーの日本における影響」
このようなこれまでにない視点を踏まえ、アルフレッド・シスレーを見つめ直す展覧会。
この秋、大いに注目される催しです。


展覧会概要

■展覧会名 アルフレッド・シスレー展-印象派、空と水辺の風景画家-
■会 場  練馬区立美術館
■会 期  2015年9月20日(日)~11月15日(日)
■休館日  月曜日 ※ただし、9月21日・10月12日(月・祝)は開館、翌平日休館。
■開館時間 10:00~18:00 ※入館は17:30まで
■観覧料  一般1000円、高大学生および65~74歳800円、
      中学生以下および75歳以上無料(その他各種割引有)
      ※一般以外の方は、年齢等証明できるものを提示。
■主 催 練馬区立美術館(公益財団法人練馬区文化振興協会) 毎日新聞社
■後 援 在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本
■協 賛 大伸社
■協 力 国土交通省関東地方整備局 荒川河川下流事務所
■webサイト:http://www.neribun.or.jp/museum.html

Old Fashioned Club  月野景史

2015年9月16日 (水)

【訃報】俳優 庄司永建氏死去/『西部警察』の初代係長役 実に息の長かった名脇役

久俳優の庄司永建氏氏(しょうじ・えいけん)が15日に亡くなくなりました。92歳。
http://www.sankei.com/entertainments/news/150916/ent1509160002-n1.html


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昨年までドラマの出演があり、現役最年長クラスの役者さんでした。
長いキャリアがありますが、『西部警察』の初代係長役が最も知られているでしょう。


庄司 永建
(しょうじ えいけん、本名:庄司 永建(しょうじ ながたけ))
1923年7月6日 - 2015年9月15日

本名は「ながたけ」、俳優としての芸名は「えいけん」と読みます。

庄司氏は山形県新庄市出身。マスコミ就職者の多い上智大学文学部新聞学科卒業後、
1948年に民衆芸術劇場附属養成所を経て、あの劇団民藝に入ります。
演劇活動の傍ら、脇役として日活映画に出演し、ここで石原裕次郎氏や渡哲也氏と縁ができます。

1970年に民藝を退団後はテレビ中心に活動。
NHKの大河ドラマには14本出ていますが、
特に1974年の『勝海舟』から、78年の『黄金の日日』までは5年連続出演です。
今の大河は同じ俳優の連続出演はまずありませんが、昔は多かったのです。
最後の出演はつい近年、2012年の『平清盛』でした。


西部警察 二宮係長
そして1979年10月、伝説のアクション刑事ドラマ『西部警察』のスタート時に、
警視庁西部警察署捜査課、二宮武士係長として出演するのです。
石原プロモーション制作のドラマには、特にベテラン俳優で日活に出ていた人が多く起用されました。
庄司氏もそんな一人といえるでしょう。

この係長役ですが、『西部警察』の前身である『大都会』シリーズにも同じようなポジションがありました。
こちらは課長でしたが、渡さん演ずる黒岩部長刑事の上司にあたり、
いかにも中間管理職型の、どちらかといえば嫌われ役です。
PARTⅠ(『大都会 闘いの日々』)は作風も渡氏の役の位置づけも違うので、該当する人物はいませんでしたが、
PARTⅡで小池朝雄氏、小山田宗徳氏、滝田裕介氏、そしてPARTⅢでは高城淳一氏と、
一癖ある中堅・ベテラン俳優が演じてきました。

『西部警察』の二宮係長も、渡氏演じる大門部長刑事の直接の上司になります。
ただ、二宮係長はどちらかといえば憎めないお人好しの好人物・好々爺タイプ、
コミカルで親しみがもてるキャラクターでした。
これは庄司氏の個性も勿論でしょうが、『大都会』に比べて明るい『西部警察』の作風に加え、
二宮係長のすぐ上に石原裕次郎さんが演じる木暮課長がいるという構造のせいでもあります。
(『大都会』Ⅱ、Ⅲでは石原氏の役は救急指定病院の医師で、警察官ではありませんでした。)

木暮課長は『太陽にほえろ!』のボスとほぼ同様のキャラで、当然大門達のやり方に理解がありますから、
その中間に挟まれた係長が理解なき上司として、大門達の壁にはなり難いのです。
ともかく、『西部警察』世界にしっかりマッチした二宮係長は印象深いキャラとなりました。
庄司氏は二宮係長を1982年9月のPARTⅡ第14話まで丸3年務め、
定年退職の設定で円満に降板、『大都会』からの再登板となる高城淳一氏にバトンを渡したのです。
(高城氏の訃報の際も、追悼文を書かせてもらいました。 こちら


この時、庄司氏は59歳。
そして、それから30年以上、実に息の長い俳優さんでした。
謹んで哀悼の意を表し、追悼の辞を記させていただきました。

Old Fashioned Club  月野景史

以下、産経ニュースより引用
http://www.sankei.com/entertainments/news/150916/ent1509160002-n1.html
☆☆☆
庄司永建氏(しょうじ・えいけん=俳優)15日、膵臓(すいぞう)がんのため死去、92歳。通夜は17日午後6時、葬儀・告別式は18日午前10時、東京都杉並区和泉2の8の6、公益社明大前会館で。喪主は長男、永郷(ながさと)氏。

劇団民芸を経てフリーに。ドラマや映画の脇役として活躍した。代表作に舞台「セールスマンの死」、ドラマ「西部警察」、映画「ミンボーの女」など。
★★★

2015年9月 1日 (火)

【幻の藤子アニメ】『ウメ星デンカ』『ジャングル黒べえ』 DVD発売

ネットニュースより
藤子・F・不二雄、幻のアニメ「ジャングル黒べえ」「ウメ星デンカ」が初パッケージ化
http://av.watch.impress.co.jp/docs/news/20150901_718848.html

これはたしかに、それぞれ意味合いは多少違いますが、“幻の作品”に違いありません。
この2作のDVDがリリースされるとは!
ネットのニュースでは『ジャングル黒べえ』が先に書かれていますが、
放送順通り『ウメ星デンカ』から先に記述し、『黒べえ』に繋がる藤子アニメの流れも併せて記します。

Op

ウメ星デンカ
1969年4月1日から同年9月30日までTBS系で放送 全26回(52話)


TBSは1965年の『オバケのQ太郎』の大ヒット以降、『パーマン』『怪物くん』と、
藤子不二雄作品のアニメ化を放送してきました。
厳密にいうと、『オバQ』は藤子・F・不二雄氏と藤子不二雄Ⓐ氏の共作、『パーマン』はF氏、
『怪物くん』はⒶ氏の作品ということになりますが、当時はすべて「藤子不二雄」名義で発表されていました。

しかし、ブームを巻き起こした藤子アニメシリーズも一時の勢いはなく、『ウメ星デンカ』は半年で終了してしまいました。
決して悪い作品ではないのだが、時期に恵まれなかったとの見方もあります。
そして、日本のテレビも急速にカラー化が進んでいた時代なのですが、モノクロで制作された本作は
再放送の機会が少なく、また前3作のようなカラーでのリメイクもなく、忘れられた作品となってしまいました。

ソフト化については、TBSモノクロ版の前3作ですらビデオ化されてなかったので、望むべくもなかったのですが、
近年に『怪物くん」『パーマン』はDVD化されました。
それに続いた形ではありますが、まさか『ウメ星デンカ』とは、驚きました。

異世界からきたキャラクターが普通の家庭に住み着くという、藤子F漫画の定番スタイルですが、
宇宙からの来訪、親子3人で居候という際立った特徴があります。
故郷のウメ星が爆発してしまい、帰る地を失ったという、どこかで聞いたようなハードな設定もユニークです。


『ウメ星デンカ』以後の藤子アニメ
4作続いたTBSの藤子アニメシリーズも『デンカ」が終わる1969年9月にて休止。
その後はどうなったか?

実は、翌1970年1月より小学館学年誌にてあの『ドラえもん』の連載が始まるのですが、アニメ化は見送られます。
そして、1971年9月より局を変えて、日本テレビで『新オバケのQ太郎』がカラーで放送されます。
これは1972年12月まで1年3か月、それなりの人気を得て放送され、
終了後も更に何度も再放送されたので、幅広い世代に視聴されました。

そして、『新オバQ』の終了から4ヵ月後の1973年4月、日本テレビは『ドラえもん』をスタートさせました。
今に続く、テレビ朝日・シンエイ動画版とは別シリーズで、“旧ドラえもん”などとも呼ばれます。
しかし、人気は得られず、半年で修了してしまい、この作品もまた“幻”となりました。
この“旧ドラ”とほぼ同じタイミングで現テレビ朝日系で始まったのが『ジャングル黒べえ』なのです。



Op_2

ジャングル黒べえ
1973年3月2日から9月28日まで毎日放送制作、NETテレビ(現・テレビ朝日)系で放送  全31回 (61話)


このアニメは藤子作品としては異例のアニメ先行企画で、藤子F氏が関わる以前に既に原案がありました。
だから、アニメと同時に藤子F氏による雑誌連載が始まったのです。
小学館の学年誌に『ドラえもん』と併載されていました。

物語はピリミー国のジャングルから来た黒べえが日本の平凡な家庭に住み着く王道パターン。
やがて弟の赤べえもやってくるのですが、これは『新オバQ』のO次郎と類似したキャラで、声優さんも同じでした。
黒べえは居候している家の少年・しし男に恩義を感じていて、その恩を返そうとして騒動を起こすのが基本テーマです。
軽快なオープニングテーマ、テンポの良い展開でなかなか面白かったのですが、途中から様相が変わってきます。

ピリミーから黒べえの宿敵ガックが登場。
ガックはオバQのドロンパのイメージに重なる面があり、『新オバQ』のドロンパと声優さんも同じでした。
ガック登場後、彼が呼び寄せる珍獣と黒べえの戦いがテーマのようになっていきます。
私はこの変化は、あまり歓迎しませんでした。
そもそも、ガックは藤子氏による雑誌連載にほとんど登場しないキャラなので、
アニメスタッフが勝手に原作を変えてしまっているようにも感じていました。
まぁ実際には、前述のようにそもそも藤子F氏原作とも言い切り難い面もあったのですが、


“幻のアニメ”の理由
しかし、『黒べえ』はこのような事情で幻の作品になったわけではありません。
終了後もしばらくは再放送されていました。
ある理由で封印されたのです。

その理由とは・・・タイトルやビジュアルからすぐわかるでしょうが、黒人差別問題です。
『黒べえ』自体が批判対象になってわけではないのですが、
『オバケのQ太郎』の1エピソードへの抗議を受け、版元側が自主規制したということのようです。
時代を考えれば致し方ない面もあったと思います。


ともかく、『ジャングル黒べえ』は今年12月、『ウメ星デンカ』は来年1月の発売です。

Old Fashioned Club  月野景史


以下、AV Watch‎ のニュース記事より引用
http://av.watch.impress.co.jp/docs/news/20150901_718848.html
☆☆☆
藤子・F・不二雄、幻のアニメ「ジャングル黒べえ」「ウメ星デンカ」が初パッケージ化

藤子・F・不二雄原作で、1973年に放送された「ジャングル黒べえ」と、1969年放送の「ウメ星デンカ」が初パッケージ化。どちらもDVD-BOXで、「ジャングル黒べえ」は12月9日に29,800円で、「ウメ星デンカ」は2016年1月6日に24,800円で発売される。初回生産限定。発売元は東映ビデオ。販売元は東映。

2015年12月9日 ジャングル黒べえ
DVD-BOX 片面2層×5枚 本編775分 4:3 (1)モノラル DSZD-08145 29,800円

2016年1月6日 ウメ星デンカ
DVD-BOX 片面2層×4枚 本編650分 4:3 (1)モノラル DSZD-08147 24,800円

なお、東映ビデオでは両作品について、「本編の一部に現在では不適切と思われる表現が含まれている箇所があるが、作品の歴史的価値を尊重し、なるべく作品完成時の状態を忠実に再現することを優先して収録した」と説明。また、映像や音声の一部には、オリジナルマスターに起因する、現在の技術において修復困難なフィルム上の退色や傷、音声ノイズなどが発生するカ所があるとしている。

ジャングル黒べえ
ピリミー国の王さまの息子、通称・ジャングル黒べえがひょんなことから来日。黒べえのピンチを、何をさせてもまるでダメな小学生・佐良利しし男が偶然助けたことから、義理がたい黒べえは恩を返すまで日本にとどまることを決意。得意の魔法でしし男のピンチを救おうとするが、毎回、逆にてんやわんやの騒動を起こす……という物語。
黒べえの弟・赤べえや、ペットのパオパオ、ライバルの魔法使い・ガック、そしてガックがピリミーから呼び寄せる様々な珍獣など、藤子・F・不二雄作品らしいユニークなキャラクターが多数登場する。
演出を出崎統、絵コンテは吉川惣司、石黒昇、作画監督は椛島義夫、杉野昭夫、脚本は金子裕、山崎晴哉といった、黎明期の東京ムービー(現トムス・エンタテインメント)作品を支えた名匠たちが一堂に会して手掛けている。
黒べえの声を、かつて「ドラえもん」でスネ夫を演じていた肝付兼太が、しし男の声は、キテレツ大百科のコロ助などで知られる、杉山佳寿子が演じている。「ウラウラ」、「ベッカンコ」、「これジャングルの常識!」など“黒べえ語”も当時子供たちの間で流行した。
ディスクは5枚組で、全62話を収録。なお、9話は映像のみの収録となる。映像特典としてノンスーパーオープニングを収録予定。36ページのブックレットも同梱する。

ウメ星デンカ
はるか宇宙の果てのウメ星の爆発により、王様とお妃、それにデンカを乗せた瓶(カメ)が地球の中村家へ漂着する。何かと揉めごとが起きるが、王様一家を気の毒に思う中村家は同居を許可。その日から王室と中村家の奇妙な共同生活が始まり、珍騒動が巻き起こる。
デンカがいろいろなアイテムを不思議な瓶(カメ)からとり出すのは、「ドラえもん」の原点ともいえ、この作品の人気を受けて「ドラえもん」の連載がスタートした。
忠臣ベニショーガ、イモ掘りロボット・ゴンスケを始めとした藤子・F・不二雄作 品ならではのユニークなキャラクターも多数登場。声優、杉山佳寿子の主役デビュー作でもある。
東京ムービー、スタジオ・ゼロ作品を手掛けた名スタッフが参加。彼らは後に「天才バカボン」、「ど根性ガエル」など、東京ムービー・ギャグアニメを生み出すことになる。
ディスクは4枚組で、全52話を収録。特典映像として、ノンスーパーオープニング/エンディングを収録予定。36ページのブックレットも同梱する。
★★★

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