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2015年8月 4日 (火)

泉政行さん死去/『科捜研の女』を長く支えた若手俳優 研究員・乾健児役

訃報 『仮面ライダー555(ファイズ)』や『科捜研の女』シリーズなどで活躍した
俳優の泉政行さんが2015年7月28日、病気の為に亡くなりました。35歳の若さでした。
http://www.sankei.com/entertainments/news/150804/ent1508040008-n1.html

Photo
このブログでは泉さんが8年に渡り出演したドラマ『科捜研の女』中心に記させていただきます。


泉政行
(いずみ まさゆき、1980年5月12日-2015年7月28日)


泉さんは高校時代の読者モデルの経験をきっかけとし、
2002年、『ごくせん』の生徒役でデビューしました。
この時の生徒役は小栗旬さん、松本潤さん(嵐)、松山ケンイチさん、成宮寛貴さん、上地雄輔さん等、錚々たる顔ぶれです。

翌2003年1月~2004年1月に『仮面ライダー555』に出演。主演の半田健人さん、溝呂木賢さんと共に人気を博します。
そして『555』が終了してまもない2004年の4月より同じ東映・テレビ朝日制作の、『科捜研の女』第5シリーズに参加するのです。


『科捜研の女』 低迷が続いていた初期
『相棒』と並ぶテレビ朝日・東映制作の長寿人気ドラマ『科捜研の女』。
『相棒』に先立つ1999年のスタートで、今年2015年で16年目を迎えます。
しかし、意外にもスタートから数年間は視聴率が低迷し、大幅なリニューアルを繰り返していました。

第1シリーズは9.3%、翌2000年の第2シリーズは更に落として9.2%と、2期連続の一桁視聴率。
2001年の第3シリーズでは12.3%と一気に伸ばすも、翌年の第4シリーズでまた10.2%まで落としてしまいます。
ドラマもテレビ番組全般も今より視聴率が良かったであろう時代に、よくこの数字で続けたものだと思いますが、
それには、放映枠である「木曜ミステリー」の事情もあり、このブログでも記しています。
http://oldfashioned.cocolog-nifty.com/blog/2015/07/post-8767.html


01_1999
第1シリーズのポスター


さて、第4シリーズ終了から1年半のインターバルを経て2004年4月にスタートした第5シリーズは
タイトルを『新・科捜研の女』と改題し、更に大幅なリニューアルが行われました。
(ネット等で、泉さんの出演歴の中に『新・科捜研の女』とあるのは「新・」が付いたタイミングで加入した為なのですが、
泉さん出演中の第9シリーズで「新・」を外して『科捜研の女』に戻ってしまいます。ややこしいですね。
このブログでは以後、「新・」は無視して記します。)


その第5シリーズでのリニューアル内容ですが、
第2~4シリーズまでソフトなイメージのプロファイラ―役で出ていた内藤剛志さんを
まったくの別人、無頼派の刑事・土門薫役で出演させます。(土門のキャラは後に軌道修正されます)
更に、第1シリーズに研究員役で出演して、降板していた斉藤暁さんを、
こちらは一見同じような、でも別人で専門分野も違う研究員役で再登場させました。
なかなかの荒療治です。


『555』の人気トリオが揃ってレギュラー入り
しかし、更にそれ以上に大胆というか、無茶なキャスティングをやりました。
この年の1月まで『仮面ライダー555』に出演していた半田さん、溝呂木さん、泉さんを
4月スタートの『科捜研』第5期にまとめてレギュラー入りさせたのです。

配役は半田さんと溝呂木さんは京都府警捜査一課の刑事役、つまり土門の部下的ポジションです。
そして泉さんは京都府警科学捜査研究所、通称「科捜研」の研究員・乾健児役。
沢口靖子さん演じる主人公・榊マリコの助手役のポジションでした。


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仮面ライダーに出ていた若手人気トリオをまとめてそのままレギュラーに!
同じ東映制作ですが、昭和特撮マニアの私でも驚く、安直というか、やけっぱちともいえる配役です。
特に半田さんはスタート時にまだ19歳で、それが府警本部一課の刑事役ですから。

乾さんは24歳になる年だったので、役もそのままの年齢とすれば大卒2年目くらい。
物理担当の研究職ですから、現実には大学院を出ていないと無理なようにも思えますが、
まぁそこまで細かい事は言わないということで。


『科捜研の女』安定~全盛期を支える
さて大幅なリニューアルで迎えた第5シリーズの視聴率は10.8%でした。
前期の10.2%からは伸びたとはいえ、まだ物足らない数字です。
そこで次の第6シリーズ(2005年)では更なるテコ入れを行います。

まず、残念ながら半田さん、溝呂木さんの“若手刑事枠”の二人は降板。後任として谷口朝男刑事(丸山智己)が登場します。
そして、科捜研メンバーも入れ替えがありました。
しかし、泉さん演じる乾は強い個性を打ち出すわけではなかったのですが、
主人公榊マリコ(沢口靖子)を補佐する若手研究員としてナチュラルに科捜研の雰囲気になじみ、残留しました。

Photo
主人公・榊マリコ(沢口靖子)と共に、たとえ火の中、水の中

それまでの『科捜研の女』は、ややエキセントリックな性格で、経費も時間も関係なく仕事に邁進するマリコに
基本的にはサラリーマン体質の周囲が振り回されるのが定番でした。
それが、所長役にマリコの父親で科学者の榊伊知郎(小野武彦)が就任した事もあり、
研究員・職員が一致団結して仕事に当たる傾向が強まりました。

更に、無頼派過ぎた土門刑事を、一本気な硬骨漢タイプに軌道修正し、
マリコと信頼感で結ばれたバディ関係が固まっていきます。
つまり、今に続く長寿ドラマ『科捜研の女』のスタイルが、この第6シリーズでようやく確立したのです。
石の上にも3年といいますが、スタートから既に7年目のことでした。

そうして固定された科捜研チーム5人の中で、泉さん演じる乾は研究員唯一の若手男子として、
またマリコの助手ポジションとして、時にはマリコに振り回されながらも、
物理担当、科学捜査のエキスパートとして奮戦を続けます。
彼女との約束を仕事のために反古にしてしまうことも多かったですね。
彼女については、もっぱら乾の口から語られるだけで、後姿くらいしか登場しなかったと思いますが。


5
第6~9シリーズの科捜研メンバー5人
前列左から土門美貴(土門刑事の妹 加藤貴子)、日野和正(斉藤暁)、榊マリコ。
後列左から乾、榊伊知郎所長(マリコの父 小野武彦)。
数字の面でいえば、最盛期といえる頃を支えた5人です。かつての頻繁な入れ替えが嘘のような安定ぶりでした。


主にマリコの助手ポジの乾でしたが、日野とのデコボコ年の差コンビで、現場での調査に当たる事もありました。
このコンビだと、日野がボケ、乾がツッコミでした。

この時期は視聴率も右肩上がりで、泉さんが参加して2期目のこの第6シリーズで12.8%、次の第7シリーズで13.4%に伸ばすと、
その後も13%台をキープし、5期目となる2009年の第9シリーズでは14.5%の好視聴率を記録しました。

視聴率が安定すれば当然でしょうが、第6~9シリーズまで、科捜研・研究員メンバー5人は変動がありませんでした。
しかし、スタートから10年が過ぎ、少しずつ動きが出てきます。

まず、2010年7月スタートの第10シリーズ第1話で土門美貴が退職。(後任は奥田恵梨華
続いて、第10シリーズと11シリーズの間に放送された単発スペシャルで榊所長も退職の形で降板。
(研究担当としての後任は風間トオル。所長には日野が昇格)
相次いで2人のレギュラーキャスト入れ替えがありました。


乾健児、突然の退場
そして迎えた2011年10月スタートの第11シリーズ。
この時は初めて2クール制作で、翌2012年3月まで半年間、全16話の放送でしたが、
泉さんはちょうどその半分、12月放送の第8話「隠された発火装置!連続放火、消された指紋の秘密!!」で、
科捜研退職の形で卒業してしまいました。

退職理由は、癌で余命1年と宣告された医師である父親を看取るため、故郷に帰るというものでした。
といっても、実際に家族が登場して、親子の対話等のエピソードが描かれたわけではありません。
(乾の高校時代の回想シーンに、僅かに父親も登場しますが)
前述のように、乾は第5シリーズの大幅リニューアルの際の登場で、開始時点で既に研究員の立場にあり、
加入の経緯が描かれたわけではなく、プライベートは付き合っている彼女がいること以外はほとんど不明でした。
父親が医者というのも、ここにきて初めて明らかになった事だと思います。

退場にあたっては、ひとつ前の第7話で乾が家族(?)と電話で父親の病気についてやりとりする前フリがありました。
そして第8話、特に乾本人や関係者が巻き込まれる事もなく、いつものように事件が起き、ストーリーが進みます。
乾は、事件関係者達に自らの境遇を重ね合わせて進退について考え、退職を決決意するという流れ。
そして、その結果を本人が同僚達に報告し、それにより視聴者も事情が分かるというあっさりしたものでした。

実はこれ以前に一度、乾の幼馴染の友人が登場する回があったのですが、
その時の印象だと、乾は京都近辺の生まれ育ちのように思えたので、
故郷に帰るというのも少々違和感がありました。

乾のラストはこのような感じで描かれました。
それ以前に退場エピソードもなく消えていった多くのレギュラーキャストに比べれば破格の扱いですが、
7期8年間、長寿ドラマに上り詰めていく『科捜研の女』を支えた主要キャストの卒業としては、いささか寂しかったですね。

逆に再登場の可能性を残したとも取れますが、
通常回として用意された脚本に、後から乾の退場エピソードを割り込ませたような、
急ごしらえ感も残念ながらあります。


乾の後任には、次の第9話より相馬涼(長田成哉)が配属されました。
年齢の割りには落ち着いていた乾に対し、相馬はKYの天然ボケタイプです。
※泉さんより前、及び後の若手員役の系譜については こちら


泉政行さん降板の理由は?

劇中での乾の退場理由は上に書いた通りですが、降板の理由はどうだったのでしょう?
しばらくメンバーが固定したので、少し動かそうとしたのかも知れません。
ただ、5人中2人がバタバタと替わって間もない時期であり、泉さんまで替えなくても・・・とも思えます。

上述のように後任の相馬は乾とは対照的な大ボケタイプです。
これは、それまでボケ役を担っていた斉藤さんが所長に昇格してボケ役不足になったので、
ド天然・KY系の相馬に交代してバランスを取ったと考えられなくもないです。
あくまで推測ですが。

実は、乾さんはこの時点で既に体調が悪く、それが降板の理由ではと推測する向きもあります。
たしかに、後述しますが、『科捜研』降板後の出演が極めて少ないですし、
言われてみれば、降板当時の映像を見ると、やつれているようにも感じられます。
しかし、本当のところはわかりません。


『科捜研の女』降板後の泉さん
2011年12月の『科捜研』降板以降、亡くなるまで約3年半、
調べた限りでは、テレビドラマの出演記録は見当たりません。

ただ、泉さんのオフィシャルブログ「青空に浮かぶ月」によると、2012年には2~3本の舞台に出ているようです。
また、出演した映画『グレイトフルデッド』が2014年に公開されています。
映画は撮影時期が公開よりかなり遡る事も多いのですが、2012年11月のブログに映画撮影についての記述があります。
http://ameblo.jp/izumi-masayuki/entry-11400561917.html
映画の題名や詳細は書かれていませんが、内容に合致点があるので、おそらくこの映画の事だと思います。


そして、ブログには2012年のクリスマスイブに、出演した朗読劇の記述があった後
http://ameblo.jp/izumi-masayuki/archive1-201212.html
2013年5月、33歳の誕生日についての記述まで飛び、それが本人による最後のメッセージとなりました。
http://ameblo.jp/izumi-masayuki/entry-11528830852.html

現在、ブログのトップには、所属事務所による訃報が掲載されています。
http://ameblo.jp/izumi-masayuki/

2011年暮れで『科捜研の女』を降板した後、
2012年中は僅かながら俳優業をしていたようですが、
2013年以降、亡くなるまで俳優業の痕跡は見当たりません。

あまりに若過ぎる、残念な死でした。
しかし、その姿はドラマの映像の中で健在です。
謹んで哀悼の意を表し、記させていただきました。

※2016年8月4日追記
このページを記してちょうど1年経ちましたが、今も多くのアクセスがあります。
このブログの全ページ中でもトップクラスで、累計では15万件を超えています。
泉さんが亡くなったのは昨年7月28日なので、今日は命日ではありませんが、今日も約1200件のアクセスがありました。
『科捜研の女』は全国各地で毎日のように再放送されており、その影響でしょう。
まさに、このドラマの中で泉さんは生きているのだと、実感しています。


Old Fashioned Club  月野景史

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※ややこしい役名問題

泉さんの『555』と『科捜研』での役名に少々ややこしい問題があり、
ネット上でも混乱が見られるので(わざとやってる人も多いですが)説明しておきます。

「木場」
泉さんの『555』での役名は「木場勇治」です。
実は『科捜研』には第1~4シリーズまで、小林稔侍さんが「木場俊介」という刑事役で出ていたのです。
小林さんが演じたくらいだから、『科捜研』の歴史上欠かせないほどの主要人物です。

「乾」
『科捜研』での泉さんの役名は乾健児です。
実は『555』での主役・半田さんの役名が「乾巧」でした。

今、ネット上の掲示板では、泉さんの訃報に接して、『555』は詳しいけれど、
『科捜研』はよく知らない人、あるいはその逆の人もいて書き込んでいます。
その状態で「木場」、「乾」という役名が飛び交ったら、ややこしくて色々と誤解を生んでしまいます。

「木場」のバッティングは偶然で、仕方ないでしょうが、
「乾」は・・・、どうだったのでしょうね。
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