【美術展】『オルセー美術館展 印象派の誕生』国立新美術館/マネとモネの競演! 他にも見所多し
六本木の国立新美術館で『オルセー美術館展』が10月20日まで開催中です。
ロングラン開催ですが、会期もそろそろ後一ヶ月というところです。
オルセー美術館展
印象派の誕生 ―描くことの自由―
Naissance de l'Impressionnisme : La liberté de peindre. Collections du musée d'Orsay
2014年7月9日(水)~10月20日(月)
国立新美術館 企画展示室2E (東京・六本木)
主催:国立新美術館、オルセー美術館、読売新聞社、日本テレビ放送網
http://orsay2014.jp/
上のポスターにも使用されている本展の看板作モネ『草上の昼食』が9月20日放送の『美の巨人たち』で取り上げられます。
http://oldfashioned.cocolog-nifty.com/blog/2014/09/920-0584.html
オルセー美術館
芸術の都、フランスはパリの美術の殿堂「オルセー美術館」。
1986年の開館なので、意外と新しい美術館です。
パリの美術館というば、ルーブル美術館が有名です。
パリのみならず、世界一有名な美術館と呼んでいいでしょう。
オルセー美術館とは、所蔵作品の制作年代で住み分けされています。
オルセーには原則として2月革命のあった1848年から、
第一次世界大戦が始まる1914年までの作品を展示されています。
それ以前の作品はルーヴル、
そしてそれ以降の作品、つまり現代美術はポンピドゥー・センターに収められています。
19世紀中盤から20世紀初頭といえば、パリが芸術の都として大輪の花を咲かせた時代。
そして、特にその時代を象徴する言葉「印象派」。
この展覧会は印象派の、その誕生に焦点を当てています。
オルセー美術館展
印象派の誕生 ―描くことの自由―
本展にはそのオルセー美術館から名画84点が来日しています。
その中でエドゥアール・マネの絵画が11点、一挙公開されています。
近代絵画の祖と称されるマネは、「印象派の父」とも呼ばれます。
しかし、マネ自身は印象派には分類されないことが多いです。
これが、絵画のジャンル分けのややこしいところでもあります。
簡単に言ってしまえば、マネは印象派の画家達を導いたリーダー的役割を果たしましたが、
彼らの催した印象派展には出展しなかったことが大きいです。
本展はそのマネの作品の比率が高いこと、
また印象派に先行する写実主義の名画の展示も多いことから、
「印象派の誕生」と名付けられたのでしょう。
エドゥアール・マネ『笛を吹く少年』(1866年)
本展の看板作品。マネの代表作。
テレビ東京系『美の巨人たち』で取り上げられた際にレビュー、よろしればご覧ください。
http://oldfashioned.cocolog-nifty.com/blog/2011/07/730-47e5.html
クロード・モネ 『草上の昼食』(1865-66年)
これも本展の看板作。まさに大看板です。
こちらはモネ。
「マネ」と「モネ」、西洋絵画初心者が戸惑うポイントです。
マネは前述のように「印象派の父」ですが、本人は印象派ではない。
一方、モネは印象派の象徴的な存在。
なにしろ、「印象派」の命名は、モネの作品に由来するのですから。
そして『草上の朝食」といえば、マネにも超有名な作品がありますね。
こちらも『美の巨人たち』で取り上げられ、このブログにも記しました。
http://oldfashioned.cocolog-nifty.com/blog/2012/10/106-7aba.html
しかし、さすがオルセー展! 見どころが多いです。
印象派以外にも見逃し難い作品は多くあります。
印象派と同時代で対極に位置する、アカデミズム絵画の巨匠ブグローやカバネルの作品も。
アレクサンドル・カバネル『ヴィーナスの誕生』(1863年)
このような絵をアカデミズム絵画、アカデミック絵画と呼ぶのです。
ちょっと不思議ではありませんか?
ともかく、見どころ多々。是非お見逃しなく。
Old Fashioned Club 月野景史
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