【美術展】「もうひとつの輝き 最後の印象派」損保ジャパン日本興亜美術館/20世紀初頭のパリを彩った美しき絵画達
新宿の東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館で9月5日(土)より
「もうひとつの輝き 最後の印象派 1900-20’s paris」展が開催されます。
東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館
私は新宿が地元のようなものなので、この美術館はよく訪れます。
昨年、親会社の合併により、美術館の名称も「損保ジャパン東郷青児美術館」から、
「東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館」に変わりました。
都心のビルの高層階という好立地。
所蔵品としては、名称にもなっている東郷青児の作品に加え、
ピカソの『ひまわり』、ゴーギャン、セザンヌらの名品、
また20世紀アメリカの画家グランマ・モーゼスのコレクションなどが特筆されます。
そして、大規模ではありませんが、なかなかユニークな展覧会を
コンスタントに開催してくれる美術館でもあります。
その同館が2015年の芸術の秋に開催するのが、この企画展です。
もうひとつの輝き 最後の印象派 1900-20’s paris
カリエール、アマン=ジャン、ル・シダネル・・・・
会期:2015年9月5日(土)~11月8日(日)
会場:東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館 (東京都新宿区西新宿1-26-1)
http://www.sjnk-museum.org/
主催:東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館、朝日新聞社
観覧料: 一般 1200円(1000円)、 大・高校生 800円(650円)
シルバー(65歳以上) 1000円 中学生以下無料
様々な絵画のジャンルの中でも、「印象派」の名は極めて高名であり、その名を冠した展覧会も多く開催されています。
本展は印象主義や新印象主義といった前世紀のスタイルを受け継ぎながら、
親しみやすく甘美な作品を描いたカリエール、アマン=ジャン、ル・シダネルら、
20世紀初頭のパリで活躍した芸術家たちの作品をご紹介する展覧会です。
印象派といえばモネ、ルノワールら、それこそ誰もが知っているようなビッグネームが思い浮かびますが、
今回名前の挙がっている画家達は、そこまで有名ではないでしょう。
ですが、例えばアンリ・ル・シダネル。
実は、2012年にこの損保ジャパン日本興亜美術館でシダネル展を行っているのです。
美しい色使い、しっとりとした雰囲気、この画家は、特に私にとって大変魅力的でした。
その時書いたブログが残っていますので、よろしければご覧ください。
http://oldfashioned.cocolog-nifty.com/blog/2012/05/post-46c9.html
シダネルに比べると、一番先に名の挙がっているカリエールなどは1906年に亡くなっているので、
「20世紀初頭に活躍した」というのは少し引っかかるのですが、
本展に出品される画家の紹介・セレクトの事情については、公式サイトから引用しておきます。
☆☆☆
彼らはフォーヴィスムやキュビスム等の前衛的な芸術運動に加わらなかったため、モダニズムを主体とする美術史の視点からあまり取り上げられることがありませんでした。
しかし見たままに描きながらも自然や事物に潜む詩情を表現した彼らの作品は、商業的にも批評的にも成功を得、20世紀初頭におけるフランス美術界の一端を担いました。
本展覧会では、こうした芸術家たちが所属していた「画家彫刻家新協会(*)」のメンバーから、約20名の作家による作品約80点を展示し、20世紀幕開けのパリへ皆様をご案内いたします。
*画家彫刻家新協会(La Société Nouvelle des Peintres et Sculpteurs):若い芸術家たちの作品を発表する目的で結成されたグループ。おもにサロン出身の芸術家たちで構成され、1900年から1922年まで、パリのジョルジュ・プティ画廊で毎春展覧会を開催しました。
★★★
まさにシダネルもそうですが、アール・ヌーヴォーからエコールド・パリ、フォーヴィスムやキュビスム等、
19世紀末から20世紀初頭の、よく知られる先進の芸術とは一線を画した、
甘美なる芸術を愛でる展覧会になると思います。
私はそういう絵が好きなので、大いに期待しています。
Old Fashioned Club 月野景史
« 【美術展】カラヴァッジョ展 2016年3月 国立西洋美術館で開催 | トップページ | 【幻の藤子アニメ】『ウメ星デンカ』『ジャングル黒べえ』 DVD発売 »
「01.Art 美術 (展覧会)」カテゴリの記事
- 【美術展】「佐伯祐三 自画像としての風景」東京ステーションギャラリー/パリ、東京、1920年代を駆け抜けた夭折の画家(2023.02.13)
- 【美術展】「絵画のゆくえ2022」SOMPO美術館/近年の「FACE」受賞作家の展覧会(2022.02.06)
- 【美術展】「ポーラ美術館コレクション展 甘美なるフランス」文化村ミュージアム/箱根の大美術館の名画を渋谷で鑑賞(2021.09.30)
- 【美術展】「三菱創業150周年記念 三菱の至宝展」三菱一号館美術館/日本の歴史ある大企業の美術力(2021.07.15)
- 【美術展】「1894 Visions ルドン、ロートレック展」三菱一号館美術館 1/17まで開催中(2020.12.01)
« 【美術展】カラヴァッジョ展 2016年3月 国立西洋美術館で開催 | トップページ | 【幻の藤子アニメ】『ウメ星デンカ』『ジャングル黒べえ』 DVD発売 »