【ドラマ】『探偵の探偵』/面白いのだが数字は厳しいタイプのドラマ。『ウロボロス』と同様
北川景子さん主演のフジテレビのドラマ『探偵の探偵』(毎週木曜22:00~)。
www.fujitv.co.jp/tantei/
ハードなバイオレンス・アクション、そして復讐ミステリー。
サスペンス感溢れる、テンポの良い展開。
全般にかなり不振なこの2015年7月クールのドラマにおいて、一二を争う出来かと思います。
主人公・紗崎玲奈役の北川景子さんもはまっています。
こういうドラマでのクール・ビューティーな役は、若手女優の中では一番でしょう。
しかし、視聴率は苦戦しています。
第5話まで終わったところですが、このような推移。
第1話 11.9% 第2話 7.5% 第3話 8.7% 第4話 8.7% 第5話 7.4%
初回こそよかったものも、第2話で大きく落とし、その後やや盛り返すも、また落とし。
今期はもっと数字の悪いドラマも多いし、
北川さんも主演を多くやったきたわけでもなく、他のキャストも地味。
その割には健闘しているともいえますが、やはり残念です。
が、数字が伸びないのも仕方ないかも知れません。
ストーリー難解過ぎ、且つ暴力的過ぎ、こういうドラマは難しいです。
実はつい最近、よく似たバターンで、やはりおもしろいのに視聴率が伸びなかったドラマがありました。
今年の1月期に放送された『ウロボロス〜この愛こそ、正義』です。
こちらは主演陣が生田斗真さん、小栗旬さん、上野樹里さんと豪華。
更に脇役陣にも吉田鋼太郎さん、滝藤賢一さん、吉田羊さんと売れっ子を揃えていましたが、
視聴率は以下のように苦戦しました。
第1話 11.5% 第2話 12.0% 第3話 10.4% 第4話 9.8% 第5話 10.1%
第6話 9.2% 第7話 10.6% 第8話 9.6% 第9話 9.4% 第10話 11.3% /平均視聴率 10.39%
なんとか二桁は確保しましたが、後半は一桁が多く低迷しました。
この豪華キャスト、あの面白さなのに、実に残念な数字でした。
『ウロボロス』と『探偵の探偵』
両作は実によく似ています。
・主人公による人生を賭けた復讐物であること。
・復讐の相手が特定出来ておらず、調べるほどに謎が深まること。
・その事情なので、脇役陣にもみな裏があるように思えること。
・過剰に暴力的であること。
・主人公の行動が大胆過ぎること(捕まらないのが不思議)など、現実離れ、荒唐無稽になりがち。
等々。
まず当たり前ですが、暴力的過ぎるドラマは観る人を選びます。
国民的ドラマの『相棒』や『科捜研の女』にだって毎回殺人シーンがあるし、死体も出てきます。
しかし、『ウロボロス』や『探偵の探偵』とは過激さや血なまぐささ、感じる痛みが違いますし、
残酷で、はっきりいえばグロテスクでもあります。
まぁそこが持ち味ではあるのですが。
(『相棒』も「ダークナイト」はそうでしたが。)
荒唐無稽でストーリーに無理があるのは、そもそも現実離れした物語なので仕方ないのですが、
あまりに強引で、折り合いをつけ切れてないようにも感じることが多いです。
しかし、やはり問題なのはややこし過ぎる事。
主人公が復讐相手を追うほどに謎が深まっていき、回が進むにつれ混沌としてくる。
一方で、『ウロボロス』は警察物、『探偵の探偵』は当然探偵物なので、
主人公が追っている復讐以外にも、色々と事件が絡んできます。
その事件が、主筋の復讐譚とどう絡むかも焦点のひとつなのですが、
主筋がややこしくなっているので、非常に難解になってしまいます。
つまり、どちらかといえば録画して、じっくり観るのに向いていて、
リアルタイムで、ながら見してしまうと着いていけないタイプのドラマ。
当然、視聴率は上がりません。
筋立てをもう少しシンブルに出来ないかとも思いますが、
そこは原作のある作品なので難しい面もあるでしょう。
悩ましいところです。
『探偵の探偵』の、『ウロボロス』との違いはコメディ要素。
脇役陣の顔ぶれからも分るように、『ウロボロス』はコミカルなシーンも多かったですが、
『探偵~』はその点は薄いです。
どちらがいいかは難しいところですが、『探偵~』の苦戦要素にはなってしまってるかも知れません。
Old Fashioned Club 月野景史
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