« 2015年2月 | トップページ | 2015年4月 »

2015年3月

2015年3月20日 (金)

【相棒13】甲斐享最終章「ダークナイト」がこれだけ非難される理由を検証する

※追記:2024年元日スペシャルに笛吹悦子(真飛聖)が再登場します

2015年3月18日に放送された『相棒season13』最終回2時間スペシャル第19話「ダークナイト」。
3代目相棒・甲斐享(カイト)を演じる成宮寛貴さんの卒業回でしたが、
カイトが犯罪を犯して逮捕されるという衝撃的な展開に、ネット上には非難の声が溢れています。

ドラマも長く続くと思い入れの強いコアなファンが増え、その声を気にするあまりストーリーが硬直化することがあります。
それは歓迎すべきことではないでしょう。
しかし今回ばかりは、批判されても仕方ないかと思います。
もちろん、擁護する意見もありますが、共感できるものは少ないように感じます。

この最終回のみをひとつの物語としてみれば、それなりにおもしろいと言えるかも知れません。
しかし、長く続くドラマの節目の1本としては、残念な内容と言わざる得ないかと思います。


13_02
3代目特命コンビ 今となっては悲しい2ショットです。

ネット上の意見は「賛否」でいえば、7~8割は否定的意見でしょう。
残りも賛辞は少なく、擁護、許容、せいぜい肯定、そして非難する人に対する批判といったところでしょうか。

視聴者に必要以上に媚びる必要もありません。
しかし、長く続く物語には当然ながら、ファンから深い愛着を持たれるキャラクター達がいる筈です。
作り手として、そのイメージは大事にすべきでしょう。それはまたファンを大事にすること。今回はそこが決定的に欠けていました。

では、具体的に何が問題なのか?
ネット上の声を踏まえつつ、アトランダムにですが、ポイントを上げながら検証していきます。


甲斐享(演:成宮寛貴)
亀山薫(寺脇康文)、神戸尊(及川光博)に続くシリーズ3代目の“相棒”として、
2012年10月より2015年3月まで、3シーズン6クール全57話+劇場版1本に登場。
登場期間は2年半ですが、劇中では3年間の特命係在任とされています。

2016年12月9日追記:成宮寛貴さんが芸能界引退を発表したそうです。残念なことになりました。

http://oldfashioned.cocolog-nifty.com/blog/2016/12/post-77d0.html



◆刑事ドラマで主人公が逮捕
単純に言い切れないかも知れませんが、『相棒』は基本的には勧善懲悪のドラマです。
その中で、若きヒーローとして頑張ってきた主人公が犯罪に手を染め、逮捕されて退場とは。
衝撃的なバッドエンドです。

しかし、バッドエンド、不条理、後味が悪い、救いようがない・・・、
これも相棒のテイストのひとつ(もちろん、いつもそうではありませんが)。
納得できる事情があれば、逮捕か、そこまでいかなくても不祥事による退職とか、
そんなラストも『相棒』なら有り得なくはない。こういう声は意外と多いです。
特に、成宮さんが悪役や屈折した役も、魅力的に演じられる俳優だからという面もあります。
しかし、今回は納得できる事情ではなかったということです。


◆右京が気づかぬ筈がない
カイトは特命在任中の約2年前から6件の暴行事件を犯していたことが、いきなり明らかになりました。
最初は、友人の妹を殺した通り魔がターゲット。殺さぬほどに痛めつけ、重傷を負わせました。
その後の2~6件目は主に暴力団員や、それに準ずる法で裁けぬ悪人達を同様に暴行しています。
この2件目以降の5件は、悪を制裁する“ダークナイト”としてネット上で称賛を受けていました。

これを聞いて、『相棒』ファンなら誰だって同じことを思うでしょう。
「右京が気がつかない筈ないだろ!」と。

これには二重の意味があります。
あの杉下右京(水谷豊)が身近にいて、犯行を繰り返すカイトの異変に気づかない筈がない、ということと、
そんな事件が起こって、右京が動かない筈がないという意味とです。
この点は問答無用です。それが『相棒』であり、「杉下右京」なのです。
まして、最初の事件は、カイトの友人に起こったことなのですから、その時点で食いついてなければおかしいです。

 

そういえば、カイト自身が以前こんな発言をしています。
「そんな不可解な事件が起こったのに、杉下さんが捜査に首を突っ込まなかったのが一番不思議だ」
これは、相棒世界の絶対的な共通認識なのです。
この時は、右京は英国にいたから事件に関わらなかった、その帰りに寄った香港で、カイトと出会ったというオチでした。
今となっては懐かしくも、悲しい思い出話となりました。


◆犯行の動機
カイトの最初の暴行事件の動機は、妹を殺された友人に代わっての敵討ちであり、
友人を殺人者にしないためでした。
劇中で大河内監察官(神保悟志)も言っていたように、ここまでは理解できるという声が多いです。

その後、主に暴力団員や、それに準ずる法で裁けぬ悪人達を殺さぬほどに、傷めつけていきます。
アンチヒーロー的な行為ですし、ここで多少なりとも共感できる理由が示せれば、だいぶ印象も違っていたでしょう。
しかしカイトは、なぜそんなことをしたのか自分でもわからないといいます。
ネットでヒーローと称賛され、舞い上がってしまったのかも知れないとも言いました。
それは・・・ちょっと悲しいですね。


杉下右京は人材の墓場
更にカイトの父親で警察庁次長の甲斐峯秋(石坂浩ニ)は、カイトの闇堕ちは右京のせいではと、
カイトは右京の犠牲者ではないかといいます。
ここでの、右京と峯秋の責任のなすり合いのようなシーンも、印象がよくありません。

それはともかく、峯秋の口から「杉下右京は人材の墓場」という言葉が出ました。
『相棒』ではお馴染みのフレーズですが、本来は、警官失格の烙印を押された人間を
偏屈な右京の元に送り込み、やめさせるというニュアンスの筈です。
元々、峯秋が右京の希望を聞き入れ、特命係行きを認めたのはこの意味だったようですが、
今回の流れだと、右京の相棒になると、有望な若者も犯罪者に堕ちてしまう、そんなに意味に思えてしまいます。
これはあくまで甲斐峯秋の見解ですが、今回だけを見れば、外れているとも言いきれません。これもまた衝撃的です。

Photo
『劇場版Ⅲ』のポスターをそのまま利用した、警察官募集のポスター。
「あなた、未来の“相棒”になっていただけますか?」とは、
今となっては、性質の悪いジョークのようです。



右京より峯秋が正しかった!
そして、カイトを見込んでスカウトした右京より、警察官に向いていない、早くやめさせようとしていた父親の方が
明らかに正しかったということにもなります。これも悲しいですね。

これについては、そもそもカイトの幼い頃からの親子関係に問題があるのだから、
右京のせいにするのはおかしいという声もあります。
しかし、少なくとも3年前の時点でのカイトに対する評価は峯秋が正しかった。ダークナイトという結果が実証してしまいました。
この最終回の展開だと、残念ながらそういうことになってしまうのです。


◆伏線なき展開

今回の件で、とにかくよくいわれているのが、あまりに唐突的な展開で「伏線がない」ということ。
まったくその通りだと思います。

そもそも、物語において「伏線を張る」とは、先に展開が決まっていて、
関連した事柄を前のほうでほのめかしておくことをいいます。
今回の場合は、この最終回のストーリーがいつ頃決まったかに関わってきますが、
これだけの衝撃的な展開なのだから、今期『season13』の初めくらいには決まっていて、
入念に伏線を張ってほしかったと思いますが、実際はどうだったのでしょう?

私の印象だと、物理的に事前の伏線など張りようがないくらい、
直前に決まったのではないかとさえ、感じますが。


◆伏線はあるといってくれる人もいる
ファンとはありがたいもので、伏線はちゃんと張られていると言ってくれる人もいます。
でも、今回の場合は無理なこじつけです。

例えば、カイトは自分を抑えきれず、容疑者に殴りかかるようなことがあった、つまり暴力的素養があったいうのです。
これは、番組でも最後に過去のそんなシーンを流してアピールしていました。

しかし、血気盛んな若い刑事が悪質な犯人に殴りかかるのは刑事ドラマの定番です。
『相棒』では初代の亀山薫(寺脇康文)がよくやってました。
2代目の神戸尊(及川光博)は、亀山と対照的な優等生タイプなので見られませんでしたが、
これをもってして、連続暴行事件を起こす伏線だといわれてはたまりません。

特に、カイトの初登場回で容疑者に頭突きをかますシーンが引き合いに出されますが、
この相手は容疑者である前に、カイトの知人で警察官ですから、事情が全然違います。


◆キャラクターのぶれ
伏線を張れなかったのなら、今まで形成されてきた登場人物のキャラクターに沿ってドラマ作りをせねばなりません。
別に今回に限らず、当たり前のことです。

とはいえ、連続ドラマで、まして『相棒』のように複数の脚本家や監督が関わってる場合、
回により、キャラクターに多少のブレが出るのは仕方ありません。
しかし、この最終回では、明らかに許容範囲を遥かに超えていました。

ダークナイトとしての犯行は、法で裁けぬ悪人を成敗する、いわば現代の必殺仕事人。
アンチヒーローとして、ドラマや映画の主人公になれるような面もあります。
(相棒世界には似合いませんが)

しかし、ダークナイトの暴行の手口は、まず急所を攻撃して相手の戦闘能力を奪い、
その後、死なない程度に徹底的に痛ぶるというものです。
いくら悪人相手とはいえ、カイトって、そんなことをする人間だったのでしょうか。
(そもそも、カイトがそんなに格闘術に長けていた印象もありません。この点も唐突です。)


◆最後の重罪
最終回ではダークナイトの模倣犯・種村が殺人事件を起こします。
種村はダークナイトマニア。自分がダークナイトで、過去の事件も全部の犯行と虚偽の自供をします。
カイトは自分が手引きして種村を脱獄させた上で、友人に種村を襲わせ、重傷を負わせました。
このカイトの行動の意味がわからないという声があります。

カイトに好意的に解釈すれば、種村に冤罪を背負わせないためとも取れます。
しかし、自分が演じた闇のヒーロー・ダークナイトに酔って、
種村による犯行は、不細工な模倣であることを示したかった方が強いように思えます

そして、カイトはこの一連の行為で、重大な罪を重ねてしまいました。
警察官の職権を利用して、殺人犯・種村の地検からの逃亡の手引き、
その種村に対する、友人を使っての暴行・傷害教唆。
そもそも、友人を殺人犯にしないために始めたことなのに、その友人を犯罪者にしてしまいました。
そしてそれは、自らのアリバイ作りのためでした。

なんとも姑息・卑劣な行為。
もちろん、この程度の悪党はドラマにはいくらでも出てきますが、
『相棒』シリーズ3代目の相棒として、3シーズン主人公を務めてきた甲斐享とはこんな人間だったのか?
これはさすがにひどい。あり得ないでしょう。

それにしても、カイトがこのような行為に至った事情が多少なりとも描けていれば、
まだ救いようがあったでしょうが、まったく・・・、描くことを放棄してしまったようにさえ感じます。


◆悦子の妊娠と病気の意味が不明
最終回の3つ前、第16話で、カイトの年上の恋人でCAの笛吹悦子(真飛聖)の妊娠と、急性骨髄性白血病の発症が発覚します。
これがカイトの退場の理由になるのか考えた人も当然多かったのです。治療の為に退職して渡米とか。
しかし、その後の2話に悦子は登場せず、最終話で彼女を病院に残したまま、カイトは逮捕されてしまいます。

私も勿論そうですが、悦子の妊娠と病気の意味が解らないという声は大変多いです。
たしかにあの最終回なら、必要ないでしょう。
入院中の悦子がテレビとネット三昧だったから、防犯カメラに映ったダークナイトの正体がカイトと判った面はありますが、
まさかその為でもないでしょうし。

そして、悦子の妊娠と病気とわかった後、カイトはダークナイトとして5件目の事件を起こしています。
この行動に対する疑問の声も多いです。

こうなると、カイト卒業の理由として設定したのだが、インパクトが弱いからと最終回の内容を変更し、
悦子の身体のことだけが無意味に残ってしまったのでは、などと邪推したくもなります。

悦子の立場は、自身が命に係わる重病を抱えた状態で、無事出産できたとしても、子どもの父親は服役中の犯罪者。
この絶望的な状況で終わり、悦子の今後は描かれるのでしょうか?

ネットでは、病気も治り、子どもも産まれ、出所したカイトと一緒のシーンを見たいという優しい声もありますが、
相手に重傷を負わせた6件の暴行傷害に加え、逃亡と暴行の教唆、現職の警察官の犯罪、何年の服役が必要でしょうか?


※カイトの刑期について
以下、2ちゃんねるへの投稿より引用。カイトの服役期間についての考察です。
☆☆☆
逃亡幇助罪は警察官や刑務官などが犯した場合は懲役10年
人質を取られて脅されたなどの情状酌量事由がない場合はほぼ10年の判決が出ると思って間違いない
傷害事件は5件で、どれも重傷だろうから示談が成立していたとしても最高15年が10年になるくらい
日本の刑法では加算ではなくて、1番重い刑罰の1.5倍の量刑だから、検察が求刑できるのは傷害の15年の1.5倍で22.5年まで
検察が懲役20年を求刑したとして、上手くいって15年くらいの判決が妥当かな?
社会に与えた影響が大きいのと、100%利己的な犯行だから満額食らう可能性もあると思う。
★★★


ネット上ではカイトの量刑について過小評価する傾向があるように思えます。この方の考察が妥当ではないでしょうか。
ただ、引用文では傷害事件を5件としていますが、ダークナイトと認定されてない最初の暴行を合わせれば6件です。


◆どういう気持ちで再放送を観ればいいのか?
この意見も多いですね。『相棒』ならではです。
『相棒』は全国的に日中再放送されていて、そこからファンになった人も多いです。
関東地区、つまりテレビ朝日では『相棒セレクション』として、平日毎日アトランダムに放送してきました。
一週間のうちに、3代の相棒を見ることも珍しくなかったです。
しかし、カイトが特命係在任中に罪を犯していたと知ってしまったら、どういう気持ちでカイト期の再放送見ればいいのか。

そんな批判を恐れたのかどうか、最終回放送の18日を最後に、『相棒セレクション』も休止状態です。


◆ラストシーン
最後の空港での右京との再会については肯定的な評価も多いですが、本来出てこれる筈はないところを、
最後まで父親の威光を利用して空港までやってきて・・・、良い印象は持てませんでした。
別に留置場でも、取り調べ室でもよかったと思いますが。


◆なぜ、冒頭からダークナイト=カイトを明らかに?
今回、冒頭でまずダークナイトの5件目の暴行が描かれ、覆面を取って正体がカイトであることが明らかになりました。
この演出についても、なぜ最初からバラすのかと、疑問の声があります。
これについては、なんらかのギミックがあって、実はダークナイトはカイトではないのでは、とミスリードを誘い、
結局そのまま、なんの捻りもなく、やっぱりカイトが犯人でした、という流れでした。

ミスリードを誘っておいて肩すかし。
邪推すれば、冒頭で視聴者をつかんで、チャンネル変えさせない為の仕掛けでしょうか。


まだ書き足りませんが、とりあえずこれくらいにしておきます。
やはり、亀山や神戸のように、これからも右京が誇って時々語ることの出来るような卒業であってほしかったと思います。

 

03

この最終話については、2ちゃんねるのような匿名の掲示板だけではなく、
公式プログのコメント欄にも、「もう『相棒』は見ない」という旨の投稿が多数多く寄せられています。
今回ばかりは、制作の責任ある立場の人に、この作品を作った意図を聞いてみたいと思いました。
また、キャストやスタッフの人達にも。

ただ、この難しい状況下で、俳優さん達はよく演じたと思います。
特にカイト役の成宮さん。こういう屈折した闇を抱えたような役が得意ではあるのでしょうが、熱演だったと思います。
どんな気持ちで演じたのか、想像もつき難いですが。
成宮さんにはこの経験が糧に・・・なるのか判りませんが、他の舞台での活躍を期待しています。

Old Fashioned Club  月野景史

2015年3月19日 (木)

【相棒13】最終回 カイトはダークナイトだった/たしかに“衝撃の結末” 『相棒』はどうなるのか?

相棒シリーズ3代目相棒・甲斐享(カイト)役の成宮寛貴さんの卒業回、
『相棒season13』最終回2時間スペシャル第19話「ダークナイト」の放送が終わりました。

カイトはこの2年間で起こった5件の連続暴行事件の犯人“ダークナイト”だった。
たしかに、衝撃的なラストでした。
ネット上でも賛否両論・・・、いや、さすがに今回は否定的意見が多いようです。
関連My Blog:甲斐享卒業 最終回「ダークナイト」がこれだけ非難される理由を検証する

13_1902

今回の放送にあたっては、番組の公式サイトやブログで、とにかく「衝撃の結末」が喧伝されていました。
前人気を盛り上げる為の誇大宣伝ではとの見方もありましたが、
私は前にも書きましたが、スタッフすら引いてしまうほどのとんでもない幕切れだから、
批判の集中砲火を懸念して、予防線を張っているようにも感じていました。
やはり、そういう面もあったのではないでしょうか。

さて、前にも書いた通り、予告編やメイキング映像を見ると、明らかにカイト=ダークナイトなのですが、
それはミスリードを誘ってるのであって、さすがにないのでは、とも思っていました。
しかし、しっかりやってくれましたね。

しかも、いきなり冒頭からカイトがダークナイトでした。
ただ、これもミスリードの可能性もありかとも思いましたが、そのままでした。


特命係在任中に犯罪者に
2代目相棒の神戸尊(及川光博)も偽証という過去が暴かれたことがありました。
しかしこれは、特命係に着任するはるか以前のことです。

カイトの登場は2012年10月の放送からなので2年半前ですが、設定上はもう少し前かもしれません
(劇中では特命に来て「3年」といわれてます)
ダークナイトとされる最初の犯行が2013年の8月。
その少し前に、通り魔に殺された友人の妹の敵討ちとして最初の暴行事件を起こしていますが、
その妹の三回忌が行われていましたので、妹の死は約2年前。2013年の春頃でしょう。
つまり、カイトがダークサイドに落ちていったのは特命係在任中なのです。

しかも、カイトは初代相棒の亀山薫(寺脇康文)や2代目の神戸、
あるいは、それ以前にやめていった名もなき特命係員達と違い、杉下右京(水谷豊)によるスカウトで特命係に来ました。
そのカイトが在任中に犯罪者に堕ちていったとは。

ネットではこの3年間(3シーズン)はなんだったのか、全否定するようなものではないか?
そんな不満も上がっています。
今回、たまたま起こしてしまったのではなく、右京と共に様々な事件を捜査してきたこの2年間、
継続的に罪を犯していたというのですから、当然の不満でしょう。

細かい指摘をすると、特命在任中のカイトの友人の妹が通り魔に殺され、その犯人が暴行を受け重傷、
という事件が起こっているのに、右京が何も思わなかったというのも不思議ですが。


伏線なき結末
多く指摘されているのが、これだけ衝撃的なラストが用意されているのに、
今までの回で、なんの伏線も張られていなかったことです。
(こじつければなくもないでしょうが、無理があると思います。)

ダークナイトに襲われたのは暴力団員か、それに準ずる連中ばかりでしたが、
カイトは今までの回で、こういった連中とあまり絡んでないし、どう思っていたかもよくわかりません。

伏線なくこの展開だったからこそ、より衝撃的であったともいえますが。

少し前、第16話でカイトの恋人の笛吹悦子(真飛聖)の妊娠と病気発覚がありましたが、
これは必要だったのでしょうか?
闘病しつつ、できれば子どもも産みたいというところでしょうが、夫となる人間が重罪で逮捕とは。
やりきれなさ、絶望感が増すばかりです。

そもそも、この最終話のストーリー展開、そして結末はいつ頃決まったのか?
気になるところです。
正直な感想をいえば、直前に決まったストーリーで、伏線など張りようもなく、唐突な印象になってしまった。
そんな風にも思えます。


犯行の動機・理由

カイトの最初の暴行事件の動機は、妹を殺された友人に代わっての敵討ちであり、
友人を殺人犯にしないためでした。
取り調べにあたった大河内監察官(神保悟志)も言っていたように、ここまではわかります。

しかし、その後の5件については・・・、劇中でも色々言われてましたが、明瞭ではなかったですね。
カイトの行為は、いわば『必殺仕事人』みたいなことではあります。
どうもカイトは、周囲の人達に迷惑をかけたことは反省しているが、犯行そのものを悔いてはいないようにも思えます。
それならば、「法で裁けぬ悪人を成敗した」と開き直った方が、まだスッキリしたかと思いますが、
自分でもよくわからないみたいな言い方でしたね。

ネットでヒーローみたいに称賛され、舞い上がってしまったのか。
父親で警察庁次長の甲斐峯秋(石坂浩ニ)が言うように、右京へのコンプレックスなのか。
展開が無理過ぎて、納得できるような理屈付けができなかっただけのようにも思います。


最後の重罪

そして最後に、自らの身代わりとして、友人を暴行犯にしてしまいました。
そもそも、友人を犯罪者にしない為にやった行為が発端だった筈なのに。
カイト自身も暴行教唆ということになるのでしょうか。

更に自分は、模倣犯(殺人犯)の脱獄・逃亡の手引きまでてす。警察官の立場を利用して。
暴行6件に加えてのこれですから、一体どれほどの量刑になるのか?

ダークナイトとしての悪人への暴行だけなら、見様によっては一種のアンチヒーローです。
最終回で描かれた一連の行為が、姑息で嫌な印象を与えてしまっています。


特命係は、そして『相棒』はどうなる?
カイトは懲戒免職で逮捕、右京は無期限の停職となり、海外へ旅立ちました。
この後はどうなるのでしょう?

まず物語内の話ですが、
元々、いつ廃止されてもおかしくない窓際部署。
しかも、右京自身がスカウトした若い部下が在任中に重罪を犯した。
特命係は廃止が当然でしょう。
存続した上に、新しい部下が配任されるのは、考え難いです。

ただ、そこはフィクションのテレビドラマ。理屈付けはどうとでもなるかも知れません。

しかし、不条理、後味の悪さ、やりきれなさも『相棒』のテイストではありますが、
軽妙なやりとりも大きな魅力です。
今までと同様にシリーズを続けられるのか。
2015年10月に新相棒を迎えて『相棒season14』としてスタートするのでしょうか?

最終回の視聴率は20.3%。2年ぶりの20%越えとなったようです。
http://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2015/03/19/kiji/K20150319009994220.html
この高視聴率の国民的人気ドラマをやめるとも思えませんが、どうなりますか?


諸々には目をつぶり、この回だけを見れば、成宮さんは熱演でした。
この人は、こういう役の似合う俳優なのでしょう。

Old Fashioned Club  月野景史

2015年3月18日 (水)

【相棒13】最終回「ダークナイト」のあらすじ公開/執拗に闇の騎士を追うカイトの真意は?

『相棒season13』3代目の相棒・甲斐享(カイト)を演じる成宮寛貴さんの卒業回、
最終回2時間スペシャル第19話「ダークナイト」は、3月18日(水)20:00~22:09に放送です。
一昨日のブログで展開予想等、色々と書きました。

放送は終了しました。こちらに感想など記しています。

13_1901_2

その最終話の、公式サイトにも載っていない、
途中までの詳しいあらすじがネットのニュースサイト等で公開されています。


以下、「ORICON STYLE」より引用。
☆☆☆
「ダークナイト」と呼ばれる人物が世間を騒がせていた。ここ2年半の間に暴力団をはじめとする社会的に話題となった事件の犯罪者たちを次々に独自の正義感で制裁する人物だ。殺すには至らないがそれなりの重傷を負わせ、闇のヒーローとして世間から喝采を浴びていた。右京はダークナイトを「間違った正義」だとして好感をもてない様子でいた。

ある日、都議会議員の辻堂匡臣(岡崎宏)が殺害される事件が発生。鑑識課の米沢(六角精児)の話によると、殺された辻堂の死因は行き過ぎた暴行による内臓破裂だった。現場の警備員の目撃証言から、逃走犯の独特の服装からこの事件はダークナイトの犯行と思われた。

「とうとうダークナイトが人を殺した」という捜査一課の伊丹(川原和久)や芹沢(山中崇史)らの見解に対し、今回の殺人事件はダークナイトの模倣犯の仕業だと主張する享。これまでのダークナイトの犯行が、最初の一撃で急所を捉え、ほどほどに痛めつけるというものであったのに対し、今回は執拗(しつよう)に殴る蹴るという行き過ぎた暴行の末、殺してしまったことから、人間を殴り慣れていない人物、つまりは別人ではないかと推測されるからだ。

過剰な暴行で、恐らく本当の犯人自身も負傷していると推理した右京と享は、都内の医療機関を調べあげ、種村和真(瀧川英次)という人物にたどりつく。翌日、訪ねて行った特命係ふたりに種村は自分こそがダークナイトだと告白する。種村の自宅からダークナイトの服装が押収され、種村が自身こそがダークナイトであることを認めているにもかかわらず、納得のいかない享は、種村はやはり模倣犯ではないかと主張。それを証明するために独自に調査を始める。時おなじくしてその頃、身柄を拘束されていた種村が地検の支部から逃走。右京は種村の行方を追うが、その種村が何者かに襲われ、緊急病院に搬送される。 
http://www.oricon.co.jp/news/2050143/
★★★

おや?
公式サイトの予告では、ダークサイトが現れてから「2年足らず」とされていますが、
このあらすじでは「2年半」になっています。
2年半だと、カイトの登場時期とぴったり重なってしまいますが・・・。


さて、このあらすじを読むと、ダークナイトによるとされる直近の暴行事件について、
カイトは模倣犯と確信し、執拗に捜査を行うようですね。
途中から右京と離れて、単独行動を取るようです。

これは、カイトがダークナイトについて何かを知っていることを暗示していますが、
一方で、普通にダークナイトの正体がカイトだというのも無理が出てきます。
あるとすれば二重人格か。

とにかく、前回のブログにも書いたように、
今回は公式サイトやブログで、くどいほど「衝撃的」と謳っています。

これは、単に前人気を煽るというよりも、
スタッフさえ引いてしまうような、とんでもない終わり方なので、
批判を恐れているようにすら感じてしまうのですが・・・、考えすぎでしょうか。

国民的人気ドラマで、足かけ3年間主人公を務めた刑事が、罪を犯して退場などと、
普通はあり得ないのでしょうが、どうもこの喧伝の仕方を見ると、もしかしたらと思ってしまいます。

一方で、上のあらすじを読むと、ダークナイトは戦闘術の熟練のプロのように思えます。
警察官だってそうでしょうが、普通の警官よりも自衛官、機動隊員のような感も受けます。
まさか『相棒 -劇場版III- 巨大密室! 特命係 絶海の孤島へ』との関係が?
この映画は公開は2014年4月ですが、劇中の舞台は、更にその1年ほど前なのです。
公式にある、ダークナイトが現れて「2年足らず」というのとは、符号しますが・・・。

ともかく、もう放送は今夜。どうなりますか?

Old Fashioned Club  月野景史

2015年3月16日 (月)

【相棒13】甲斐享最終章「ダークナイト」/シリーズ最大の衝撃的ラストとは? 3月18日放送

『相棒season13』
相棒シリーズ3代目の相棒・甲斐享(カイト)を演じる成宮寛貴さんの降板は既に発表されています。
その卒業回となる、最終回2時間スペシャル第19話「ダークナイト」は
3月18日(水)20:00~22:09に放送です。

13_19

放送は終了しました。感想など記しています。

劇中で、カイトがどのような理由で特命係を去るかは明らかになっていません。
さて、どんな展開になるのでしょう。

以下、公式ブログからの引用です。
「衝撃のラスト…具体的なことがまだお知らせできないので
抽象的な表現になってしまうのですが、
本当に衝撃的なラストで卒業する甲斐享を、見守ってください。」
「相棒シリーズ始まって以来の、衝撃の結末が待っています。」


次は公式サイトの予告より。
「あなたが目撃するのはシリーズ始まって以来の衝撃的な結末!」

随分、衝撃のラストを強調していますね。
一体、何がそんなに「衝撃的」だというのか?

過去2人の相棒の退場の理由は、
初代の亀山薫(寺脇康文)は警視庁を退職。
2代目の神戸尊(及川光博)は警察庁へ異動。

カイトはもしかしたら殉職では? とは早い段階から噂されてきました。
昔の刑事ドラマならば、若手刑事が殉職で降板というのは、いわば定番でしたが、
『相棒』でカイトが死ぬとなれば、たしかに衝撃的です。

そこに、第16話でカイトの恋人笛吹悦子(真飛聖)の妊娠と急性骨髄性白血病発症が明らかに。
悦子の病状は・・・、しかし、続く17話と18話に悦子は登場しませんでした。
そんな混沌とした状況で迎える最終話です。


最終第19話のサブタイトルは「ダークナイト」・・・「暗い夜」?
いえ、nightではなくknight、「暗闇の騎士」でしょう。

ならば、バットマンシリーズ2009年の映画と同じですね。

公式サイトより。
「犯罪者だけを狙った連続暴行事件が発生。犯人は、警察の手が及ばない隠れた悪党に制裁を加える「ダークナイト」と呼ばれる人物と思われた。ダークナイトは、ここ2年足らずの間に、制裁目的と思われる同様の事件を5件起こしており、世間の注目は高まるばかり。右京(水谷豊)も、ダークナイトが一体何を目指しているのか興味をひかれている様子で、独自の捜査に乗り出す構えだった。」


まさか、カイトが連続暴行犯!?
法で裁けぬ悪に制裁を加える“ダークナイト(闇の騎士)”。
予告編やメイキング映像を見ると、その正体がもしかしたらカイトではないかとも思えるのです。
例えば、以下のような点が気になります。

・カイトが直近のダークナイトによるとみられる事件を模倣犯と指摘。
 (自分がダークナイトだから、それがわかるのでは?)
・右京が、カイトをかつて見られないほど激しく叱責するシーンがある。
・大河内監察官が会見を行っている=(捜査上の失態ではなく)警察官の不祥事。
・特命係の部屋に伊丹、芹沢、米沢、角田が集まり、お馴染みの名札は右京だけ(カイトの名札は外されている)。
 その状況で、米沢が「バカ野郎ですな」とつぶやく。

そして、予告を見る限り、カイトの殉職や悦子の病死の気配はあまり感じられません。
それ以外で、衝撃の展開となると・・・?

果たして、カイトは連続暴行犯「dark knight」なのか?
カイトが模倣犯と指摘する、直近以外の事件の被害者や暴行内容が明かされてないのも気になります。


しかし、これは思わせぶりにミスリードを誘っているようにも思えます。
2代目相棒の神戸も、過去に偽証をしていたという衝撃の事実が明かされた事があります。
ですが、さすがに相棒役が連続暴行犯とは・・・、考え難いです。

神戸の偽証は特命係に着任するはるか昔の話でした。
たいして、カイトがこの2年足らずに起きた暴行事件の犯人だとしたら、
この3シーズンの全否定とも取れる事件です。
ですが、それをやってしまうのもまた『相棒』。可能性がゼロとも言い切れません。

しかし、公式プログには「甲斐享の三年間の集大成、お見逃しなく!」ともあります。
“三年間の集大成”が、その終わり方というのも想像し難いです。
それに、その場合悦子の病気がどう関わるのかが不透明ですね。


悦子の妊娠と病気、甲斐ファミリーはどうなる?
他に、悦子の移植手術のために、カイトも退職して海外に渡るのではという見方もあります。
しかし、悦子の病気自体が最終回で明かされるのならともかく、
既に判っている事なのだから、それほど衝撃的とも思えません。

また、どのような展開になるにせよ、悦子はカイトと一緒に卒業でしょうが、
カイトの父で、警察庁次長の甲斐峯秋(石坂浩ニ)はどうなるのか?
更には、ダークナイトの正体は、存在が語られているだけで、登場してはいないカイトの兄ではとの予想もあります。

もちろん、予告やメイキング映像にそれらしいシーンがなかったからといって、
カイト殉職の可能性を完全に否定することもできません。


そして、他にもまだわからないことが。
メイキングには、右京が飛行機に乗っているシーンがありました。
右京が海外へといえばロンドンが定番ですが、このタイミングでなぜ、どこへ行くのでしょう。

特命係の消滅説も出ています。
たしかに衝撃的ですが、『season1』で既にやってはいます。
この時は、『season2』早々に復活しました。

もしかしたら、『相棒』シリーズそのものが終わる!
それが一番衝撃的でしょうが、高視聴率を維持する国民的人気ドラマが、まさかないでしょう。

かかる混迷の中、さてどのようなラストを迎えるのか。
放送も間近となりました。

Old Fashioned Club  月野景史
関連My Blog:甲斐享卒業 最終回「ダークナイト」がこれだけ非難される理由を検証する


以下、公式サイトより引用
http://www.tv-asahi.co.jp/aibou/contents/story/0019/
☆☆☆
ついに甲斐享、最終章。
犯罪者だけを狙った連続暴行事件が発生。犯人は、警察の手が及ばない隠れた悪党に制裁を加える「ダークナイト」と呼ばれる人物と思われた。ダークナイトは、ここ2年足らずの間に、制裁目的と思われる同様の事件を5件起こしており、世間の注目は高まるばかり。右京(水谷豊)も、ダークナイトが一体何を目指しているのか興味をひかれている様子で、独自の捜査に乗り出す構えだった。そんな中、政務活動費の不正流用疑惑が持ち上がっている都議会議員が暴行される事件が起こる。目撃証言などから犯人はダークナイトと思われたが、今回は被害者が初めて死亡してしまう。享(成宮寛貴)は模倣犯の可能性を疑うが、右京はその説を「全面的には支持できない」としながらも、被害者がこれまでの人物像とは違う上、犯行が殺人にまでエスカレートしていることに違和感を覚えていた。
果たしてダークナイトとは一体何者なのか? それは正義か?悪か?
右京と享、相棒としての3年の月日が問われる最後の事件!
あなたが目撃するのはシリーズ始まって以来の衝撃的な結末!
★★★
目撃するのはシリーズ始まって以来の衝撃的な結末! ★★★

2015年3月 9日 (月)

【美術展】「パスキン展 -生誕130年」 汐留ミュージアム/世界を旅した波乱の画家

パナソニック 汐留ミュージアムで3月29日まで、
「パスキン展 -生誕130年 エコール・ド・パリの貴公子-」が開催中です。

2015

パスキン展 -生誕130年 エコール・ド・パリの貴公子-
2015年1月17日(土)~3月29日(日)
パナソニック 汐留ミュージアム、

主催:パナソニック汐留ミュージアム 東京新聞
後援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本、駐日ブルガリア共和国大使館、港区教育委員会協力 ヤマトロジスティクス 


ジュール・パスキン
Jules Pascin、本名 ユリウス・モルデカイ・ピンカス(Julius Mordecai Pincas)
1885年3月31日 - 1930年6月5日


ブルガリア人の画家。
「エコール・ド・パリ」といわれる、
主に1920年代にパリに集った異邦人芸術家たちを代表する画家です

しかし、パスキンはバリに留まらず、世界を歩いた画家でもありました。

ブルガリアに生まれたパスキンはバリに渡る前、
まずミュンヘンで若くして素描の才能を認められ、
時代と風俗を鋭く写し取った風刺画で雑誌の専属画家として活躍します。
パリに登場する前に、既に風刺画で名を成した。特異な経歴です。

パリに移住後、本格的に油彩画に取り組みながら同時に書籍の挿絵なども手がけます。
そして、第一次世界大戦を回避して一度パリを離れ、今度はアメリカに渡ります。
ここでは、旅した中米各地の風土から影響を受けた作品を生んでいます。

1921年にパリに戻り、モンマルトルに居を構えたパスキンは、
ここでエコール・ド・パリの寵児となるのです。

多くの傑作を生むと共に、華やかな生活を享受したパスキンでしたが、
やがて複雑な恋愛関係もあってアルコール依存症と鬱病に苦しむようになり、
1930年、45歳で自らの命を断ちました。
“波乱の人生” そんな形容が当てはまるどしょう。


本展はパスキンの画業全般をほぼ俯瞰できる貴重な機会です。
ポンピドゥー・センター、パリ市立近代美術館、ヨーロッパ個人コレクションと、
珠玉のセレクションによるパスキンの回顧展。

全盛期であるエコール・ド・パリ期の1920年代の充実した真珠母色の作品群とともに、
ミュンヘン時代の素描、初期の油彩やアメリカ時代の秀作に加え、
版画やパステルなど多彩な作品が揃います。

会期も残り少なくなりました。
興味のある方はお見逃しなく。

Old Fashioned Club  月野景史

2015年3月 8日 (日)

【相棒13】カイト卒業を間近に控え、片山雛子(木村佳乃)が3年ぶりに登場

『相棒season13』も3月11日と18日の2回の放送を残すのみ。
甲斐享(=カイト 成宮寛貴)の卒業を控え、
ラス前となる第18話「苦い水」には国会議員の片山雛子(木村佳乃)が、
テレビシリーズでは3年ぶりに登場します。

13_18

『season3』(2004年~5年)の第1話~3話で初登場した雛子はその後セミレギュラーとなりました。
杉下右京(水谷豊)や亀山薫(寺脇康文)、神戸尊(及川光博)ら歴代の相棒達とも因縁深いギャラクターです。
前回の登場は2012年3月の『season10』最終話、2代目相棒神戸の卒業編でした。

ただ、実はその後に劇場版映画に1度出ています。
2013年3月公開のスピンオフ作『相棒シリーズ X DAY』です。
これをカウントすれば2年ぶりの登場ということになりますが、
しかし、この作品は劇中の時系列でいうと、神戸が特命係を去ってから、
カイトが異動してくるまでの間の2012年6月頃の設定です。
つまり、雛子がカイトが絡むのは、今回が初めてになるのです。


なぜ今、雛子が?
エリートタイプで切れ者の雛子は、
今期から登場している社美彌子(仲間由紀恵)とキャラがかぶる面があります。
美彌子にバトンを渡して、雛子はフェイドアウトかと思ってもいたのですが、
なぜ、カイトの卒業を間近に控えて再登場するのでしょう。

このタイミングで雛子を出してきたということは、
彼女はカイトの退場に関係するのでしょうか?

それとも、雛子自身になんらかの決着がつけられるのか?
雛子は、目的のためにはかなり危ない橋も渡り、のし上がってきました。
予告によると、この3年ほどで更に確固たるポジションわ築きつつあるようです。
公式サイトでは、右京と雛子の「対決」と告知されています。
ネット上では、彼女が逮捕される可能性も指摘されています。


関東地区では18話の放送を間近に控え、
3月9日と10日の午後の「相棒セレクション」で、
雛子が初登場した『season3』第1~3話の「双頭の悪魔」3部作を一挙再放送します。
この3部作は木村佳乃さんの他にも、津川雅彦さん、竹中直人さん、西村雅彦さんと、
主演級俳優がゲスト出演するシリーズ屈指の豪華編ですので、
未見の方はお見逃しなく。

Old Fashioned Club  月野景史


公式サイトより 第18話あらすじ
http://www.tv-asahi.co.jp/aibou/contents/story/0018/
☆☆☆
都内の小さな公園で、饗庭丈弘(伊嵜充則)という左官工をしていた男性の遺体が見つかった。第一発見者は、特命係の追及をかわし続け、政治の裏側で暗躍してきた国会議員の片山雛子(木村佳乃)。彼女はいまや、初入閣が噂されるほどの確固たる地位を築いており、また、日本有数の資産家の御曹司・桐山友哉(藤重政孝)と結婚の約束をしているという噂があった。

一方、鑑識の結果、饗庭の死因はアレルギー反応によるショック死であることが判明。彼が死の直前、桐山のことを調べていたことも分かる。右京(水谷豊)と享(成宮寛貴)は、雛子から直接事情を聞こうと接触するが、取り合ってもらえない。さらに、彼女の圧力で事件は事故扱いとなり、捜査一課も手出しできない状況に。それでも右京たちは捜査を継続。饗庭の周囲を探ると、意外な事実が浮かび上がってくる。

被害者と資産家御曹司の意外な接点とは?
雛子は事件とどうかかわり、何を知っているのか?
右京と雛子の対決が、驚きの結末へと繋がる!
★★★

« 2015年2月 | トップページ | 2015年4月 »

フォト
2024年8月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
サイト内検索
ココログ最強検索 by 暴想
無料ブログはココログ