【美術展】「ボルドー展-美と陶酔の都へ-」国立西洋美術館/ワインの聖地から至宝が来日
上野の国立西洋美術館で9月23日まで、
「ボルドー展-美と陶酔の都へ- 」が開催中です。
ボルドー展 -美と陶酔の都へ-
国立西洋美術館
会期:2015年6月23日(火)~9月23日(水・祝)
主催:国立西洋美術館、TBS、読売新聞社、ボルドー市
後援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本、BS-TBS、TBSラジオ
「ボルドー」と聞けば、誰もがワインを思い浮かべるでしょう。
ワインの銘柄と思っている人も多いでしょうが、「ボルドー地方」、つまり地名です。
同じフランスのブルゴーニュ地方と並び、世界で最も有名なワインの産地であり、またブランドですね。
今回はそのボルドー地方からやってきた貴重な品々の展覧会。
ボルドー美術館、ボルドー装飾芸術・デザイン美術館、アキテーヌ博物館等から、
美術品のみならず貴重な資料が展示されています。
もちろん、ワインに纏わるものも多いですが、それがメインというわけでもありません。
フランス南西の港町ボルドー
古代ローマ以来の伝統を誇るワインの生産と海洋貿易がもたらした富を背景に、
洗練された独自の都市文化を育んできました。
ガロンヌ河の流れに沿って三日月のかたちに発展したことから「月の港」とも呼ばれたこの街は、
18世紀に繁栄を極め、パリに100年先立って都市整備が進められ、
壮麗な古典主義・新古典主義の建築が立ちならぶ景観美をつくり上げました。
経済的な成功が、優れた文化を築き上げたのですね。
「月の港」とは、なんともロマンチックです。
ボルドー市の全面的な協力を得て実現した本展では、
先史時代から現代まで、ボルドーの悠久の歴史と美術を展観するものです。
ですので、展示品のジャンルも幅広く、
ドラクロワやルドン、ゴヤをはじめ、町にゆかりのある数々の画家の作品から、
貴重な考古・歴史資料から、在りし日の市民生活を物語る数々の装飾芸術品まで、
200点を超える多様な作品・資料を通じて、芳醇なる都市の歴史が紹介されています。
ウジェーヌ・ドラクロワ 『ライオン狩り』
1854-55年 油彩、カンヴァス 175×360 cm ボルドー美術館
本展の大看板作品。
巨匠ドラクロワは父親がジロンド県知事を務めた関係でボルドーで幼年期を過ごしました。
この作品は1855年のパリ万博のために政府の注文で制作され、展覧会終了後、ボルドー美術館へ送られました。
ドラクロワの集大成ともいえる迫力溢れる傑作です。
ところがこの絵、不運にも1870年の美術館の火災で大きな損傷を受け、画面の上部を失ってしまいました。
いわれてみれば、上の方が不自然でしょう。
実は、消失前にオディロン・ルドンがこの作品を模写しています。
オリジナルよりもかなり小さな絵ですが、おかげで消失前の全貌を窺いしることができます。
今回はそのルドン版も展示されています。
オディロン・ルドン 『ライオン狩り』(ドラクロワ作品に基づく模写)
1860-70年 油彩、カンヴァス 46×55.6cm オルセー美術館(ボルドー美術館へ寄託)
そう、元はこういう構図だったのです。
Old Fashioned Club 月野景史
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